※この作品はR-18です。

数字を食らう者   作:もっち~!

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入試

---七草真由美---

 

入学試験の当日。生徒会も入試の手伝いに駆り出された。それはそれで問題は無いのだけど、ソワソワしてしまう私。あの子、大丈夫かな?筆記試験は四葉家の担当で、実技試験は七草家が担当して、教え込んだ。まぁ、両家の当主の推薦もあるし、下駄は履かせて貰えるはずである。

 

「おばさぁ~ん♪」

 

心地良い声…声の主が、私に抱きつき、頬を擦り寄せてきた。

 

「ネギ君、名前で呼んでって言ったでしょ?」

 

「あぁ…てへへへ♪」

 

笑顔で誤魔化すネギ君。

 

「会長をオバさん呼びで、抱きつくって…コイツは何者ですか?」

 

後輩で副会長のはんぞー君に訊かれた。

 

「降って湧いた甥っ子のネギ君よ。血縁的には、おばさんで間違っていないけど、2歳しか違わないのよねぇ~」

 

「へ~…おばさんの仲間入りですかぁ~」

 

「はんぞー君には言われたくない!」

 

「真由美…朝から不純異性行為なの?」

 

目の前に現れた摩利から冷たい声。でも、

 

「え?摩利さんだぁぁぁぁぁ~♪」

 

ネギ君が私から離れて、摩利へダッシュして抱きついた。

 

「え?ネギ君?」

 

摩利の頬に自分の頬を重ねるネギ君。しかも、摩利の胸を揉んでいるし…

 

「ゴッホン!摩利、どういうことかしら?」

 

立場が逆転した摩利は、バツが悪そうだ。

 

「え?いや…彼は千葉道場の後輩ですよ」

 

胸を揉まれてもイヤそうにしない摩利。怪しい…しかし、指摘はしない。自分に降りかかる災難でもあるから。

 

「そういう、真由美はどういう関係なの?」

 

「うちの狸親父の初孫なの。なので、叔母と甥の関係なのよ」

 

驚いている摩利。

 

「そうなんだ…」

 

「摩利…どうしよう…自信ないよ~」

 

摩利に甘えるネギ君。なんで、肉親である私に甘えないのよ~!

 

「大丈夫、いつものように自信を持って、やりなさい」

 

摩利がネギ君の額に口付けをした。見てはいけないものをみてしまったのか、はんぞー君、あーちゃんが摩利に背を向けた、

 

「うん♪がんばってみるよ。ありがとう、摩利」

 

摩利から離れ、試験会場へ走って行くネギ君。なんか、摩利がうらやましい。

 

 

 

---四宮ネギ太郎---

 

筆記試験…CAD関連は丸暗記した内容をそのまま書く。魔法関連は、僕なりの考察を書いていく。問題は魔法師の魔法と魔導師の魔法は別物であること。まぁ、その辺の違いもかいておく。僕は魔法師でなくて、魔導師だから。

 

で、試験終了。脳ミソが灰になった気がする。完全燃焼だ。耳の穴から灰が出て来そうだ。

 

「ネギ!どうだった?」

 

達也さんが、僕を見つけて、近寄って来た。

 

「ダメかも…」

 

「実技で逆転をしろ。ただ、魔法を間違えるなよ」

 

あぁ、大惨事は避けないとね。

 

「深雪がお弁当を作ってきたんだ。一緒に食べないか?」

 

達也さんの後に付いていくと、屋上でマットをしいて深雪が、準備をしていてくれた。

 

「栄養をつけて、午後の実技を乗り切りましょうよ、ねぇ、ネギ君♪」

 

どうなんだろう?栄養付ければ、良い点って取れるのかな?

 

 

 

---千葉エリカ---

 

筆記試験は終わった。そこそこ点数を稼げたと思う。筆記試験場の会場となった教室を出て、ネギを探す。受験番号を訊いておけばよかった。こんなに受験生っているんだな。周囲を見回すガネギが見付からない。

 

「エリカ!」

 

あぁ、幼なじみの幹比古に見付かってしまった。

 

「弁当は?」

 

コイツに勉強を習った。ネギが帰省なんかするから。で、報酬は、試験の時に弁当の差し入れになったのだ。

 

「ほい、これだ」

 

弁当箱を手渡した。渾身の自信作…いわゆる、ドカベンだ。

 

「重い…期待できそうだな」

 

期待していいぞ。おいしい飯に、梅干しとタクワンだ♪

 

食べる場所を探し歩く。こういう時は屋上が穴場か?二人で屋上へ向かった。そこには…ものすごく美人な女性に、弁当を食べさせてもらっているネギがいた。

 

「ネギ!」

 

「あれ?エリカじゃん。おぉぉぉぉぉ~!彼氏を連れて試験かぁ♪」

 

はぁぁぁぁ?彼氏?隣を見ると、まんざらでも無い表情の幹比古がいた。

 

「ここへお座りください」

 

って、ネギに餌付けをしていた女性に言われた。

 

「ありがとうございます。助かったな、エリカ」

 

って、幹比古が、言われた通り、座っているし…

 

「そうか…エリカは幹比古と付き合っていたのか…」

 

エライ誤解をしているネギ。

 

「ネギ…その女性は誰だ?」

 

「うん?深雪だよ。僕のお友達だよ」

 

お友達…ガールフレンドがいたのか…ネギは私だけで無いのか?

 

「どこで知り合ったんだ?」

 

「公園で…で、隣の家に住んでいたんだよ。偶然って恐いよね」

 

隣の家…偶然過ぎるだろ、それって…

 

「僕の祖母のお姉さんの子供なんだよ」

 

へ?それって、親類ってことか?取り乱すことは無かったようだ。

 

「ネギ君がお世話になっております。ネギ君の婚約者で司波深雪といいます」

 

落ち着いた私の心をざわめかせる、ネギの親類の女性。はぁ?婚約者?

 

「親類なのに、婚約者なのか?」

 

「はい♪」

 

嬉しそうな女性。ネギは、婚約者の意味がわかっていないのか、ぽっか~んとしているが。

 

「ねぇ、エリカは幹比古の婚約者?」

 

ネギが訊いてきた。

 

「単なる幼なじみだよ!」

 

「へぇ~幼なじみで婚約者かぁ。いいなぁ♪」

 

誤解していることに、目を輝かせているネギ。違う。違うんだよ~

 

「え?!」

 

後で幹比古が驚きの声を上げた。弁当箱の禁断の蓋を開けたようだ。

 

「これは…エリカ…栄養バランスって、考えて居ないのか?」

 

「考えているよ。梅干しだけではアレだから、タクワンも入れて置いた」

 

固まっている幹比古。

 

「はい、ネギ君」

 

手に持ったサンドウィッチで、ネギに餌付けをする女。

 

「深雪、おいしいよ♪」

 

笑顔のネギ。くそっ…

 

「幹比古、お弁当を交換しよう」

 

「いいのか?ネギ…」

 

「エリカが一生懸命作ったんだ。食べないとダメだよ」

 

ネギが…自分の弁当と幹比古の弁当を交換した。

 

「深雪にバランス食をもらったから、大丈夫」

 

「うまい…この卵焼き…」

 

「僕のメイドが作ってくれたんだよ。美味しかったって言っておくよ」

 

メイド…ネギって、貧乏じゃなかったっけ?あれ?

 

「なんで、メイドがいるんだ?」

 

「祖母が付けてくれたんだよ」

 

祖母が金持ち…両親はいないけど…そういえば、餌付け女はお嬢様みたいだ。ネギの祖母って当主クラスなのか?

 

「ごちそうさま♪千葉道場のタクワンは美味しいよね、エリカ♪」

 

自分なりに考察している間に、完食をしてくれたネギ。そうだ、コイツ、うちで飯を食う機会があったから、タクワンと梅干しのおいしさを知ってくれていたんだ。少し感動してしまった。

 

「じゃ、午後の試験を乗り切らないと」

 

うん?あぁぁぁぁ~!私、食事していない…

 

 

 

---七草真由美---

 

実技試験場を見て廻る。不正している者がいないかのチェックである。たまにいるのだ。後方にいる者に代理でサイオン弾を撃ってもらう、偽魔法師がね。

 

ドッカ~ン!

 

どうした?検査機器が消失している…試験者の顔見て、頭を抱えてしまった。ネギ君だ…魔法を間違えて撃ちだしたようだ。急いで駆け寄る。そして、優しく抱きつく。プチパニックを引き起こしているようなので、心を落ち着かせる。

 

「はんぞー君、検査器具をチェックして」

 

「無いです。本当に焼失したようです」

 

そうすると、ヘビーメタルバーストかな。金属系を一瞬で焼失させると言う。

 

「ネギ、落ち着きなさい。ゆっくり息を吸うのよ!」

 

涙目で頷いたネギ君が深呼吸を始めた。

 

「大丈夫だから。ねぇ♪」

 

背中を優しく叩く。

 

「うん…テスト…ダメだね」

 

哀しそうなネギ君の声。

 

「おい、七草!どういうことだ!」

 

十文字君が、血の気の引いた顔で近づいて来た。

 

「どうしたの?」

 

「危険なレベルなサイオン量を検出したぞ」

 

え?ヘビーメタルバーストではなく、サイオン弾で焼失させたのか…はりきりすぎて…ネギ君自体は誤射だと思っているようだ。

 

「規格外な子なの…撃った本人が一番驚いているの。連れて帰るわ。暴走すると危険だから」

 

ネギ君をつれて家に帰った。

 

------

 

さすがの狸親父も、口をパクパクさせている。実技試験の顛末を話したところ、父さんは言葉を失っていた。

 

ネギ君は妹達に頼んで、興奮状態を和らげるようにしてもらっている。

 

「サイオン弾で検査機器が…」

 

検出したデータシートを父さんに見せた。

 

「ネギ太郎…張り切りすぎだろう…フルバーストしたのか?」

 

「本人は誤射してしまったと思って、物凄く落ち込んでいるのよ。どうしたら、いいかな?」

 

単なるサイオン弾で、この被害…もし、同じサイオン量で誤射したら…学内にいた全員が焼失したであろう。そんなレベルである。

 

「誤射しないように訓練はしたが、サイオン量の調整までは訓練をしていなかったなぁ」

 

普通の魔法師はCADで威力を調整出来るのだが、ネギ君の場合はCADを使わずに撃てるので、サイオン量に威力が比例してしまうのだった。

 

「七草家のミスだ。ネギ太郎の素質を甘く見過ぎていた。入学までに、サイオン量の調整を仕込もう。四葉家には俺から伝えておく。1ヶ月くらい、うちで預かるぞ」

 

頷く私。

 

--------

 

夜、私の寝床にネギ君が入って来た。私の胸狙いである。谷間の香りを堪能して、乳房に抱きつき、乳首を咥える。それだけしかしないネギ君。私は母親になった気分になっている。それは、彼が我が家に合宿中、毎晩行われた。お陰で、乳首が…大きくなったような…

 

誤射防止とサイオン量の調整が、出来るようになってきたネギ君。一応、合格はしたのだが、問題はあった。この危険な魔法師は誰が管理するかである。私は学年が違うので、授業中に一緒には居られない。

 

彼の祖母方の者が傍にいれば良いのだが、彼女は一科生での合格であった。ネギ君は筆記に難があり二科生扱いであるのだ。

 

「彼女に二科生として通学して貰うのが良いと思うけど」

 

「彼女は了承してくれています」

 

摩利が既に打診をしてくれたようだ。

 

「ただ、彼女が学年トップなんですよ」

 

学年トップとは、筆記と実技の合計点数の一番高い者の称号であり、入学式の際には新入生代表として壇上でスピーチという栄誉もあるのだ。

 

「諦めて貰うしか…」

 

「いえ、彼女はすべて了承してくれています。問題は学校側の立場です」

 

学校としては、前例は作りたくないよな。でもなぁ…ネギ君は現役最強の魔法師になれる逸材である。学校は教えるのを放棄するのか?まして、四葉家と七草家にケンカを売れるのか?

 

校長、理事長、生徒会で話し合いが行われ、学園トップの司波深雪さんを、二科生として、扱うことになった。問題はもう1つ…扱いの問題だそうだ。筆記試験の一位の司波達也君、総合一位の司波深雪さん、実技一位のネギ君。入学試験での部門トップ三名が二科生にいる異常さだという。

 

「この三名は、異常だ。一科生よりも優れているのだよ。そんな生徒を二科生の教師陣で教えきれるのか心配だよ」

 

って、校長が泣き言言っている。そこをどうにかするのが学校だろうに。

 

「その三名は生徒会預かりにしてもらう。いいね、七草君」

 

預かっても、授業ではどうにもならないのだが、生徒会で教えろってことか?

 

 

 

---四宮ネギ太郎---

 

そして、入学式…前の日から真夜さんと葉山さんが泊まりに来てくれた♪おニューの制服に袖を通して、お二人にお披露目♪

 

琴鳴は教師見習いとして一高で働きながら、ガードをしてくれるらしく、スーツ姿であった。

 

「皺になるから、抱きつかないでね、ネギ君」

 

琴鳴に諭される。

 

「ネギ、ヨダレを付けないでね」

 

って、真夜さんにも注意され、誰にも抱きつけない。

 

「私はお留守番ですから、抱きついて良いですよ」

 

って、水波が救いの手を差しだしてくれた。が、

 

「ネギ!あなたの制服が皺になるでしょ?初日くらい、甘えないの!」

 

と言いながら真夜さんが、優しく抱き締めてくれた。心が安定していく、甘えん坊な僕。

 

家を出ると深雪と達也さんが待っていた。

 

「じゃ、車に載りなさい。皆で行くのよ」

 

って、真夜さんの号令で、車に乗り込んだ。

 

学校の駐車場で車から降りると、校長先生達が、真夜さんを待っていた。

 

「どう?私の孫は?」

 

「えぇ…申し分無いです…」

 

何故か皆、真夜さんを震えてみていた。

 

 

 

 

 

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