へカーティアのシャツ、赤いスニーカーで行くんで俺っぽいヤツを見掛けたらヨロです。多分、今回はボッチ巡りになるのかな。
ネ友さんはサークル側で参加みたいなのでね。少し寂しいものですね。もしタイミングが合えば会場で格ゲーしたいですが、どうなる事やら。
非想天則は練習してきました。笑
暴食の悪魔の襲来に備え、早くも数ヶ月。最後の1人だからか暴食の悪魔も警戒しているのだろう。中々攻めてくる事は無かった。そうしている内に、始まりかけていた夏も真夏を迎え、遂には秋に突入しかけていた。
すると俺達は、あるイベントを迎える事になる。そう、咲夜さんの出産である。
当然「早くね?」と困惑したものの、咲夜さんは本当に早くも陣痛を迎えたようで、当初の予定通り永遠亭に
早鬼は、かなり腹も膨れたがもう少し先らしい。というよりまだまだ先の事だと思う。咲夜さんが、変に早すぎるだけだ。
「おかしいわね、急成長してないかしら……?前回の検診では短期間でここまで大きくなりそうな様子は見受けられなかったわ。咲夜……もしかしてあなた、
「なんの……こと、でしょうかっ……?」
「……まぁいいわ、終わったら話を聞かせてもらおうかしらね」
「永琳先生、俺に何かやれる事は……?」
「とりあえずウドンゲとてゐを呼んできて、あとは廊下で待機してて。いい?慌てず待機してるのよ。あなたが本気で慌てるとスキマを乱発するからね」
「わ、分かりましたッ!」
全く、咲夜さんは本当に無理をする。何せ陣痛を起こした瞬間は仕事をしていたというのだから俺も驚いた。こんなにも腹が大きくなっているのにまだ仕事をしていたのかと、驚かずに居られなかった。
というより、きっとこの出産には裏がある。何せ予定日はもう少し先だったのだから。そして更に、彼女の腹は突然膨れたように思える。数日前に見た時にはもう少し控えめだったはず。
だからこそ俺は、まだ紅魔館に住み込みで働いていなかったのだ。
つまり、間違いなく何かしらの細工をしている。きっと咲夜さんは、自分で自分に能力を────。
◆
そして約1時間後。そこまで長くない格闘の末、遂に出産した。恐らくだが、咲夜さんにとっては、何時間にも感じられただろう。
その後は酷くバタバタしていたので、中々部屋に入るタイミングが掴めず、俺は部屋の外でオロオロしていただけだった。物を運んだりなど、そういう簡単な事しか出来なかったのが悔しい。やはりこの出産という一大イベントは、いつまでも慣れない。
その後、いざ2人と顔を合わせてみると汗だくでぐったりした様子の咲夜さんが赤子を抱いていた。咲夜さん似の銀髪の赤子が、真っ赤な顔のままで、くぅくぅ小さな寝息を立てて寝ている。
赤子なのに髪があるのは見慣れたが、赤子の顔で髪があるのは少し違和感を覚えずには居られない。
「お疲れ様です咲夜さん……本当に……本当にッ……」
「しーっ。……うふふ、またありがとうございます、旦那様。早く運んで下さったお陰で、安心して産むことができました」
「いえ……」
咲夜さんが時間を止めても、陣痛は止まらない。時間を止めても咲夜さんが動けるのと同じように、触れている物は動かせるのと同じように……赤子も、咲夜さんから出ようと時の止まった世界でも暴れるからである。
「んくっ……」
「咲夜さんっ!?」
「だ、大丈夫です……やっぱり、赤子に翼があると、お股も内側も裂けますね……まだ再生しきっていないみたいです」
「────。念の為、治癒魔法を掛けといたんで、多分もう治りました。痛くないですか?」
「ええ、かなり楽になりました。本当にありがとうございます」
「治癒魔法さえあれば病気以外医者要らずね。もう痛みが無いのなら、既に子宮も収縮してると考えて良さそうね。とすると、後陣痛も無いわ」
後陣痛とは、妊娠に伴い大きくなった子宮が元の大きさに収縮しようとする際の痛みである。人間の場合、分娩の終了後に数日間は続くとされている。
更に恐ろしい事に、後陣痛に鎮痛剤は効かないとされている。永琳の薬なら効くのだろうが……。
「ありがとうございました、先生。……はぁ、やっと身体が楽になりました。あぁそうですわ、旦那様。抱いてみて下さい、この子……」
「起きないといいですけど……っと」
ピクリと眉を動かす赤子。しかし猫を抱くように優しく、包み込むように抱くと、キュッと手を握りながらまた眠りにつく。可愛らしい。しかし股間を見るとほんの僅かな膨らみ。布の膨らみとは違う、確かな膨らみがある。
「前検査でも分かってましたけど、やっぱり男の子なんですね。……三兄弟、仲良くしてくれるといいんですが。……いやぁ、こりゃ咲夜さんに似た美少年になりそうですね、この子。ふふ、俺に似なきゃいいけど……」
「旦那様……今夜の月は何ですか?」
「ああ……もう夜でしたか。えーと……」
スキマにて外を確認。しかし、月は出ていない。月齢で考えて今日は新月ではないので、ただ単純に月の出が遅いだけなのだろう。
「今夜の……まだ出てないっぽいですね。月齢的には立待月、居待月、寝待月、更待月のどれか……多分、この時間だと、寝待月か更待月でしょうね」
「そうね、今夜は更待月よ」
アスモデウスから習った術を使い、月齢を占う。予想と永琳の発言の通り、更待月のようだった。
「更待月……そうですか……。ならこの子の名前は……ケンマ。ふ
「良いですね。男の子っぽくてカッコイイですし。漢字はどうします?」
「……敬虔の虔、魔法の魔。虔魔、はどうでしょう」
「ケイケン…………経験則のケンじゃあないよな……。虎みたいな字の方ですか?」
「そうです」
「成程〜。謹む、恭しい、って意味がありますし、その字で良いかもですね」
「ふふ、そうでしょう?紅魔館の執事とするのに、ピッタリです」
「因みにどうして『魔法の魔』なんです?磨く方の磨でもいいのでは?」
「あぁ……それもいいなと思ったのですが、磨く事を
『研磨する』と言うでしょう?虔磨と研磨で何だかダジャレみたいになってないかなぁ、と……」
「成程。イイと思いますよ、虔魔。悪魔の館の従者としても合ってそうですし」
「……!それなら良かったです……!」
「この子の役割は……やはり?」
「ええ、旦那様の想像の通りです」
「じゃあ俺はあまり子育てに関わらない方がいい……んですかねぇ?俺と居るとダメになりそう……」
「いえいえ。是非、女性との接し方を教えてあげてください」
「それなら咲夜さんが『決断』の大事さをこの子に教えてからにしますかね……。俺はそれがダメだからこうなったとも言えますからね。ま、それはそれで幸せにはなれますけども」
「ふふっ、問題ありませんよ。最初から最後まで、一緒に育てましょう」
「了解です。2人の子ですからね。では、今夜から暫くは、住み込みで紅魔館に従事しますんで」
「ありがとうございます。宜しくお願いしますね。この子が……虔魔が1人で動けるようになった時は、いつも通りの生活に戻って頂いて構いません」
「いえいえ。1人で動けるようになる時期が、一番忙しい時です。翼もあるので尚更です。ですから、大人しくなるまで紅魔館に。それでいきます。一応レミリアにもその旨は伝えてありますしね」
「分かりました。……何だか、他の彼女さん達に少し申し訳ないですね……。意図せずとはいえ、独占してしまっているワケですから」
「ハーレムにも育児休暇は必須。皆も、それくらい分かってくれてますから」
秋姉妹については、この季節くらいしか遊べないので、デートくらいならする予定だ。季節限定だとそういうやり繰りも必須となる。ハーレムにも育児休暇などと言いつつ、完全なる休暇なんか、絶対に有り得ないのだ。
「うううぅっ……」
「やべ、起きた?」
「虔魔、お父様よ。落ち着きなさい」
「うぅ……?」
「あ。開眼した」
「えっ?ちょっとエスカルゴ、虔魔くん診せてっ!そんな早く目が開くなんてそんな…………本当だわ、どうしてこんなにも……」
「もしかしたらですが、この子、巫月と同レベルに成長が早いかもしれませんね。楽しみです」
話によれば、霊魔は生まれた瞬間に室内で飛んだそうなので、成長の速さのみで言えば暫定1位だ。15……いや、16人姉弟の中でも、彼が圧倒的トップと言える。
果たして虔魔はどうなるだろうか。
「……それなら良いんだけど。ねぇ、咲夜?どうしてこんなに早く出産に至ったのか、そろそろ話して?言われなくても察せるけど」
「俺も何となく察してます……」
「流石、お2人の目は誤魔化せませんね。お察しの通り、時を加速させたのです。私の身体に対して。当然、お腹も空きますし、お手洗いにも何度も行く事になりました。かなり大変でした。……ですが一度試してみたかった。お酒を作る時の応用ですね」
「無茶するわね、お陰で色々苦労したでしょうに」
「ええ。感覚的に分かる事ですが、急にお腹が重くなりましたからね……お掃除ひとつするだけでも酷く時間がかかりました。……ですが、そんなに悪い気はしませんでした。産む時は苦しいのが分かっているのに、出産が待ち遠しかったので……更に加速させ、これ以上は業務に支障が出ると思った所で、加速を停止。そして今に至るのです」
「成程……本当に無茶をしたわね」
「待ち遠しいからってそれは……。いや俺も気持ちは分かるんですけどね」
「旦那様……こんな流れで申し訳ないのですが、1つお願いがあります。聞いて頂けますか?」
「勿論」
「時を加速させた際、かなりの食材を使いました。弦月姫の備蓄も含めて、です。なので────」
「分かりました。買い足し、ですね?」
「────すみません。振り返ってみればこちらが思っていた以上に食料を消費してしまい……」
「いやいや、問題無いですよ。すぐ買ってきます。じゃあ今夜はそのまま紅魔館で寝るので虔魔のこと宜しく頼みます。明日、退院する時は迎えに来ますから。……もう無茶しないでくださいね」
「ええ。お気を付けて。……すみません、毎回毎回、あなたを働かせるような真似を……」
「咲夜さんを孕ませたのは俺ですから、これくらいしないと。育児の他にも色々やらせてください」
「分かりました、弦月姫にもその旨を伝えておいてください」
「了解です。ではまた明日。おやすみなさい」
「おやすみなさい」
スキマにて夜の魔界へ。人里と違い、魔界は昼夜問わず営業中の店が多い。やはり、魔界人は普通の人間とは違う。
そこで適当に野菜や肉などの、無くなっているであろう食材を買い込み、その場でスキマ送りにしてその都度紅魔館の冷蔵庫や冷凍庫などに突っ込む。
それにしても可愛い子供だった。男の子なので、妖舞や霊魔の時と同じように、早いうちにアソコの皮を剥いておいてあげよう。
昔のクラスメイト達の例を見るに、成長してから皮を剥くのは大変な苦痛が伴うらしい。因みに俺やヒビキは、赤子の頃に親父が剥いてくれたらしく、俺やヒビキは皮を剥く苦痛というものを知らないで育った。その点だけは親父に感謝している。
「……お。月だ」
幻想郷に戻ると、漸く月が顔を出し始めていた。月齢は永琳の言っていた通りの更待月。ふけまちでケンマ→十六夜虔魔、中々に乙な名前だと思う。
尤も、「虔」という字には「殺す」という意味もあるのだが。いや、それを含めても紅魔館の執事に相応しいと言えるかもしれない。
「さて、弦月姫はどうかなっと。とりあえず今夜は様子だけ見て仕込みして────」
どちらにせよ、新しい家族が増えた。果たして、この子……虔魔は、どう成長してくれるのやら。
末っ子虔魔の成長が今から楽しみである。
そしてその夜、俺は久しぶりに
成長を促すという事は生理現象も付き物ですから、当然、腹も減るしお手洗いにだって行きたくなると思います。レミリアが神綺に手伝ってもらった時は神様パワ〜で何とかなった。うん。そういう事だ。