---千葉エリカ---
道場の神棚に向かって、白装束を着た父さんがいた。
「ダメだよ!」
父さんに抱きついた私。
「エリカ…なんてことを…」
父さんの顔色は青白い。父さんの視線の先には、横倒しになったコップから、水が零れていた。抱きついた弾みで、私が倒したようだ
「聖酒を儀式の途中で倒すなんて…」
え?清めたお酒なのか。水では無くて…うっ、息苦しい。空気がどんよりと重くなっていく。
『呼び出しておいて、謝罪は無かったことにか…千刃流の子孫よ、粋な計らいだな』
ドッスン!
うぅ…身体が弾き飛ばされて、大の字状態で道場の壁にめり込んだ。なんて力だ。
『この世界のエリカはどんな感じなんだ?』
この世界の私?違う世界の私は知っているのか?
「娘は止めてください」
『脱衣』
聞き慣れない呪文。壁にめり込んだ状態で全裸にされた。なんてエロい術だ。
『淫乱』
「うっ…うぅぅ~…あっ!」
1擦り半で絶頂の彼方に消える意識。
「痛っ!」
敏感な部分を噛まれた、その激痛で覚醒。意識喪失と覚醒を繰り返される私。
「うげっ!」
敏感な部分が千切れそうだ。
『もうクリはダメか。じゃ乳首にするか?』
「いやぁぁぁぁ~!痛っ!」
新たな刺激により、意識喪失と覚醒がリスタートした。
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おかしい。随分と長い間拷問をされているが、道場の窓が明るくならない。なんでだ?
『あぁ、ここでは夜は明かない。永久に苦しめよ。愚かな赤髪よ!』
「もう、カンベンしてあげてくださいよ~」
え?目の前にネギがいた。いつの間に現れたのだ?
「カンベンならん♪って、確かに飽きてきたなぁ。僕の好みでは無い!」
ここまで拷問プレイをしていて、好みでは無いって…酷いだろう!
「はぁ?酷くなくちゃ、罰にならないだろ?」
ネギの隣に、ネギくらいの青年が現れた。コイツか?私をボロ雑巾のようにしたのは…
「もう、いいですよ。僕もエリカは嫌いだし」
面と向かった、ネギに嫌いって言われた…ショックだ…
「だから、解放してください。罰は僕だけにしてください」
何を言っているんだ?何で、お前が罰を受けるんだ?
「だな。ネギ、後1週間だぞ」
「はい♪賢者様」
コイツが賢者なのか…え?突然目を閉じても眩しすぎる光に包まれた。
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「エリカ…おい!エリカ!大丈夫か?」
父さんの声、ゆっくり瞼を開いた。ここは…道場である。全裸姿で、壁に大の字にめり込んでいる。背中以外痛い場所は無い。乳首も耳タブも敏感な部分も無事のようだ。今までの拷問は、幻覚か?
「父さん…」
「お前は趣味じゃないから、返すって言われたぞ。結果的には助かったなぁ、エリカ」
え…幻覚では無かったの…あれは…
「そうだ、ネギは後1週間で解放されるみたいだよ。私の代わりに罰を受けているんだって…」
「そうか…彼が、肩代わりをしてくれたのか…」
神棚に祈りを捧げる父さん。ネギの隣にいたのが神様なのか?
---四宮ネギ太郎---
禁固刑は終わった。普通は刑執行中に、脳裏では愚かだった行為がリプレイされまくるらしいけど、記憶力に不備があったのか、何も見えないかった。それはそれで辛い。反省すべきことが無いんだから…
そして、出所…どこかに強制転移されう僕。目の前には、元気の無いような真夜さんが、ベッドに寝ていた。
「どうしたの?」
声を掛けた僕。
「え…ネギ…帰ってきたのね。ネギ…」
ベッドから飛び起きて、僕を抱き締める真夜さん。
「葉山!ねぇ、葉山!ネギが帰って来てくれたわよ~♪」
「本当ですか、真夜様…おぉぉ、ネギ様…ご無事でしたか」
葉山さんにも抱きつかれた。
「ただいま、珈琲をお持ちします。いつも以上に愛情を込めますから」
真夜さんの家で、1週間過ごし、人間の世界の環境に身体を慣らした。そして、八王子の家に転移をした。
「「ネギ君♪」」
水波と琴鳴さんが僕を見つけ、抱きついて来た。
「無事生還しました。状況の変化って有る?」
「謹慎は解けているわ。来週から復学できるからね」
今日は、土曜日だったらしい。
「あぁ、水波の作った食事が食べたいよ~」
「ただいま、お作りします♪」
久しぶりに水波の卵焼き。美味しい…禁固刑中って、そういえば、食事していなかった気が…琴鳴が誰かに連絡をしている。しばらくすると、達也さん、深雪、真由美がやって来た。
「おかえり、ネギ」
「ネギ君…元気だった?」
「ネギ君…」
真由美は言葉が続かずに、僕に抱きついてきた。久しぶりの真由美の身体…あれ?
「ねぇ、真由美…達也さんとした?」
僕の言葉で、顔と耳を真っ赤に染めた真由美。気づいていなかったのか、深雪が驚いた表情で、真由美と達也さんを見ている。
「なんで、わかったんだ?深雪にも悟られていなかったのに」
「いや、真由美の身体の内から、達也さんの残留オーラを感じたから…」
「お、お、お兄様!なんで、言ってくださらなかったのですか!」
達也さんに深雪が噛みついた。
「言わないとダメなことなのか?」
「そうですよ。私はお兄様の妹なんですからね!」
プンプンしている深雪。背中から抱きつく。
「深雪…怒りを纏わないで…いつもの深雪に戻ってね」
「でも…うぅぅぅぅ~」
まだ、何か言いたそうだったので、唇で唇を封じた。
「ネギ!深雪のことを頼むぞ」
主導権を深雪に取られて、返事が出来無いので、手を上げて答えた。
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週が明けて、久しぶりの学校。教室に入ると、重苦しい空気を感じた。僕が原因なのか…
「ネギは気にしなくていい。お前は間違っていなかったんだからな」
って、達也さん。でも、美月、幹比古、レオ、雫、ほのかは、確実に僕を避けていた。遠巻き状態で、僕への敵意が飛んでくる。でも、禁固刑でのことを思い出し、心を無心にして、感じ無いようにした。
担任の琴鳴さんが入って来ると、
「先生、人殺しと同じ教室では勉強できません」
「なんで、人殺しを野放しにしているんですか」
などの声が乱れ飛ぶ。
「じゃ、君達は殺そうと思うっている相手に、命を差し出すんですね」
って、琴鳴さん。
「差し出さないが、殺す事はないだろ?」
って、レオ。
「でも、殺さなければ、君達はここにいなかったのよ。それでも?」
「やってないと分からないでしょ?」
「じゃ、戦ってみる?いいわよ。そうね。ネギ君、深雪さん、達也君と私で、レオ君達は残りのクラス全員、いや全校生徒でもいいわよ。1時間後に校庭で開始にします。みなさん準備をしてくださいね」
琴鳴さんの合図で僕達は琴鳴と共に教室を去った。
「どうするんですか?」
「ネギ君は、マジックキャンセラーとフルカウンターだけ、使いなさい。私達は見ているわ。だって、ハンデがあり過ぎだもの」
だね。って、1時間後、校庭には誰も来なかった。
「ネギ!強制転移でクラスメイトをここへ呼び出せ!」
達也さんの指示で、カフェテリアでまったりしているクラスメイト達を補足して、校庭に強制転移させた。
「何?」
驚いているレオ達。
「時間ですよ。カフェテリアで作戦会議かしら?時間は厳守よ。そっちから宣戦布告したんんだからね♪」
琴鳴さんが、楽しそうに言い放った。
「ネギ君が一人で相手をします。彼には、2つだけ威力の小さな物を使うように指示してあります。彼は武器の使用はしません。この位のハンデでも、勝て無いと思うけどね」
「なんだと?!」
レオ、エリカなどの物理攻撃チームが僕に襲い掛かる。物理攻撃はフルカウンター、残りはマジックキャンセラーでいいんだな。魔法攻撃組は味方に誤爆しないように、頭上から僕を狙うように撃ち込んで来た。しかし、撃ち込まれた魔法攻撃は総て無効化。撃ち込まれた物理攻撃はフルカウンターで反撃。
「どうしたのよ!たった一人を相手に、何をしているの?」
琴鳴さんの言葉に躍起になって撃ち込んでくる魔法組。しかし、一人、また一人、魔力の使い過ぎによるマインドロストで意識を飛ばすクラスメイト達。
「何で?マインドロスト寸前まで撃っているの…ダメージがまるで入っていないなんて…」
雫は言い終わると、意識を飛ばした。最後まで残ったのは幹比古と美月だ。あの二人は魔法師で無いからな。
「くそっ!何で攻撃が入らないんだ?」
レオが焦っている。
「コイツ、こんなに強いのか…殺さずに捕らえられたんじゃないのか?」
って、エリカ。そこが違うんだよ。殺意のあるヤツの攻撃は、相手を殺してしまうんだよ。
「そこまでよ!」
真由美の声。十文字先輩と、服部先輩が、物理攻撃組を止めていく。
「あなた達、まだわからないの?」
苛ついた声の真由美。
「何がですか?生徒会長さん」
レオが訊いた。
「いい?彼はフルカウンター持ちなのよ。あの現場で、彼があぁいう手に出ない場合、相手はもっと激痛を伴った死に方をしたの。彼は痛みの伴わない方法で敵を倒しただけ。意味が分からない者は、生徒会主導の補習決定だからね!」
真由美達の策略なのか?この決闘って…僕の行為の正当性を証明する為の。
「フルカウンター持ちだって…じゃ、俺達は、自分の攻撃に苦戦していたのか?」
レオが正解に辿り着いた。
「あと、彼は入試の実技試験の時、サイオン弾で検査機器を焼失させたの。本当に殺すだけなら、サイオン弾だけで充分だったのよ。それをしなかったのは、素早く確実に倒す為、一緒にいた仲間を守る為よ。なんで、そんなことも分からずに、人殺し呼ばわりしているの?一校の生徒とは思えないわ!」
達也さんが笑みだ。この人が参謀か…ベッドの中で真由美と相談したのかな?まぁ、お似合いのカップルだと思うんだけど…などと考えていたら、事態は収拾していた。
「で、ネギ君」
「うん?」
「あぁ、ここで言わないでいいから。一緒に生徒会室に来なさい!」
真由美に連行される僕。何かやらかしたかな?
「で、ねぇ、九校戦っていう運動会があるの。ネギ君は出場決定だからね」
何だ、それは?
「達也さんの方が」
「彼も出るわよ。ネギ君一人だと、やらかすよね?」
です。たぶん…
「で、後一人、1年生の男子で使えそうな子を、捕まえておいてね♪」
「達也さんに頼んだら?」
「頼んであるわよ。あぁ、余計な事は言わないでね!」
余計なこと?なんだろうか?
「どれが余計なことかな?」
「言わないでいいのよ!」
抱き締めて、僕を胸の谷間に封じ込めた真由美。うっ!久しぶりに睡魔が…
---千葉エリカ---
アイツのことを誤解していた私達。実技試験の1位を取ったのはネギだったそうだ。サイオン弾1発で検査機器を焼失させたという。
「そこまでの魔法師なら、確実に殺すなら、広域魔法だな。だけど、着弾までの時間の間に、殺されていたかもしれない」
レオの言う通りだ。私よりも遥かに手慣れた連中だった。私の攻撃が受け流されたし。あの一瞬で、相手の実力を読み取ったネギ。そして、着弾時間を気にしない物理攻撃で仕留めたのだ。首を刎ねたのは、確実に仕留める為。美月と幹比古を危険に晒さない処置だと思う。
「謝って済むのかなぁ」
ほのかが落ち込んでいる。2つの能力、1つはフルカウンターで、もう1つはマジックキャンセラーだと雫が言っている。確かに着弾と同時に、魔法は消えた。ネギにダメージを入れる事無く。
「どうするよ?」
って、幹比古。コイツの精霊術も効かなかったらしい。美月は見てはいけない者を見たらしく、震えていた。
「何を見たんだ?」
「言え無い…ごめんなさい。これは言え無いよ~」
よっぽどの物が見えたらしい。無理に訊き出す気は誰も無いようだ。
---柴田美月----
住所録に書かれている住所を頼りに、ネギ君の家に向かった。アレの正体を訊く為に。家に着くと、すんなりと家に入れてくれたネギ君。
「ねぇ、あれは何?ネギ君を見守っていたアレは?」
いきなり質問を投げた私。
「え?見えたの?そうか可視能力者か。あれは、僕の師匠だよ」
「師匠?だって、アレは…」
「口外禁止にしてね。僕の師匠は天使と鬼のハーフなんだよ♪」
そう…私の見たのは、金色の鬼の背中に純白の翼があった。そうか、あれが天使の翼なんだ。
「ネギ君も?」
「僕は人間だよ。空を飛べない」
シャツを脱ぎ捨てて、上半身裸になり、背中を見せてくれた。あぁ、翼が無いんだ…
「うん?」
私の胸の谷間に顔を埋めているネギ君。え?そのまま押し倒されたのだが、ネギ君の寝息が聞こえて来た。谷間フェチなのか?
「あぁ、ネギ君は、谷間の臭いを嗅ぐと寝ちゃうんだよ」
って、メイド姿の少女に言われた。特異体質なのかな?って、ネギ君が起きるまで、起き上がれない私。