巫月が企画したリーグ戦は、とてもではないが、無謀と言わざるを得ないものだった。会場を見れば蓮子とメリーが居る。つまり巫月がメリーを探し、蓮子共々連れてきたのだろう。だから俺の想像通り19人でのリーグ戦となるのは間違いない。
「時間の事とか考えてんのか、巫月のヤツ……。まぁ巫月だし、大丈夫だとは思うけどよ……」
そう、巫月はしっかり者だ。だからある意味では安心できる。しかしそれでも疑問には思ってしまうというのは仕方ないものだ。
それだけ、参加する人数が多いので、無謀としか思えないからだ。
「……結局、あなたの子って合計何人なの?」
「19人。かなり増えたよね〜」
「他人事みたいに……」
「客観的と言ってくれ、鈴仙。ところで緋月も参戦するみたいだけど……大丈夫か?」
「大丈夫よ。ああ見えて戦闘訓練はしてるみたい。遊びの延長線だから、まともな訓練じゃないけど。でも本人が参加したいって言うからね。少しでも、あの子にとってヒントになればいいんだけど」
「だな」
鈴仙としては止めたいと思っている──ようにも聞こえるニュアンスだったが、許可した以上は娘を止めるのは野暮だろう。とりあえずは、見守る事に徹しようと思う。
やがて始まる、レミリア&巫月主催のリーグ戦。催し物の時間を使って行うのだから、レミリアにも話を通しているのは自明の理だった。
「────と、いうワケでっ!レミリアさんに話は通したから、後は私達19人で戦うよ!あと、一応はリーグ戦って事で考えてるけど、トーナメント戦も視野に入れてるから、そっちが良いって言うなら、今のうちに言ってくれると嬉しいなっ!19人だから多数決は丁度2つに分けられるね!」
「「「!!」」」
子供達の何人かが反応した。リーグ戦となると、1人につき全部で18試合も戦う事になる。だから、戦闘が楽しめず面倒に感じがちな子は、巫月の今の発言を聞き逃さず、喜んで多数決にノる事にした。
「トーナメントが良い人、手ぇ〜挙げてっ!!」
「「「「はーい!!」」」」
茜、樹理愛、ここあ、シガレット、魅玖、恋夜が手を挙げた。しかしそれ以外の子供達は非難めいた視線を彼らに向けている。
余計な事をするなよ、とでも言いたげな子まで。
しかし驚いた。まさか霊魔が手を挙げないなんて思わなかった。霊魔の事だ、手を抜くのは嫌だから参加するとなれば全力でやるだろうが、戦闘などは避けたいと思ってそうだと感じていたので、彼からリーグ戦をやりたいという意思表示をされるなど、予想だにしていなかった。
「う〜ん、6人かぁ。13:6でリーグ戦に決定〜!6人には申し訳ないけど多数決だしね、仕方ないと思って受け入れてね!」
「「「「はーい……」」」」
素直である。流石は俺とあの母親達の子である。性格にもそんなに難は無い。子供達の多くは戦闘が好きらしいので、面白い試合が見れそうだ。
子供達の成長も改めて拝めそうだし、安心して、観戦することにした。
「それじゃあ、リーグ戦について、超ザックリ説明するよ!19人で総当たりで試合して、勝率で順位をつけるよ!上位になったら
「順位を?……ふぅん。少し分かったよお姉ちゃん。つまり私と決着をつけたいんだ」
「おっ、流石は次代の巫女と呼ばれるだけあるね!そうだよ、霊愛。もうね、引き分けには飽きたの。いっつも両方のほぼ力が同時に尽きて戦闘不能に。そんな決着、もう飽きたね」
「……奇遇だね、お姉ちゃん。私もそう思ってた」
「ふぅん……それじゃ、霊愛と戦う時は本気出すよ♡あっ、それから他の皆もちゃんと聞いててね!私、巫月・優曇華院・スカーレットは!エスカルゴの子19人の中で頂点に立つよ!支配や統治なんかは別にどうでもいい。けど、自己満足だと言われようと、私はエスカルゴの子の中でのトップにならなくちゃいけないの。私はお姉ちゃん、長女だからね!もし自分の強さを皆に知らしめたいなら、私や霊愛には本気で戦わないとだよ!全力で掛かってきな!!」
「「「「────ッ!!」」」」
巫月の挑発に反応した者が霊愛含めて5、6人。あわよくば頂点を目指そうとしている者がこんなに居たとは、俺には分からなかった。
駆翔が反応しているのは流石だった。早鬼組長の教育が行き届いていると言える。
「姉御を倒して、この俺が頂点に立ってやる!!」
「流石の自信です、巫月お姉様……。しかし、私とてお父様の子なんです……そう何度も易々と負けたりはしません……!紅魔館の副メイド長として!皆に胸を張れる戦いを……!!」
「副メイド長とは、あまり手合わせはしませんが……俺は紅魔館の執事として、全力を尽くすのみです。副メイド長も含めて……本気で戦わせて頂きます」
「さっすが、お父さんラブなお姉ちゃんだね。ま、ノッてあげようかな。見え透いた挑発にね……!」
恐らく初めてのまともな敗北を味わったであろう駆翔は、巫月にライバル心を燃やしているようだ。半ば諦め掛けている穹と違い、弦月姫は今でも姉に勝とうという意気込みはあるらしい。虔魔は、胸を借りるつもりで全力を出すつもりだし顔付きが戦闘モードになっているので、これは期待できそうだ。
そして、次女の霊愛は額に青筋を浮かべ、口元をヒクつかせて壇上の姉を見上げている。姉の挑発を受け入れるつもりらしい。
ここ数年、巫月と霊愛の戦いは引き分けばかり。決着を、と本気で思い始めるのも、仕方ない程だ。巫月も霊愛も負けず嫌いで、かなり粘り強い。素のフィジカルこそは巫月の方が上だが妖怪退治などの技術の有無を考慮した場合、巫月と霊愛の与ダメと被ダメのバランスは案外釣り合っていそうだ。
「皆……外、行こっか。準備は整ってるからね♪」
◆
「なんって硬さなんだよっ……霊魔ァァッ……!!」
「……ごめん、お兄ちゃん。僕は、勝たなくちゃダメなんだ。だから────本気でヤるよ」
ある所では長男妖舞vs次男霊魔の戦いが行われているようだ。一進一退の攻防を繰り広げているが、霊魔の球状の結界に妖舞の刃は通らず、パキポキと砕け散っている。辺りには凄まじい数の刃の破片が散らかっていた。妖舞の刀を振る速度があまりにも速すぎて、観客の方にまで刃が散る事もある。
霊愛や霊麗もまた別の所で戦っているが、霊夢は息子の霊魔が気掛かりなようで、霊魔の方ばかりを見ていた。俺も妖舞との戦いは気になるので、試合開始から暫くしてから霊夢と合流し、そちらに目を向ける。
試合会場を囲む柵の俺達の反対側には、まだ幼き霊魔の彼女であるシガレットも居るようで、必死に彼の応援をしていた。
「────雷武器『雷刀』」
霊魔が、どこか聞き覚え・見覚えのあるスペカを発動。彼の手にあるのは、けん玉ではなく一振りの刀だった。刃は帯電していて、霊魔は刀を見つめてどこか恍惚とした表情になっている。
「なっ……あっ、ああっ……霊魔、お前っ……雷まで、操れる、のか……!?」
「……うん。武器にしたり、弾幕にするだけだったら僕にもできるよ。頑張ったからね。でも、お父さんみたいに雷を落としたりはできないみたい……」
「……霊魔が雷のけん玉を造ってた時点で、何となく分かってた。お前ならいつか、父上みたいに武器化できるようになるんだろうって……!でも……まさかこんなに……早くそうなるとは……」
「宣言するよ、お兄ちゃん。……僕が勝つよ。僕は、博麗の巫女、博麗霊夢の息子であり……地獄の英雄、エスカルゴ・スカーレットの息子だから」
「────ッ!!」
「
「ッッッ……兄ちゃん相手に宣言するなんてな……!何でかは知らねーけど、一皮剥けたんだな霊魔……。でも甘いな。兄に、簡単に勝てると思うなよ!!」
「!」
「俺だって負けられないんだッ!母上が、師匠が、主人が見てる!父上だって!これ以上、俺は……!!余計な敗北を繰り返すワケにはいかねーんだッ!!ましてや弟に負けてられるか!!前みたいに姉上に負けるのとは違うんだッ!!」
「……決着を。お兄ちゃん……!」
「来い!!お前の攻撃、受けきってやる!!」
雷刀を向ける霊魔。その姿は様になっているが、刀を構えるのはまるで素人同然。妖舞は彼の攻撃を受け止める気満々らしいが────妖夢は、霊魔の構えを見た瞬間、顔色を変えて叫んだ。
「────ッ!だめ、妖舞!!受けちゃダメ!!」
「妖夢。男の勝負に口出しは無用だ」
「ッ!?何が男の勝負よ、まだ子供でしょうが!」
妖忌が妖夢に声を掛けるも、妖夢はそれを一蹴。その気迫に
「もし妖舞がそれを受けたら負ける!絶対にッ!!
「……もういいよ母上。俺は集中するよ。弟の攻撃も受けられねーで、何が兄ちゃんだ。さぁ、イイから来いよ、霊魔!!」
「……分かったよ、お兄ちゃん」
地面を踏み締め、溜めに溜めた足を解放。漆黒の弾丸となり、霊魔は目にも留まらない超速度で兄に迫る。その速度で動く彼を目に写せるのはさしずめ鴉天狗やその血を引く者、そして、瞬間的とはいえそれ以上の速度を出す事が出来る魂魄家の者くらいだろう。
少なくとも、吸血鬼としては再生力以外の性能は並である俺の目には、霊魔の動きは見えなかった。
妖舞の事だ、剣を使う者としてはド素人の霊魔の剣戟は、しっかりと受けられたに違いない。しかし妖舞は今、地に膝を付いている。自分の刃を自分の足に突き刺して、覚醒を促しているようだが……。
「……今、何があったんだ?」
「あら、アンタには見えなかった?霊魔が彼の首を切ったのよ。
「ああ……それで痺れてんのか」
遥か昔、俺が幻想入りした頃に開発した、雷武器シリーズ。これは一定以上のエネルギーを与えるとしっかり物体も壊せる。つまり具現化する。刃物と打ち合うことだって可能だ。しかし逆に一定以下のエネルギーで武器を形作ると、物体を通り抜ける。
当然、そんな武器では防御は不可能だが、逆に、
「そうみたい。武器化には慣れてないから、威力が弱すぎたのね。まだ耐えてるわ」
「……ふむ」
因みにこの雷武器シリーズを使えるのは、巫月、魅玖、霊魔だけである。姉2人は《雷を操る程度の能力》を鍛え上げた結果。霊魔の場合は《玉を操る程度の能力》で生み出す弾幕が雷エネルギーなのに気付いて、そこから、粘土のように形だけを変えるよう鍛えた結果なのだという。
彼の生み出す巨大なけん玉は、元からそういう形らしかったので、彼の「けん玉」も「玉」の判定に入っているか、もしくは一部のようだ。
緋月も雷は落とせるし、雷の弾幕も放てるので、鍛えれば武器化もできそうだが、本人にはその気があまり無いらしい。少々残念だが仕方がない。
ついでになるが、俺に一番近いのは巫月である。あの子はスキマまで使える程に能力を鍛えてある。コツは教えたとはいえ、あまりにも成長が早すぎて我が子ながら恐ろしい。
「あああっ……ああああぁぁああああああっっ!!!ま、負けて、られ、るかァァァッッッ……!!」
「立つんじゃあ……トドメ、刺さなきゃだよね。勝負する時は徹底的に────だよね、お父さん」
手から出した刀を杖に、どうにか立ち上がった。しかし霊魔はそんな兄を前に、堂々と正面に立ち、彼をすり抜ける雷刀にて真っ二つに斬った。
「が……っ」
顔面から地面に倒れ込み、動かなくなった妖舞。しかし次の瞬間、霊魔も膝をつく。
「!?……ッ……!?かふっ……、は、はっ、はぁっ、はーっ、はーっ…………あ、ぐ、くっ……!?」
「へっ……へへ…………峰、打ち……だ…………ぜ………………」
「っ────!!」
妖舞の攻撃は霊夢にも見えていなかったようで、軽く狼狽している。すれ違いざまに、霊魔の速度を利用して峰打ちを鳩尾かどこかの急所に叩き込んだようだった。
妖舞が呟き終わり完全に眠りに落ちるのと共に、霊魔も腹を押さえたまま倒れ込み動かなくなった。
「う、嘘、霊魔が負けた……?幾ら結界を解除してたとはいえ、そんな強い攻撃を、霊魔が反応できないくらいの速さで攻撃を叩き込んだって……?」
「んー、流石だな妖舞……妖忌に習ってるだけある」
「そうね……こればかりは流石と言わざるを得ない。霊魔の方が打たれ強いはずなんだけど……凄いわね」
「だな。妖舞も能力を使いこなしてるみたいだし」
妖舞と霊魔の戦いは、一進一退の攻防の末に兄弟相打ちという結果に終わった。兄としては、弟には負けたくなかったのだろうし、弟としては、兄にも勝ち、強さを確認したかっただろうが……正直な所、相打ちならかなり上出来だと言えるだろう。
寧ろここまで妖舞に喰らい付けただけで褒めるに値する戦いをしたと言える。
「────さて、次は誰の戦いを見ようか……おっ、あそこでは巫月と……阿弥っ!?」
「異色の組み合わせね。総当たりだからこそ……って感じね。そうじゃなきゃ、あの2人の関わりなんて見れそうにないし」
「確かに」
会場の一角では巫月と阿弥が対峙している。まだ弾幕の応酬をしていない事から察するに、始まったばかりという事だろう。
ただ、一つ気になるとすれば、阿弥がどのように戦うのか……という事だが。
◆
「……そういう訳で、私は格闘も弾幕もできないから今言ったみたいな戦いになるけど……いい?」
「うん、いいよいいよぉ!お姉ちゃんの胸を借りるつもりで、掛かってきちゃいな♪」
「うん、そうさせてもらうよ」
許可も得たので、私は《表を司る程度の能力》を使用。すると、すぐにお姉ちゃんの《表》が見えるようになった。
本音と建前、欲望、今考えている事も。
私の能力は間接的に読心もできる。目に見えない本音すらも覗き見る事が可能。それが能力だから。それじゃあ《裏》じゃないのかなとは思うけれど、表裏一体という言葉があるように、表=裏なんだ。だから《表》に出てこない《裏》も、ある程度なら司れる。それが私、摩多羅阿弥。
「────巫月お姉ちゃんはお父さんが大好き」
さぁどうだ。本音をぶちまければ照れて降参するはず。「これ以上はやめて〜!」と照れて逃げ出す姉の姿が目に浮かぶ。
「そうだよ?」
「ッ────!?」
「阿弥?まさか、
「な……ぁっ……」
「ふふ、さっき言ったでしょ?胸を借りるつもりで掛かってきなって。さぁ……来なよ」
こッ……この姉……
◆
「……あそこはどんな戦い?何?口論?」
「いや、阿弥が一方的に怒鳴ってるように見える。巫月は寧ろルンルンしてるな……」
「阿弥ちゃんも大きい声出すのね……」
霊夢もビックリな様子だ。そして、2人の試合を間近で見ようと近くに行き2人のやり取りを聞いて更に驚く事になった。
「いつもお父さんとチューしたいと思ってる!」
「そうだねぇ」
「い、いつでも一緒に寝たいって思ってる!!」
「うふふ、そりゃあねぇ〜♪」
「いっ……いつも、ずっとえ、エッチ、したいって、思ってる……ッ!!」
「当たり前じゃん?」
「〜〜〜〜〜ッ……も、もうダメぇ!降参する!!」
「え〜?そんなんじゃあつまんないよ、もっと色々暴露してご覧?それが阿弥のやり方なら、ぜ〜んぶ受け入れるよ?」
「っっ……お、お母さぁぁぁん!!」
「「…………」」
俺も霊夢も、思わず黙り込んでしまった。まさか阿弥の場合は本音暴露になるなんて思わなかった。体術は苦手そうだし弾幕もあまりしない阿弥だから仕方ないのだろうとは思うが。
「……巫月ちゃん、とんでもないわね」
「……。まぁ……な」
「まさか襲ったりしないわよね?せめて霊愛と霊麗だけにしてよ?」
「………………」
「……ああ、やっぱりね。とっくに……って事ね」
「……」
「その沈黙は肯定と受け取るけど?」
「……ウッス」
「ま……そうよねぇ。巫月ちゃんは行動力の化身だし仕方ないわね」
「因みに霊愛より先に関係を持った。ずっと前だ」
「え。……じゃあ巫月ちゃんとの反省を活かしてないワケ?はー、この旦那はどこまで馬鹿なのかしら」
「相思相愛なら良いだろ。もうそう思う事にした。あまり公にしないでくれよ?阿弥もそこら辺は一応弁えてるみたいだな、だから『まだヤッてない』な感じに言ったみたいだし」
「そりゃ言いふらしたりしないわ、博麗神社の事もバレるかもしれないんだから」
「ハハッ、違いねぇ」
阿弥は顔を真っ赤にして隠岐奈に泣きついているようだ。二童子がヨシヨシと慰めていて、隠岐奈は高笑いしている。
阿弥を完封するにはエロい本音を見せればいい。今の戦いからそう察する事ができた。
◆
「阿弥ったら、恥ずかしがり屋さんだね〜……さて、次は誰と…………おっ!妖舞〜、復活したの〜?」
「あっ、姉上。ついさっき目ェ覚めた。霊魔は?」
「同じくさっき目覚めたみたい。相打ちだったよ、おめでと♪……いや、残念だったね、かな?」
「ちぇっ。俺がもっと電気に耐えてたら……」
「たらればを言っても仕方ないよね。そんなに無駄すぎる後悔をするなら、その反省を、私との戦いで活かせばいいよ。そう思わない?」
「!!」
「長女vs長男といこうか、妖舞」
「ヘッ、回復する時間を与えた事、後悔するぜ?」
「問題ないね、私もさっき阿弥と戦ったけど普通の戦いじゃなかったから……体力も回復してるし」
「そろそろ姉上にも、俺の本気、見せてやるぜ!」
「見せてもらおうじゃない、私が勝つけど」
何故か今日の巫月は煽りがちだ。あまり良くないだろうが本気を引き出す為ならこういう事も少しは仕方ないのかもしれない。
下の子達を焚き付ける意味もあるのだろう。
巫月は「姉妹間の司令塔」とも一部では呼ばれているので、いざ
その為にも、しっかりした実力を見ておきたいのだろう。阿弥に関してはよく分からないが……。
「あ。あっちでは霊愛と霊麗が戦うみたいよ」
「マジか……どっち見よう。流石に距離あるし…………折角だもん近くで見てぇよな……」
「アンタは、巫月ちゃんの戦いの方を見てなさい。あっちは私が見てくるから」
「はいよ、じゃあそっち任せた」
「任されたわ」
どちらも攻めまくる長女vs長男対決は、果たしてどのような結末を迎えるのだろう。俺はどこか心が踊るような感じがしてきた。