その薬を片手に向かうのは誰のところ…?
「さて…どうするか…」
鈴仙は仕事行っちゃったしな…。
薬はあと7粒…そのうち2粒はフランとレミリアに使うから、使用出来るのはあと5粒。
それにしても、猫耳鈴仙可愛かったなぁ…。
是非とも写真に収めたい。写真………写真?
「そうだッ!!」
「む。また吸血鬼か。今度は何用だ」
「文さんに用があってな」
「…通れ」
「どうも」
妖怪の山に来た。
前に紫さんの名前を出してからは通行が比較的楽になった。用件は聞かれるが、それに答えれば通してもらえる。
ここに来たのは他でもない。
猫耳少女たちの写真を撮ってくれないか、と文にお願いしに来たのだ。彼女とて、新聞のネタになるだろうし、受け入れてくれるはずだ。
「エスカルゴさんが私に用とは珍しいですね!」
開口一番、文はそう言った。
まぁそうだな、珍しいな。
ここは文の仕事場。登山中偶然会ったにとりに、文の仕事場まで案内してもらったのだ。
「そう…ですね。へへ…」
「それで、どんなご用件ですか?」
「文さんに撮って頂きたい写真がありまして…」
「ほう!どんな写真ですか?」
食い付いてきたァ!
「猫耳少女の写真なんですけども…」
「猫耳!?…ですが、それってごく一部の人しか居ないですよね?」
橙とお燐か。
「ええ。…ここに、猫耳と猫尻尾が生える薬があります。それを対象に飲ませるんです」
ビンを見せながら言う。
「ほうほう!興味深いですね!」
「…お願い出来ますか?」
「良いでしょう!」
よっしゃ!
「ただし、条件があります!」
「条件…?」
あ…報酬か。まずい…この状況、非常にまずい。
お金はまずいぞ…半年は収入のアテがない。
「その薬を私にも飲ませて下さい!そうすればその話にノりましょう!」
ええええ…。まぁいいか、5粒のうちの1粒だ。
それに、お金取られるよりずっとマシだ。
「わかりました。どぞ」
「ありがとうございます!」
受け取るなり即座に飲み込む文。残り4粒。
1分後
ポンッ
「あやややや!?ホントに猫耳が!!」
「おお…!」
猫耳あやや…予想以上に可愛いぞ!?
「触って良いですか?」
「ちょ、ちょっと待って下さい!写真を…!」
あやや、自撮り開始。
「おお…おお!うーん、素晴らしいですね!」
撮った写真を見ながら言う。
それは自分について言ってるのかな?
それとも猫耳について言ってるのかな?
まぁどちらでもいい。
10分後
「いやぁ、素晴らしい体験をさせていただきました!ありがとうございます!」
「へへ、こちらこそ…」
結局触れなかったぜちくせう…。
「じゃ、行きますか」
席を立つエスカルゴ。
「そう言えば、誰に飲ませるのか聞いてませんでしたね!誰に飲ませるつもりですか?」
「んー、まずは霊夢ですね」
「おお!猫耳を生やした博麗の巫女…いいネタになりそうです!」
「あはは…」
バレたら怒られそうだな。
「じゃ、文さんは物陰から…」
「わかってますって♪」
「お願いしますね!」
「はいっ!」
よし…行くぞ!
「霊夢〜、居るかー?」
「居るわよー。中いらっしゃーい」
中から声が返ってきた。
え…中?それはちとまずいんじゃ…?
文の方を振り向くと、ウインクして親指を立てている。つまり、大丈夫ということか。
「入るぞー」
ガラッ
「いらっしゃい」
相変わらずコタツで伸びてる霊夢。
「よう」
「どうしたの?」
「あぁ、霊夢にお願いがあってな…」
「…?」
「猫耳が生える薬…ってのがあるんだが…飲んでくれないか?」
「はァ?なんで私が?あんた飲めば良いじゃない」
俺が飲んでも需要ねぇよ…(汗)
「猫耳霊夢が見てみたいな〜…と思ったんだが…」
「…見てどうするのよ」
「見るだけ…かな。霊夢のことだし、どんな格好しても可愛いのは間違いないし」
「か、可愛いって…バカにしてるの?/////」
なぜそうなる。
「いや、褒めてるつもりだが」
「………/////」
「頼む!」
手を合わせて頭を下げる。
「なんでそこまで…/////」
「どうしても見たいんだよ!猫耳霊夢が!」
「……良いわよ、やってあげるわよ」
「やりぃ!」
「すぐ終わるでしょうね?」
「ああ!10分だけだ!」
「ならいいわ」
っしゃあああ!!
「よしっっっ!!」
「寄越しなさい」
「おうっ!」
奪うように薬を取り、少し躊躇しながらも飲み込む霊夢。残り3粒。
1分後
「な、なによこれ…」
「おお…!」
鼻血出そう…。
「ど、どう…?似合ってる…?」
照れ気味な霊夢。
「ああ!似合ってるよ!!」
「そう…なら良かったわ/////」
「なぁ、猫のポーズして『にゃあ』って言ってみてくれないか!?」
「はぁ!?」
「頼むっ!!」
「さ、流石にそれは…恥ずかしいわよ…」
「大丈夫だって!2人きりなんだからさ!」
室内には…な。そう、嘘ではない。
「で、でも…」
「じゃ、猫耳触らせて」
「い…良いわよ」
フニフニフニ…
「ひッ…!」
「どうした?」
「な、なんでも…ひゃうんっ!」
「ん〜?どうしたどうした〜?」
「な、なによ、これぇっ…!や、やめ…」
「じゃあ、やめる代わりに、猫ポーズしながら『にゃあ』って言ってくれるか?」
「言う、言うから…っ、や、やめてぇ…!」><
おーおー、顔真っ赤にしちゃって…。
「よし、お願いしまぁすっ!!」
「うう…」
なかなか始めてくれない霊夢。
仕方ない、恥ずかしいのはわかる。
だが…効果切れるまであと少しだ。まずい。
「また触るぞ〜?」
「そ、それはだめ…」
そんなにダメなのか。
「スー……ハー……」
深呼吸か。ようやっと心の準備が整ったか。
「さ、霊夢さん!お願いしますっ!」
「にゃ…にゃあ……/////」
ふあああああああああああああああああ!!!
「おお…おお…!可愛すぎるぜ霊夢…!!」
「うっさい!」
ベシッ
「いてっ」
ビンタされた…。
だが、両の手首をクイッと曲げ、顔の横までその手を持ち上げ、恥じらいながらの「にゃあ」の破壊力はやばい。
ましてや巫女服なんだ。猫耳巫女パネェ!!!
ポロッ
『あ』
ギリギリだったか…危ねぇ危ねぇ。
「と、取れたわよ…?」
「効果切れたんだな」
「そ、そう…」
「あーあ、もっと見てたかったなぁ」
「私はもう嫌よ」
「なんでさー」
「恥ずかしいじゃないのよ…」
「似合ってるんだから恥ずかしがることないさ」
「意味わかんないわよ…」
「へへへ…」
あ、やべ、文待たせてるんだった。
「すまねぇ霊夢、用事思い出した」
「…それ飲ませるためだけに来たんでしょ?」
「ギクッ…」
「その用事ってのも、他の人にもそれ飲ませるんでしょ?」
「流石霊夢、勘が鋭いな」
「ったく…また来なさいよ?」
「もちろん。また今度、ゆっくりしようぜ」
「そうね」
ふぅ〜…。
「お待たせしました文さん」
「あ、エスカルゴさん!お楽しみでしたねぇ」
「あはは…。写真撮れました?」
「ええ、もちろん!ポーズまで完璧ですっ!」
「っしゃあ!!」
あれ撮れたのは最高だね。
「それにしても、かなり良い雰囲気でしたねぇ。お2人さんまさか…」
…バレた?バレた場合、認めていいのか?それとも否定するべきなのか?
…いや、最初霊夢に黙っててと言ったのは俺なんだ。フランたちに言った今、恐れるものは無い。
よってぶっちゃけて良い。
「付き合ってたりします?」
はいバレたー。
「…えへへ…」
「わお!これは大大大スクープですよぉ!!」
あ、それはマズくね?
魔理沙すら知らないんだし…「なんで教えてくれなかったんだ」とか言って騒ぎそうだ。
「新聞にするのは勘弁して下さい…」
「あやや?何故です?」
「霊夢の許可取ってないですし…」
「うーん………」
「そ、それより、続き行きませんか!?」
「あ、そうですね!…誰の所に行くんです?」
「…文さん、潜入とか大丈夫ですか?」
「大丈夫ですっ!!」
「じゃ、行きますか」
「何処へですか!?」
「…紅魔館へ」ニタァ
「なるほどっ!」
フランとレミリアは最後…寝る前にと思っていたのだが、それは辞めだ。それだと写真に残せない。
俺らが寝てる所までは見られたくないからな。
残り3粒…か。大事にしよう。
いや、今まではフランとレミリアの分を除外してカウントしてたから、残りは5粒か。
「じゃ、行きますか」
「え゙っ、玄関からですか!?」
「あくまでも俺の客人として…」
「しかし、先程潜入と…」
「フランは兎も角、レミリアは写真撮らせてくれないでしょうから…その時だけこっそり撮ってくれますか?」
「なるほど!了解です!」
「お願いします」
「はい!」
フランは前に、文の見てる目の前でキスしてきた過去があるから、そこは大丈夫だと思う。
レミリアがなぁ…霊夢ばりに恥ずかしがり屋だから多分撮らせてくれないと思う。あの2人が一緒に居たら、フランのも隠し撮りしてもらおう。
それで残り3粒となる。
「あらエスカルゴさん、おかえりなさいませ」
「ただいまです!」
咲夜さんの猫耳姿見てぇぇぇぇぇぇ!!!
「そちらの新聞記者は…」
「俺のお客さんです」
「わかりました。今お茶をお持ちしますね」
「お願いします」
とりあえずいつもの所に腰を下ろす。
「簡単に潜入出来ましたねぇ」
「ドヤァ」
パシャッ
「え?」
「おっ、良い顔ですねぇ」
「ええ…ドヤ顔撮らないで下さいよ…」
「良い顔を見たら写真を撮りたくなるんですよね〜」
「あはは…。じゃ、簡単に考えを話しますね」
「おっ!」
コホンと咳払いをして俺の考えを簡単に話す。
「写真を撮る際、レミリアにバレなきゃ良いんです。フランにならバレても継続出来ますけど。レミリアにバレたらカメラ壊されますよ」
「ああ…前壊されましたね…」
「それは絶対に避けたいですね」
「頑張りましょう!」
「ええ!」
「お茶をお持ちしました」
「あやっ、ありがとうございます!」
「ありがとうございます咲夜さん。…あの、突然なんですが、一つお願いしても宜しいでしょうか?」
「お願い…ですか?」
「ええ」
「私でよろしければ何でもお聞きしますよ」
よっしゃあああああああああああ!!!
「ありがとうございます。では…これ、飲んでくれますか?」
1粒手に乗せて差し出す。
「何です?これ…」
「猫耳が生える薬です」
「猫耳ですか!?一体どこから…」
「パチュリー様に精製して頂きました」
「なるほど…。わかりました」
グイッと飲み込む咲夜さん。残り4粒。
1分後
「あわわ…ホントに生えましたね…」
「うおおおお!!凄い!凄いお綺麗ですよ!!」
猫耳メイドの破壊力パネェ!!!
猫耳巫女と同じくらいやべぇ!!
「は、恥ずかしいです…」
「すいません、そのままポーズ取って『にゃあ』って言ってもらっても良いですか!?」
「えぇ…それは流石に…」
「お願いします!!」
また手を合わせて頭を下げる。
「…それで、写真を撮るんですか?」
「ええ!」
「…はぁ、わかりました…」
溜息つかれた!
「コホンッ…。……にゃ…」
来るか!?来るかァ!?
「……にゃあ……/////」
ブバッ(←鼻血吹き出た
「あ」
「きゃあああ!!エスカルゴさん!?」
「おっと…鼻血が…」
左手で鼻を抑える。
「今タオルお持ちします!!」
「すいません…」
「あやややや、派手に出しますねぇ」
「へへ…。それより、写真撮れました?」
「もちろんですとも!」
「よかった…」
霊夢と違い、両手ではなく片手のみでポーズをとった咲夜さん。それでも、理性の破壊には十分すぎる一撃だった。…ギリ耐えたが。
「こちらを!」
「ありがとうございます」
咲夜さんからタオルを受け取り鼻を抑える。
鮮やかな色の血がタオルに広がる。
この色から察するに、動脈が切れたのかな。
「だ、大丈夫ですか…?」
「大丈夫ですよ」
「それは良かったです…」
「まさか鼻血出るとは…思わなかったな…」
「何故突然…」
「咲夜さんのせいですよ?」
「ええ!?」
「咲夜さんが綺麗すぎなんですよ…」
「え…ええ…?」
「普段通りでも綺麗すぎだっつーのに猫耳とか…。もはや犯罪級ですよ」
「あ…ありがとうございます…」
ポロッ
『あ』
「猫耳タイム終了かー」
「ホッ…」
「もう少し見てたかったな…」
「エスカルゴさん…?」
「…あ、鼻血止まった。顔洗ってきます」
「お、お気をつけて…」
ちと言い過ぎたか?
いや、思った事言っただけだしな。
「それにしても……はぁ……」
なんで鏡に映らねぇかなぁ!?
どこが汚れてるかわからねぇじゃん!!
「顔洗ってきましたー」
「あら、まだついてますよ」
「え゙」
「拭いて差し上げますので、動かないで下さいね」
!?
フキフキ…
あ、口元についてたのね…。
つーか、美人メイドに口拭いてもらうとか最高かよ?最高だなぁ?我が人生に一遍の悔い無…いや、フランの猫耳見るまでは死ねない。
ちょっと顔近いんじゃないのかなぁ?
20センチ位しかないな。
…このまま一気に唇奪ってやろうか?
いや殺されるわ。銀のナイフで殺されるわ。
こんなこと考えるのも、俺が元人間故…かもな。
「よし…。綺麗になりましたよ」
「ありがとうございます!」
もっと近くで見てたかったな…。
「あ、エスカルゴだー♪」
「おお、フラン!」
好機!!!
「あれ?文も居るー」
「ご無沙汰してます、フランさん!」
ニコッとする文。
あれは……営業スマイルか?
「どうしたの?」
「文さんに撮ってほしい写真があってね」
「へー…何の写真?」
「猫耳写真」
「猫…耳?」
「そう、猫耳。フランさ、猫耳生やしてみたいと思わないかい?」
「! 思う!!」
∑(`οΔο)キタコレ!!
「なら、これ飲んでくれるか?」
1粒差し出す。
「なぁに?これ…」
「パチュリー様特製の薬。これ飲むと猫耳生えてくるんだ」
「まぁ!流石パチェね!」
「だよなー。さ、飲んでくれ!」
「うんっ!」
残り3粒。
1分後
「わぁ〜!これ凄いわね!」
「うおおおお……やっぱやべぇ!!」
帽子を取って猫耳を見せてくるフラン。
やはり可愛い。可愛いとしか言い様が無い。
「なぁなぁ!猫ポーズして、『にゃあ』って言ってみてくれないか!?」
「いいよ!」
うおおお快諾キタコレ!!!
「やったぁ!!」
「うふふ♪………にゃあ♡」
「─────っっ!!!」
ンア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!!!!!
なんだこの感覚!?心臓がキュッと締まるような!可愛すぎて死にかけてる!?萌え死ぬ!?萌死か!?そうか!そうなのか!?そうなのかァァァ!!!
「可愛すぎるぜフラン…!」
ギュウウウウ…
「ありがと、エスカルゴ♪」
気が付くと、俺はフランを抱き締めていた。
可愛すぎて我を失ってたようだ。仕方ないな。
「ねっ、ねっ!猫耳似合ってる?」
「ああ!似合ってる!!」
「良かった〜♪」
「ふふ…ふへへへ…」
可愛すぎぃ…!
「前から猫耳に興味あったのよね〜♪」
「ほう…そうなのか」
すんなり受け入れてくれたのはそれか。
ポロッ
『あっ』
「もう効果切れか…」
「もう1回っ!」
おおおおおおおおおおおおおおお!!!
「おう、いいぞ!!」
なんという僥倖…!
10分後
「あ〜、満足した♪」
「それは良かったぜ」
「やっぱパチェって凄いわね!」
「だな!」
薬の精製まで出来るんだもんな。
「お姉様にも言ってこよ〜♪」
「あ、俺も行く!」
チラッと文を振り返り目配せする。
「………」コクッ
文はそれに気付き頷く。
「なぁフラン、レミリアは何処にいるんだ?」
「図書館に居るはずよ」
「おお、そうか」
好都合だぜ…!
図書館なら隠れられる所が多いからな!!
「お姉様〜、いる〜?」
「あら?どうしたのフラン?エスカルゴのとこ行ったんじゃなかった?」
お、いたいた。読書中か。
「お姉様、猫耳になってみたいと思わない?」
「思うわね」
思うのかい!
「なってみましょ!」
「どうやって?」
「エスカルゴ、薬を」
「おう。…これ飲むんだ」
手のひらに1粒乗せて差し出す。
「へー…。これはパチェが?」
「そうそう。察しがいいな」
「わかり易いわ」
「そうか」
フンっと鼻で笑って薬を飲み込む。残り1粒。
1分後
「ど…どう?」
恥ずかしさからか、帽子で顔を隠している。
「似合ってる!!」
「お姉様も猫耳だ〜!」
「な、そのまま、『にゃあ』って言ってみてくれるか!?」
「な、なんでこの私がそんなことを!?」
「絶対可愛いから!!」
「恥ずかしいからだめ!」
「むぅ…」
「あらお姉様、私はやったわよ?」
「なっ…!?」
「だってエスカルゴの頼みだもん♪」
「フラン…!」
いい子だな…!
「えっへへ〜」
「しょ、しょうがないわね…やってあげるわよ」
「おおっ!」
「やったぁ♪」
KI・TA・KO・RE!!
「………にゃあ…/////」
うおおおおおおおおおおおおおおお!!!
「お姉様可愛い〜♪」
「可愛いぞレミリア!!」
撫でながら褒める。
今の俺の顔…ニヤニヤしてて気持ち悪いだろうなぁ…。
「う、うっさい!/////」
ポロッ
『あっ』
「危ねー、もう少しで時間切れだったか」
「ふふっ、良いもの見れたわ♪」
「なぁ、もう1回やる気は…」
「無いわよ」ピシャリ
「ちぇー」
あ、写真どうなったかな?
「お客さん来てたの忘れてた、俺そっち行くわ」
「あらそう。…誰?」
「文さんだよ」
「へー…」
怪しいわねと言わんばかりに睨んでくる。
「へへ…へ…」
苦笑いしながら1人で図書館を出る。
「どもっ!」
「あ、文さん。どうでしたか?」
「バッチリですっ!」
「それは良かった!じゃ、行きますか!」
「あれ?今度はどこへですか?」
「文さんの仕事場で、写真の現像を」
「了解です!」
文さんが話のわかる人で良かったぜ。
「出来ましたよ!!」
一冊の本を持ってくる文。
「どんな感じで……おおおおおおお!!!」
アルバム形式とは言ったけど…分厚くね!?
厚さ2センチはあるぞ!?
「このまま販売したいくらいの出来ですねぇ!」
「ダメですよ?」
「わかってますって」
あれからすぐに文の仕事場に戻り、大量の写真を現像した。かなりの枚数から、そのまま持ち帰ることは不可能と判断し、一冊のアルバムにまとめてくれとお願いした。
その際、文さんの自撮りも入れてくれとお願いしたが断られた。だがそれで諦める俺ではない。
何度もお願いし、終いには土下座してなんとか入れてもらえることになった。
「本当にありがとうございます!俺のワガママを聞いて下さって…」
「いえいえ!新聞のネタになりましたし、こちらとしても嬉しい限りです!ありがとうございます!」
いい人だぁ…。
「私の自撮りというのは少々恥ずかしいんですけどね…」
「大丈夫ですって!見るのは俺だけですから♪」
「うう…他の人には見せないで下さいよ?」
「わかってますって♪」
少し雑談したあと、厚く礼を言ってその場をあとにした。もう夕方になっていた。
「少し」では無くかなり喋っていたようだ。
「ただいまー」
「おかえりなさいませ。…あら、お買い物ですか?」
小脇に抱えているアルバムを見て言う。
「そ、そうです!」
「そうですか。目を悪くしますので部屋を明るくしてお読み下さいね」
「はいっ!」
部屋に戻り早速アルバムを開く。
「おお…!」
素晴らしいな、これは。
被写体の可愛さはもちろんのこと、撮り方も素晴らしい。様々なアングルから撮られてるし。
特にレミリアのは四方八方から撮られていた。
図書館内で暴れていたかのようだ。
「え゙っ!?」
俺が鼻血吹き出す瞬間の写真まである!?
「あやややや〜…」
やれやれだぜ…と思わず苦笑する。
「エスカルゴさん、お夕飯の支度が整いました」
「あ、はーい、今行きまーす!」
もうそんな時間?
外を見ると、もう真っ暗になっていた。
「ん…?」
アルバムを隠したところで、ふと思い出した。
何か忘れてるような…?
何かを忘れていることを思い出した。
そしてそのまま、モヤモヤした気分で夕飯に向かった。
鈴仙、文、霊夢、咲夜さん、フラン×2、レミリア…。やっぱ猫耳は可愛い…至高ですわ…。