---四葉真夜---
地獄の日々から抜け出せた。人体実験と輪姦な日々から助け出された。でも…もう、子供は産めないらしい。まだ12歳なのに…母性を捨てろと迫る父…婚約は破棄だという七草家…この先も、地獄の日々は続くようだ。死ぬまでず~っと…
双子の姉、深夜が忌まわしい記憶を消してくれた。記憶からは消えていくが、心と身体に残った感触、苦痛、激痛は残ったままだ。なんで、こんな思いをするのかの原因を消しただけである。
こんな世界は嫌いだぁぁぁぁぁ~!
こんな世界は無くなれば良い。みんな、苦しんで死ねばいい。そんなことを毎日四六時中考える。わら人形にも縋った。様々な呪いの儀式にも嵌まった。だけど…心の痛みは消えない。どうすればいいの。私は…
ある日ふっと、呪うことを止めた。そうだ、私が消えれば良いんだと気づいたからだ。家を抜け出し、知らない土地へ向かった。死を望む者が集う森、樹海に…
うっそうと木々が生い茂る森。方位磁針が狂うほどの異常な磁力帯。そこに足を踏み入れた私。奥へ向かう、宛てはないけど…森を彷徨う。私を誘ってくれる風に誘われて、
「どうしたんだ?そんな顔で…ここは、まだ来るべき場所ではないぞ」
スタイルの良い女性が声を掛けてきた。なんで、そんなに生き生きとしているんだ?ここは死の国の入り口では無いのか?
「うん?まだ子供じゃないか。どうしたんだ?」
男性が声を掛けてくれた。彼に見つめられると、心の重みが軽くなっていく。
「なるほど…そんな目に遭ったのか…まだ12歳なのになぁ…」
何も伝えていないのに、彼には分かるらしい。
「どうするかな…君に選択肢を与えるか。君に選ばしてあげるよ」
選択肢?
「1ここへ来た君の本来の目的通り、君に死を与える。但し、自殺扱いだ。地獄で充分苦しんでからの転生になる。2ここでの記憶を消して、お家に帰る。3君の心の奥底の願望を叶えて上げる」
え?どういうこと?この人は誰?この人達は…
「では、3にするんだね」
不敵な笑みを浮かべる男性。
「まだ、選んでいない」
「だって、3しか無いだろ?もう苦しい思いはイヤだろ?何もしないで家に帰って苦しむのもイヤだろ?だから、君はここに迷いこんだ。違うのか?」
選択肢はあったけど、答えは出ていた。ズルい…
「ズルさは必要だよ。この世界にはね。君には1年半ほど神隠しに遭ってもらう。君の子供を作る為だ。君の両親には伝えてあげるよ」
子供?産めないよ…
「産ませてあげる。出産の喜びも味合わせてあげる。育児も…但し、子供は将来、殺される運命だ。お家の権力争いでね。これは避けられない」
そんな…
「君の誘拐劇の裏にも、そんな筋があったかもしれない」
四葉家が悪いの?
「誰が悪いってことでは無い。この世界の時のレールがそういう方向へ向かっているんだ」
時のレール?
「そうだよ。歴史なんて予め決まっているのさ。ただ、鉄道のレールと同じに、時々分岐点があり、どっちを選ぶかで、違う歴史になるんだ。どうする?君に分岐点の選択をさせてあげるよ」
---ネギ太郎---
会話用魔法陣を開くと、満面の笑みを浮かべる祖母、真夜さんが現れた。
「ネギ、調子はどう?」
「まだまだ弱いよ。まだ真夜さんの処へ行けないみたいだよ」
祖母なので、おばあちゃんと呼びたいのだが、真夜さん呼びをするように育ってきた。まぁ、真夜さんは若いからな♪
「そう、まだ弱いの?強くなってから出ないと、ダメよ。あなたまで死なれたら、私は哀しいから」
顔が歪む真夜さん。
「そんな顔しないで。がんばるから。強くなって、真夜さんの傍で暮らしたいよ」
「そう。ありがとうね♪」
僕はネギ太郎。僕の両親は、家督争いに巻き込まれて、殺されたそうだ。なので、真夜さん以外、肉親はいない。で、僕も家督争いに巻き込まれて殺されないように、強くなるまで、真夜さんから離れて暮らしているのだ。
祖母は若い。13歳で母を産み、母も13歳で僕を産んだので、26歳で祖母という立場になったそうだ。
日々、鍛錬の毎日。鬼や龍などを相手に組手、手合わせをし、魔導師達に術を習う毎日である。鍛錬の時間は厳しいけど、それ以外の時には、穏やかに接してくれる。家族がいないに等しい僕の家族のように。
僕の名付け親は賢者様だ。賢者様の弟子であった者の名前から取ったそうだ。その弟子の人は、取り返しの付かないミスを犯し、煉獄という場所に幽閉されているらしい。
「愚か者の名前を付けたのは、愚か者にならない為の戒めだ。いいか、無知と愚かは違うんだ。そこをはき違えるなよ」
「はい」
無知は何も知らない。だけど、愚かは知っていても、意味をはき違えているんだとか。なので、分からないことは、何度でも訊いて、記憶に刻み付けていく。ここでしか学べないことは特に。
12歳になる頃、地上へ行く許可が下りた。中学校という場所で、人間としての勉強をしないとダメらしい。
「真夜さんと住めるんですか?」
「住めない。アイツの家の近所に学校が無いから、ダメだよ」
ダメなんだ…
「でも、お前は転移術を学んでいる。学校の休みの日に、転移をして顔を見せて、甘えて来いよ♪」
なるほど…
「人間の世界ではお金が無いと何も出来無い。でも、資金援助は真夜がするので、心配はしないでも良いが、贅沢は敵だぞ♪」
あぁ、ここのような暮らしはダメなんですね。
「高校生になったら一人暮らしをさせるが、中学生の間はメイドを付ける。暮らし方を学べよ」
はい。
こうして、僕は人間の世界で住むことになった。人間なのに、おかしな話である。
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八王子という場所にある家に住むことになった。家は真夜さんが用意してくれた。家の表札には『四宮』と刻まれている。そこにメイドのメイビスさんと二人で暮らすのだ。二人暮らしにしては広い一戸建ての家。3階まで部屋があり、地下室もある。
「私は1階のキッチン近くの部屋にします。ネギは2階にしなさいね。突然敵が来ても、私が時間を稼ぎますから、あなたは逃げなさいね」
って…メイビスさんも過去にヘマをやったそうで、今は僕のメイドであるが、実際はもっと上の階位の方らしい。なので、気配りが過剰気味である。
「僕も戦います」
「ダメです!あなたに何かあったら、私は半殺しにされます。既に3回ほどされているんです。これ以上、私にヘマをさせないでね」
僕のガードの役目が、一番重要な役目らしい。
「賢者様が半殺し?イメージが湧かないけど」
いつでも、僕に温厚に接してくれる賢者様。
「あの人は、子供には優しいのよ」
賢者様をあの人呼び。過去に何かあったのだろうか。男女間に付いてのことを詮索するのは、愚かなことなのでしないけど…気になる。
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中学…制服って言う物を着て通い、学んで、帰宅する。男と女では制服が違う。服を着るって風習がなかったので、少し戸惑う僕。鬼も龍も服なんか着ていなかったし。あぁ、でも閻魔様とか賢者様とかエライ人は着ていたか…
「ネギ!一緒に帰ろうぜ!」
中学になって友達になった千葉エリカ。剣術道場の娘だそうだ。
「なぁ、うちの道場へ来ないか?強くなりたいんだろ?」
そうだけど…
「月謝が払えないよ。お小遣いが少ないし」
贅沢は敵ってことで、お小遣いは少ない。どうしても欲しい物に関しては、どんなに高額でも買ってもらえるけど…小銭はあまり持っていないのだ。
「月謝?いらないよ!だって、私のダチだからな♪」
ほんのり頬に赤みを帯びるエリカ。
「月謝が無いなら行こうかな?」
剣術は興味有る。鬼も龍も剣なんか使わないし。習ってきたのは体術が中心であったし。エリカの家へ二人で向かう。そこで、道場主であるエリカの父に挨拶をした。
「ほぉ~、エリカのボーイフレンドかぁ~♪」
父親の言葉で真っ赤な顔になるエリカ。
「そんなんじゃ無いよ~、ダチだよ、ダチ!!」
「ほぉ~、そういうことにしておいてやる。で、剣術は初めてかな?」
「はい。体術などは学んできたんですが、師匠達は剣を使えないので…」
実際は初めてでは無い。賢者様に習っているのだが、他の流派と戦い方が違う為、初めてと言えと言われている。
「剣を使わずに戦うのか?それは興味あるな。よし、まず体術で手合わせをお願いできるかな?君の実力が分からないと、指導方針が決まらないし」
「はい、お願いします」
道場へと向かう。エリカに短パンとTシャツを借りて、着替えた。動きやすくしないと、ケリとかを放てないし。
「では、お願いします!」
エリカの父へ一礼をして、構えた。開始してすぐ、剣が振り下ろされてきた。早い…目で追いきれないくらい。でも、空気の流れを読み、剣筋を読み、避けていく。
「何?これを避けるのか?では、これは?」
上段系が多い、足元に隙があるけど、罠かな?身を屈めて、膝裏を狙う。
「痛っ!」
エリカの父の上体のバランスが崩れた。後から腰に手を回して、そのままバックドロップを放つ。首と両肩を床に叩き付けられて、床に大の字になっているエリカの父。
「父さん!」
エリカが父親の元へ走り寄っていく。
「エリカの彼は強いなぁ。私の剣筋を読んで、私を投げたよ」
エリカの頭を優しく撫でるエリカの父親。
「うっ…子供じゃないんだから、そんなことをしないでよね」
真っ赤な顔で嬉しそうなエリカ。
「君の実力はわかった。基本をみっちりと教える。毎日来られるかな?」
「がんばります…で、道具とかはどうすれば…」
道具は持っているが、流派が違う為、たぶん、使えない。
「こっちで用意する。エリカの彼氏に負担はさせないよ♪」
「だから、そうじゃなくて、ダチだよ、ダチ!!」
エリカが抗議しているが、エリカの父親は嬉しそうだ。
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翌日から学校の帰りにエリカの家へ寄ってから帰宅の日々。
「で、どうですか?強くなったのかな?」
メイビスさんに訊かれた。
「どうかな?流派によって、強さの基準が違うからね」
賢者様は天然理心流がベースとか言っていたし。
学校ではエリカは僕を無視している。冷やかされるのがイヤなようだ。なので、帰りも別々である。帰る場所は一緒なのに…
道場では素振りと型が鍛錬の基本である。他の者達は手合わせなどをしているが、僕の場合は確かな剣筋を教え込みたいそうだ。
「父さんの買っている彼と、手合わせしたいんだけど」
次期当主の修次さんに声を掛けられた。
「うん?まだ無理だと思うが…まぁ、上達具合を見る良い機会か。ネギ、やってみなさい」
「はい」
修次さんと一騎打ちとなった。修次さんの剣は師匠よりも早い。だけど、避けられないほどでは無い。だけど、僕からも攻撃が出せない。避けてばかりであるから。
「う~ん、千日手だな。ネギ!流儀を気にせず、自由に戦ってみろ」
実戦方式ってことかな?僕は剣を捨てて、修次さんに挑んだ。攻撃は避けられる。そして、僕からの攻撃は真空刃を放っていく。狙いは修次さんの木刀狙い。少しずつ削って…折る。
ボキッ!
「勝負あり!勝者はネギ!」
折れた木刀を見つめる修次さん。
「え?兄上がネギに負けたの…」
「エリカ、僕の負けたよ。だって、僕は千刃流で戦っていないし」
「いや、ネギ君、君の勝ちだ。誇っていいぞ。次期当主の俺に勝ったんだからな」
「でも…」
フェアな戦い方ではない。
「親父が千日手って言っただろ?あの時点で俺の負けは確定なんだ。君を倒す手立てが無かったから。実戦だったら俺は死んでいた。エリカの彼氏はすごいなぁ♪」
「兄上…だから、彼氏で無いです。お友達ですよ~」
真っ赤な顔で困ったような顔のエリカ。なんか、かわいいなぁ♪
鍛錬が終わった後、エリカの家のお風呂を借りて、汗を流して帰っていた。今日もお風呂を借りていたのだが、突然身体にタオルを巻いたエリカが入って来た。
「入っているんだけど…」
「見ればわかる。背中を洗ってやる。兄上に勝った褒美だ」
椅子に腰掛けて、エリカに背中を向ける。泡立てたスポンジで背中を洗い始めたエリカ。
「お前、強いんだな」
「まだまだだ。瞬殺できる程度では無いし」
「瞬殺?上を見すぎだろ?腕を横に上げて」
背中だけでなく、脇の下と腕も洗い始めた。
「でも、僕の目標としている人は、最低その程度の強さは無いと、横に立つことを許してくれない」
脳裏に賢者様の顔が浮かんだ。
「良し、立てよ!最低で瞬殺する腕か?お前の目標の人物は殺し屋か?」
今度はお尻と足の裏側を洗い始めたエリカ。全身を洗うつもりか?
「殺し屋で無いよ。賢者様だよ。天然理心流をベースに居合い斬りとか、飛ぶ斬撃とかを駆使しているんだ」
「じゃ、こっちを向いて…飛ぶ斬撃?夢でも見ているのか?斬撃は飛ばないよ…うふっ♪」
エリカの方に振り向くと、全裸のエリカがいて、首元から胸元、お腹…下腹部…男性器…袋と竿を手で洗い始めたエリカ…ダメだって、徐々に大きくなっていく竿…うふっ♪じゃないだろ?
手の平の感触が指になり、指の感触が舌になり、舌の感触が…えっ?いいのか?目の前にエリカの顔…エリカの腕が僕の首元に巻き付く。
「ご褒美…うっ…うぅぅぅ~ん…いい…」
僕の下腹部とエリカの下腹部が叩き合う。それに伴い、エリカの口から喘ぎ声が…
「私の身体…ご褒美だよ…い…あぅ…もっと…」
エリカの乳首が固くなっていく。エリカの唇が僕の唇に重なった。石けんの味がするエリカの舌が、口の中に…僕がエリカのご褒美になっていないか?
意識の無くなったエリカごとシャワーを浴びて泡を流す。エリカと共に湯船に身を沈める。あっ、エリカが復活した。
「いいのか?僕なんかが初めてで…」
「兄上に勝ったんだよ。褒美は取らせないと…私はこれくらいしか、上げるものが無いし…」
なんか後が大変そうな褒美だな…エリカと共に風呂を出た。脱衣所で服を着ていると、
「飛ぶ斬撃…出来るの?」
「見る?」
服を着終わってから、庭に出て木刀を腰に構えて、精神を統一して…放った。斬撃は飛び、木に生えている葉っぱを1枚斬り落とした。
「マジ?飛んだ…確かに飛んだ…それは何流なんだ?」
「天然理心流の派生とかいっていたけど…」
ふ~ん…落ちた葉っぱを見て考え込んだエリカ。