※この作品はR-18です。

吸血鬼人間の幻想生活   作:エスカルゴ・スカーレット

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その子、樹理愛

 少し突然だけど、山の英雄エスカルゴの七女ことこの私、東風谷樹理愛!いつもの繰り返しばかりでつまんないから、異変を起こしたいと思います!!

 というのもママ……守矢神社の風祝兼祭神の東風谷早苗が、かなりの過保護なせいでつまんないから!

 いつもいつも、人里に布教へ行ったり修行する。もしくはそれすらも無い日。凄くつまんなすぎる。

 巫月お姉ちゃんは寺子屋に通っているみたいだし霊愛お姉ちゃんは本屋とかにも行っているらしい。しかも自分1人でお出掛けできてるとか。

 穹お姉ちゃんだって1人でお出掛けは当たり前。弦月姫お姉ちゃんは紅魔館で働いてるけど買い物を任されたら1人で買い出しに行く事もあるってさ。

 妖舞お兄ちゃんが里に来る時はママの妖夢さん、お祖父ちゃんの妖忌さんと一緒な事が多いらしい。それでも1人でお出掛けする事もある。守矢神社に遊びに来るし、紅魔館に弦月姫お姉ちゃんに勝負を挑みに行くらしいし、最近は末っ子の霊魔を遊びに誘う事もあるって穹お姉ちゃんから聞いた。

 霊麗お姉ちゃんも、霊愛お姉ちゃんと変わらない生活を送ってる。私と数ヶ月違いの同い年なのに。

 茜お姉ちゃんなんて、外の世界に留学?ってのをしたみたいで、今はもう幻想郷、いや幻想郷近くの異世界にすら居ないみたい。

 なら……私は?

 私は、何をして毎日を過ごしてるんだっけ。

 朝起きて、ご飯食べて、風祝(ママ)のお仕事の手伝いをして、人里に布教活動に行ったついでにお買い物。1人でのお出掛けは禁止されてる。

 というのも、妖怪の山と守矢神社は協力関係にはあるものの、天狗の中にはたまにロクデナシが居るせいで、山や山の周辺は危険だから……らしい。

 攫われた事もあるし、心配になるのも分かる気はするけど、それにしても厳しすぎる。

 妖舞お兄ちゃんがここに遊びに来てくれなきゃ、遊び相手の方から守矢神社に来てくれる事はあまり無いんだから。

 

「はぁ……」

 

「ん?どーしたのかな樹理愛?まだおねむかな?」

 

「え、えっ、と……そーじゃないんですけど……」

 

 諏訪子様が覗き込むようにして話し掛けてくる。異変を起こすつもりだって言ったら、諏訪子様は、何て言うんだろう。

 産業革命?とか、そういう仕事(・・)に関しては自分で動くらしい諏訪子様だけど、面倒な事は嫌がるし、異変を起こせば霊夢さんとかが動くのは丸わかり。相手するのを嫌がるだろうから、多分、私を止めるかもしれない。いや、間違いない。

 

「……何でも、ないです」

 

「本当に?修行が疲れたなら今日は休もっか?」

 

「!……いいんですか?」

 

「うんうん、1年や2年休んだって神力は衰えたりしないから大丈夫だよ。樹理愛は半神半妖だけど、神の血……早苗の血が強いからねぇ」

 

「じゃあ……」

 

「でも、祈祷無しで天気を変えられるとはいえ風祝としての術を身に付けるには修行は不可欠だけど。だって祈祷無しで天気を変えられるのはあくまでも樹理愛の能力。風祝としての術は、樹理愛の固有の能力とは別物。修行必須だからね」

 

「は……はい……」

 

「でもま、息抜きも必要だしね!今日は子供らしくぐ〜たらのんびり過ごそ!」

 

「はーいっ!!」

 

 その後は、諏訪子様がママに口利きしてくれて、今日の私は予定が何にも無くなった。改めて異変を起こす決意を固めた。

 1人でも、ちょっとした異変くらいは起こせる。イタズラとして異変を起こすくらい、別に何とでもデキるはずだ。

 霊夢さんやママ、パパに怒られようと、普段から1人でお出掛けとかできないイライラを発散する為なんだから、そこまでキツくお説教されたりしないはずだ。ママ以外の誰かしらは絶対に私の気持ちを分かってくれる。

 

「ママー!お屋根でゴロゴロしてくるー!」

 

「はーい気を付けてー」

 

 私が自由に動けるのは、守矢神社の敷地内だけ。狭い。狭すぎる。外に出る時は誰かと一緒。それがママとの約束だから…………。

 神奈子様も諏訪子様も建御雷様も反対してるこの

「約束」。ママが過保護すぎて、3人共引いてる。でもママが大真面目で本気なのが分かってるから、誰もママを止めなかった。私は不自由なのに、ね。

 

 

 ◆

 

 

「……紅魔館は……大雨にしちゃお。博麗神社は大雪だね。人里は……台風。永遠亭は…………竹林だし雷雨とかがイイかもね。妖怪の山は快晴、魔法の森には雹。白玉楼は……ここからできるかな……?」

 

 実は、まだ自分の能力の範囲を自覚していない。というのも、全力で能力を使う機会が全く無いからなんだけど……幻想郷の範囲くらいじゃないかな、と思ってる。

 白玉楼は、穴が空いているとはいえ結界を隔てた異世界にあるし、私の能力の範囲外だと思うけど、とりあえず、試しにやってみよう。成功したのか、確認する術は無いけどね。

 

 

 ◆

 

 

「お母さーん、なんか雪降ってきたよ」

 

「えー、洗濯物とか取り込ん…………雪ぃ!?」

 

「そ。夏なのに雪。異変だね」

 

「嘘でしょ、何で雪なんてっ……!?」

 

 霊愛に言われ漸く天気に気が付いた霊夢は、早速お祓い棒を装備し、大量の御札を準備してから博麗神社を飛び出した。

 妙な天気には覚えがある。あの時は気質とやらを操っての天候操作だったものの今回はダイレクトに天候を操作しているらしい。

 霊夢の頭に浮かんだ黒幕候補は3人……いや2人。紅魔館のメイド、比那名居天子。次に、守矢神社の風祝にして祭神でもある東風谷早苗だ。

 早苗は祈祷で「奇跡」を起こし天候を変える事が可能。天変地異レベルの天候操作も可能だがその分長い祈祷が必要となる。しかし雪を降らす程度ならそれ程に長い祈祷は必要無いはずだ。

 やがて霊夢は、異変の本命が居そうな真紅の館、紅魔館に到着した。しかしここは大雨だ。まるで、紅魔館も被害に遭っているかのようだった。

 

「……」

 

 霊夢は、過去の異変などから推測し、天子が犯人だろうと思っていたのである。今回は、気質を天気として具現化させたのではなく、気質を少し弄った上で天気として具現化させたのだろう、と。だから前回と天気が違うのだろう、と思っていた。

 しかし霊夢のその推測は外れていた。

 

「おや……霊夢さんですか。あなたが動くという事はやはりこれは異変なんですね」

 

「やはり(・・・)?分かってるかのような口振りね?」

 

「誰でも分かりますって。上を見て下さいよ、上。ここにだけ雨雲が発生してるんですよ?流石に私も察します。これではまるで、逆(・)台風の目ですね」

 

「天子のせいじゃなくて?」

 

「そんな気配があればお嬢様方が止めさせますよ。雨、即ち流水は吸血鬼の弱点。エスカルゴさんとは違い弱点を克服する気は無いようですし、意図してこんな雨を降らせたとしたら、非常にご立腹になるでしょうね」

 

「……ふむ」

 

「犯人は誰か……は、探す気はありませんよ」

 

「何で?」

 

「えぇと、具体的には言えませんが、ある気(・)を察知しました。これはすぐ終わりますね(・・・・・・・・)」

 

「……?具体性の欠片も無いわね。とりあえず、軽く勝負して聞き出させてもらうわ」

 

 大雨の中でも門番を継続している美鈴は、当然のように傘を差している。如何に美鈴と言えど、傘を必要とする程の雨の中で戦うのは嫌だった。

 

「この大雨の中で戦うのは嫌ですねぇ……。じゃあ、軽くヒントを教えて差し上げます」

 

「何かムカつく」

 

「子供。以上」

 

「短っ。え?子供?何でそう思うのよ?」

 

「えぇと……これはなんて言えばいいでしょう……?気がまるで練られていなくて、どこか、若い感じがするんですよね」

 

「気が練られていない??」

 

「ええ。頭上のこの雲から、神様の気を感じます。子供な上に、恐らく、純粋な神様ではないですね。しかも何度も感じた事のある気です。流石にもう、誰の事を言っているのか分かったでしょう?」

 

「……そうね。じゃあ、スルーしておこうかな、この異常気象。異変として処理したら……」

 

「余計に厳しい環境に置かれるかも……ですしね」

 

「でもレミリアはどう思っているのかしらね、この天気について」

 

「少なくとも、不快には思っているでしょうねぇ。ですが当然、異変だと伝えはしませんがね。それがあの子の為になると思います。たまには、ストレス発散も必要ですよ……」

 

「それもそうよね……。エスカルゴから何度か聞いたけど、早苗、結構な過保護らしいからね」

 

「ですね。何でも、1人でお出掛けもさせないとか聞いています」

 

「……嘘でしょ?もう6歳くらいになってるわよね?人間の6歳とは訳が違うんだし、そこまで過保護にしなくてもいいと思うんだけど……」

 

「!……そうか、霊愛ちゃんは殆ど人間だから……」

 

「そ。霊愛の6歳と霊麗の6歳じゃまるで違うわ。だから経験上、その違いは分かるつもりよ。早苗は外から来た人間だし、そういう固定観念があるのも分かるんだけど……神としての力を利用して、こんな異常気象を起こすくらいにストレスが溜まってるとなると……」

 

「今はこんなもので済んでいますが、いつかもっと大きな爆発を起こすかもしれませんね」

 

「そうね。……よし、早苗をボコす」

 

「や、やり過ぎにはご注意を……」

 

「分かってるわよ。過保護なのも、早苗なりに娘を心配しての事だってのは分かってるからさ」

 

「ならいいのですが」

 

「あんたは私を何だと思ってんの?」

 

「鬼、悪魔、通り魔、カカァ天下の主……ですかね」

 

「まずはあんたから血祭りに上げましょ」

 

「ひぃっ!?」

 

 

 ◆

 

 

「……つまんないなー」

 

 屋根でゴロゴロして霊夢さん、魔理沙さんを待つ私だけど、待てど暮らせど誰も来ない。昼も過ぎておやつの時間になった。

 快晴の空の下、煎餅をバリバリ食べて待つけど、誰も来ない。……本当に誰も来ない。

 

「はぁ……」

 

 子供は飽きっぽい。多分だけど、15姉弟の中でも私は一番飽きっぽい。だって、弾幕ごっこの相手はいっつも同じなんだもん。

 ママでしょ?神奈子様でしょ?たまに諏訪子様、建御雷様でしょ?パパも、私の相手をしようとするけど、ママがパパを止めるんだ。危ないって。加減してくれるのは間違いないのに、そういう意味ではパパを信じきれないみたい。

 次の風祝にする為に私を育ててるっていうのは、何となく分かる。でもさ、だったら色んな事を経験させてほしいって思ったりするよね。

 お兄ちゃんがたまに遊びに来なきゃ本当に退屈。絵本じゃ、よく「助けてくれる人」「運命の人」を

「白馬の王子様」って表現したりするけど、まさかお兄ちゃんがそれ(・・)だったりしてね。

 

「……なワケないよねー」

 

 もし本当にそうなら、今、来てくれるはずだし。私を助けてくれる人は居るのかな〜、なーんてね。居なさそうだなぁ、お母さんが過保護だもんね。

 

「……ん?眩しっ……」

 

「おーい早苗〜!居るかー?」

 

 境内に紫色の光が現れたと思うと、魔理沙さんがその光の中から現れた。魔法で瞬間移動をしてきたらしかった。霊夢さんの方が早いだろうなと思ったけど、そっか、瞬間移動があるんだった。

 

「はーい?あ、魔理沙さん!どうしたんですか?」

 

「どーしたもこーしたもない!とりあえず勝負だ、勝負ッ!」

 

「ええっ……って、何でそんなに濡れてるんです?」

 

「何故か雨だの雹だのが降ってきたからな!だが、私が雹に打たれたのはどうでもいい!勝負だッ!」

 

「ええええっ!?何でですか〜!」

 

「神様としてのお前の力、ちょっと試してやろうと思ってな!思い付きだが付き合え!」

 

「ムムム……分かりましたっ!」

 

「そうこなくてはな!」

 

 ……何でママ?雹を降らせた犯人がママじゃない、なんて事はあの反応で分かるのに。何なら私が犯人だって事も分かってるんじゃないの?

 なのに……どうして?

 

「…………つまんないッ!」

 

 拳くらいの大きさの雹を降らせてやる。今ここに降らせてやる。そうすれば、流石の魔理沙さんも、こっちに目を向けざるを得ないんだし。だよね?

 

「ッ……降り注げッ!」

 

 ちょっとした結界くらいなら私も使える。それを私の頭の上に張ってから巨大雹を降らせる。すると向こうの方……参道の方から、聞き覚えのある悲鳴が聞こえてきた。

 

「ぎゃあああああ〜!!うわわっ、イデデデッ!」

 

「……お兄ちゃん?」

 

「ハアアアァァァァッ!!」

 

 すると、手から刀を生やしたお兄ちゃんが、雹を斬りながら参道を駆け登ってきた。雨すらも斬れるお兄ちゃんなら、もっと大きい雹を斬るくらい普通なのかもしれない。

 

「おう妖舞少年、どうしたこんな所に?」

 

「あ、えと、魔理沙さん!なんか冥界が気持ち悪い風景になって、母上が『これは異変だ!』って……!でも幽々子様が『守矢神社の子がやったわね』って言ってたから、止めさせるよーに言いに来た!」

 

「お、おう、そうか……」

 

「樹理愛〜!!もうやめてくれーッ!!虹だらけの世界にしないでくれえええええええええ!!空が、気持ち悪すぎるからああああああ!!」

 

 冥界に限っては適当に天気を弄ったけれど、虹が出まくったらしい。どんな景色なのか、気になる。でもまぁ、虹だらけって事は、凄く気持ち悪い景色なんだろうなー。

 それにしても、本当にお兄ちゃんが来るなんて。これは、異変成功したって思ってもいいかも、ね。

 

「ふっふっふ……!大量の虹を止めてほしかったら、私と勝負して倒す事だぁっ!はーっはっはっはー!お兄ちゃんに私が倒せるかなっ!」

 

「────1秒だ」

 

「へ」

 

 お兄ちゃんは屋根の上の私を見るなり、仕舞ったはずの刀をまた生やして、思い切り跳躍。目の前で見えなくなったかと思うと、首が痛くなって、私はお兄ちゃんに倒された。

 

 

 ◆

 

 

「樹理愛ッ!?……ウソ、妖舞くんとこんなにも差が付いてるなんて……っ」

 

「早苗。お前は樹理愛を縛り付けすぎなんだよ」

 

「ッ!?」

 

「子供を育てた経験の無い私が言うとか、説得力の欠片も無いかもしれん。でも、これが現実なんだ。樹理愛には、圧倒的に経験が足りてないのさ」

 

「で、でも実戦練習は殆ど毎日っ……」

 

「守矢神社に剣術使いが居るのか?お前も諏訪子も神奈子も、あと建御雷だって、あいつみたいな剣術使いじゃないだろう。同じ相手とばかり戦っても、少し違う奴と戦えば全く対応できずに負けるのさ。いつまで経っても、成長は見込めないぞ?」

 

「でも私達以外の誰かと実戦なんて危険すぎます!樹理愛は、吸血鬼の血が薄いんです!傷だって皆のようにすぐに治ったりはしない!」

 

「それが普通なんだ、目を覚ませ。私達は元人間、怪我に関しちゃ痛いくらい思い知らされてるだろ」

 

「ええ、そうです!だからこそ、娘にはそんな痛い目に遭ってほしくない!」

 

「……それが過保護だって言ってんだ」

 

「子供の安全を願うのは親として当然のことッ!」

 

「……ああ、それは正しいよ。だがな早苗、もっと、長期的に考えよう。それで子供を守れるのは、所詮今だけだぜ。そんな箱入り娘に育てて、果たして、未来の樹理愛を守れるのかな?」

 

「……どういう事ですか」

 

「そのままの意味さ。一部に特化させたって他への対策がガバガバじゃ何の意味も無い。これはなにも戦闘に関してだけじゃない。日常生活、人付き合いなんかも当てはまる」

 

「ッッ……」

 

「果たして今の樹理愛は、妖舞や他の子達のような人付き合い、戦闘、行動ができるかな……?」

 

「で、できますともっ……!過保護だろうと、普通に育っています……!そう、普通に!」

 

「ふむ。だが、ストレス発散の方法を与えないのも問題だよな」

 

「え?」

 

「この異常気象を見て分からないか?境内は快晴、鳥居の向こうは雹と大雨。天気がおかしいくらいにパックリ分かれてるだろう」

 

「た……しかに?」

 

「樹理愛のストレス発散だ、これは。『つまらない日常からの解放』を求めてるんだよ、あの子はさ。間違えた方法でストレス発散してるんだ」

 

「な……んで、すって……」

 

 妖舞が抱える樹理愛を見て驚きの表情を浮かべる早苗。樹理愛の生活がどんなものなのかは、霊愛や霊麗から聞いて魔理沙も知っていた。だからこそ、犯人も原因もすぐに分かったのであった。

 するとそこにもう1人の解決者、霊夢がとうとう守矢神社に到着した。

 

「あぁ魔理沙、あんたも来たのね」

 

「おう、今は早苗にお灸を据えてやってたとこだ。過保護すぎる、そのせいでストレス発散の方向性を間違えてしまってるってな」

 

「あら。じゃあ私の出番は無い────」

 

「教えて下さい霊夢さんっ!!」

 

「「!」」

 

「私はっ……どうすればいいんですかっ……!?」

 

「とりあえず樹理愛ちゃん起こして。博麗神社、今雪降ってんのよ。洗濯物が湿っちゃったからさぁ、とりあえず能力を解除してほしいのよね」

 

「あ、はい……」

 

 

 ◆

 

 

 次に起きたとき、私は霊夢さんに言われて能力を解除した。ちゃんと博麗神社では大雪だったらしく洗濯物が濡れてしまったそう。

 因みに魔理沙さん家の屋根には一部に穴が空いたらしい。それはやり過ぎたと思ったから謝ったけど魔理沙さんは笑って「あんなモン、創造系の魔法の練習台にしてやるぜ」って頭を撫でてくれた。凄くポジティブなんだなぁ……。

 そして、私が起こした異変についてなんだけど、理由が私のストレス発散なのは、ママとお兄ちゃん以外の皆にはバレてたみたい。

 ママはというと、娘の私に不自由な環境を長い間ずっと押し付けてた事実を認めて、私、そして反対していた諏訪子様達に謝った。これで、私はやっと自由に行動できるようになった。

 これからは、少しずつだろうが他のお姉ちゃん、弟、妹と遊ぶ機会が増えていくだろう。そう思うと嬉しさのあまりに、つい口元が緩んでしまった。

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