※この作品はR-18です。

吸血鬼人間の幻想生活   作:エスカルゴ・スカーレット

96 / 1140
いざ行かん、地底へ!

「よし、行くか」

 

「うんっ♪」

 

「レミリアは行かないんだよな?」

 

「え、ええ…行かないっ!」

 

「じゃ、2人で楽しんでこような♪」

 

「そうね♪」

 

朝ご飯を終え、今まさに出発する所だ。

最終確認のために繰り返し尋ねるが…行かないようだ。それならそれで、2人で楽しむまでさ。

 

『いってきます!』

 

「いってらっしゃいませ」

 

「せいぜい気をつける事ね」

 

「わかってるってば。ねっ?」

 

「おうよ」

 

レミリアと咲夜さんの見送りの元、元気よく紅魔館を出る俺たち2人。

 

「ねぇ、どうやって地底に行くの?」

 

「…また紫さんかな」

 

というかそれしか手が無い。

前に地底行った時だって紫さんに頼んだし。

 

「そう都合よく出て来てくれるかしら…」

 

「確かに…そこは心配だな…」

 

でも、いつも出て来てくれるし…大丈夫だろ。

 

「紫さーん」

 

「…………」

 

あッれぇ?

 

「ほら…そう都合よく…」

 

「はぁ〜い♪」

 

「わっ!」「キャッ!」

 

後ろから!?

 

「そんな驚く事無いでしょうに…」

 

ちょっぴり頬を膨らませる。

 

「あはは…すいません…」

 

「それで?今度は何の用かしら?」

 

「…地底へ行きたいなと思いまして。でも行き方がわからないので紫さんに頼ろうかと…」

 

出来るだけ丁寧にお願いする。

少しでも機嫌損ねたら…ね?怖いもん。多分。

 

「ふふっ、相変わらず正直ね。良いわよ」

 

「ありがとうございます!」

 

「どこに繋げる?」

 

どこに…か。

地霊殿に行くからその門前が良いよな。

でもせっかく地底行くんなら…。

 

「地底の入口で!」

 

「え?なんで入口なの?」

 

当然の疑問か。

 

「ほら、せっかく行くならまったり見物したりとかさ」

 

「なるほどっ♪良いわね!」

 

「わかったわ。帰る時はまた呼んでね」

 

スッ…

 

相変わらず手際が良いな。

 

「はい!お願いします!」

 

「気をつけて行ってらっしゃい」

 

『はーい!いってきまーす!』

 

手を繋ぎスキマに飛び込む……

 

「着いたー!」

 

ほんの少しだけ気温が高いな。

この前の超高気温はお空の暴走があったから…ってのはマジらしいな。

暴走して無ければあまり変わらないではないか。

 

「まだ入口よ?」

 

「あ、そうだったな」

 

「せっかちねぇ」

 

「てへへ…」

 

入口…ここも、向こうと同じく大きな穴が空いている。

 

「よーし、行くかー!」

 

「うん!」

 

俺らは入口へと飛び込み、穴の中を飛ぶ。

穴を抜けた先には、向こうと変わらぬ景色…広大な地底の街並みが広がっていた。

 

「やっぱり広いわねー」

 

珍しそうにキョロキョロ辺りを見回す。

 

「そうだなぁ」

 

何度来ても…と言ってもまだ2回目だが、地下にこんな空間が広がってるなんて、驚きだよなぁ。

 

「行きましょ♪」

 

「おう」

 

地霊殿目指して歩き出す。

前に来たから、何となく地理の心得はある。

 

するとそこに一人の少女が現れる。

黒谷 ヤマメ…少し強気で、俺らを苦しめてくれた奴だ。もっとも、それは向こうのヤマメであって、こちらのヤマメまでそうだとは限らないが。

今回は、キスメは居ないんだな。

 

「あなたたち、何の用?」

 

そりゃ気になるか。

 

「地霊殿のさとりに用があってね」

 

「…?なんで?」

 

「先日の宴会で、今度遊びに来てって誘われたからな」

 

「ふーん…」

 

疑ってるのか、少し目付きが険しい。

 

どうか穏便に済みますように…!

 

「案内する?」

 

!?

 

「是非お願いしたい!」

 

祈りが通じたのか、穏便に済んだので内心小躍りする。

 

「良いわよ、ついてきて」

 

くるりと背を向け歩き出すヤマメ。

それについて行く吸血鬼2人。

 

「やったわね!」

 

「ああ!」

 

 

 

もう少しで地霊殿に着く───その時。

 

「ニャォ〜ン」

 

「あ!猫ちゃんだ!」

 

フランの足元に猫がいた。

そしてそれを抱っこする。

 

「あっ…!」

 

ヤマメが手を伸ばしつつ何かを言いかける。

 

「にゃ〜…」ペロペロ

 

「キャハ♪くすぐったい♪」

 

「むぅ……」

 

「あっ!」

 

ひょいっと猫を取り上げ……

 

「良いかい、猫ちゃん?フランを舐めていいのは俺だけだぞ?」

 

抱っこしながら言い聞かせる。

 

「え゙…エスカルゴ…?」

 

「ん?」

 

少し引き攣った表情のフラン。

 

「猫に嫉妬…?流石に少し引いたわよ…」

 

「んなっ…。だがな、フランの事を堂々と舐めるなんてそんなの俺が許せな…」

 

ボゥンッ!

 

「うわっ!」「キャッ!」

 

猫が爆発!?

 

「ちょっとあんた!少し甘えたくらいで嫉妬するとかどんな神経してんのよ!」

 

お燐!?

 

「だから…その…」

 

なんて言えば…?あれ?なんで俺あんなこと…

 

「アハハハ!猫如きに嫉妬した挙句、彼女に引かれるなんて!いい気味ねぇ!ハッハハハハ!!」

 

その声は…!

 

「パルスィ!」

 

「まさかあんたの仕業かい?」

 

お燐が強気に尋ねる。

 

「そうよ?仲良さそうな男女を見るといつも以上に妬ましく思えて…!ああぁあぁあ妬ましい…!」

 

「なるほど?…大丈夫、あんたの彼氏はパルスィにやられてただけだ、安心しなよ」

 

ヤマメがフランにそう告げる。

 

「そうよね!私のエスカルゴがあんな事で嫉妬するわけないもんね!」

 

「そうだぜ、全く。…おいパルスィ!お前のせいで俺引かれたじゃんか!お燐にも怒られたし!」

 

「あら?私が悪いの?」

 

「ったりめーだろ!お前が嫉妬心をどーにかしなきゃこうならなかったんだからな!」

 

「あら、それは心外ね。こんな所で彷徨いてるのがいけないのよ」

 

「さとりんとこ遊びに行くだけだっての!」

 

「遊びに…?妬ましい…」

 

「仕返しはさせてもらうぜ!」

 

「エスカルゴ!?私はもう大丈夫だから…」

 

「フランだけの問題じゃない。危うく俺の評判が悪くなるところだったじゃないか!」

 

お燐から怒られたし!!

 

「評判って…あはは…」

 

「勝負だ!水橋パルスィ!」

 

「ふんっ!かかって来なさい!」

 

「俺の嫉妬心を操ったこと…後悔させてやる!」




散々ですわ(›´ω`‹ )
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。