やっと散歩(エスカルゴにとってはデート)に出かけることになるが…。
ふぅ…かなり時間がかかったな…。
カルゴ「フラン。散歩、どうする?」
フラン「もちろん行く!」
ピンポーン
2人「え゙」
咲夜「あら、またお客様かしら…」
咲夜さんは小走りでまた玄関へ…。
行ったり来たり大変そうだ…。
が、すぐ戻ってきてこう告げる。
咲夜「エスカルゴさんに会いたいと言っているお客様が数名…」
カルゴ「なっ…」
文が来たから私も私も、と…?
もしそうなら、そういうところは人間と変わらないんだな…やれやれ。
フラン「やーだー、エスカルゴは私と散歩行くのー!!」
フランはダダをこねる。
その姿はなんとも愛くるしい。
カルゴ「えっと…そういうことです…」
咲夜「わかりました。そう伝えて来ます」
そう伝える…?大丈夫か…?
フラン「えへへ、これでやっとお散歩行けるね!」
カルゴ「そうだね。でもその前に日傘借りなきゃ…」
フラン「あぁ、暫く室内に居たからすっかり忘れてた…」
危ない危ない…。
カルゴ「さっき、二人きりって言ってたけど、二人きりってことは咲夜さんも無しってことでしょ?大丈夫かな?」
フラン「大丈夫だよ♪」
カルゴ「そっか♪…それにしても、咲夜さん遅いなぁ…。どうしたのかな?」
フラン「さぁ…」
咲夜「遅くなりました。本日は予定がある、と伝えておきました」
フラン「流石咲夜♪」
カルゴ「ありがとうございます。ところで咲夜さん、日傘ってどこでしょうか?」
咲夜「日傘なら私がお持ちしますよ」
フラン「二人きりでお散歩するのー!」
カルゴ「日傘は俺が持つので大丈夫ですよ」
咲夜「わかりました。ただいまお持ちします」
カルゴ「お願いします」
タタタ…
小走りで日傘を取りに行く。
フラン「楽しみだな〜♪」
カルゴ「フフッそうだね」
俺は元人間なので、男女が二人きりで散歩と言うとどうしてもデートだと思ってしまう。つまるところ、フランは散歩と言うが、俺にはデートなのだ。
フラン「あっ、咲夜来た!」
あれ、今行ったばかりじゃん。
近くに置いてあったのかな?
考え事してて見てなかった…。
咲夜「お持ちしました。こちらです」
繋いでる手を離し、日傘を受け取る。
うーん…二人入るには少々小さくないか…?
これは恐らく一人用だろう。
カルゴ「あの、この傘…」
少し小さいので大きめのと交換して欲しい、と言おうとして気付いた。
レミリアが外出する時は、咲夜さんが傘を持っているではないか。あの傘は一人用だ。
じゃ、あの傘がこれなのかもしれない。
小さいということは、自然と俺とフランの距離も縮まる訳で……。
咲夜「どうかしましたか?」
カルゴ「あ、いえ。ありがとうございます」
フラン「ありがとう、咲夜♪」
咲夜「いえ。では、お気をつけて」
2人「行ってきまーす!!」
再び手を繋ぎ、外に出る。
フランの左手、俺の右手で手を繋ぎ、俺の左手で傘を持つ。出来るだけ真ん中に来るように気を配る。
門まで来た。美鈴はまた寝ている。
なぜこんなに眠れるのか、ホントわからない。
いや、俺が人間だった頃は、ほとんどの休日は昼や夕方まで寝てたし…俺も似たようなものか。
しばらく歩いた。
さて、元気よく紅魔館から出たものの…なにしようか?フランにはなにかしたいことがあるのだろうか?ほんとにお散歩だけ?
だとしても、とても嬉しいが。
フラン「ねー、なにする?」
カルゴ「う〜ん…」
むむ…そう来たか…。
パッと一つの案が浮かぶ。
カルゴ「湖の周り散歩したり、まったり水辺を眺める…とかは?」
肩を寄せ合い、水辺を眺め、まったり過ごす男女…悪くない…。
フラン「えぇ〜、それだけじゃつまんない〜!折角館から出たのに!」
うぐ…確かに…。
そうだ、フランは体を動かしたり弾幕勝負したりするのが好きなんだ。
でも、昼間の外だとそれは出来ないな…。
傘を持ちながらだと難しいし、そもそも傘は一つしかない。
その時だ。
???「てぇい!!」
ガスッ
カルゴ「あいてっ!なんだ!?」
後頭部に攻撃。
思わず前に倒れそうになるがなんとか踏みとどまる。攻撃が来た方向…後ろを振り返る。
フラン「え、エスカルゴ大丈夫!?」
カルゴ「う、うん…つーかあいつって…」
青と白の服を着た幼女が、腰に両手を当てがい高らかに笑っている。
???「はっはっはー!どーだ、参ったかー!」
チルノではないか。
???「ハァ…ハァ…チルノちゃん!やめてってば!」
やはりチルノか…。
今後ろから追いついてきたのは大妖精か。
チルノが言うこと聞かなくて苦労してるという感じだ。
チルノ「吸血鬼にも勝ったわ!やっぱりあたいはさいきょーね!!」
うわぁ…ほんとにこんなキャラだったのか…。
ちょっと驚きだ。
大妖精「吸血鬼さん、ご、ごめんなさい!」
大妖精が謝る。
カルゴ「あ、俺は大丈…」
⑨「大ちゃん、こんなやつに謝ることないよ!あたいがさいきょーだってことをしょーめーするためのどだいなんだから!」
チルノは胸を反らしドヤる。
ど、土台って…。
大妖精「もう!チルノちゃんのバカー!ちょっとくらい力強くても、吸血鬼が本気出したら私やチルノちゃんなんてすぐやられちゃうんだよ!?わかったらもうこんな危ないことやめて!!」
あの大人しい大妖精が声を張り上げている。
どうやら本気で心配している様だな。
俺らは黙ってその様子を見守る。
チルノ「………」
流石のチルノも、大妖精にそう言われてシュンとなる。
チルノ「…わかったよ…帰ろ、大ちゃん…」
意外と聞き分けいいんだな…。少し感心したぜ。
が、その時…。
フラン「ダメよ!まだ帰らせないわ!私のエスカルゴに手を出したんだから、お仕置きよ!」
私の、って…!可愛いなぁもう…。
フランが俺の為に怒って…。
いや、そーじゃなくて!!!
カルゴ「いや、フラン、もういいって!あいつも反省してるみたいだし!な!?」
フラン「そう言っても、またやるに決まってるわ!」
あわわ…どうしよ…。
止めたいが…フランは頭に血が上ってるようだ。
聞いてくれようとしない…。
トントン、と腰を叩かれ、そちらを見るとフランがボソボソッとこう囁く。
フラン「大丈夫よ、軽く1発殴るだけだから」
ああ、ガチギレしてるわけではなさそうだ。
よかったよかった。でも、軽く殴るって……。
フランの「軽く」は決して軽くないんだが…。
カルゴ「そ、それなら…大丈夫…かな?」
フラン「いいでしょ?」
カルゴ「う…うん…」
思わずOKしてしまったが大丈夫か?
力加減は出来る子だから大丈夫か。
フラン「さ、1発食らってもらうわよ!」
チルノ「い、痛いのはヤだよ…」
フラン「先に悪いことしたのはどっち?」
フランは、諭すように優しくそう言う。
まるで幼稚園の先生が園児に注意するときのそれだ。
チルノ「あ、あたい…」
フラン「なら、お仕置きしないとね」
チルノ「う、うん…」
どうやら観念したようだ。
これに懲りてくれたらイタズラも無くなるだろう。
…なんか大人っぽくない?
より幼いチルノがいるからそう思うだけ?
フランは傘から飛び出し…
フラン「フンッ!」
ボグッ
殴り、すぐ傘に戻る。
フランはチルノに腹パンしたのだ。
うあぁ痛そう…。
思わず目を閉じてしまった。
チルノ「ぐぇぇぇ…」
チルノは後ろに吹っ飛び、大妖精が駆け寄る。
大妖精「チルノちゃん、大丈夫!?」
チルノ「う、うん…もうあいつにはこんな事しないぃ…」
大妖精「よかった…」
大妖精はチルノの無事を確認し、ホッとしたようだ。
でも、「あいつには」って言ったよーな…。
大妖精「すいませんでした!」
大妖精がまた謝る。
カルゴ「大丈夫だよ」
フラン「もうこんなことさせないことね」
大妖精「はいっ!」
フラン「さ、行きましょ」
カルゴ「え…あ、あぁ…」
チルノと大妖精を置いて、また歩き出す。
行くあてもない。
カルゴ「…なにする?どこかに行く?」
今度は俺がフランに聞く。
フラン「どうしようかしら?まぁ、歩きながら考えましょ♪」
カルゴ「そうだね」
しばらくして、俺は一つの案が浮かんだ。
だが、確信が持てないため黙っていた。
なんかフラン大人っぽくなった!
恋人とかを意識し始めたからかな?…
チルノの襲撃(?)を難なく突破したエスカルゴたち。
そして、エスカルゴが考えついた案とは…?
次回、散歩とデートは似て非なるもの?(帰宅)お楽しみに!