「先日はご心配をお掛けしてしまって本当に申し訳ありませんでした!」
智花の初フェラ体験以降では初めてとなる両母親を交えた定例家族面談会は、俺の渾身の謝罪から始まる。
「うふふ。あの時の昴くんったら、気が気じゃなかったものね」
「別にゴムが破けてしまったわけでもないのですから、そこまで過敏にならなくても大丈夫でしたのに」
母さんと花織さんはとても和やかに笑っているのだが、実際笑いごとじゃないだろうに……。原因は俺だけど。
当事者である俺と智花は心配で心配で仕方ない日々を送っていたというのに、母親たちはそんな簡単に妊娠できるものではないと終始楽観的な思考だった。
まぁ、普段からまだ安全日以外は挿入したりとかはしてないし、行為前後も細心の注意を払っていたのだから結果的に二人の言うとおり、智花の妊娠はなかったようで一安心だったのだが……。
「ふぁう……」
そして、今回の出来事の記憶がほぼ欠落してしまっている彼女はいつものにように、頬を染めたまま恥ずかしそうに呻き声を上げながら俯いていた。
本音を言うと俺もいますぐこの場から逃げ出したい。
だって、家族面談とは名ばかりで、実際は俺と智花はこの二人から惚気交じりのセクハラめいた会話を聞かされ続けるだけの場なのだ。
俺と智花の性活事情は智花を通じて花織さんに逐次報告を守っているし、その流れで当然母さんもほぼ把握している。
智花に自分のペニスをしゃぶらせたことも、酔った勢いでせがまれるままに本番までしてしまったことも全てだ。
彼女の口の中で一回、膣内で一回と俺がイった場所や回数と、おそらく智花がイったであろう回数も……。
『智花が俺たちがしたことでエッチだと思った行為は一切隠さずに全て花織さんに報告すること』
報告をすること自体に不満はない。
これが俺と智花が自由にお互いを愛し合うための条件だからだ。
この約束を守り、避妊にさえ気をつけてくれれば、基本的に俺と智花が仲良しである限りは何をしても目を瞑ってくれるという破格すぎる条件なのだから、守らない理由がない。
ただなんというか、今回は記憶のない彼女に代わって俺が花織さんに報告しなくてはいけないのだが……メチャクチャ恥ずかしかったし、申し訳なかった。
……彼女はこれを毎回やっているというのか。
しかも智花と違って俺の場合は、花織さんに大切な娘にとんでもない粗相をしてしまっていることを自首してるのと変わらないのだ。
まるで花織さんに許しを請うように懺悔している気分だったのだが、
「よかったですわ。ちゃんと昴さんをご満足させることができてるみたいですね。うふふ。今後も娘をよろしくお願いしますね」
そんな返事が返ってきた。
いやいやいやいやっ。いくらなんでも軽すぎでしょっ!?
大切な一人娘が俺みたいなどこぞの馬の骨のような男に嫁入り前の体をいいように弄ばれてしまっているというのに、なんでそんなに笑っていらっしゃるんですかっ!?
「……あの、俺がこういうことを言うのも見当違い甚だしいのはわかるんですが、その……本当にいいんですか?」
男としては好きな女の子と自由に肌を重ね合わせられる環境というのは嬉しすぎる。
ただ、なんというか彼女の年齢的に、まるで性的に無知な少女を誑かしてしまっているようなそんな罪悪感は未だに拭いきれるものではない。
まして彼女は俺にとって本当に大切な存在なのだ。
大切な存在を自らの手で穢してしまっているような、そんな不安に苛まれるときだってある。
恥ずかしそうに照れながらも、無邪気に白い肌を晒し、触れ合せてくれるのだけれど、俺は本当に触れてしまって良かったのだろうかと。
「智花ったら、いつも私に昴さんとの睦言をとても嬉しそうに話してくれてますよ。今日は昴さんの方からキスをしてもらえたとか、最近になってようやく昴さんがイきそうになっても、抜かないで挿れたままイってくれるように――」
「――ぶっ!? おっお願いしますっ!! それ以上言わないで下さいっ!! ほんっとーにすみませんでしたっ!!」
どうやら想像以上に俺と智花の進展状況が筒抜けになってしまっているようだ。……っていうか、智花は普段どこまで話しちゃってるんだよっ!?
いくらゴム越しとは言え、しっかり最後までされてるなんて知ったら内心穏やかではいられないだろうに。
「……確かにちょっと早いかな? って気もしますけど、智花が幸せなら、私はいいかなと思ってます。――ですので、昴さん」
「は、はいっ」
「昴さんが、智花のことを幸せにして下さっている間は、娘に何をなされても不問に致しますので、くれぐれもちゃんと智花の気持ちを引き止め続けて下さいね」
「…………き、肝に銘じますっ」
ようするにこれ、智花にフラれたら、終わりってことだよな。色んな意味で。
「……わ、私は、その……昴さんがお側にいてくだされば、いつでも幸せです…………はぅぅ」
やっと顔を上げて会話に加わってくれたかと思えば、めちゃくちゃ恥ずかしいことを言って、再び突っ伏してしまった。
すごく嬉しいのだけれど、できればそういうことは二人きりの時に言って欲しかった。
二人だけの時なら、俺だって遠慮せずに行動で返してあげられるのに。
あぁ、早くこの定例家族面談会という公開処刑が終わって欲しい。
そんなことを切に願っていたのだが……。
「今回も二人の素行に問題なしね。それじゃ、花織さん、本題を始めましょうか」
どうやらこれからが本番らしい。というか、どこが問題なしなんだ。
普通なら不純異性交遊で一発退場だよっ。
決して口には出せないことくらいはわかっているので、誰に届くわけでもないが心の中で思い切り突っ込みを入れるだけに留める。
「時に昴さんは、櫓立ちというのはご存知でしょうか?」
「いえ……なんですか?」
「ふぇ? やぐら、だち?」
唐突に花織さんから妙な単語が出てくる。
聞き慣れない単語を耳にして智花も顔を上げたが、俺と同じく意味がわからず鸚鵡返しに口ずさむ。
二人で首を傾げていると、隣に座っていた母さんから補足が入る。
「えぇと、対面立位とか……あぁ、昴くんにわかりやすく言うと駅弁体位のことよ。私も銀河くんにしてもらうの大好きだったわ」
「ぶっ!? なっ!? きゅ、急になんつーことを言い出すんだよっ!?」
「駅弁? おべんとうですか?」
ここで俺と智花二人の反応に違いが出る。さすがに智花はわからないか。
さりげなく惚気た母さんに突っ込みを入れる隙を逸しつつ、おおよそ家族間での会話にそぐわない単語に思わず困惑する。
「まぁ。そういう通称もあるんですのね。ふふ、どうやら昴さんはご存知のようで話が早いですわ」
「あの……ま、まさか……」
不敵に笑う花織さんの姿に嫌な予感がする。
いや、予感どころではない。これ絶対言う気だ。
「どうやらまだお二人は未経験のようですね。いい機会なので、どうか智花に櫓立ち……あ、駅弁体位でしたね。それを体験させて頂けませんか?」
「すみませんちょっとなにをおっしゃってるのかよくわからないのですが」
ほんと何言ってんだよこの人は。
いくらなんでも、自分から自分の娘を体位指定付きで抱いて下さい。はないだろうに。
「ふぇっ!? も、もしかして……」
「ふふ。智花ちゃんも気づいたみたいね。駅弁体位っていうのはね――」
周囲の反応でなんとなく察し始めた智花にあろうことか、母さんがわかりやすく丁寧に説明を始めやがった。
花織さん経由で知り得たであろう俺と智花の普段の情事を例えに説明するんじゃねえ。
確かにたまに智花の希望でベッドの上でやってる対面座位の抱き方を少し変えて俺が立ち上がればいいだけなのだが……。
母さんの口ぶりがまるでその様子を間近でこっそり見ていたのではないかと思うくらい正確で、覗かれてたんじゃと本気で疑いたくなるレベルだった。
「ふ…………ふぇぇぇぇええええぇぇぇぇっ!?」
智花がぼんと音が立ちそうな勢いで真っ赤に染め上げた頬を両手で抑えながら奇声を上げた。
「なっ!? か、母さんっ、智花になんてこと教えるんだっ!! 智花、大丈夫かっ!!」
母さんを批難しようとするも思いとどまる。
そんなことよりも、智花の心配の方が先だっ。
「智花も考えただけでドキドキしちゃったみたいね」
「ふぁうぅぅぅ……す、昴さんにだ、だだ、抱っこして頂きながら………………はぅぅぅぅっ」
おそらくすでに頭の中では、俺に抱き上げられながら、ずぼずぼと挿入をされている光景が鮮明に浮かび上がってしまっているのだろう。
思わず俺も似たような情景が脳内で展開されそうになったが、2~3回ピストン運動をしたところですぐにかぶりを振り思考を中断する。
ゆっくり一突き一突きするごとに、蕩けた表情になっていく智花の顔なんて絶対に想像してない。
「昴さん、どうでしょうか? 図々しくも智花はもうしてもらう気でいるみたいですし、どうかお願いできませんか?」
もうどこから突っ込めばいいのかわからん。
ってか、なんでこの人は積極的に自分の娘を俺に抱かせてようとしてくるのだろうか。
「智花と、その……さ、させて頂く分にはありがたい限りなんですが……いいんですか?」
「ええ。昴さんも、智花に口でさせて下さるくらいには信用して頂いてるみたいですし」
……あの、もしかして実は怒ってます?
決してそんなことはないはずなのに、自分の行為からくる後ろめたさのせいだろうか?
普段はとても優しく温かみ感じる笑顔に何故か裏を感じてしまっていた。
多分、自分自身が疑心暗鬼になっているせいだろう。そうに違いない。
実際その通りで、花織さんに不信感を抱いてしまったことを後々猛省するのだったが、まあ今はそんなことは関係ない。
「そうねぇ。智花ちゃんも本当に昴くんのことを好きになってくれてるみたいで嬉しいわあ」
「もし何かの拍子に智花に噛みつかれたりでもしたら大変なのに、絶対にそういうことはしないと信じて下さってるってことですからね」
「ふぇぇ!? わ、私絶対に昴さんのおちんちんに噛みついたりなんかしないですよおっ!?」
うん。わかってる。智花は絶対にそんなことしないってわかってる。
いや、そもそも俺はむしろ噛みつかれて当然の行いをしていると思うのだが。
ほんとに噛まれたら困るけど。
「そういうわけですので、できれば今度は昴さんが智花を信じてあげて下さい」
「信じるも何も、もともと俺は智花になら何をされてもいいと思ってますし」
「ふぁう……昴さん」
「昴くんも言うようになったわね」
思ってることをそのまま口に出しただけなのになぜか三人が色めき立つ。
これ以上俺は智花の何を信じればいいのだろうか?
「駅弁体位ということは、つまり昴さんには智花を抱きかかえて頂くわけです」
「はい。智花が抱かせてくれるんでしたら、俺は喜んで抱きかかえますよ?」
何か問題があるのだろうか?
あぁ、そうか。
そこでようやく花織さんが言わんとしてることが思い当たる。
「確かに、普通は抱き上げたままするのは大変なのかもしれませんけど、智花なら大丈夫だと思いますよ?」
俺と智花の体格差なら、さほど苦にはならないだろう。
しいて言うなら初めてする体位でちゃんと智花を気持ち良くさせてあげられるかが心配だが、そこはお互いに色々試行錯誤すれば最終的にちゃんとイけるはずだ。
「ええ、ですが……その。もし二人が繋がってるときにバランスを崩してしまったり、智花がうっかり気を抜いてしまって落ちてしまったら、昴さんの大切なモノが半ばや根元で折れてしまう可能性も……」
「怖いこと言わないでくださいっ」
「わ、私っ。ぜっっっったいに、昴さんから離れませんっ!! ずっとずっとぎゅーーーっってしがみついてますからっ!!」
「そうよ、智花ちゃん。昴くんにぴったりと体をくっつけた方が、昴くんに負担も掛からなくなっていいのよ。それに昴くんも智花ちゃんにぎゅってしてもらった方が絶対に嬉しいはずよ」
……母さんは頼むからこれ以上智花に変な知識を入れないでくれ。
智花にはずっとお淑やかな少女のままでいて欲しいんだ。
豊富な知識で誘惑されてみたい気もするけど、そういうのはまだもう少し先でいい。
「それにしても、ほんといきなりでしたので、すごく驚きましたよ」
「ごめんなさいね。実は私の憧れでもあるんです」
憧れ?
駅弁が?
花織さんと駅弁というあまりにも結び付きにくい単語に呆然としつつ、花織さんの少しだけ寂しそうな顔を見ていたら、唐突に脳裏に駅弁体位を堪能している花織さんという、とんでもなく失礼なイメージを浮かび上がらせてしまった。
……いや、当然相手は俺ではない。そもそも俺なんかがそんな大それた真似できるわけがない。
そんな想像をしてしまった後ろめたさから、花織さんと目が合いそうになってしまった時に思わず大きく目を逸らしてしまった。
おそらくそれだけで察してしまったであろう花織さんがわざとらしく頬を染める。
「あら? ふふ、いけませんわ。私には主人と娘が……」
「ふぇぇ!? す、昴さんとお母さんがっ!?」
「うふふ。昴くんモテモテね」
「変な想像してしまったのは謝りますので、悪い冗談はやめてください……母さんも悪ノリするんじゃねえっ」
母親に俺を取られてしまうのではないかと本気で心配している智花のためにしっかりと否定する。
たとえ見た目がすごく若々しくてまるで少し年の離れた姉のように見える人であろうと、智花以外とそんなことできるわけないだろう。
「……話を戻しますが、駅べ……櫓立ちっていうのが、その、あ、憧れなんですか?」
「えぇ、さすがに忍さんに無理はお願いできませんでしたので……」
確かに細身の忍さんには重労働となってしまうかもしれない。
そもそもああいう理性的な方の情事というものを想像できないのだが……。
まぁ想像できないだけで、実際に忍さんもヤったのだから、その成果である智花がここにいてくれてるわけであって……。
……いや、もうやめよう。他人の性活事情を考えること自体そもそも大変失礼な行為だ。
「好きな人にああいう抱き方をしてもらうと、本当に嬉しいですものね。男の人の逞しさを肌で感じれて」
「うふふ。こればっかりは七夕さんが羨ましいですわ。忍さんも、もう少し逞しかったら嬉しかったんですけどね。もちろん今でも満足してますけど」
「ちょっと自慢みたいになってしまって申し訳なかったですわ」
頼むから隙あらば惚気ようとするな。
智花もこんな話題で目を輝かせないでくれ。
「いえいえ、とても貴重なご意見でしたわ。やっぱり智花にはできるうちに早く経験させて頂いた方がいいかもしれませんわね」
そんな花織さんの一言から、いつの間にか着々と俺と智花の駅弁計画が進行してしまっていることに気づく。
気づいたところで、もはやどうにもならないのだが。
……というか、なんで俺と智花以上に二人の方が盛り上がってんだよ。
多分そのせいで俺も調子が狂わされてしまっているのだろう。
駅弁だって俺と智花がお互いに相手が気持ち良くなれそうな体位を考えあった末に到達できる発想だ。
互いに頬を赤く染め「じゃあ、試してみよっか」と、ドキドキしながら体験するのが本来の流れだったはずなのに、いきなり二人から一つの解答例として出されてしまったのだ。
だからこそ、あまりにも突然の事態に戸惑ってしまっているわけであって……どうしたものかと悩んでいるのだ。
「もちろん昴くんや智花ちゃんが乗り気じゃないなら無理にすることはないわよ。お互いの気持ちが大切なんだからね」
顔とセリフが一致してなかった。
ここまでお膳立てしてあげたのだから、男らしくヤっちゃえ。とニヤついた顔が雄弁に物語っている。
「あの……もし、ご迷惑でしたら遠慮なく断って下さってかまいませんから……私は、その……い、今まで通りのやり方でもすごく幸せですのでっ……」
そんな俺の何ともいえない複雑な心境を唯一察してくれた少女が優しい言葉を掛けてくれたのだが、相変わらず微妙にどこかずれてしまっている。
おそらく本心ではすっかり駅弁に興味津々になってしまったのだろう。
「智花。こういう時はちゃんと素直に言った方がいいわよ。たまにはわがままやおねだりをした方が男の人は喜ぶものなのよ」
さらに花織さんが智花の背中を後押しするが、逆に恥ずかしそうに両手で顔を覆いながら俯いてしまった。
彼女の反応を見て花織さんが微笑ましそうに笑いながらそっと頭を撫で、優しく声を掛けている。
「ふふ。昴くんも期待しちゃった?」
「答えづらいごとを聞くんじゃねーっ」
対してどうしてこっちの母親はこうも息子をからかうようなことばかり言うのだろうか。
ここまでされてしまった以上、俺がどうするのかなんてわかりきってるくせに。
「あ、そうだわっ。もしかしたらわかってると思うけど、立ってする時もベッドの近くの方がいいわよ」
「わかってるって。万一俺が智花を落とした時にベッドの上ならあんまり痛い思いをさせなくてすむからだろ。そもそも絶対に落としたりなんかするわけないだろ」
俺も智花もイくときは相手に思い切りしがみつくようにしてるのだ。
少し前までは俺の愚息が深く入りすぎてしまわないように、さりげなく少しだけ腰を引いていたりもしたのだが最近はもうその必要もない。
もしかしたらイった直後に気が緩んでしまうことを心配しているのかもしれないが、その時は最悪俺が尻餅をつくように倒れればそれで智花の安全は保障されるはずだ。
後々で智花に怒られてしまうかもしれないが、それでも彼女に痛い思いをさせるよりマシだ。
「それもあるんだけど、イきそうな時にベッドに押し倒しちゃってね。そのまま、びゅっ。ってするとすごく気持ちいいらしいわよ」
「その発想はなかった」
正直ずっと立ちっぱなしでするつもりだった俺からしたら、かなり新鮮な考えだった、というか絶対にこっちの方がいい気がする。
確かにイく前後の心配をしながらするくらいなら、さっさと押し倒しちゃった方がお互いにイくことだけに集中できるな。
うっかり思ったことをそのまま口に出してしまったことで、母さんをニヤニヤ顔にさせてしまったことに気づく。
くそっ。っと思ったが、ここで噛みついても手痛い反撃を食らいそうな予感がしたため仕方なくスルー。正直こういう話題になってるときに母さんにというか、主に女性相手に口で勝てる気が全然しない。
俺と母さんの個人面談が終わったところで、湊家の方も話がついたようだ。
「すっ昴さん! 今度私とせ、セックスをして頂くときは駅弁体位でお願いしますっ!!」
「うん。偉いわよ、智花。ちゃんと言えたわね」
「あらあら、良かったわねー昴くん。さっそく実践できそうよ」
……花織さん、智花になんてこと言わせてるんですか。いや、ものすごく嬉しいですけど。
智花がここまではっきりとした口調で誘ってくれたのは初めてだし。
今回の家族面談会は結果的に俺と智花の次のエッチの約束をしたところで終了するのだった。
代償として、俺と智花も週末に二人で顔を合わせる度に悶々とした日々を過ごすこととなってしまったわけだが……。
*
「ふぁうぅぅ……んっ。…………ら、来週になったら、んぁ……で、できますので……はぅぅ…………た、楽しみですっ」
「うん。はぁ……はぁ……俺もすごく楽しみだ。ここにキスしていい?」
「ふぇぇっ!? そ、そんなとこっダメですよぉ!? ふぁうぅぅぅっ!?」
答えを聞くよりも先走ってしまった俺の動きが一歩早くそこに吸い付いてしまう。
結果それが不意打ちとなり彼女の体が大きく仰け反る。
俺の腕の中で小刻みに体を震わせながら幸せの絶頂まで上り詰めた少女を愛おしく抱きしめる。
絶頂の余韻から戻ってきた少女に羞恥心が混じった困り顔で怒られれてしまったが、それすらも今の俺には幸せを感じさせるものだった。
「……お返しですっ」
直後、瞳に対抗心の炎を燃やした少女が反撃に転じてきたのだが、弱点剥き出しのままだったので、もう一度たっぷりと可愛がらせてもらうことにしよう。
そんな感じでハメを外しすぎない程度に互いに弄ったり弄らせてもらう。
そうやって、溜めすぎないよう適度に性欲を発散させ合いながら、変わらず幸せな時を過ごすのだった。