※この作品はR-18です。

吸血鬼人間の幻想生活   作:エスカルゴ・スカーレット

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開催!家族皆で○○○!

 地霊殿にて、お空との娘「姫」と出会った俺は、少しフラフラしつつ博麗神社へ。子供が3人居れば博麗神社に泊まる頻度も高くなるというものであり博麗姉妹から姫について聞いているんだと思うと、軽く恐怖心のようなものが芽生えてくる。

 そして俺は博麗神社で、外で何やら集中している息子を目にした。声を掛けるのも憚られる程の強い集中力を感じた俺は、彼をスルーし、屋内に入る。

 

「ただいまー……」

 

「おかえり」

 

 どこか普通そうな霊夢。話は聞いているはずだ。それとも「いつもの事だから」とスルーしているのかもしれない。それは少々怖い。

 しかしそれは置いといて、日常会話を楽しもうと思い始めた。

 

「なー霊夢、霊魔のヤツ、外でデカい弾幕1つだけ出してたけど、何やってんだ?」

 

「あぁ、大玉グレイズの練習じゃない?」

 

「大玉……え?」

 

「ほら、来週は運動会でしょ。それの練習よ」

 

「え?何それ聞いてない」

 

 これまた衝撃発言である。さも当たり前のように言われると、どうしても面食らってしまう。そんな

「1+1=2でしょ、当たり前でしょ」のような、常識だよとでも言わんばかりの勢いで言うのが尚更怖さを倍増させている。

 

「え?そうなの?ま、来週は予定空けときなさい。会場はいつも通り紅魔館よ」

 

「へーぇ。種目は何か分かってんの?主催は?」

 

「主催はレミリアと早苗よ。どうやら早苗が場所を借りてでも『運動会』っていう催しをやりたかったみたいでね。種目のプログラム渡されたんだけど、見る?」

 

「おん」

 

 筆跡を見るにプログラムを書いたのは弦月姫だ。コピーでなく手書きなのが、どこか苦労を感じた。しかし弦月姫の筆跡は美しい。良い匂いもする。

 

「ふーん……どれも外のヤツのアレンジなのな」

 

「競技をそのまま真似るんじゃつまらない、とでも思ったんじゃないの?とりあえず弁当はお願いね」

 

「よし、10段弁当作りますか」

 

「バカなの?」

 

「1人2段と考えりゃあ妥当な量よ。だろ?」

 

「1つにまとめるな。5つに分けなさいよ」

 

「どうせ運ぶの俺だろ」

 

「なら任せたわ」

 

「つーか俺、どこに行けばいいんだ?」

 

「博麗神社(こっち)でいいでしょ」

 

「来週のその日も博麗神社だったな。でも、それの前日は白玉楼だし……」

 

「何よ、昼間ならいいでしょ?」

 

「まぁな。にしても、19人だと中途半端だなぁ〜、あと1人居ればピッタリなんじゃあないかなぁ〜……なっ、霊夢?」

 

「……白々しいわね。4人目でしょう?また今度ね」

 

「お、おうっ、それもそーだよなっ、もっと霊夢の身体に休憩させないとな!あはっ、あはははっ……」

 

「……。あのさ、話を新しい子(・・・・)の方に持っていくの、下手すぎでしょ」

 

「いや……実はもう1人居まして……アハハ……」

 

「はぁ……信じらんないわ。衣玖の時といい、神綺の時といい、まさかまたやらかすとは……。で、今度はお空だっけ?……意外過ぎてびっくりしたけどね」

 

「意外?」

 

「さとりかこいしかと思ったのよ」

 

「どっちもロリなのヤバすぎだろ。レミリアよりも大変だ。てかさ、お空と最後にヤッたの先月くらいなんだぜ?なのにさ、もうその子はそこそこ大きくなってたんだが……」

 

「え、それって……」

 

「文は……鴉天狗は胎生だったのにさ、お空……卵生だったんだぜ……?」

 

「ええっ?そんな事ってあるの?」

 

「文は鴉から鴉天狗に成ったらしいんだ。お空も、地獄鴉が怨霊を喰ったりなんだりして人型の妖怪に進化した、みたいな話は聞いてた。2人共、鳥から進化したのは同じなのに胎生と卵生で違いあるのは一体何なんだ……」

 

「──で、その『衝撃の事実』を今夜から各家庭に泊まるついでに通達する、と?」

 

「ああ……流石に察しがいいな」

 

「子供がデキてた事より、お空が卵生って事の方が驚きよ。というかアンタにはまだ隠し子とか居てもおかしくないと思ってるけど?」

 

「幻想郷(せかい)中にバラ撒かれた俺の種ってか。いつから俺は範馬勇次郎になってたんだよ……勘弁して……。いや、さっきそれが怖くて確認してきたけどね」

 

「……というかさぁ、時間かけて通達するより来週の運動会にその子も連れて来なさいよ。お空、さとりとかも連れて来て、全員に説明した方が楽でしょ」

 

「うん。運動会の事を伝えに、ちょっくら地霊殿に行ってくるよ。あ、その子さ……霊烏路姫ってんだ。お姫様、姫って呼んでやってくれ」

 

「姫……へぇ、可愛い名前じゃない。お空かさとりか知らないけどセンスあるわね」

 

「あ、名付け親はお空な。2人で話し合って名前を決めたかったらしくて、俺が行くまで名無しだったらしい……」

 

 そう言うと霊夢の表情が一瞬で般若の面のように豹変した。彼女がテーブルをバンバン叩くとそこを起点にヒビが入る。恐ろしいもので、霊夢はそれを完全に無意識でやっている。本当に恐ろしい。

 

「そんな健気なお空をほったらかしてて、アンタは何をしてたの!?もっと頻繁に会いに行けば!?」

 

「何してたのって、まぁ……セックス、特訓、格付けチェック、特訓、セックス、セックス……やべぇな、セックスと特訓くらいしかマトモに記憶が無いぞ」

 

「ロクデナシね、ホント……!」

 

「耳が痛い」

 

「じゃあこの際、宣言しとくわ」

 

「え」

 

「次、隠し子が発覚したら別れる!!」

 

「えええええっ!?」

 

「当然でしょうが!ハーレム主を宣言しといて何よこの体たらく!子供が生まれたのにすら気付かない程の長期間、彼女に会いに行っていないなんてね、ハーレム主として失格よ!分かってんの!?」

 

「うっ」

 

「『うっ』じゃないわよ全く!隠し子とか、後から子供が発覚したのだってね、こっちは慣れてるから受け流せるけどさ!お空にとっちゃあ、姫ちゃんが初めての子供でしょ!?さとりとかの身の回りの奴じゃなくて、父親のアンタが2人の世話をしなきゃダメでしょうが!」

 

「ご尤もです……」

 

「反省してますって態度してるけど、どうせ他にも孕ませてる女、居るんでしょ!?」

 

「い、居ないって!」

 

「じゃあ、萃香は!?フランは!?モルモーは!?美鈴は!?エリスは!?美宵ちゃんは!?サグメ、魔理沙、輝夜、クラウンピース、ミスティア、まだ沢山いるわよねェ、アンタが関係持ってる女!幻月とか夢月とかはどーなのよ!?」

 

「ひぃ……」

 

「『ひぃ』じゃない!アンタね、いつまでも『俺は知らされてませんでしたー』で済むと思ってる!?済まないからね!?分かってる!?」

 

「分かって────」

 

「ないからこうなってんでしょーが!アンタが口にしていいのは『分かった』『はい』だけよ!バカ!分かったのッ!?」

 

「はい……」

 

「声が小さい!!」

 

「はいっ!」

 

「蚊でも鳴いてんのかッ!?ハッキリ答えな!!」

 

「はいいいいっっ!!」

 

「……次は殺す。いいわね」

 

「……は……はひ…………」

 

「今後1ヶ月、私とのセックスは禁止よ」

 

「ッ!?そ、それだけは────」

 

「別れないだけマシだと思え。分かったわね」

 

「はっ……はい……」

 

 

 ◆

 

 

 その後、霊愛や霊麗に泣きついて、普通の意味で慰めてもらった。ただし2人から全く正論な言葉を浴びせられ、再びハートブレイク。夜風に当たり、縁側で霊魔を見守りながら、これからの事について考えを巡らせていた。

 すると霊魔は、弾に触れてそれを消すと、その場から動かずに話しかけてきた。

 

「こっぴどく叱られてたね」

 

「まぁな。ま、俺が悪ィし、仕方ないがな。霊魔はこんな男になるなよ」

 

「言われなくてもならないから心配しないで。僕はシガレットお姉ちゃん一筋だしね。それで、今度の運動会にはその子も来るの?」

 

「この後、それを伝えに行くよ」

 

「あ、そーなんだ。……プログラムってやつ、見た?チーム分け、向こうに行ってから決めるみたい……。誰と組むんだろ……」

 

「らしいな。20人だし、10人と10人でキリがいい。面白くなりそうだな」

 

 弦月姫のプログラムによると運動会は午前の部と午後の部があるらしく、チーム分けは現地で行い、且つ、競技の練習は個人でやるとの事だ。誰とでも合わせられるようにする為だろう。

 そして先程霊愛達からも聞いたが、競技内容等の説明はもうされているらしい。だからこそ、霊魔はこうして自主練に励んでいるのだ。

 

「大玉グレイズ……って、どんな競技なんだ?」

 

「大玉でグレイズしながら一定区間進むの。ほら、グレイズするとカリカリカリッ……て音するでしょ。離れると音も無くなるし、触れると弾が消えるからそれで判定するの。弾は自分のだよ。速度も自由。だからより速い方が有利なんだけど……」

 

「その割に霊魔、動かしてすらなかったが?」

 

「……グレイズに慣れてなくて、弾と距離感が上手く掴めないんだ……」

 

「結界とかで防御しまくってたしな、そらそうなるだろうな。ま、そこは霊魔の頑張り次第だな。あと1週間、頑張れ」

 

「うん」

 

 さて、俺はこれから地霊殿に行き運動会について伝えてくるワケだが、俺は全競技の内容を知らないので、姫やお空などに教えられない。なので、姫を面倒見がいいレミリアに預けようと思う。

 お空は勿論、さとりも、レミリアならと安心してくれるはずだ。

 

「あれエスカルゴさん、こんな夜に……ええっ!?」

 

「やっほー、美鈴さーん。子供、生まれちゃった♡可愛いでしょ!」

 

「えええっ!?おめでとうございます、お空さん!あなたも宜しくね、えーと……」

 

「姫っていうの!」

 

「姫ちゃん!可愛いですね!宜しくね姫ちゃん!」

 

「うん!」

 

 姫は極めて人懐っこい性格をしている。きっと、初見で大喧嘩しない限り、誰とでも仲良くできるに違いない。俺の子供達は、俺と違って良い子ばかり揃っている。俺は本当に幸せ者だ。

 その後、紅魔館の皆にも姫の紹介をし、今夜は、霊烏路母娘は紅魔館に泊まる事になった。もう夜も遅くなるので、姫に諸々の競技について教えるのは明日から、となったからである。

 

「じゃあ……さとり様に連絡、お願いね……?」

 

「ああ、任せて」

 

「おやすみ、おにーさん。ありがとね」

 

「……こっちこそありがとうな」

 

 レミリアに呼ばれた俺は、2人を寝かしたあとにレミリアの部屋へ。ついさっきの霊夢のように酷くブチギレられたのは、言うまでもない。

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