※この作品はR-18です。

数字を食らう者   作:もっち~!

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売られたケンカPart1

---北山雫---

 

新入生代表として、壇上でメッセージを在校生へ語った。これは、栄誉なことである。学年トップという称号の副賞と思われていた。けど…

 

式後のホームルームで事実を知った。担任の口から、テストの成績が発表されていく。私の成績は、筆記3位、実技3位、総合2位だった…耳を疑った。学園トップではないの?

 

「あぁ、辞退されたんだよ。お家事情で二科生として、学生生活を送るから」

 

この学校のクラス分けでは一科生というエリートと、二科生という庶民に分かれていると聞いていたのだが…学年トップはエリートコースを外れて生活をするという。なんで?私の価値感が崩れるような事態である。

 

「クラスを決められるのですか?」

 

担任に訊いた。ライバルが同じ土俵にいないのは許せない。

 

「特例だ。問題が生じたための特例処置だ」

 

許せない。

 

「その方と決闘をしたいです」

 

「止めておけ、死に急ぐな」

 

って…能力に雲泥の差があるような言い方をされた。

 

「いいか、北山。一科生とか二科生って枠組に囚われるな。問題は師族か、そうでないかだ」

 

相手は師族の家の者なのか…数字付きって、そんなにエライ者なのか?実力があれば、関係無いでしょ?

 

「先生…私も二科生になります。同じ土俵で戦いたい…」

 

こうして、私、北山雫と、親友の光井ほのかは二科生になった。

 

 

 

---四宮ネギ太郎---

 

何か問題が発生したのか、ホームルームが始まらない。なので、知り合いが集まり、雑談大会になっていた。同じクラスには達也さんと深雪の他、エリカと幹比古もいた。

 

「楽しそうだな。俺もまぜてくれ。俺は西城レオンハルトだ。レオと呼んでくれ」

 

大柄な男子生徒が混ざってきた。

 

「私は柴田美月です。よろしくね」

 

って、眼鏡女子が混ざってきた。

 

「そっちの赤髪は千葉道場の娘のエリカで、そっちはエリカの彼氏の幹比古だよ」

 

「おい!幹比古は彼氏じゃない!何度言えばわかるんだ?」

 

エリカが必死に否定している。そういう時は本当の事だと、水波に習っている。

 

「で、ネギの彼女は深雪さんなのか?」

 

って、幹比古。

 

「私はネギ君の婚約者です♪」

 

頬を赤らめた深雪。

 

「婚約者?まだ高校に入ったばかりなのに?」

 

「ネギ的にはどうなんだ?」

 

エリカに訊かれた。

 

「深雪も好きだし、エリカも好きだよ。う~ん、嫌いな女の子は滅多にいないかな」

 

「お前、浮気性か?!」

 

レオに訊かれた。

 

「浮ついた気持ちで接していないよ。いつでも本気だよ♪」

 

胸を張って言う僕。苦笑いしている達也さん。あれ?変なことを言ったかな?

 

ガラッ!

 

扉が開いて、担任の先生が入って来た…あれ?スーツ姿の琴鳴だけど…

 

「このクラスの担任になりました、堤琴鳴です。よろしくお願いします♪あぁ、男子諸君に言っておきます。私には主がおりますので、告白などしないようにお願いしますね」

 

「先生、ご主人様がいるんですか?」

 

エリカが反応した。

 

「えぇ、私はネギ君のガードですから。ネギ君以外の男性は興味ありません」

 

みんなの視線が僕に集まった。

 

「お前!同い年の婚約者の他に、歳上の美人まで!」

 

エリカが何故か怒っている。なんでだ?これが賢者様の特異スキルの女難の相なのか…

 

「えぇ~っと…千葉さん。ネギ君にベタ惚れするのは、かまいませんけど、火傷には注意してね」

 

って、琴鳴はエリカを軽くあしらう。年の功ってヤツかな?

 

「それでね、開始早々なんだけど、転入生が2名います。入って来て」

 

二人の少女が入って来た。あれ?一人は新入生代表を務めた少女で無いのか?

 

「北山雫さんと、光井ほのかさんです。二人とも一科生だったのですけど、二科生に転入したいということです。仲良くしてくださいね」

 

二人の視線は達也さんを射貫いている。ライバルなのかな?

 

「で、注意事項を言っておきます。ネギ君にはケンカを売らないようにね。どうしても売りたい場合は自己責任でお願いします。当然、ガーディアンは主を護りますから、家同士の抗争に発展する可能性大です。だから、やめたほうが良いですよ♪」

 

笑顔で注意をする琴鳴。その好戦的なオーラは転入生二人を、いつでも仕留めるようにセットされていた。

 

「琴鳴、学内じゃダメだよ。真由美に迷惑がかかる」

 

「わかっています。ご迷惑はお掛けしないように、努力はいたしますわ」

 

Vサインを僕に向けてきた。年の功、恐るべし。

 

「真由美って、どこの女だよ、ネギ!」

 

エリカに訊かれた。

 

「生徒会長だよ。七草真由美♪」

 

「はぁ?お前、もう先輩に手を出したのか?」

 

「違うよ。だって、僕は真由美の甥っ子だよ」

 

「「えぇぇぇぇ~!」」

 

エリカだけではなく、深雪と琴鳴も驚いていた。

 

「ねぇ、あなた、師族なのね。私と勝負しなさいよ」

 

北山さんが、僕の傍まで近づいて来て、勝負しろと言う。賢者様に売られたケンカは即買いしろよ言われている。

 

「なんの勝負だ?殺し合いか?」

 

顔から血の気が引く北山さん。マズい事態になれば、達也さんが止めてくれるだろう。

 

「殺し合い?殺せないでしょ?いいわよ」

 

次の瞬間、北山さんの全身から煙が立ち昇った。その場で崩れるようにして、倒れた北山さん。教室内は騒然となる。だけど、僕、達也さん、深雪、琴鳴は平然としている。ケンカを売ったのは、北山さんだし。

 

「ネギ…何をしたんだ?」

 

エリカが涙目で抱きついて来た。

 

「だって、いいって言ったよ、彼女。だから、瀕死版の魔法が撃ち込まれたんだよ」

 

「瀕死版…お前…なんで…」

 

「敵意ある者に反応しちゃうんだよ。僕の魔法は…だから、琴鳴がケンカを売らないように言っただろ?売った場合は自己責任だとさぁ。殺さない程度にはサイオン量の調節はしてあるから、少し安心だよ」

 

僕の意志とは別に、魔法ランチャーの『八重奏』が最適な魔法をチョイスして、撃ってしまう僕の防御システム。

 

僕のことを怖がるエリカ。彼女の身体が小刻みに震えていた。

 

「幹比古、エリカを頼む」

 

幹比古にエリカを預けた。

 

「で、そっち子もケンカを売るのか?もし、そうなら、これ以上ネギを襲わせない」

 

達也さんが動いた。僕より殺傷力の低い攻撃もあるので、安心である。

 

「いえ、売りません…」

 

「そうか…ネギ、回復魔法で治癒出来るか?」

 

「やってみます」

 

魔導師たる者、術は万能であれって賢者様の教え。治癒術も学んでいる。

 

「全治10日程度までには治癒できそうです」

 

「続けてくれ。俺と深雪で哨戒するから」

 

「了解です」

 

--------

 

その日の午後…生徒会室。ホームルーム中の出来事で呼び出された僕、達也さん、深雪、琴鳴。

 

「こういうことがないように、特例で配置したんですけど…」

 

真由美が頭を抱えていた。

 

「ケンカを売るなって言っている傍から、ケンカを売るんだもの。あの生徒がおかしいわよ」

 

って、琴鳴。

 

「そうですね。元はと言えば、一科生を二科生として、転入を認めた学校側の責任ですよね」

 

「そういうこと。ネギ君に責任は無いです」

 

「琴鳴先生、こいつの能力を教えてくださいよ」

 

って、服部先輩。

 

「対処の方法を生徒会は、持っていた方が良いと思うんですよ」

 

「そうだわね…防御能力だけは知っていた方が良いかな」

 

僕の能力は攻撃能力と防御能力に分かれているらしい。攻撃能力は僕の意志で方法が選べるのだが、防御能力は僕に選択の権利が無い。僕の身体が、最適な防御能力を勝手に発動してくれるのだった。

 

「え…ネギ君自体に選択の余地が無いんですか?」

 

「無いそうなの。基本『八重奏』でアイドリング状態だから、最適なモノが撃つ出されるって感じだそうよ」

 

「それは対処は無理ですね」

 

「何がセットされているんだ?」

 

十文字先輩に訊かれた。

 

「経験上、『ダイヤモンドダスト』『ウルティマウエポン』『マテリアル・バースト』『コキュートス』『ヘビーメタル・バースト』は確定です」

 

これは僕が経験から答えた。

 

「氷と炎か?」

 

「とは限りません。『ダイヤモンドダスト』はダイヤモンドの微粒子を光速で撃ち出す、対防御壁戦用で、『ウルティマウエポン』は、相手の弱点属性の魔術をフルバーストで、相手の防御力無視で撃ち込む最終兵器です。この二つは僕の師匠の賢者様の魔術を頂きました」

 

『賢者』という言葉に反応した達也さん。

 

「そうか…ネギの師匠は聖域の賢者か?」

 

頷く僕。

 

「誰ですか、その方は?ねぇ、お兄様」

 

深雪が訊いた。

 

「魔法師のいなかった時代の書物に、出てくる賢者だ。聖域と呼ばれる場所にいると言われている魔導戦士だ。お前の鍛錬場所は聖域なんだな?」

 

頷く僕。聖域の事は口出して良い話では無いから。

 

「その賢者様は、どの位強いのだ?」

 

「僕を瞬殺出来るくらいだよ」

 

賢者様に関しては、都市伝説として広めていいらしい。

 

「ネギを瞬殺か…それはスゴい♪」

 

達也さんの目は輝いているようだ。未だ見ぬ強敵に思いを馳せる目…危険だよ。そう思った瞬間、空気の質が一変した。鬼が降臨した。達也さんの抱いた一瞬の狂気を見逃さなかったのだろう。

 

「何?何が起きたの?膝が笑っている…」

 

真由美達がパニックになっていく。このオーラに慣れている僕だけは、平常であるようだけど。

 

来た!

 

『ふっ♪どいつだ?僕と戦いと思ったヤツは。ふふふ♪』

 

脳裏に響く声…

 

『今回はドイツが愚かな行為をするのかな?ふふふ♪』

 

冷静さが売り物である司波兄妹の顔には、イヤな汗が流れている。

 

『深雪はカンベンしてやる。ネギの婚約者だからな』

 

「止めて…あぁぁぁぁぁ~!」

 

その場で悶えるあずさ先輩。

 

『どうしたよ。司波達也!僕は売られたケンカは買うよ。いつでもな!』

 

「うっごぉっ!」

 

苦しみ悶える達也さん。危険だ。心臓を鷲掴みか?

 

『いいか、覚えておけ!売って良いケンカを覚えろよ、魔法師風情が!』

 

口から泡を吹き出し、意識を持って行かれた達也さん。深雪は近くへ駆け寄ることすら出来ずに、その場にしゃがんでいる。

 

『ネギよ。良くがんばった。誉めてやる。伸び伸び育てよ。もし、お前がラスボスになったのなら、僕達が討ち取ってやる』

 

賢者様が言い終わると空気は、元に戻った。室内には咽び泣く声が、アチラこちらから聞こえて来た。

 

「何も出来無かった。なんだ、あの恐怖は…」

 

十文字先輩すら、戦意すら持てない状態に追い込まれていた。

 

「お兄様…大丈夫ですか?ねぇ、お兄様…」

 

深雪の泣き叫ぶ声。

 

「ネギ君、あれが…」

 

琴鳴が訊いてきた。

 

「そう、あれが僕達が信仰するラスボス…もし、僕が間違った方向へ行ったら、迷わずに粛清してくれる『星の守護神』だよ」

 

「そう…あれが、畏怖すべき存在…」

 

 

 

---千葉エリカ---

 

震えが止まらない。ネギの魔法…殺傷力ありすぎだよ。人体の焼ける臭いが、鼻から消えない。なんだ、あの魔法…撃った動作が分からなかった。あんなに簡単に魔法って撃てるのか。CAD無しで…

 

「エリカ、大丈夫か?」

 

アニキが部屋に入って来た。門下生から聞いたのだろう。酷い顔色だったらしい。

 

「入学式で何か遭ったのか?」

 

「アニキ…人体の焼けた臭いが鼻から消えないんだよ。どうしたらいいんだよ~」

 

アニキの胸に縋り、泣いた。

 

「エリカ…お前…人体の焼けた臭いか…消えない。忘れるか慣れるしか無い」

 

忘れる?無理だよ。ネギを見れば思い出す。慣れる?ネギが人体を焼くのを、見続けるなんてイヤだよぉぉぉぉぉ~!

 

「誰がやったんだ?」

 

冷静なアニキの声…

 

「ネギは悪くないんだ。ケンカを売る方が悪いよ」

 

「ネギか…」

 

「アニキ!ネギは悪くないんだよ。ねぇ、慣れるから、見逃して…お願いだよ~」

 

アニキは無言で部屋を出て行った。

 

 

 

---千葉寿和---

 

ネギが学校で起こした事件を調べた。人体を焼いただと?聞き逃せない事だ。だが、被害者は全治10日ほどの軽傷であった。しかし、現場となった教室には、肉の焼けた臭いが残っていた。どういうことだ?

 

「刑事さん、仕事熱心ですね」

 

誰かが教室に入ってきた。

 

「まさか、エリカがネギを告発するとは…予想外でしたよ」

 

こいつ、エリカを見張っていたのか?

 

「特殊警棒ですか。意味の無い物を」

 

千刃流の技を叩き込むが、何?手応えが無い。相手を透過して崩れる壁。

 

「透過能力持ちです。無駄ですよ。千葉寿和警部♪」

 

俺の正体も知っているのか。コイツ、何者だ?

 

「このまま、ネギをそっとして置いてくれませんか?」

 

「人体を焼いたんだぞ!」

 

「あぁ、そういう魔術ですから、しょうがないでしょう」

 

そういう魔術…魔法では無いのか…

 

「魔法師の魔法は不便ですよね?単一の物理現象を応用するだけですから。まぁ、CADを用いれば、多重現象の魔法も可能でしょうけど」

 

こいつ、研究者か?

 

「しょうがないなぁ。人質でも使いますか?」

 

人質…目の前にエリカが…いつの間に…全裸で首には首輪、後手で腕を拘束されている。

 

「おい、口で奉仕しろ」

 

目の前にいる人物の股間に顔を埋めるエリカ。

 

「おい!止めろ!」

 

口で呼吸出来無いのか、エリカの鼻息と、エリカの口でしゃぶる音が聞こえてきた。

 

「よし、次は下の口で奉仕しろ♪」

 

そそり立つモノを自分の身体に取り込むエリカ。

 

「あっふぅ~む…いい…もっと…あぁぁぁぁぁ~!」

 

目の前でエリカが玩具にされていく。

 

「止めろ~!」

 

近くに行って止めたいのだが、身体が動かない。

 

「お持ち帰りするかな♪」

 

「止めろ~!」

 

「じゃ、お前も止めろ!再開したら、エリカは神隠しに遭うか、恥ずかし目を受けさせるいいな」

 

目の前にいた人物が消え、全裸のエリカだけが残った。

 

 

 

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