体育祭はどちらかと言うと、前世の学校の体育祭というより陸上競技会やオリンピックに近いものであり、トラック競技、フィールド競技、武術、あとは変わりだねとして躍りや歌、集団行動等も存在する。
どれに出る、出ないも自由だし特に勝っても学校1の名誉とお小遣い程度の賞金が出るくらいだが、毎年中々の盛り上がりを見せている。
「先生、歌唱に出てくれませんか?」
「今年はあんまり女生徒が出ていなくて、私達心細くて…」
そして、女子学生たちに誘われるのもいつものことである。この世界では、男女で競技を分けるという価値観がなく、全て男女混合で行う。そのため運動競技、特にスペック差がはっきり出る陸上競技に出る女子は少なく、芸術関係に出る者がほとんどであり、武術に出る女子は毎年2、3人いるかどうかだ。この世界でも、いわゆる女子がトイレにパーティーを組んで行くなどの習性は一緒であり、普段から誘われることは珍しくない。
「いいですよ、明日の昼でしたよね?」
「はい、それじゃあ私達で受付しておくので」
「先生、ありがとうございます!」
パタパタと受け付けに向かう女子達を見ながら、見えなくなるまで手を振る。
どうせ断っても、他の人から誘われるのだ。それならばさっさとエントリーしてしまっておく方が楽でいい。
「今日の競技はなんだったかな…、ダンスは覚えていたんだけど」
何日か前から配っていたチラシをポケットからとり出し、読んでみる。
「武術…剣術か、あんまり知識ないから勝った負けたくらいしかわかんないんですよね」
今日はもう休もうかと考えていると、後ろから肩を叩かれる。振り向くと、後輩が立っていた。
「センパイ、なんか出るんですか?暇だったら一緒に回りません?」
うーん、どうしようか。別に疲れていると言うわけでもないし…
「今日は特にないので大丈夫です。一緒に見ましょうか」
「やった!何を見ましょうか」
自分から誘ったんだからそっちから提案してほしかったなぁ…
「今だと剣術をやってるみたいですね、運動場に行きましょうか」
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バキン、と訓練用の剣と防具がぶつかる音が響く。
「センパイ、ラミン君小さいのに強いっすねぇ。上級生にまた勝ちましたよ」
「そうですね」
よくわからないけどまた勝ったらしい。相手が動けなくなるまで叩く訳でもないし、ポイント制な訳でもないし、周りの皆は分かってる感じだしで、中々のつまらなさだ。
「センパイ、ラミン君が手ぇ降ってますよ!おーい!」
私も軽く手を振る。彼が勝ち残っていることは喜ばしいことだが、流石に飽きてきた。
「そろそろ他のところ見に行きませんか?」
「そうっすね、せっかくだし他のところも回りましょうか」