※この作品はR-18です。

数字を食らう者   作:もっち~!

9 / 13
01/15 誤字を修正


存在意義

---四宮ネギ太郎---

 

エリカが同居を始めた。う~ん…

 

寝る時に隣にいる…いるだけである。抱き枕にされるのは僕の方…う~ん…なんかなぁ。

 

 

学校の授業は楽しく無い。知っていることか、必要とは思えないことを習うから。深雪、達也さん、真由美、琴鳴、水波により、知識を得ている僕には、面白味は欠けているが、人間とのコミュニケーションを学ぶには良い場ではある。人間である僕が、こんな言い回しをするのは変だと思うけど。

 

僕にとっての楽しいは、放課後の生徒会であった。真由美、摩利とのスキンシップ。服部先輩、十文字先輩との組手…居心地の良い空間であった。

 

「ネギ君、だから、家でやりなさい。みんなに示しがつかないよ~」

 

真由美の膝枕での昼寝。最高な一時である。

 

「ネギ君は真由美が大好きなのね」

 

って、摩利。

 

「おば…じゃなかった。えぇっと…そうだ!真由美の纏うオーラが心地良いんだよ」

 

「うぅぅぅぅ~」

 

真っ赤な顔の真由美が、顔を伏せて僕を見つめている。

 

「七草キラーだな。ふふふ♪七草でもそんな表情をするので、安心したよ」

 

って、十文字先輩。

 

「そんなって、何よ?!」

 

怒った声をあげた真由美。

 

「ダメだよ、おばさん!オーラが乱れるって」

 

「あぁ、ごめんね、ネギ君。後、おばさん呼びは学校でしないでね♪」

 

笑顔だけど、威圧的なオーラを纏う真由美。怒っているのか?

 

「なんで、怒っているの?」

 

「えっ…怒っていないわよ。ただ、名前で呼んでね。さん付けが無くてもいいから」

 

服部先輩の押し殺した笑い声。真由美が睨みを入れると、服部先輩の顔から血の気が引いていった。

 

「ねl、十文字先輩。真由美って恐いの?」

 

「私が恐い訳ないでしょ?十文字君、答えなくていいからね!」

 

感情二刀流の真由美。スゴいなぁ♪あっ、強面の十文字先輩が苦笑いしている。一番恐いのは真由美なのかな?僕には優しいけど…

 

「で、反魔法師団体の方は、どうなっている?」

 

「二科生を中心に加入者を募集しています」

 

魔法師の高校に反魔法師のサークルがあるらしい。魔法師で無いと入学できない学校なのに、妙な話である。

 

「何がしたいのかしらね」

 

「師族に恨みがある節があります。いや、師族に限らず、数字付きの者にかな」

 

服部先輩が仕入れてきた情報を報告していた。

 

「バックに妙な団体がいそうです」

 

達也さんが報告をしている。

 

「俺と深雪も誘われましたが、断ると監視が付くようになったようです」

 

「監視?うちの生徒?」

 

「違います。どうみても、工作員ぽいです」

 

「はんぞー君、十文字君、校内の警備レベルを上げて、生徒でない者は排除してくれる?」

 

「わかった。できる限りやってみる」

 

「あっ!ネギ君は何もしないでね。達也君、深雪さん、ネギ君を頼むわよ」

 

「ですね。ネギ君が動くと、街が無くなりそうだし」

 

深雪に苦笑いされた。う~ん、威力の制御が甘いからなぁ、僕は。まだ、真由美に習っている最中なので、迂闊に攻撃は出来無い。

 

---------

 

深雪達はやることがあるとかで、エリカ達と帰宅する。一人での登下校禁止と、生徒会に言われているので…

 

「ふ~ん、反魔法師団体か。胡散臭そうだな」

 

って、エリカ。

 

「数字付きがターゲットだと、エリカって獲物か?」

 

って、レオ。

 

「数字付きであるけど、魔法師では無く、私は剣士だよ~ん♪」

 

など、話して歩いていると、知らない男性達に囲まれた。

 

「千葉エリカだな?ちょっと、来い!」

 

剣を手にして襲ってきた一団。エリカは剣状のCADを手にして応戦する。

 

「レオ!幹比古と美月を護れ!」

 

しかし、相手の方がエリカより、手練れのようだ。まずいなぁ。って、僕は愛用の刀を手にして、エリカと敵の間に入り込み、エリカをガードする。あれ?エリカがガーディアンでなかったか?まぁ、いいか。

 

「貴様、何者だ!」

 

「ファントムドラグーン見習い、ネギ太郎♪」

 

ファントムドラグーンとは賢者様のチーム名で、ケンカを買った時の僕の身分だそうだ。

 

「はぁ?なんだ、それは?」

 

僕に斬り掛かってくる一団。的確に首筋を狙う。僕の持つ妖刀菊一文字は、菊の花を一輪ずつ斬り落とすように、首を斬り落とせる一降りである。首元に的確に入れば、だけど…

 

ボトン!ボトン!と、斬り落とした頭部が落ちて、地面で跳ね上がる。頭部を無くした胴体の首から血柱が上がっていく。

 

「人斬りか…」

 

相手のリーダーらしい者が呟いた。

 

「ふっ…神殺しだよ」

 

「何?お前…聖域の…引け!」

 

その声を合図に、逃げていく一団。これで、一難去ったかな?

 

「エリカ、大丈夫か?」

 

エリカに手を差し伸べたのだが、

 

「お前…なんで、そんなに冷静でいられるんだ?」

 

後ず去りしてレオの背中に隠れるエリカ。

 

「おい!来るな!お前、何をやったか、分かっているのか!」

 

レオが叫んだ。うん?何を怒っているんだ?

 

「来ないで…近づかないでぇぇぇぇ~!」

 

美月が怯えている。なんで?

 

「どうして?なんで?」

 

心当たりの無い僕。

 

「それすら、わからないのか…わかったよ。お前をあきらめろって、父さん達が言っていた意味がな!お前は平気で人を殺せるんだな」

 

エリカが哀しそうな顔で僕に叫んだ。

 

「だって、やらなかれば、エリカ以外、殺されていたよ。生き残るより死を選ぶなんて、ナンセンスだよ」

 

「わからないだろ?」

 

「わかるよ。アイツらの目は殺戮者の目だったから」

 

「お前がそうだから、わかるのか?」

 

「どうだろうな。僕はまだ見習いだから…わかったよ。あいつらを殲滅して、僕は帰る。この世界は僕の居場所で無いんだな?そうだろ?エリカ…」

 

僕の問い掛けをスルーするエリカ。人間と化け物の壁かな?しょうがないか。僕はアイツらの残留オーラを追跡し始めた。

 

 

 

---七草真由美---

 

うちの下校中の生徒達が、反魔法活動を行う政治結社である「ブランシュ」に襲われたと、七草家から連絡が入った。現場に急ぐ、私達。その生徒達の中には、ネギ君がいたらしい。

 

現場は斬首された遺体が複数あった。一面、血の海状態だ。遺体に生徒がいないことを確認して、生徒達から話を聞くことにする。が、警察が話を聞いているようで、それを傍観することになった。

 

「エリカ、危なかったな。こいつらテロ組織だ。お前を誘拐して、目撃者は始末すうつもりだったようだな。全員、国際指名手配犯だった。アイツらの誤算は、ネギがいたことだ」

 

やはり、ネギ君は巻き込まれたようだ。でも、ここに彼はいない。

 

「でも、殺す事は…」

 

「エリカよ。ネギの肩を持つ訳では無いが、ネギの判断は正しい。やらなければ、お前の友達3名は死体だったぞ」

 

「うそっ…」

 

「で、ネギはどうした?」

 

「帰ったよ…」

 

「どこにだ?!」

 

達也君が物凄い形相で、話に割って入った。

 

「えっ!達也君…家にでしょ?」

 

達也君は情報端末で、どこかに次々に連絡していく。ネギ君…家に帰っていないのか?

 

「マズいなぁ…あいつ、どこに行ったんだ…」

 

いつも冷静な達也君の顔が険しい。何かマズい事態になったようだ。

 

 

 

---四宮ネギ太郎---

 

エラそうな態度の男性が奥の方にいて、戦う気満々な輩が、ソイツを護るようにして、僕達にハンターのような視線を浴びせている。

 

「ファントムドラグーン見参♪僕のチームの見習いに、酷いことをしてくれたな」

 

「ファントムドラグーンだと?どこの不良グループだ?ここは「ブランシュ」の日本支部だぞ」

 

「知っているよ」

 

賢者様が来てくれた。僕なんかの為に親衛隊の方々と。

 

「ネギの…弟子の心に土足で入った罪は重いぞ!地獄で反省するか?それとも闇の世界で反省するか?選ばせてやる」

 

「はぁ?お前、厨房か?何、訳分からないことを言っているんだ?おい、殲滅していいぞ!」

 

「「おぉぉぉ~!」」

 

ハンター達が襲い掛かってきた。賢者様の親衛隊は陣形を崩さすに迎え撃った。敵と交差する瞬間に血柱が上がっていく。何本もの柱が出来る。ハンターの数だけの柱が出来ていく。

 

「何?瞬殺だと…」

 

「はぁ?当たり前だろ?人間風情相手に、手こずるわけ無いだろ?」

 

「人間風情?おい…お前ら、人間で無いのか…」

 

相手のリーダーの顔が強張っていく。賢者様の死を感じさせるオーラが、この場に吹き荒れていた。

 

「なんだ、寒い…身体の芯から…」

 

「おい、お前達のボスは誰だ?うん?!そうか、ドールテイマーがラスボスか」

 

相手のリーダーの記憶を読んだ賢者様。

 

「顧 傑のヤツか。今回は先に退場してもらおうかな。ドールは嫌いだからな」

 

グシャ!

 

相手のリーダーの頭部を握り潰した賢者様。

 

「おい!顧 傑の配下を掃除する。ファルコン、指揮を頼む」

 

賢者様は、親衛隊の隊長のファルコンさんに、指示を出した。

 

「わかりました。24時間中に終わらせます」

 

親衛隊の皆さんがファルコンさんと共に消えた。どこかに転移したようだ。

 

「で、ネギ。どうする気だ?」

 

「ここは僕がいていい世界では無いです。帰りたい…」

 

僕の希望を伝えた。

 

「う~ん…ネギの想うところはわかる。だけど、お前に課した任務は放棄か?」

 

課された任務?あれ?なんだっけ?

 

「おいおい…お前の素直さ、真っ直ぐさは好きだが、そのボケはどうにかしろよな」

 

頭を抱える賢者様。

 

「お前の任務は真夜の心を満たすことだろ?」

 

あぁ、そうだった。そうですよね。帰っちゃダメだよな。

 

「いいか。お前の帰りたい気持ちはわかる。だが、任務が優先だよ、見習い君♪強いだけじゃダメだ。いいか、どんな任務でも辛抱強くこなせて、一人前になるんだぞ」

 

血塗れた手で、僕の頭を優しく撫でてくれる賢者様。

 

「また、お前だけで不安になったら、行動を共にする。だから、任務をこなせよ、ネギ。出来るか?」

 

「やり遂げたいです。で、また、任務を忘れたら…」

 

「あぁ、思い出させてやる。だから、自信を持って任務に当たれよ、ネギ♪」

 

笑顔で僕を見つめる賢者様が、転移して消えた。うん?僕もどこかへ転移したようだ。ここはどこ?

 

 

「ネギ君…どうしたの?どこか怪我したの?」

 

大きく見開いた目で僕を見た水波。すぐに、僕に駆け寄って来た。

 

「全部、返り血だよ」

 

「お風呂、今湧かすから…脱衣所にいて」

 

「うん、わかった」

 

お風呂の自動運転のスイッチを入れてから、水波は誰かに連絡をした。

 

「達也さん…ネギ君が血塗れで転移してきました。今からお風呂に入れて、怪我が無いかチェックします…えぇ、戻って来て下さい。一人では不安です」

 

それから、僕の部屋から僕の着替えを持ってきてくれ、僕の服を脱がし、水波も服を脱いだ。

 

「さぁ、入って下さい。いま身体を洗いますから」

 

スポンジにソープを付けて泡立て、僕の身体と髪の毛を洗い上げてくれた。

 

「う~ん、怪我らしい怪我は無いみたいですね」

 

泡をシャワーで流してくれた。

 

「痛い処とか、しみる処は無いですか」

 

「無いよ。ちょっと疲れたかな…」

 

水波の谷間に顔を埋める僕。

 

「ダメだよ。ここで寝ちゃ…ねぇ、ネギ君…」

 

水波の心地良いオーラに包まれ、水波の声が遠くへと離れて行く…

 

 

 

---七草真由美---

 

達也君、深雪さんと共に、ネギ君の家に着いた。メイドさんの話では、疲れて部屋で眠っているそうだ。

 

「一安心ね」

 

「そうですね。大規模な災害は起きていないようだし」

 

魔法の暴走は起きなかったようだ。でも…ネギ君の心に傷は入ったかも知れない。千葉さんの記憶を読んだ達也君の話では、『平気で人を殺せる』と言われたそうだ。

 

「この世界は自分の居場所で無いと言ったそうです。アイツの居場所の世界…ここでは無いんだと想います」

 

「彼…調整体なの?」

 

それまでに抱いた疑念をぶつける。頷く達也君。

 

「ネギ本人は人間だと思っています。だから、アイツには言わないで下さい」

 

調整体…遺伝子を弄られた作られた人間。所謂人造人間である。その多くは20歳前半で寿命を迎えるらしい。

 

「後5年しか、ネギ君の傍に居られないんですよ。あんなに真っ直ぐで良い子なのに」

 

深雪さんが哀しそうに呟くように言った。そうだね。真っ直ぐで…かわいい甥っ子だよ。

 

「彼の居場所の世界って、どこなの?」

 

達也君に訊いた。何かを知っている気がしたから。

 

「たぶん、聖域だと思います」

 

「それって、都市伝説な話じゃないの?」

 

「聖域については、昔の書物に書かれている程度のことしか、わかりませんが、たぶん、存在するんだと思います」

 

ネギ君の持つ魔導師としての術。この世界には無い物であった。転移術なんか、魔法師の魔法で再現は出来無い。

 

「推測ですが…叔母は以前、聖域に迷い込んだのかもしれません」

 

達也君の叔母さんって、四葉家の現当主だったわよね。

 

「迷い込む?どうして?」

 

四葉家の暗部を話してくれた。あの1つの国を消滅させた原因を…

 

「えっ!父さんが、達也君の叔母さんの婚約者だったの…」

 

知らなかった事実。そして、それはネギ君の出生に関しての謎の部分になる。

 

「子供を産めない身体の叔母が、真由美先輩の父との間に子供を作るのは、不可思議なんです。ですが、聖域が絡んだと考えれば可能です」

 

人間では無い者達の集う世界である聖域。人間の技術では無理なことすら、可能にしてしまう技術があるらしい。そう考えると、父さんの精子を盗んだのは、父さんの精巣から…産んだ年齢を考えると、父さんが精子バンクに精子を預けるよりも、遥か以前であるから。

 

「そうなると、ネギの父親は聖域の者である可能生がある」

 

聖域で産まれた子供から、調整体を作ったってことでもある。そうなると、ネギ君は、人間の調整体では無い可能生が濃厚である。

 

「ネギ君は何者なの?」

 

「ネギ君はネギ君ですよ。私の婚約者で、真由美さんの甥っ子なんですよ」

 

深雪さんが断言した。そうだよね。単純に考えれば…

 

「叔母の狂気を具現化したのがネギです」

 

達也君は言い切った。狂気が具現化して、彼は最終兵器となったのだろうか…それは、考えたく無い事実だ。

 

「そう考えると、アイツの異常な攻撃力の説明はつきます。いいですか、あんなに戦略級の魔法を詰め込んだ上、8つもアイドリング状態って、人間には無理です」

 

達也君の目は、どこか哀しげであった。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。