キスで起きられなかった眠り姫
自然と目が覚めると、布団の中に自分以外の存在を感じ、同時に思い出す。
久しぶりに家に泊まりに来てくれて、こうして前日からずっと彼女の柔らかな温もりと笑顔を独り占めしていたのだ。
「目が覚めた時に隣に誰かがいてくれるのって本当に嬉しいものだな。おはよう智花。今日は俺の方が先に起きれたね」
目線を少しずらすと、どうやら俺に心地良い温もりを与えてくれる少女は、まだすうすうと柔らかな寝息を立てているようだ。
以前、彼女は寝ている時に近くの物を掴んだり、強く抱き締めてしまう癖があると話していたのを思い出す。
事実たまにこうして一緒に寝た時は、目が覚めたらくっつきそうなくらい、間近に彼女の顔があってすごくドキドキしたこともある。まぁ、最近はこっそりキスをしちゃうくらいの余裕もできたが。
今の彼女は俺を強く抱き締めながら寝ているわけではないが、甘えるように身を寄せるようにしてくれているのだから、幸せであることには違いない。いや、もしかしたら昔以上に嬉しいことなのかもしれない。
俺という存在が彼女の側に居ることを許してくれているし、しっかり掴んでいなくても、離れたりどこかに行ってしまわず、ずっと側に居てくれる。と信じてくれているのだろう。
そう思うと、ただ幸せそうに寝息を立てている少女の寝顔がいっそう愛おしく感じられた。
「……あ」
このまま智花が起きるまで、彼女の寝顔を見続けていようと思っていた矢先に、あることに気づいてしまった。
体を屈めるようにして俺に寄り添っているのだから、キャミソールの胸元が大きく開いてしまっていて、可愛らしい小ぶりな膨らみ……というか、片方の乳首がちらりと見えてしまっていた。
彼女の寝顔か乳首か。はたして俺はどっちを取るべきだろうか?
深い葛藤に襲われつつも、それでも視線はやはり乳首の方へと動いてしまう。
ごめんね。智花。男ってエッチな生き物だから。
彼女の呼吸するたびに緩やかに上下する胸の動きを覗きつつ、心の中で謝る。
そのまま何気なく彼女の幸せそうな寝顔と、俺にとって幸せな乳首を交互に見ていたところで再発見してしまった。
今の智花の乳首って、俺が普段は絶対に見ることができないものすごくレアな状態なんじゃ!?
俺が彼女の肌を見ることができるタイミングなんて、まぁ……その……するときだけだし。
その時は少なからずとも緊張や興奮でピンピンになっちゃって……さらにカチカチになっちゃうこともあるけど。
うん。勃っちゃった時の乳首はいっぱい触ったり見せてもらったことはあるけど、逆に平常時のは見たことなかったよな。
透き通るように白く小振りな双丘の中心を囲んでいる鮮やかな桜色の乳輪。
その乳輪の上にちょこんと乗っているちっちゃな乳首。
さすがにこの状態から言うほど大きく膨らむわけではないけど……うん。すげぇかわいい。
俺の股間についてる愚息なんかも興奮すると何を期待してんのかバカみたいにデカくなるけど、そんなものなんかよりもよっぽど可愛い膨らみ方をして、俺に智花がどれくらい気持ち良く感じていることを伝えてくれるからな。
ダメだと思いつつも、湧き上がってくる彼女への劣情が抑えられない。
触りたい……普段と違うであろう感触を確かめたい――というところで、思い留まる。
いやいやいやいやっ。そんなの絶対にダメに決まってんだろっ!!
俺は智花にとって絶対的な安全圏であるべき存在だ。
たとえ恋人関係になったとしても、許可なく勝手に相手の体を弄繰り回すようなことなんて絶対にしちゃいけない。
今の智花だって、寝ている時に俺が変なことを絶対にしないと信用してくれているから、こうして一緒に寝てくれているわけであって――
「んん~……すばる、さぁ~ん……ふぁうぅぅ……」
寝ぼけている状況で器用に俺の両手に首を回し抱き付くと、キスをしてくれた。すっげぇ甘くて柔らかった。
ほんの少しだけ唇同士が触れ合う程度で、すぐに力尽きてしまったのかそのまま顔を俺の首筋に摺り寄せるようにして、再び可愛らしい寝息を立てる始めたので首がこそばゆい。
俺の視界からおっぱいは見えなくなってしまったが、場所はすでにわかっている。
俺と智花の体の間に『うっかり』手を滑り込ませられる分くらいの隙間も十分にある。
今も俺に身体を預けるようにもたれかかっている少女の肩を抱きながら、おそらくこの辺だろうと思われる場所に片手を添える。
狙い通り……ではなく、彼女を起こさないようにとゆっくりと脇の方から手を這わせていたら、『たまたま』俺の手がキャミソールの内側に入ってしまっただけだ。
やや起伏が乏しく平坦だけど、すべすべで温かく柔らかな感触に誘われるまま、しっかりと智花を支えられる場所を探り始める。
あばらの方から正面の方に手を回していくと、ほんの幽かではあるが、他よりも膨らみがあってとても手が置きやすい場所に辿り着く。
そこがどこなのかはすぐにわかった。
慣れ親しんでいるが、いつだって病み付きになってしまう感触を俺に与え続けてくれる場所なんだし。
うん。これは智花が変な体勢で寝てしまって、寝違えて体を痛めてしまわないように、寝返りをさせてあげるだけだ。
その時に『偶然』俺の手が智花のおっぱいに触れてしまっただけで、別に俺は智花のおっぱいを揉むことが目的ではないんだ。
……ごめん。嘘ついた。智花のおっぱい揉みたい。すごく柔らかいし、指の間に挟んでる乳首が少しずつ勃っていく様子をしっかり確かめたい。
ころん。と少女を仰向けに寝返らせてあげた後も俺の右手は彼女の胸に置かれている。
智花が起きないよう、細心の注意を払いながら、おっぱいに触れている手に力を込め、優しく揉んでいく。
間違っても、乳首を攻め立てるようなことはしない。
寝ている時にそんな強い刺激を与えてしまって彼女がビックリして飛び起きてしまったらかわいそうだし。
しばしの間、このプニプニと弾力のある感触を楽しませてもらうとしよう。
確かに荒々しく揉み抱きたい。という危険な衝動もあるが、同時にそんなことをする必要はないとも感じている。
ただこうやって触らせてもらってるだけで、すごく幸せな気分になれるし、智花は俺におっぱいを揉まれながらもすうすうと安らかな寝息を立てているのだ。
彼女の安息な眠りを妨げたくはない。
そんな中、徐々にだが変化が出てきたようだ。
指先を通じて彼女の乳首が少しずつ勃っていく様子が伝わってくる。
「ん……ぁ……んん~」
俺の魔の手から逃れるどころか、逆に胸を押しつけてきてしまっていた。
やっぱ寝てる最中でも感じちゃってるのかな?
「もしかして……起きてる?」
「…………………………ちゅっ」
声を掛けたところで返事はないなと思っていたら、彼女の顔を覗き込んだ拍子に俺の声に反応したのか再び唇を押し付けられた。
あんまりそうやって俺を誘惑してると襲っちゃうぞ?
ほんの少しだけ胸を揉んでいた力を強める。
「んっ……すばる、さん……すきぃ……」
一瞬ぴくん。と体を仰け反らせるも刺激に抵抗する様子はなく、なすがままになっている。
……夢の中で俺としちゃってるのかな?
――よしっ。それなら、俺も混ざっちゃってもいいよね? ……っていうか、たとえ夢の中の俺であろうと、現実の俺がこんなに我慢してるのに智花を独占するなんて許せん。
はっきり言って、もう乱入する準備はできているんだ。っていうか、いっそズボンもパンツも脱がないと痛いくらいにガチガチになっちゃってるんだ。
よくわからない思考のまま、寝ている智花を抱こうと思ってしまったのは、多分昨日かっこつけて智花としなかったせいだろうと勝手に結論付けた。
『いつも智花に無理に付き合わせるわけにもいかないからね。今日はエッチなことは絶対にしないから、安心して智花が甘えたいようにいっぱい甘えていいよ』
昨晩、彼女と一緒の布団の中で、彼女に向けて言った一言だ。
この一言に彼女はとても喜んでくれて……もしかしたら、エッチをする時以上の勢いで体を摺り寄せられて、我慢するのが大変だった。
胸やお尻を触ることは必死に自重したけど、ガチガチに固くなり、期待してしまっているペニスを隠し通せるわけはなく……
困ったような苦笑を浮かべていたが、それでも智花は俺の言葉を信じて甘え続けてくれた。
衣服越しとは言え、大きく肥大化したペニスが彼女の柔らかな太腿に触れる度に、何度そこに擦りつけたいという衝動を抑えただろうか。
無意識に腰を押し付けてしまうこともあったと思うが、それでも彼女は俺が絶対にそれ以上のことはしないと信じ、エッチの時とは違う緩み切った表情を見せながら、いっぱい俺に身体を摺り寄せながら甘えまくってくれた。
そして、甘えてる間にすっかりリラックスしきってしまったのか、いつの間にか寝息を立ててしまっていた。当然、そんな状態の彼女を襲うなんて発想自体起こせるはずもなく――
「――で、今に至ると言うわけだ」
誰にと言うわけでなく、思わず呟いてしまう。
今の状況はまだギリギリ襲ってはいないが、まさに襲う、襲われる一歩手前だろう。
おっぱい触っちゃったけど、寝ぼけてる智花にキスされたんだから、これはおあいこだ。
心底名残惜しいけど、さすがにいつまでも触っているわけにもいかないので、智花のおっぱいにしばしの別れを告げながら、そっと袖口から手を引き抜く。
ついでに、ちゃんと胸が見えないようにキャミソールも整えてあげた。決して証拠隠滅を図ったわけではない。
なんていうか……ツンツンになっちゃう前の乳首……すげぇ柔らかったなぁ。
口が滑っても本人には言えない感想を抱きつつ、やり場を失った手の行先を探す。
うん。自分で直しておいてアレだけど、やっぱり見たい。
直前までは惜しげもなく曝け出されていた彼女の胸が今は服の下に隠れてしまっている。
自由に見てれていたものが急に見れなくなってしまうと、なぜか無性に見たくなる。
そんな心理が働いてしまったのだろうか、俺は少女の首の後ろに手を伸ばし始めていた。
目的はただ一つ。智花の首の後ろで決して解けないようにときつく結ばれているキャミソールの肩紐だ。
きつく結ばれているにも関わらず、その結び目を形成しているたった一本の紐を軽く引っ張るだけであっさりと解けてしまった。
当然だ。これは解くための動作なのだから。
細い紐を引っ張るだけで彼女はこんなにも簡単に大切な白い肌を曝け出してしまうのだ。
「……ホントよく今まで解けなかったよな」
今でこそお互いの裸を見せ合うどころか抱き合う関係にまで発展しているが、そうなる以前から彼女はこの薄布一枚で何度も俺の前に立ったことがあるのだ。
恋人になる前のただのコーチと教え子と言う関係で、あまりにも無防備に肌を晒しすぎてしまっていたと今更ながら気づく。
そんな時に、俺が智花の大切な場所を見てしまうようなことがあったら、もしかしたら今のような関係にはなれなかったのかもしれない。
考えてみると本当にギリギリのところで、関係を維持することができていたんだよな。
眠り姫は相変わらず可愛らしい寝息を立てるばかりでなかなか起きてくれそうにはないようだ。
その姿があまりにも無防備で愛おしい。
さて、ここで二つの選択肢が出てしまった。
一つはすでに手遅れかもしれないが、これ以上寝ている彼女を辱める行為を止めて、起きたら全て白状して全力で謝って許しを請うこと。
もう一つはできる限り起こさないように優しく行為を継続し、あわよくば最後まで……
当然、彼女が起きたら全力で謝る。智花のことだからきっと許してくれるだろう。もしかしたらその後で合意の上で続きができるかもしれない。
そんな実に自分勝手な葛藤だが、俺はどうするべきだろうかと本気で悩んでいた。
いや、こんなに可愛い子の寝顔を間近で見ている時点で、もう答えは決まってるよな。