ちょっと特別なイベントが終わると、再びいつもの日常に戻る。ちょっと変わったことといえば、研究室の机に表彰楯が一つ増えたくらいだ。
刺激のない日々を送ると、何か新しいことを求めてしまうのは自然なことである。エロいことをしたい。だが、今の私は一度経験を積んだことによりただの自慰行為では物足りなさを感じていた。以前にしたセックスは心地のいいものだった。だが、刺激的で飛ぶような快感を得たいのも事実であった。
(せんせーい、トイレ行ってきていいですか?)
(はい、どうぞ)
今は試験監督中であり、私は教室内でのカンニング行為がないかを見張り続けていた。カンニングは皆も知ってることだが、電子機器がない場合はかなり大掛かりな準備でもしない限り得点を稼ぐことはできない。特に私が受け持つ教科は数学であり、公式をいくつか盗み見たところで無駄なのだが、なぜか盗み見をする人は現れるものだ。
(ペタ先生、あの生徒……)
(ちょっと視線が変ですよね。お願いできますか?)
(ええ。見回りついでに確認してきます)
皆がテストに向かっている中、不審な動きは案外わかりやすく、見つけ次第直ぐに確認しに行く。まあ、本気で捕まえる気はないのだが。決定的な証拠をつかまない限り捕まえないし、基本的にお前を怪しんでるぞという行為でカンニングを注意するための見回りである。不正行為を捕まえても評価はプラスにならないし、その後の処分も面倒なのだ。
しばらく時間が起ち、テスト終了時間になったことを知らせる鐘がなった。
「それじゃあこれから回収するので解答をやめてください」
回収が終わり、自由時間になると、仲のいい女子学生に囲まれた。
「先生ーあいつカンニングしてましたよー絶対」
「今回の問題文長すぎますよー。時間足りないです」
「難しーですよ。あたしたち他の科目もあるんですよ!」
テストが終わった後によくある、今回のテストに対する感想を周りから浴びる。いつものことなので適当に返事をする。
「ちゃんと書いたら部分点あげるから安心してください。」
「ていうかあいつなんでカンニング見逃されるんですかー?」
「いや、見回ってるときに不正行為は――」
「あ、あの噂ホントなのかも。体使って単位取ってるっていう」
「無かったので、それと今回のテスト内容について何か――」
「でもこの試験の責任者ペタ先生だしそれはなくない?」
「上からの圧力とかさー」
いつの時代、どの世界も悪口が盛りあがるのは変わらないようだ。それにしても体を使ったお願いか……ちょっと思いついたかもしれない。
私は話を切り上げ、回収したテストを運んで行った。