※この作品はR-18です。

吸血鬼人間の幻想生活   作:エスカルゴ・スカーレット

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咲夜さんと…

「ふわぁ〜…」

 

「おやエスカルゴさん、大きなアクビですね?」

 

「ええ…。そーですね…ふわぁぁ…」

 

「言ってるそばからまた!?」

 

「美鈴さんがいつも寝てる理由…わかったかもしれません…」

 

「えへへ、そうでしょそうでしょ〜」

 

「はい…ふわあぁ〜……」

 

陽射しが気持ちいい〜…。

気を緩めるとすぐ寝ちゃいそーだ…。

 

現在、美鈴と2人で門番中。

何故こんなことになったのかというと…話は小1時間程前に遡る。

 

 

 

 

 

「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙〜……!」

 

イライラする…!

このイライラの原因は間違いなくアイツ…比那名居 天子だ!やっと帰ったとはいえ…なんかイラつく!

 

「うがあぁ!!」

 

パリィィン!

 

近くの窓を殴り、ガラスを割る。

 

「ふぃ〜…」

 

少しはスッキリしたぜ。

やっぱストレス発散にはイチャつきと暴力が…

 

「なんですか今の音!?」

 

「あ、咲夜さん」

 

「エスカルゴさん?一体何をしたんですか?」

 

「イライラしたのでガラス割りました」

 

悪びれもせず答える。

 

「イライラしたからって…!」プルプル…

 

あ…流石に怒ったか?

 

「美鈴と門番してなさいっっっ!!!」

 

「…はい…」

 

 

 

 

そして現在に至る。

 

「すぴー……」

 

気持ち良さそうに寝やがって…。全く…。

こう、門番の立場になると、起こすのはなんか申し訳無く思えてくるな。

 

「ふわぁ…」

 

俺もなんだか…眠く…なっ…て………。

 

 

 

 

 

「─────さん!」

 

…?

 

「エスカルゴさんってば!!」

 

「ふぁっ、ひゃい!」

 

目を開けると、目の前に咲夜さんが居た。

 

「なんでエスカルゴさんまで一緒になって寝てるんですか!?」

 

「ふぇぇ…?」

 

寝てた…だと…!?この俺がか!?

 

「ごめんなさい…」

 

「全く…仕方ないですね。ついてきて下さい」

 

と言って門の外へ行く咲夜さん。

 

「は、はい…」

 

素直についていく。

 

 

 

しばらく歩いた。

 

「あの…何処へ向かってるんですか?」

 

こっちの方は始めてくるのでよくわからない。

 

「人里です」

 

「えぇ?なんで人里に?」

 

「…買い出しです。食料がそろそろ無くなりそうでして…」

 

「なるほど。……なんで俺も?」

 

何となく判るけど敢えて聞いてみる。

 

「荷物…持って頂けますか?」

 

やはりか。

 

「わかりました。…というか、勝手に外出して良いんですかね…?」

 

「大丈夫です。お嬢様から許可を頂きましたから」

 

「あ、いえ、咲夜さんでは無く俺が…」

 

「ご安心下さい、お嬢様からも妹様からも、許可は頂いておりますよ」

 

「へ、へぇ…なるほど…」

 

男手が必要なほど買うのか。

 

「なので…今だけは2人きり…ですね/////」

 

「え?ああ、そうですね」

 

なんか顔赤いぞ?

 

 

 

「着きました、ここです」

 

「おー」

 

今まで行った人里とは違う風景だ。

別な人里だな。(※入口が違うだけで同じ)

 

「まずあの八百屋さんに行きましょう」

 

「はい」

 

ここは…食料品店ばっかの人里かな?

って、商店街かよ!

そういえば、前行った人里はおやつ系の店ばっかだったな。やれやれ、両極端だねぇ…。

 

「すいません、ここにある商品を全て下さい」

 

「えぇ!?は、はいよ!」

 

な、なんて買い物の仕方なんだ…!

 

野菜も果物も全て詰め込み会計を済ませる。

 

「毎度ありィ!……よし、今日はこれで店仕舞いだな!」

 

最後の呟きは地獄耳の俺にしか聞こえなかっただろうな。店主は、少なからず喜んでいるようだ。

それにしても……

 

「重いですね、これ…」

 

「ふふっ…」

 

俺は両手に袋を持っている。

予想以上に重い。袋の上部からは、ネギやらゴボウやら、大根やらが飛び出している。

 

 

 

そして、肉屋でも魚屋でも同じ事を繰り返す。

 

「ぐぐ…!」

 

手に持っていた袋を腕に通し、出来るだけ楽をする。

 

「うぎぎ…!重いです…!」

 

吸血鬼の俺でも重いってどういうこと!?

というか、血の流れ滞ってるよねこれ!!

 

腕に袋を通してるので腕は赤くなっている。

ちなみに咲夜さんは手ぶらである。

 

「ふふっ、すいません、少し意地悪が過ぎましたね」

 

少し笑って俺の腕から2つだけ袋をとる。

 

「ありがとうございます…」

 

あんまり変わらないけど。

 

「買い物はもう終わりですか?」

 

「そうですね」

 

やっと終わりか…。腕が辛いぜ…。

 

「あっ…」

 

何かを見つけたのか、はたまた何かを思い出したのか…声を上げる咲夜さん。

 

「どうしました?」

 

「あのお店で、お団子食べませんか…?」

 

指さした先には、お団子屋が一軒。

 

「良いですよ」

 

ベンチもあるし、荷物下ろせそうだ。

 

「ありがとうございます♪」

 

ニコッとする咲夜さん。

 

可愛い…。その一言に尽きるぜ。

 

「お団子2本下さい」

 

「はいよー」

 

早速注文し、ベンチに腰掛けて待つ。

そして、こっそり咲夜さんの横顔を眺め…

 

綺麗だなぁ…咲夜さん…。

いつまでも眺めて居られるぜ…。

 

などと考えていた───その時。

 

「顔になにか付いてますか?」

 

チラッと振り向かれ、目が合う。

 

やべ、気付かれた!

 

「いえ、何でも無いです!」

 

「?」

 

「へいお待ち!」

 

おっ…ここの団子は普通に3個で1串なんだな。

 

『いただきます』

 

俺と咲夜さんは終始無言で食べた。

 

ここのも美味いがタツロウさんとこの方が美味いような気がする。咲夜さんも同じ思いなのだろうか?

 

さっさと食べ終え会計を済ませ店を出る。

 

「さて…帰りますか」

 

腕死ぬわ。

 

「そうですね」

 

そして元来た道を戻る。

だが到着の前に限界を迎え………

 

「ゔゔゔゔゔゔゔ……!!」

 

「ど、どうしました?」

 

「腕終わります…!」

 

腕はプルプル震えてるし…こんなの持つくらいなら20キロの米の袋持った方がずっとマシだぜ。

 

「が、頑張って下さい!」

 

応援してくれるが…

 

「すいません、力使います」

 

紅魔館までおよそ700m。

それまでもつ気がしない。

 

「力?」

 

「『分身』」

 

バチバチと音を立ててもう1人の俺が登場。

 

「……何ノ用ダ」

 

「わっ、エスカルゴさんが2人…」

 

目を見開いて驚いている。

 

「おい、これ持て」

 

「仕方無イナ」

 

3人で再び歩き出し、あっという間に着いた。

例によって門番は寝ていた。

そのまままっすぐ厨房へと向かい、買ったものを下ろす。

 

「はー、やっぱ楽だなぁ」

 

「ッタクヨォ、分身使イガ荒イゼ…」

 

「すまんすまん。腕が千切れそうだったんで…ねっ!」

 

ズボッ

 

分身の首に指を突き刺す。

 

「アッ、マタ急ニ…」

 

シュンッ

 

「ふぅ」

 

吸収すれば無駄にならないからね。

こっちの方が電力的に効率的なのさ。

 

「ありがとうございました。お陰様で助かりました」

 

ペコッと頭を下げる咲夜さん。

 

「いえいえ。また、いつでもどうぞ」

 

買い置き多過ぎだな。

これ全部冷凍すんのか?

 

「ではその時はまたお願いしますね♪」

 

あれっ…?咲夜さんが素直に俺を頼るって…初めてじゃん。なんか嬉しい…。

 

「はいっ!じゃ、門番のとこに戻りますね」

 

「あ、門番はもう大丈夫ですよ」

 

「えっ…わかりました」

 

1時間ほど立たせたからかな。

 

「じゃー図書館でも行こうかな…。お疲れ様でした」

 

ペコリと一礼し、厨房を出ようとしたが…

 

「あ、あのっ…」

 

「はい?」

 

出る直前で呼び止められたので振り向く。

 

「こ、今度、お休み貰おうと思ってるんですけど…その日、もしよろしければご一緒に散歩なんて…どうでしょうか?」

 

真っ赤になり、モジモジしながら誘う。

 

「え…」

 

そ、それって…デート?え?

 

「あっ、嫌でしたら大丈夫ですからね!?」

 

「嫌だなんてそんな!是非!」

 

「ホントですか!?」

 

「ええ!」

 

「ありがとうございますっ!」

 

「いえ!」

 

マジか、楽しみだな。

…美人メイドとお散歩…。悪くない。

別に、散歩くらいなら浮気にならんよね。

 

「では、休みの日が決まり次第お伝えしますね!」

 

「わかりました!では!」

 

「はい!」

 

ルンルンスキップしながら図書館へ向かう俺であった…。




最近短いな。
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