「何とかなって本当に良かったわ。強かった?」
「強かった……かなぁ。呆気なかったよ」
「あら、そうなの?」
「結局、大悪魔って言っても、取り憑いてどうこうする訳じゃないなら大した事はないんじゃないか?大罪の悪魔の真の恐ろしさは取り憑いてから、と。俺はそう思うよ」
メイド達の避難準備を止めさせたなら、紅魔館は日常に戻る。大悪魔の襲撃をも退けたのだ。もう、日常に戻ってもいいだろう。
「じゃあその前に倒せて良かったわ。でも、七つの大罪って言うくらいだし、あと5人居るのよね」
「……うん。どう、しようか?」
「どうしようって言われても、これ以上、紅魔館を攻められてもねぇ……」
「……。なぁ、シャロン、お前はどんな欲がある?」
「わ、私、ですか?……ご主人様に……愛されたい……ですっ……!ヨシヨシされたり……えへへっ……♪」
「ホントに可愛い奴だよシャロン……ヨシヨシ」
「!!……えへへへへ……うふふっ……」
「……。私の目の前で、主従でイチャイチャしないでくれる?」
「す、すみませんお嬢様……」
「イチャイチャはしてねーよ、別に。こういうのは絡みってんだ」
「じゃあその絡みをやめて」
「……はい」
これから、少しはのんびりできそうだ。何なら、パチュリーの所へ行って七つの大罪の悪魔について調べ直してみるのも良いだろう。
時間を有効に使おうと思い、図書館へ向かおうとすると、大悪魔レベルの気配が今度は地下の方から現れた。フランの部屋の方ではない。大図書館だ。よりにもよって大図書館だ。パチュリーや小悪魔、ここあ&シガレットの双子が居る大図書館……。
「この気配、もしかして……」
「レミリア、こうなったら仕方ねェ。メイドとかの緊急避難の準備を再開させよう。あと、シャロンはレミリアの指示に従って」
「避難準備を早く終わらせるようシャロンちゃんは皆に伝えてきて。今すぐ!」
「はいっ!!」
「俺は現場に向か──」
「あと、
「はいはい、分かったよッ!」
魔力は切れている。回復薬も切れている。なのである程度自然回復させてから創造魔法にて回復薬を創るしかないだろう。
そして、魔力切れ故に瞬間移動もできないので、スキマで図書館へ移動した。
「パチュリー、小悪魔ぁっ!無事か!?」
「あ、エスカルゴさん!助けてください、急に変な悪魔が現れてっ……!」
「エスカルゴ……!」
「ン?……ほう、吸血鬼だな。ルシファー様の狙いは貴様のはず……何故ここに?」
「ンなの決まってんだろ?ルシファーをぶっ殺したからだ」
「……そうか。ルシファー様は敗れたか。……確かにあの方の気配がしないのは気になっていた。私より先に標的に接触する手筈だったからな……。あの方の気配がしないのはおかしいと思っていた」
「成程な。……と、それよりパチュリー、コイツは?まさかと思うが七つの大罪の悪魔……だよな?」
「ええ。恐らくだけど、その見た目────まさかあなたは色欲の悪魔・アスモデウス?」
「いかにも私はアスモデウス。大罪の悪魔が一人。色欲を担当している」
アスモデウスは牛、人、羊の3つの頭を持って、ガチョウの足と毒蛇の尻尾を備えている悪魔だ。
この牛、人、羊、ガチョウ、毒蛇という生物は、キリスト教において性的に淫らであるとされている生物だ。新婚夫婦の初夜を滅茶苦茶にするのが好きらしく、新婦に取り憑き新郎を絞め殺すという壊し方をする。
────と言われているが……擬人化?されているからなのか、目の前のアスモデウスは少し見た目が違うようだ。
頭には牛の耳、人の耳、羊の角、まるで別生物のように独立しているようにも見える、毒蛇の尻尾。唯一、ガチョウ要素は見当たらないが、まぁいい。
「色欲──、恋愛感情や愛情とは程遠い、良くない方向の性的欲求は、色欲と呼ばれる。勿論、本人は心当たりがあるだろう?私と話をしよう。何もすぐ取り憑く訳ではない。私は皆とは違うんだ」
「……良くない方向の性的欲求……とか言われて……、すぐ名乗り出るバカが居るかよ……っ……!」
即ち、愛情を否定されるという事だ。俗な言葉で言えば「ヤリモク」。そういう事になる。奴の言う
「心当たり」が無いワケでもない俺はパチュリーの目の前で「愛情」が否定されるのが怖く、今すぐに奴を殺したいという衝動に駆られている。
しかし、俺は自身の持つ愛情を信じたいが故に、100%の確信を持ちたい。だから殺せない。それならどうしてアスモデウスがここに来たのか。……そう、パチュリーか小悪魔が
「おっ……俺、は…………?俺はどうなんだよ、お前の判定ではッ!」
「貴様に興味は無い。疾く失せろ」
「じゃあお前は誰を狙ってるってんだッ!?答えろアスモデウス!!返答によっては即座に殺す!!」
「知れた事を。私の狙いはそこの低級悪魔だ。この世界の誰よりも色欲に塗れた者……。それが貴様だ」
「わ……たし…………?」
「貴様に恋愛感情など無い。これっぽっちも無い。あるのは肉体関係を望む色欲だけ。好きだ惚れたと男を誑かし肉体関係を迫り、魔力を搾り取るだけ。それが貴様だ────」
「やめろ!!テメェに小悪魔の何が分かるッッ!?知ったよーな事ばっかりくっちゃべってよォ……!!テメェが俺の女を語るんじゃあねえ!!」
「ククッ……お前はそうだろうな、誑かされただけの愚かな男よ。だがその女の方は……どうやらお前とは違うようだぞ?」
「……小悪魔?」
「ごめん……なさい、エスカルゴさん…………。私……、その悪魔さんの言う通りで…………私、あなたから、魔力を絞る事しか、考え……られなくて……っ!この気持ちが……好意なのか、何なのか……自分でも全く分からなくって……しまいましたっ……」
「小悪魔?どうした……?」
「本人の言葉通りだよ吸血鬼。その女はお前を好きなんかじゃなかった。魔力を絞る為の道具、つまり餌としか認識してなかったって事さ。だがお前は、相思相愛を求めた。だからその女は、お前が好きなフリをした。まぁ、お前を傷付けないようにと気を遣った故の行動なのだろうな」
「……ごめんなさい……もう……別れましょう……」
「……はぁ?こんなクソ悪魔の言いなりになんのかよ小悪魔は?」
「だっ……だって、私……あなたの事が好きなのか、分からないのにっ……そんな状態で付き合ってても、何の意味もありません……!!」
「どーでもいーんだよ、ンな事はよッ!お前が俺を好きだろうと、何とも思ってなかろうと!!お前が俺のそばに居てくれればそれでいいっつってんだ!色欲だろうとただの性欲だろうとどうでもいいよ!何だっていいんだよ、理由なんてモノはさァッ!!俺が聞きてえのは1つ!俺のそばに居るか否か!!居たいか否かッ!!どっちだよ小悪魔!?」
「そ……そばにっ……居ます……居させて下さいっ……!これからも……あなたの、そばに…………ッ!!」
「……理由なんてハナからどーでもいーんだよ、俺は独占してえだけ────。これからも俺から魔力を搾り取ってくれるか、小悪魔……?」
「はいっ……喜んで、搾り取らせて頂きますっ!!」
「……交渉決裂か。ならば仕方ない、強引に取り憑くことにしよう」
「ちょっと待てやアスモデウスゥ。その前によぉ、俺とも話をしよーや」
「……貴様と話す事は何も無い」
「まぁまぁまぁまぁ、待て待て。……いいか?まず、前提として、俺はルシファーを殺した。それから、マモンを殺したぞ?ん?マモンだぞ?」
「!?マモン様をッ……!?」
「そうそう。マモンはルシファーより早くこの館に来て死んだ。この意味が分かるか?分かるよな?」
「っ……」
そう言うとガクリと項垂れ、絶望したかのように膝をついた。そのまま固まっていたが、軈て静かな嗚咽と共にポツポツと涙を零し始めた。
「パチュリー様……どういう事ですか?」
「マモンという悪魔は、このアスモデウスを副将に据えた東方の王。つまり、アスモデウスにとってのマモンは、自分より格上の存在。つまり上司ね」
「しかしそれを言うならルシファーも……?なのに、明らかに反応が違くないですか?」
「ええ。アスモデウスは、ルシファーというよりはマモンの方に仕えてるからね。だから七つの大罪の中でも一番の下っ端……とされてるわ。ルシファーを頂点に据えた場合、普通それ以外の6人は横並びになるけれど……アスモデウスはマモンの下だからね」
「成程……」
敢えて、直属の上司とも言えるマモンを殺したと言った事で、アスモデウスの戦意は喪失した。俺は本当ならコイツを殺したい。小悪魔を傷付けたから殺してやりたい。
だが小悪魔があの言葉を認めたのなら、コイツは事実を言っているに過ぎないとなる上に、それは、小悪魔の告白を無下にするのと同じ。だから俺は、アスモデウスを殺すのをやめた。
ここで俺のエゴを貫き通せば、小悪魔を否定する事にも繋がる。それは俺の本意じゃない。
「……分かった。私は手を引く。マモン様が居ないのならば、七つの大罪などという称号は無意味。もう全てを投げうち、唯の悪魔に戻ろう」
「待てってんだよ。茶くらい飲んで行けよ。世界を渡り歩いて標的を探すってのも疲れただろ?」
「……いいの、だろうか。私はあなた達を傷付けた」
「小悪魔はそれを認めたが、それを知った上で俺はそんな小悪魔を受け入れてる。なら、もうどうでもイイじゃあねぇの。なっ、小悪魔?」
「はいっ!」
「そうね。それに、世界を渡り歩く前に……羽休めも必要だと思うけれど?」
俺が引き止め、小悪魔が同調すると、パチュリーまでもが賛同し、アスモデウスを引き止めた。だが恐らく、俺が彼女を引き止めた真意は、パチュリーにしか伝わっていないだろうが。
◆
「それにしても……エスカルゴ殿。あなたのその器の大きさには、マモン様の面影が見える気がする」
「そう?まっ、俺もマモンに認められた『強欲』の持ち主だからな」
「フフッ、あの方が認めたのなら間違いはないな。私の目にも狂いはないようだ」
「アスモデウス。この、エスカルゴという男はね、この世界のあらゆる女を取り込んだハーレムの主をやってるの。器が大きいのは当然よ」
「なんと……!数多の女性を囲みつつ……真に愛情を注いでいると?まさに『強欲』だ、マモン様以外に真の『強欲』を見るのは初めてだ………………あなたが次の『強欲の悪魔』の称号を継いでもおかしくない気がするな」
「はは、それはいいな。で、これからどうすんの、アスモデウス?ただの悪魔に戻るって言ったって、お前は七つの大罪の称号を背負った悪魔だ。今更、普通の生活には戻れない。その称号を狙って、悪魔とかが襲ってくるかもしれないよな」
「む……むぅ」
「アスモデウスはそこまで戦闘が得意という訳ではないらしいけれど、そこはどうなのかしら?」
「ああ……そこは伝説の通りだ。私はそこまで戦闘が得意ではない。その分、誑し込むのは得意だが……」
「そこで、だ。お前に、新しい主人を用意しようと思うワケよ。どーよ?」
「あなたか?」
「いや俺はいいよ、俺にはモルモーちゃん居るし」
「モルモー?……まさか、吸血鬼モルモーかっ!?」
「あ、知ってる?」
「知ってるも何もっ……悪魔の中の悪魔、吸血鬼の原点にして頂点ッ!知らぬ方がおかしい!残虐非道な鬼畜と称された、ギリシャの吸血鬼だろうっ!?」
「お、おう……ボロクソに言うね……」
「私は恐ろしい……!!あのような悪魔はこの私でも見た事がない……!純血の悪魔とはこのようなもの、そう思い込もうとしていた。だが違っていたんだ!そのような甘いものではなかった……!」
「あ、そっか。アスモデウス、元は智天使だったんだよな」
「そうだ。だから、堕天するまで真の悪魔に出会う機会は無かった。……モルモーとは、そう、現代では古代ギリシアと称される時代に会っていた。……いやそれは置いておいてだ。既にその頃からモルモーの恐ろしさを肌で感じていた」
「……まぁ、モルモーがどこか狂ってるってのはそうだろうね。その『狂ってる』部分は子孫にも脈々と受け継がれてる気がする。それはいいとして、だ。新しい主人を用意するって言ったんだけど、どう?もしアスモデウスさえ良ければすぐ紹介するよ」
「む……ん…………そう、だな。私は、自分でも思うが誰かに仕えるのが性に合っているからな」
「だろうね」
アスモデウスは、ソロモン72柱の32番目。大体、中堅くらいだ。上でもなく下でもない。だが彼女の性格が、「下」に合っている。
「今呼ぶよ。召喚『愛娘降臨』」
僅かに回復した魔力で、娘を召喚する。その娘は八女のレイチェル。レミリアと俺との間に生まれた目玉焼きが好きな娘だ。
その能力は《可能性を操る程度の能力》。そしてもう1つが《全ての悪魔を操る程度の能力》。尤も2つ目の能力については母さんがレイチェルの潜在能力を読み取った際の結果だ。まだ発現していない能力なので、アスモデウスという悪魔と接する事で開花しないか、と思った次第である。
「わっ!どしたのお父様、急に召喚なんてそんなの初めて……わぁっ、羊の角だ!!」
「!」
「角ある悪魔、私、初めて見た!身の回りの悪魔、皆、普通の人型なんだもん!私の名はレイチェル・スカーレットよ、宜しくね!!あなたの名前は?」
「……アスモデウス」
「アスモデウス……!覚えた!……ところでお父様、どうしたの?」
「ああ、このアスモデウスをお前の従者にしようと思ってな。とは言っても、これ以上紅魔館に誰かを住まわせるのはレミリアが許してくれないだろう。だから、レイチェルのパシリだ。都合のいい時に、このアスモデウスを召喚して使役してやってくれ。アスモデウス、丁度暇になったらしくてな」
「え、ちょっと、それは聞いてな────」
「えっ!?いいのっ!?遊び相手にしていい!?」
「ああ。勉強も教えてもらえるぞ」
「イイ!すっごくイイ!じゃあ、アスモデウスっ!私と契約しましょ!あなたはいつでも、私の召喚に応じ、私の言う事を絶対に遵守することっ!!」
「……」
ジト目でこちらを睨むアスモデウス。こんなのは受け入れないぞ、とでも言いたげだが、相手が幼いだけに何と言えばいいのか分からないという様子に見える。
「あなた、イジワル言うわねぇ……。能力の件があるとはいえ、レーテに大悪魔との契約を結ばせるのはまだ無理があるんじゃない?」
「へへっ、大丈夫だよパチュリー。……レイチェル、契約の仕方がなってないじゃあないか」
「え?」
「自分にとって有利な条件だけを提示するんじゃあダメなんだよ。お互いにオイシイ条件を提示する。これが契約の基本だよ」
「んー……アスモデウスにとってもイイ条件……」
「いや、あの、そうじゃなくて……。私は契約を結ぶつもりは……」
「じゃあこうしましょ!私はアスモデウスを好きに使役するから、その代わりに私はあなたを外敵から守ってあげる!それでどうっ!?」
「────ッ!」
そう言ったレイチェルは、アスモデウスに右手を差し出す。その「右手」に意味があるかどうかを、レイチェルが知ってるかは分からない。それでも、何かアスモデウスには響くものがあったらしい。
「────契約を、しましょう」
「……!ホント!?やったぁっ!!じゃっ、お母様に紹介したいから来て!!」
「あ、待てレイチェル、それはやめた方がいい」
「え……?なんで?」
「レミリアは心配性だ。レイチェルがもう少し成長したら、俺から話すよ。それでどうかな?」
「んー……アスモデウスは、それでいい?」
「ええ。構いません」
「ん!じゃあそうする!私が喚んだら、気配をよく隠した上で来てね!」
「御意」
◆
「しっかし、まぁ、よくあの子の契約を受け入れてくれたね、アスモデウス?ありがとよ、父親として少し安心したよ」
「全くだわ。片や七つの大罪の悪魔、片や一介の、しかもまだ幼年の吸血鬼。等価交換とも言い難い、あの契約を受け入れるなんて……あなたは一体、何を考えているの?」
「……こう言っては、父であるあなたに失礼にあたるかもしれないのだが……」
「それでもいいよ。言って」
「……あの子……いや、レイチェル様は、自分の方が私より強さで劣る事を、分かっているようだった。実力差も分からぬ愚か者には見えなかった。だからもし本当に外敵に襲われたら、私が彼女を守る事になるだろう。なのにあの時の彼女は……。自分が私を守ってやる……と心から言っていた。その気持ちが、心が、嬉しくて……」
「へへ、レイチェルは俺とレミリアの娘だからな。そういう、自分でやってやろうっつー心構えが幼いながらも完成されてるのさ」
「いつか彼女の母にも会ってみたいものだ」
「とりあえず、レイチェルがもう少し成長したら、そういう機会も設けよう。それまでは極秘で頼む」
「分かった。私は、こう見えて槍術に長けていると自負している。レイチェル様に槍術の指導をしても良いだろうか?彼女は、戦いを好む性格に見えた」
「レイチェル、今んとこは斧で戦うんだよな〜……。でもそれも頼むよ。勿論、レイチェルがOKしたらだけどね」
「心得た。…………では私はこれでお暇する。茶を、主人をありがとう。最後に、私の術を幾つか3人に授けて帰ろうと思う」
「えっ!?わ、私もですかっ!?」
「ああ。小悪魔……あなたが居なければ、私はここで新たな主人に巡り会えなかったのだから」
「はわわわわっ……!大悪魔様から術を賜る日が来るなんてっ……!」
────こうして大悪魔アスモデウスはどこかの世界へ帰って行った。いつ何時でも、レイチェルの呼び掛けに応じて馳せ参じると言い残して。
◆
「いや〜……凄いね、アスモデウス。伝説通りだ」
「そうね。彼女のお陰でまた研究が進むわ」
アスモデウスは、姿を見ても恐れずもてなせば、指輪やガチョウの肉、幾何学・天文学に関する術を授けてくれるという言い伝えがあった。
パチュリーが俺と一緒に彼女を引き止めたのも、それが狙いだったのだ。
結果として、俺達はその全てを受け取った。俺は天文学、幾何学に関する術が嬉しかった。指輪は、マジックアイテムとしてパチュリーに全てあげた。ガチョウの肉は、今夜の食材にしようと思いメイド母娘に渡した。
「彼女を信用してレイチェルを任せたのも言い伝え通りだから、でしょ?」
「おーよ。さっすがパチュリー、その通り」
アスモデウスは、悪魔祓いをしてもすぐ祓えないという強さ、そしてそれに参ったら、いつ出ていくという契約書を自ら残し、そしてキチンと守った、なんて逸話がある。
そういった誠実な面が、アスモデウスにはある。だからこそ彼女を信用して、レイチェルを宛てがいレイチェルの成長促進剤にしようと企んだのだ。
「でもまぁ……レイチェルも遊び相手が増えて、俺もパチュリーも小悪魔も新しい術を得て、小悪魔とは本当の意味で繋がれて、アスモデウスは新しい主を得た。大罪の悪魔との繋がりっつーのも、必ずしも悪い事じゃないんだろうな」
「そうね。この短時間で、一石二鳥どころじゃない程の得をしたわ」
「次の大罪の悪魔は誰が何処に来るんだかなぁ……。できれば殺さずに済むと良いんだけどな」
その後、真の恋人になれた記念にと、久しぶりに小悪魔と濃厚すぎる程の濃厚エッチを始めた。身体だけではなく、心でも繋がれた。そんな気がした。
色欲の悪魔・アスモデウス
能力:色欲を司る程度の能力(仮)
槍を武器としていて、口から火を噴く。 実は異形の姿がコンプレックスで、彼女の姿を見ても恐れずに敬意を払い、丁寧に応対すれば非常に喜び、指輪やガチョウの肉をくれたり、幾何学や天文学なんかの秘術を教えてくれる。
色欲に対する美徳は純潔。