※この作品はR-18です。

吸血鬼人間の幻想生活   作:エスカルゴ・スカーレット

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遂に、ロスワにお空来ましたね。当てました。割と本気で己の運に感謝しています。
ロスワお空、可愛すぎるんじゃよ。


憤怒の悪魔

 魔界の某所、眠っていたある大悪魔が目覚めた。ソレは堕天使ルシファーと同一人物とされていて、大悪魔エリスとは「七つの大罪」に数えられるより前からの知り合いでもある有名な悪魔、サタンだ。

 

「……死んだか、ルシファー」

 

 サタンとルシファーは同一人物と言われている。しかし一応は別人として存在しているが、巷でよく言われている同一人物説が足を引っ張り、基本的に片方が活動中はもう片方は眠りについている。

 その気になれば同時に活動できるが、基本的にはそんな事はしない。

 そして、眠っていた時の記憶の差を無くす為に、2人は、記憶を共有している。だから、起きがけのサタンには死に際のルシファーの記憶が流れ込み、彼女は目覚めるなり、自分の分身や半身とも言えるルシファーの死を知った。

 

「あの男…………殺すッ!」

 

「誰々?誰を殺すのさ」

 

「……ッ!?貴様ァッ!!」

 

「どーも。サタン……で合ってるよね?」

 

 エリスとヤリ終え一息ついていたら、魔界の端の方から凄まじい気配を感じ取ったので、これもまた大罪の悪魔と断定し、ここに来た。

 怒りに歪む表情から、憤怒の悪魔ことサタンだと判断したが……間違いない。コイツはサタンだ。

 

「貴様、大罪の悪魔を殺しておきながらよくもこの私の前に姿を現せたな!!」

 

「これが仕事なんだ」

 

「仕事だと?それで私の同胞を殺しただと……!?」

 

 因みに、七つの大罪には元ネタがある。それが、8つの想念と呼ばれるものだ。その8つの想念とは貪食、淫蕩、金銭欲、心痛、怒り、嫌気及び霊的な怠惰、虚栄心、傲慢……である。

 この概念を元にして神学者のグレゴリウス一世が唱えるようになった「七つの主要な悪徳」。これが今の「七つの大罪」の前身となったものだ。

 だから、8つの想念とは、七つの大罪の元ネタの元ネタと言うべきだろうか。

 個数が減ったのは、1つが罪とされなくなったのではなく、「傲慢」は他の全ての罪を生み出す原因となると考えられたからと言われている。つまり、別格扱いという事だ。

 その割には、ルシファーはそこまででも無かったような気がしてならない。まさかアイツは偽物で、本物はまだ出現していない…………?

 いいやそれは違う。紛れもなく本物だ。気配は、本物の大悪魔と呼ばれるべき気配だったのだから。だから今回の相手、サタンも本物だ。

 

「『大罪の悪魔を滅ぼせ』。息子の俺は、魔界神の仰せのままに行動するのみ────ってね」

 

「おのれ神綺ィィィィイイイ!!勝手に生み出しておきながら、用済みになれば処理させるだとッ!?身勝手も大概にしろよ、魔界神風情がァァ!!」

 

「お前如きが母さんを呼び捨てにするな。バカか?殺されても文句言えないね」

 

 まだ足腰がガクガクしている。身体に力があまり入らない。

 サタンは、尖った爪で引っ掻こうと地面を蹴って肉薄してくる。どいつもこいつも物理攻撃ばかりで魔法という魔法を使おうとしないのは謎だ。やはり魔界人ベースだからなのだろうか。寧ろ、術だとかそういった物にも精通しているアスモデウスがレアなのか。

 

「オラオラオラァッ!!逃げてばかりかァ!?」

 

「見切れる速さだね。セックスし終えたばっかりの俺でも避けられるよっ、と」

 

「貴様ぁぁっ、ふざけてるのか!?あ゙あ゙ッ!?」

 

「足元、疎かにしすぎ」

 

「────ッ!?」

 

 飛びかかってきたサタンに足掛けをしてやれば、その勢いのままに前につんのめり、地面にキスするハメになった。ざまぁみろ、と言ってやりたいが、憤怒の悪魔を真に怒らせたらどうなるのか、まるで予想もつかない。

 できるだけ無言で立ち回る事にしよう。煽りたいところだが、我慢も時には大事だ。

 

「これが大悪魔?肩書きだけだろ?実力は、てんで雑魚じゃあねぇーか。恥ずかしくないのか?ただの吸血鬼に負けるだなんてよ」

 

「きッ、きききっ……貴様ァァッ!!よくも、よくもそんな口をきけたな、この私にぃぃいいいいい!!死ねッ、死ねえええええ!!」

 

「危ねっ。閉鎖『カオスワールド』!」

 

 奴が起き上がる直前にドーム状に闇を展開する。名前の通りドームの中はかなりのカオスだと思う。全方位からの弾幕、レーザーに加え、先日喰らった百々世の弾幕を見倣って、炸裂弾をも取り入れた。これを耐久できる者は霊夢や魔理沙くらいだろう。弾幕に不慣れなコイツでは意識を失わないよう保つだけでいっぱいいっぱいのはずだ。

 

《気を付けてカルちゃん。サタンは、七つの大罪の誰よりも好戦的よ。変身したルシファーなんて全く比じゃないくらいに暴れるわよ》

 

 そこで「好戦的=強い」というワケではないのが少し無慈悲に思える。戦いが好きだからと必ずしも強さに直結するとは限らない。そういう事だ。勿論俺も戦いは好きだ。同じく、俺も弱いのだが……。

 

《じゃあ出てきた瞬間に殺すよ》

 

《そうして頂戴。そして次に備えなさい》

 

《了解》

 

 強欲、傲慢、色欲、嫉妬、怠惰。そして憤怒、とくれば残りは「暴食」だ。普通こういうのはボスであるルシファーが最後に訪れると思うのだが……。まさか二番目とは、恐れ入った。定型を壊すなど、俺でも思いつかない。

 

「……3……2……1…………終了」

 

「ぐはっ…………はーっ、はーっ…………何だったんだ、今のは…………はぁっ、はぁっ…………」

 

「おかえりサタン。ところで、サタンは知ってる?怒り続けると、寿命を縮めるんだってさ。外界では有名な俗説だよ」

 

「それが、どうしたと言うんだ……ッ!」

 

「分からない?『お前の命はここまで(サヨナラ)』って事だ。俺とエリスのセックスの邪魔をした罰だよ。地獄に落ちろ」

 

「!?エリス……まさか奴が────ふぎゅッ」

 

 バァァンッ、と思い切り爆発四散した。コイツは最も好戦的との事で、戦闘を楽しみたい気持ちも、あるにはあった。しかし凶暴でもあるのでそれなら話は別だ。楽しみたい気持ちを我慢し、殺した。

 フランと違いある程度の近距離でないと《目》を潰して殺せない。しかも瞬間的に《目》を手の中に移せないので、とっ組み合うか、このように相手を消耗させるのが良策だ。

 だから、この前俺のクローンが隕石として落ちてきた時も、見つけた瞬間(・・)には破壊できず、少し間を置いてから破壊したのだから。

 弱点があるなら、それを補う努力をしなければ。

 因みに、憤怒に対する美徳は忍耐とされていて、コイツにはまさにその「忍耐」の心を持つ者による攻撃が効くのである。

 

《任務完了。殺したよ》

 

《お疲れ様。あと1人……気配を察知したら、すぐに向かって頂戴ね》

 

《了解》

 

 思えば、どうやら俺は、七つの大罪の全員と顔を合わせているらしい。それなら最後の1人もどんな悪魔なのか顔を見てみたいものだ。そうしてこそ、七つの大罪の悪魔コンプリート。地獄落ちの条件のように、リーチまで来たらコンプリートしたい。

 

「さぁてと、サタンも雑に処理しちゃったし、続きヤリに行きますかぁ……」

 

 最低限の返り血だけを軽く拭って、エリスの待つヴィナの教会へ、スキマで戻った。その後、追加でヤリまくったのは言うまでもない。




憤怒の悪魔・サタン
能力:憤怒を司る程度の能力(仮)
怒りっぽい。それに伴って、かなり好戦的で凶暴。もし彼女に取り憑かれたままで死んだ場合、最悪の条件に転生する事になる。(仏教)
憤怒に対する美徳は忍耐。

今回は敢えて傲慢ではなく暴食をボスにしました。他の大罪と違って戦闘に応用できそうなアイデアが幾つかあったので。
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