フランと手を繋ぎながら中に入る。
「おー。やっぱ中広いなー」
「そうねー」
「ま、まぁ、紅魔館の方が大きいでしょ(汗)」
「そうか?もしかしたら紅魔館より少し…」
「紅魔館の方がおっきいの!」
「はいはい…」
そこ張り合うのかよ…?
俺らはヤマメの先導で地霊殿の中に入る。
とはいえ、前来たこともあって少しは構造が分かるので、ほとんど横並びに歩いている。
そして、中の広さに歓声を上げるが、レミリアの謎の意地が発動したので、適当にいなす。
さてさて、さとりはどこに…
「キャッ!」
「うわぁ!…お、お空か…」
廊下を曲がり、目の前にお空が居たので驚いてしまった。
「うにゅ?お兄さん達だぁれ?侵入者?」
あ、こっちのお空とは初対面なんだっけ。
「吸血鬼のエスカルゴ・スカーレットだ。さとりにお誘いを受けて遊びに来た」
「そーなんだ!さとり様、今こっちに居るよ!ついてきて!」
「はーい」
お空の案内で歩き出す。
案内してくれるのか。
…それにしても、こちらのお空も胸が大き…ゲフンゲフン。ちゃんと意識しなければつい見てしまうな。
「ここだよ!」
と言いながら扉を開ける。
「ここかー…え?」
どう見ても物置なんだが。
箱やら何やらが積み重なっているが…。
「お空…ここは物置だよ?さとり様はどこに居たんだい?」
お燐が呆れた声でさとりの所在を尋ねる。
やはり物置だったか。
「うにゅぅ…図書室!」
「じゃあこっちだ、ついてきな」
「は、はーい…」
今度はお燐の案内で歩き出す。
ガチャッ
「さとり様ー」
9人でワラワラと図書室に入る。
ここが図書室か。
学校みたいな雰囲気とは全然違う…けど、なんか心落ち着く空間だな。
「あらお燐…と、いっぱい居るわね」
さとりは何やら本を読んでいた。
「よっ」
手を繋いでない方の手を挙げる。
「あ、エスカルゴさん。来てくれたんですね」
「今日は何も無い日だからね」
天子の相手とか。
「天子…?」
天子を知らないさとりは首を傾げる。
「ああ、この前の異変の犯人でさ。構って欲しいみたいだから仕方なく構ってるんだ」
気持ち悪いったらありゃしないぜ。
そしてそれに慣れてきてる俺も怖い。
「お疲れ様です…。心中お察しします」
にゃはは…読まれちゃうもんなぁ。
「ところで、服が血だらけですが…道中何かありましたか?」
「はっはっは、エスカルゴな、私と戦ってくれたんだよ!」
後ろの方で勇儀の大きな声が聞こえてきた。
彼女が少し笑うだけでも空気が震えるような…そんな感じがする。
「え…?勇儀と…?」
「そうそう。少し勇儀さんの(暇潰しの)相手してて」
「勇儀の……よく無事でしたね…」
「吸血鬼の体に感謝だよ。へへへ…」
じゃなきゃ死んでたしな。
たとえ雷操れたとしても、人間の体だったら腕は消えてたし、そもそも全身骨折で死んでたか失血死してただろう。
「その格好見るだけでも、どんな壮絶な戦いだったのか想像出来る気がします」
「へへ…」
そんなに酷いか?
「それじゃ、行きましょうか」
「?」
今度はさとりが先頭に立って歩き出す。
そして食堂のような広い部屋に通される。
「もうお昼の時間ですからね。折角ですしみんなで食べましょうか」
「おー!」
「じゃあ、私もご馳走になろうかな!」
ドカッと腰を下ろす勇儀。
椅子が壊れないか大いに心配である。
「みんなでご飯…!?妬ましい…」
「いや、あなたも入ってるんだけど…」
「えっ?…良いの?」
「もちろん」
「じゃ、じゃあ…」
おどおどと腰を下ろすパルスィ。
「………」
ヤマメは黙って席についている。
「お空、なんで図書室と物置を間違えるのさ」
「なんでだろ?」
お燐とお空は隣同士に座って何やら喋っている。
仲のいい事だ。
「ふふっ、仲がいいのは貴方たちもですよ」
「ほぇ?」
「さっきから思ってましたけど…、ここに来てからもずっと手を繋いでるんですものね」
『えへへ…』
おっと、ハモったか。てへへ…。
そう。実は、俺とフランは、席についてからもずっとテーブルの下で手を繋いでいる。
「お2人は付き合い始めて長いんですか?」
「んー…どうだろう?どう思う?」
「そこまで長くないんじゃないかしら」
「だよなー…。半年…もないか」
「そうね」
「まぁ…!それだけの短期間でそこまで親密に…」
「照れるわね…」
「そうだな…」
このあともしばらく談笑し、運ばれてきた料理を食べ…。いつの間にか、さとりの妹の古明地 こいしが居たことには驚いたが、それからはこいしも混ざって談笑した。それからみんなで動物と戯れ、日頃の疲れを癒した。
楽しい時間はあっという間に過ぎ去り…。
「大変、もうこんな時間」
咲夜さんが懐中時計を見て焦った声を出す。
「お嬢様…」
ちらりとレミリアを見やる。
「…そうね。そろそろ帰りましょうか」
「えー!?もう帰るのー!?」
フランが文句を言う。
「仕方ないわね。パチェが起きる時間だし」
まさかの昼夜逆転生活!?
あっちの方が吸血鬼らしいな!!
「うー…なら仕方ないわね」
フランはこいしと遊んでて、かなり楽しんでいた様子。見ている方としては、かなりほっこりした。
「そうよ。さ、帰りましょ」
そうか…仕方ない。
「もう少しゆっくりお話したかったのですが…致し方ありませんね。またゆっくり来て下さいね」
寂しそうな顔をするさとり。
その背後にはこいしが…。
「じゃ、また今度!」
みんなに見送られ、俺ら4人は外に出る。
「ええ。今度は怪我に気をつけて…」
「ぜ、善処するよ…」
勇儀さんと戦ったんだから怪我不可避だぜ…。
「また戦ってくれよー!」
手をブンブン振りながら見送る勇儀。
危ないと言わんばかりにみんなは少し離れる。
「は、はーい…」
もっと防御力上げる特訓が必要だな…。
「私はもう、あんたと戦うなんてごめんね」
めっちゃ嫌な顔してんなオイ…。
「あはは…」
パルスィの方は、しばらくまともに動けなかったので懲りたようだ。
「ほら行きましょ」
レミリアが急かす。
「はいはい、わかったよ。紫さーん」
「はーい♪」
目の前にスキマが開き、紫さん登場。
「紅魔館前までお願いします」
「はいどうぞ」
目の前にスキマが開く。
「じゃ!」
「はい。また…」
「また遊ぼーねー!」
俺とフランが先にスキマに入る。
チラッと振り返ると、パルスィ以外の皆が手を振ってるのが見えた。
やば、短すぎワロタ(笑えねぇ)