※この作品はR-18です。

オリ主探訪日記   作:mimick

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8.シンプルな日記帳から抜け落ちたページ

 ☆月★日

 

 ワールドエネミーを討伐して不死人のクラスを得てから、間もなく。

 

 来る日も来る日も、モンスターを倒しては、また新たにモンスターを探しては狩る。

 

 繰り返し、繰り返し……

 

 しかし……ようやくと思ったが、何故か種族レベルが上げられない。

 

 レベルアップしても上昇分を種族レベルに割り振ることができないのだ。

 

 レベルキャップが設定されているのか? 

 

 何がいけないのか……全く持ってわからん。

 

 折角、獲得した種族なんだがなぁ……

 

 現時点では特に強いという種族でもないし、むしろレベルダウンしている分カンストプレイヤーには到底及ばない。

 

 もしかしたら、レベルアップには何か特殊なイベントでもこなす必要があるのだろうか? 

 

 

 ☆月★日

 

 あれから色々探してみたのだが、レベルキャップの外し方は不明のままだ。

 

 だが、今日モモンガからヒントになるかもしれない情報があった。

 

 何やら近日中に大きなアップデートがあるらしい。公式のページに今後の予定が出ていたそうだ。

 

 

 ☆月★日

 

 ビンゴ! 

 

 いくつかの職業、種族で専用のシナリオが配信されるそうだ! 

 

 その中には俺のアバターの種族である不死人のシナリオもあるようだった。

 

 さっそく、アップデートを実行し、シナリオを導入した。

 

 

 のだが……

 

 なげぇ

 

 何なんだ、いつまでたってもロード終わらないんだが! 

 

 どれだけの容量が詰め込まれてるシナリオなのか。

 

 改造してそこそこスペックが高いはずの俺のマシンが悲鳴をあげてる汗

 

 

 ☆月★日

 

 一晩放置し……

 やっとこさ、シナリオのロードが完了した。

 

 マシンが働きっぱなしで、ヤバいんじゃないかとハラハラしたぞ。

 

 

 と、さっそくシナリオをプレイしてみたんだが、どうやら一人用のロールプレイングのようになっているようだ。

 

 内容は……人も寄り付かない秘境の地にある刑務所のような場所から始まるようで、種族である不死人にまつわる由来を探ったり、不死人の使命を果たすために旅をするという設定のようだ。

 

 シナリオとしては、今のところ何とも言えないが、グラフィックや世界観への拘り様はとんでもないな。

 

 白く冠雪した峻厳な山々、どこまでも続く空、朽ちかけた遺跡や建造物、そして全てに等しく降り注ぐ太陽の光と光の届かぬ闇の世界の描写……

 

 ときたま見えるのは、他の不死人のプレイヤーと思しき白い幻影。

 

 幻影が見えるほどに世界は近く、重なるように隣り合っているという設定によるものか。

 

 しかし、そのままでは決して混じり合うことのない世界線それぞれに、プレイヤー達の物語が存在している。

 

 

 シナリオに使い回しの背景などはなく、まるでこの世界観を再現するためだけに、新たにワールドを創り出したかのような……

 

 いや……まさにここは新しいワールドと言ってもいいのではないかと思う。

 

 ユグドラシルに存在するいくつものワールド。

 

 その枝葉の一つの世界。

 

 今はまだここは、不死人専用のフィールドになっているようだが、いつか全プレイヤーに開放されることになるのだろうか? 

 

 ……それは何だか寂しいな。

 

 この世界を不死人で独占したい気持ちもあるが、なによりここがプレイヤーで溢れてしまったら、まだ見ぬ、この世界観がぶち壊しになる気がした。

 

 

 ☆月★日

 

 やべぇ。

 

 このワールドの難易度がヤバい。

 

 難易度を引き上げている要因。まずは、張り巡らされたデストラップ。

 

 探索する

 ↓

 雑魚敵が襲来

 ↓

 ローリングで攻撃を回避

 ↓

 崖から落ちて落下死

 

 そして、視界に現れる『YOU DIED』の文字。

 

 わかっとるわ! 

 

 

 また、バリエーションも意外なほど豊富だ。

 

 嘘のメッセージにショートカットや宝箱があると騙され、崖からの落下死。

 

 地下へ降りるためのエレベーターに向かってダッシュ……が、エレベーターが戻って来ておらず落下死。

 

 何度も落ちて、逆に楽しくなってきたわ。

 

 でも、VRだから落ちる感覚とか割とリアルなのよね。どこがとは言わないけど、ヒュンってします。ヒュンって。

 

 仕様なのか、このワールドだと空飛べないんだよなぁ。

 

 他にも、死んでいると思った竜が起き上がってこちらを攻撃してきたり、一本道で大きな球が転がって来たり、初見では対処が難しい。

 

 確実にこちらを殺しにきてる。

 

 

 空が飛べないのに関連して、2つ目、このワールドでは『魔法』と『アイテム』が制限されている。

 

 といっても使えない魔法とアイテムは、ユグドラシルに存在する他ワールド産の物についてで、この世界で用意されてある『魔法』や『アイテム』の使用制限はない。

 

 いわゆる、このワールドの世界観を表現し、最大限に楽しむための縛りというものだろう。

 

 未だ保持している魔法やアイテムの種類は多くはないが、世界観に合わせた効果や特性を持っているように思える。

 

 これについては、もっと保持している種類が増えてから詳しく書いてみよう。

 

 3つ目、敵がアホみたいに強い。

 

 いや、個々の強さはたかが知れているのだが、集団で襲いかかってくるので、対応をミスれば袋叩きは確実なのだ。

 

 ただ、カンストに近いアバターに雑魚敵のダメージが普通に入る点で察して欲しい。

 

 

 そして、ボスにはプレイヤーと同じ人型から見上げるほどデカイのまで様々だ。

 

 流石にワールドエネミークラスのボスほどではないが、厄介なことには変わりない。

 

 まして、ここには普段いる頼もしい仲間たちはいないのだ。

 

 バフだって自力でしなければならないし、回復だって仲間を当てにすることはできない。

 

 何度、火に焼かれ、吹き飛ばされ、槍に貫かれ、叩き潰されたか……

 

 

 幸いにも死ぬことでレベルダウンは起こらないようだが、死んで篝火に戻る度に思う。

 

 このシナリオ、殺意、高すぎませんかねぇ? 

 

 

 

 ☆月★日

 

 今日も今日とて、死を繰り返す。

 

 死にゲー乙ですわ。

 

 少しずつ攻略していってはいるが、なかなかクリアできない。

 

 実際、敵を倒せるには倒せるのだ。

 

 ただ、自分のプレイの仕方がマズイのかどうしても多対一になってしまうので、一度ミスると袋叩きになる。

 

 いちいち、敵を釣ってきて進めていくのもいいが、それでは負けた気がする……

 

 なので死ぬ時はだいたい敵の集団に一人囲まれて死ぬ。

 

 

 知恵がない? 

 

 脳筋と笑いたければ、笑え。

 

 実際そうだから。

 

 

 プレイヤースキルには多少自信があったんだがなぁ……

 

 ちょっと心が折れそうだ……

 

 

 

 ☆月★日

 

 不死院で出会った騎士から伝えられた不死の使命とは、2つの鐘を鳴らすことだった。

 

 そして……鐘の音は神の都への道を開き、よくわからないナマモノ、フラムトを叩き起こした。

 

 フラムトは太陽の光の王グウィンから不死の本当の使命を伝えにきたらしい。

 

 曰く、大王の後継となれ、と。

 

 それはつまり、大王の火を継ぐということに他ならず、火となり、この世から不死の徴であるダークサインを消し去ること。

 

 そして、そのためにはまず神の都へと至り、王のソウルを満たす、王の器が必要だという。

 

 う、うーん。

 

 フラムトは世界の蛇、王の探索者を自称し、王の親友だと話した。

 

 親友? 

 

 え……? 

 

 胡散臭ぇー。

 

 

 ☆月★日

 

 神の都アノールロンド。

 

 壮麗な城壁を越え、見えるは神の治めた地。

 

 荘厳な建造物、壮麗な王城。

 

 輝く光の都。

 

 しかし、既に主たるグウィンはなく、斜陽を迎える国。

 

 

 

 ここアノールロンドはなかなかの強敵揃いだった。

 

 雷の槍を操る竜狩りの騎士オーンスタインに、残忍な処刑者スモウ。

 

 オーンスタインは王の四騎士の内の一人であり、獅子を模した鎧を身に纏い、雷の力を宿した十字槍を自在に操る。

 

 スモウはその酷薄な性質から騎士に叙されることはなかったが、四騎士にさえ迫る実力を持っていたらしい。

 

 この二体と同時に戦闘って。

 

 マジかよ笑

 

 しかも、一体倒したらもう一体が吸収して、パワーアップするし。

 

 マァ、大変ダッタヨ。

 

 

 戦闘を乗り越え、王城の深部、謁見の間には大王の娘であり、太陽の光の王女グウィネビアがいた。

 

 デカイ。

 

 何がって……

 

 わかってるよな? 

 

 

 おっぱいだよっ! 

 

 でかぁい! 説明不要! 

 

 もちろん、望遠鏡でくまなく拝見させていただきました。

 

 ホクロまであるのね。

 

 作り、細かすぎでしょ! 

 

 きっと彼女をデザインした人はやりきった表情をしていたに違いない。

 

 

 

 ☆月★日

 

 王の器を満たす、王たちのソウル。

 

 分け与えられた王のソウルを持つ者たち。

 

『墓王ニト』

 

『公王』

 

『白竜シース』

 

『イザリスの魔女』

 

 気味の悪い蛇、フラムトは今度は王のソウルを集めろと言った。

 

 王のソウルは最初の火から生まれたもの。

 

 なるほど、火の存続を望むのであれば、そこから生まれた物を元あった場所に戻すのは道理という訳か。

 

 そしてそれを成した者が、火を継ぐものの資格となるとも。

 

 そういうストーリーな訳ね。

 

 ……どうでもいいが、フラムトは息が臭そうだ。

 

『かつての王たちは道を違えているか、既にその役目を終えているから気にせず倒せ』

 みたいなことも言うし、イマイチ信用出来ない奴だ。

 

 

 

 ☆月★日

 

 墓王ニト。

 

 彼は世界で最初の死者であったと言われている。

 

 かつて、グウィンらと共に古竜を討ち果たした存在であり、最初の火から特別なソウルを手にした一人だ。

 

 現在は墓所の地下深く、光の届かない闇の奥で眠りについている。

 

 墓所には人とも獣とも判断のつかない無数の骨が埋葬されており、エネミーもスケルトン系が多い。

 

 人型や獣姿のスケルトンに、骨の集合体。

 

 一体一体は問題なく倒せるが、墓地内は視界が非常に悪い。

 

 ここでも、攻撃を回避したら崖の底に落ちるのを何度か繰り返し、トライした。

 

 どないせぇっちゅーねん。

 

 道も入り組んでいて全体はよくわからんし、やりずらいステージという印象だった。

 

 

 

 相対したが、正直、墓王ニトは眠りについているだけで、死を振り撒いたり、瘴気を生み出したりすることもなく、ほぼ無害な存在だ。

 

 それなのに、ソウルを奪おうと墓荒らし紛いのことをするのだから、悪役の気分だ。

 

 実際に見てみれば、どこかの誰かを彷彿とさせる容貌をしているし。

 

 なんか申し訳ないな、と思いながら王のソウルをいただきましたマル。

 

 

 ☆月★日

 

 イザリスの魔女、もしくは混沌の苗床。

 

 混沌の苗床がいるイザリスの都は地下深くに潜った先にある。

 

 道中には腐敗し、不潔な病で満ちた村があったり、毒の沼があったりで、毒への耐性を上げておく必要がある。

 

 毒の沼の先には、貴重な癒し。

 

 下半身が大きな蜘蛛、上半身が人間の姿をした混沌の娘、魔女クラーグがいる。

 

 彼女自身が美人であり、それを見ているだけで、この殺伐とした世界観に癒しをもたらしてくれるが。

 

 もっと大事なことが一つ。

 

 彼女は……オッパイ丸だしなのである。

 

 俺は戦闘中であっても、これを見逃すことが出来なかった。

 

 具体的に言えば、望遠鏡でガン見(ry

 

 しばらく見ていたのだが、何となく誰かに恥ずかしい行為を見られているかのような気分になってきたので、惜しみながら先へと進む。

 

 貴重なオッパイ枠が……

 

 

 

 もう一人、彼女の妹で同じ癒し枠がクラーグの住処の先にいる。

 

 彼女も下半身が蜘蛛、上半身が人間の女性の姿をしているが、様子は大分異なる。

 

 彼女は憐れみ深い性格をしていたのか、病気に苦しむ人達を救うために毒に塗れた膿を周囲の反対を押し切って、呑み込んだ過去があるらしい。

 

 その影響か、身体の全てがアルビノのように白く染まり、盲目になってしまっている。

 

 彼女は今も病の毒に苦しんでおり、その苦痛を一時的にも楽にさせるには、『人間性』と呼ばれる人の闇? 人の感情? のような塊を捧げるしかないらしい。

 

 クラーグも、彼女に人間性を捧げるために俺を襲ってきたのだろうか……

 

 そして今も、彼女は健気にも姉の帰りを待っている。

 

 彼女の姉を殺した奴が言えることではないが、贖罪の意味も込めてたまにここに来ることにしよう。

 

 すまねぇ、姉さん、妹さん……

 

 

 

 ストーリー上、イザリスの魔女が王のソウルを手にした人物であり、最初の火が衰え、消えかけになったことで、魔女は自身の手で火を生み出せないか研究していたようだ。

 

 その結果、研究は失敗し、混沌の炎が暴走したことによりイザリスの魔女は混沌の苗床へと変貌。

 

 都は混沌の渦に巻き込まれ、マグマの海へと沈むことになった。

 

 また、混沌に触れたことにより、デーモンの存在が生まれ、牛頭デーモンや山羊頭デーモンなどが跋扈することになったようだ。

 

 この災厄で無事に生き残ったのは、混沌の娘の一人であるクラーナのみ。

 

 クラーナはこのワールドでの『魔法』の一つである呪術の師匠だ。

 

 彼女もある意味、癒しなのかもしれない。

 

 彼女は混沌に沈んだ母や姉妹達に引導を渡してあげたいと思っているが、一方でその覚悟も力もないと嘆き、俺に討伐を頼んだ。

 

 その報酬が、彼女の呪術の力であり、彼女の弟子になるというもの。

 

 最初はツンケンしているが、クラーグや混沌の苗床を討伐した後では、肩の荷が降りたかのように人当たりが優しくなる。

 

 師匠、かわいいよ、師匠。

 

 ただ、呪術の力を伝え終わったとかで、いなくならないで欲しかった……

 

 重荷から解放されたクラーナは死に場所を探しに行ったのかもしれない。

 

 最後まで、彼女は何度も何度も口が酸っぱくなるほど言っていた。

 

『火を畏れよ』

 

 イザリスの魔女は火を畏れることを欠いた。

 

 だから、災厄を生み出してしまったのだと彼女は考えていたのかもしれない。

 

 

 ☆月★日

 

 俺は旅した。

 

 ゲーム内でのことではあったが、俺は確かにこの世界を見て回った。

 

 フラムトは言った。

 

 不死人に待つ運命。

 

 世界を照らす火を継ぐこと。

 

 

 光の王グウィンは憂いていたのだろうか。

 

 闇の時代に後戻りすることを。

 

 だからこそ、自身の身を代償として世界を照らす最初の火を守ったのか。

 

 

 原初の闇の時代には、光などなく、その大半が霧に覆われ、灰色の岩と大樹、朽ちぬ古竜が世界を支配していたという。

 

 そこに安寧などなく、神や巨人、人間などの種族の関わりなく古竜の脅威に晒されていた。

 

 

 太陽の光の王グウィンとその配下

 

 最初の死者墓王ニト

 

 イザリスの魔女と混沌の娘達

 

 鱗のない白い古竜シース

 

 

 彼らは古竜との争いに勝利することで世界に光をもたらすことに成功した。

 

 訪れた『火の時代』、そこには命ある者たちの発展があったのだ。

 

 例え、いつか火が消え、再び世界に闇の帳が落ちようとも……

 

 世界を照らすには、火を絶やしてはならないのだ。

 

 たとえ、いくつもの犠牲を払ってでも。

 

 俺が見て回ったこの世界は、厳しくも美しい。

 

 

 

 ☆月★日

 

 小ロンド遺跡。

 

 公王はグウィンに任ぜられ、王のソウルを分け与えられた小ロンドの四人の王だった。

 

 だが、いつしか公王達はソウルの力に溺れ、闇の存在であるダークレイスへと身をやつした。

 

 グウィンは公王を深淵へとおいやり、小ロンドを水の底に沈めて封印した。

 

 現在、小ロンドは亡霊の跋扈する呪われた廃墟となっており、王とともに闇へと落ち、ダークレイスとなった騎士が人を襲うような危険な場所になっている。

 

 公王も人間だった頃の面影はほとんど残っておらず、闇の潜むバケモノのような姿に変貌していた。

 

 てか、公王って四人のはずだよな。

 

 なんか、戦闘中に五人目が出て来たんだが、バグか何かなのか? 

 

 

 ☆月★日

 

 順調に王のソウルを集めてゆく中、公王から分けられた王のソウルを手に入れた際、フラムトとは別個体の蛇、カアスに出会った。

 

 奴は、手に入れたソウルを自身の物とし、火を継ぐなと言う。

 

 カアスが言うには、始まりの火はいつか消えるのが決まっており、それを覆すことは出来ないらしい。

 

 フラムトが言う真実は、ただの延命措置に他ならないと反論する。

 

 奴自身も世界の蛇としての役目を忘れ、王の友という存在に堕ちたのだと。

 

 だから、火が消えるのは世界の理に準じており、グウィンの火を継がないのは道理であると話す。

 

 さらには、ならばお前は火が消え、闇の世界が訪れた時に如何に人間を率いていくのかを考えるべきであり、それならば王のソウルを身に取り込んだ方がよい、と。

 

 この身は、闇の王となる資格があるらしい。

 

 カアスの話す、闇の世界とはどんな世界なのだろうか。

 

 ただ、今の火の時代よりは遥かに生き辛い世界になることは確かだろう。

 

 今の世でさえ、人々には不死の証であるダークリングが現れているのに、闇の世界になればどうなってしまうのか。

 

 この世界が不死人で溢れるかもしれない。

 

 カアス曰く、人間は元々闇の存在だというが……

 

 人間にのみ現れるダークリングの由来は、誰も知らない小人が余った暗い火を手にしたことにある。

 

 そして、それが世代を経ることに拡散し、人々がダークリングを発現させる資質の元となった。

 

 だから、基本的に人間以外にダークリングが発現することはなく、ダークリングを持たない神族などは闇の世界で生きていくことは困難を極める。

 

 過酷な闇の世界で生き延びるには、不死であることは有利であり、環境に適応できる下地になるということなのかもしれない。

 

 しかし、神族にはそんなものはなく、闇の時代とは神族の滅亡を意味するのか。

 

 

 もしも、光の王グウィンがそれを知って、火を継がせようというのならば……

 

 グウィンは神族の行く末のみを第一に考えていたことの証左になるだろう。

 

 そこには人間への配慮などは存在していない。

 

 

 どうでもいいがカアスの息も臭そ(ry

 

 

 ☆月★日

 

 そういえば、この世界の魔法についてまとめていなかった。

 

 このワールドにはいくつかの魔法が存在している。

 

『魔術』

 

 主にこの世界での生命の概念であるソウルを利用した魔法であり、ソウルとは魂の力とも考えられる。

 

 魔術は杖を触媒として、ソウルを塊として打ち出したり、ソウルを消費して身体や武器を強化するものがあるなど汎用性に優れる。

 

 ただし、近距離戦での攻撃の手段にやや乏しい印象。

 

『呪術』

 

 イザリスの魔女の娘クラーナが使用した炎を起源とした魔法。

 

 魔術に必要な杖を必要とせず、代わりに種火の役割を果たす呪術の火を必要とする。発動が早く、近距離でも使用が可能な物が多い。

 

 フレーバーテキストでは、呪術を操る者にとって火は特別なものであり、大抵は一生を共にし、大事に育て続ける。火はまさに半身であり、分かち合ったものは火の血縁となるとある。

 

 元来は、イザリスの魔女の扱う、杖を使用した炎の魔術であったが、その魔術は失われてしまっている。

 

『奇跡』

 

 タリスマンを触媒として、神の力を呼び出す信仰系の魔法。

 

 回復・治療などが多い反面、攻撃の手段に乏しいという欠点があるが、魔術への防御、妨害に優れた一面がある。

 

 経典である神の物語をなぞらえた魔法が多く、聖職者が経典から学ぶことで、これらの技を身につけていることが多いようだ。

 

 以上! 

 

 

 

 ☆月★日

 

 最後の王のソウルを持つ、白竜シース。

 

 鱗のない古竜。

 

 それがシースの蔑称であり、不死身だった古竜達の力の源である鱗を持たなかった存在。

 

 つまりはシースは不死身の存在などではなく、死を恐れ、我が身の可愛さに敵方であったグウィンに組した裏切り者だった。

 

 

 古の、火の時代を迎える戦闘では、当初、グウィン達は殺しても殺しても蘇る古竜達に押されていた。

 

 しかし、シースが古竜達を裏切り、不死身の源である鱗の秘密を伝えると状況は一変した。

 

 グウィンの雷が古竜の鱗を貫き、イザリスの魔女の炎が焼いた。そして、最初の死者ニトが死の瘴気を振り撒き、古竜に死をもたらしたのだという。

 

 

 戦いの後、シースは不死の力に妄失し、不死を求めて実験を繰り返していた。死を恐れるあまりに。

 

 その研究の過程で生まれたものが、ソウルの業であり、結晶の魔術だった。

 

 ただし、その研究の過程で犠牲になった者の数は計り知れない。

 

 シースの居所である公爵の書庫では、実験の犠牲となった者達が多くみられる。

 

 中には人間性をドロップするモンスターもいることから、人間からモンスターに変化させられた者もいたようだ。

 

 なんとも惨い。

 

 これほど倒して心傷まない敵はいなかった。

 

 

 ☆月★日

 

 4つの王のソウルが揃った。

 

 多分、フラムトの言葉に従うか、カアスの言葉に従うかが分岐の別れ目だ。

 

 可能なら両方のルートを一度ずつやった方がいいんだが、このシナリオがもう一度出来るという保証はない。

 

 さぁ、どうしたものか。

 

 

 

 ☆月★日

 

『あなたが火を継いでくださるのですね……』

 

『人を人のままに死なせて欲しい』

 

『人から闇の徴を払って……』

 

 

 とある火防女が言っていた言葉。

 

 俺が選んだルートは……

 

 グウィンを倒し、最初の火を継いで、二代目の薪の王となること。

 

 

 人が人のままに、死ねる世界がいい。

 

 肉体的な死がなくとも、精神的に摩耗し亡者となってしまう不死人は、やはりバケモノなのだろう。

 

 亡者となってしまっては、もう後戻りは出来ない。

 

 永遠の死の苦しみに塗れるだけ。

 

 人と亡者はやはり存在自体が違うのだ。

 

 それならば、例え、火の時代が延命によるものだとしても……

 

 もう少しだけ人を人のままに死なせてやれる世がいい。

 

 

 最初の火の炉。

 

 グウィンが最初の火を前に立ち塞がったのは、俺が火を継ぐに値する者かを確かめるためなのだろうか。

 

 それとも、闇の時代を招かんとする不死の存在を排除しようとしたのか……

 

 グウィンを倒すのは簡単だった。

 

 グウィンはその力のほとんどを近しい者に分配して火継ぎをおこなったとされているが……

 

 全盛期の彼はどれほど強かったのだろうか。

 

 

 最初の火に触れると、火は体に移り、燃え広がってゆき、ついには、全身を覆う。

 

 と、同時に『薪の王』のクラスを取得し、エンディングが流れた。

 

 これでシナリオは一旦は終わり。

 

 

 

 

 炉に佇み、こちらを見ていたボンヤリとした白い影。

 

 幻影とも異なるような、あれは何だったのだろうか。

 

 追加シナリオの伏線? 

 

 わからない。

 

 ただ、それは悲しみを滲ませているような気がして酷く気になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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