「ちょっと右腕を伸ばしてくれるかな? 良かったら今度は悪戯じゃなくて、ちゃんとマッサージもしてあげるけど?」
「はいっ。よろしければ、ぜひっ!」
想像以上に嬉しそうな反応にこちらも嬉しくなる。
タオルで包むようにしながら擦っていた動作に、優しく揉む動作を加える。
見た目からは考えられない程の力を秘めているが、決して筋肉質というわけでもない。
むしろ触ったら折れてしまうのではないかと思うくらい細く小さな腕は柔らかさと共に程よいプニプニとした弾力を備えていた。
そんな揉み心地の良い腕の感触を楽しませてもらいつつ、彼女にも喜んでもらうためにも忘れずにマッサージの方もしっかりと行っていく。
「力加減はこのくらいで大丈夫?」
「はい。ちょうど良くって、すごく気持ちいいです……えへへ、私ばっかり、すごい贅沢しちゃってますっ」
右腕が終わり今度は左腕と、気持ちよさそうに俺のマッサージを受けてくれる姿に、俺も彼女を喜ばせることができたという達成感が得られていた。
確かに智花はすごくかわいいし。今だって、全裸だ。何も身に着けてないし、そもそも隠してすらいない。
だが、だからといって彼女が望んでいるわけでもないし、そもそもお互いにそういうことをする目的でも雰囲気でもない状況で、いつまでもエッチな気分を引きずり続けるような事はしないさ。
まぁ、今も意図的に彼女のおっぱいを意識しないように避けてはいるが。
「今度はお腹とか脇の辺りを洗っていくけど……もしかしたらくすぐったいかもね。その時は自分で洗う?」
「そ、そうですね。できれば昴さんに洗って頂きたいですけど、我慢できそうになかったら、残念ですが自分で洗いますね」
できるだけ不本意な事故を回避するためにも事前の打ち合わせは必要だ。
「それじゃ、試しにやってみるよ」
「はいっ。お願いします」
「ぶっ!?」
「ふぇ?」
彼女がくるりと体を俺に向けてくれたが、それと同時に思わず俺も反射的に顔ごと目をそらす。
突然彼女が俺の方を振り返った事により、よりによって俺の目線の高さと彼女の可愛らしい双丘の場所が一致してしまい、至近距離で彼女のおっぱいを直視してしまったのだ。
なんだって、この子は恥ずかしがってるくせに、そんなに無防備になっちゃうんだよ。
「あっ……も、もぅ……あ、あんまり胸ばっかり見ちゃダメですよ? 私のなんて小っちゃいから……見ても……楽しくなんて……はぅぅ……」
横を向いたまま真っ赤になってる俺を見て彼女も原因に気づいてくれたようだ。
少し理不尽さを感じるが、窘めている彼女自身もなんか落ち込んでいる。
「ご、ごめん。本当に嫌だったら、断ってくれていいんだよ。俺だって智花が嫌な事はしたくないんだから」
「はぅぅ……い、嫌ではないので、断れないですよ……それに、最初にあとで洗って頂けるって約束してしまいましたし……」
ふと思い返してみると、今回のお風呂に入る事になったきっかけといい、まるで俺が彼女から言質を取ってしまっている形になっている。
だからと言って、そんな律儀に守ろうとしなくてもいいのに。
「……で、でも……その、む、胸を洗う時に、あまり先っぽの方は洗わないようにして頂けますと嬉しいです……へ、変な感じになってしまいますので……」
頬を染め俯き加減になりながら、またも無自覚にとんでもない事を口にした少女に絶句する。
……智花、わざとじゃないんだよね? 本当にわざとやってるんじゃないだよね?
たびたび彼女の無自覚な言動がまるで意図的に俺の理性を崩壊させようしているのではないかと錯覚する。
正式に彼女と付き合う以前から、そういうきらいはあったのだが、当然彼女自身にはその気がない事は理解している。
だが、今それをやられると非常に困る。
わかってくれ智花……俺と君は付き合っていて、まして今の君は裸なんだぞ。
ほんの少し記憶を思い返すだけで、彼女のふくらみかけの胸の柔らかさや揉み心地の良さは当然として、今まさに彼女が言葉に出してしまった、乳首の感触すらも鮮明に思い出せる。
小さな双丘の中心にちょこんと存在している鮮やかな桜色の小さな突起。
それが刺激に反応して徐々に膨らみコリコリと硬くなって行く時のあの感触とか……
彼女にいっぱいエッチな刺激を与え続けて、準備を整えてもなお小さくキツキツの彼女の濡れた秘所に俺の性器を挿入れる時の――
……っと、ヤバい! さすがにそろそろ本気で自制ができなくなる。
仮にここで過ちを犯し彼女を襲ってしまったとしても、きっと彼女は許してくれるだろう。
だが、もしかしたら今後しばらくの間は今回みたいに一緒にお風呂に入ってくれなくなってしまうかもしれない。
当然、彼女に敬遠されるようになってしまうのが一番つらいのだが、実際にあり得そうな可能性は、俺が我慢できずに彼女を抱いてしまった事が俺達の母親にバレてしまう事だ。
彼女を抱く事自体は容認されているが、さすがに彼女の意志を無視して強引な抱き方をしてしまうのは見逃してはもらえないだろう。
彼女の負担よりも自分の都合を優先してしまったという事になるのだから、俺を信用して彼女を託してくれた花織さんに対しての裏切りにもなってしまう。
ま、いくらなんでも生では絶対にしないけどね。
現状で生でするのは俺や智花にとっても絶対の禁忌だ。
例外的に母さんと花織さんから彼女の初体験の時とそれとは別に一回だけは生でしてもいいと認めれている。
その貴重なたった一回を、まだ彼女が俺を奥まで受け入れる事ができない状態で無駄に消費するなんてできるわけがない。
もっとも、今俺の手元には彼女の言うゴム――避妊具の存在がないので、この状況でわざわざそれを取りに行くのは非常にカッコ悪い気がする。
そこまでしてでもやる価値は十分にあるんだけど、多分取りに行ってる間に素に戻った時の自分のあまりの恥ずかしさに耐えられそうにない。
俺の本来の目的はお邪魔させてもらった彼女のシャワータイムをより心地良く過ごしてもらうのであって、彼女を抱く事ではない。
何より今の彼女の状態は『抱かれてもいい』であって『抱かれたい』ではないのだ。
ただでさえも毎回負担を掛けてしまっている彼女に不本意なエッチなんかさせたくない。
必死にボロボロになった俺の理性や体裁を取り繕い直すと、再び彼女に向き合う――
……ごめん智花。君のおっぱいの誘惑に負けそう……
どうしても目線が彼女の胸へと集中してしまう。
智花にとってそれが不本意である事は重々承知しているはずなのに……くそっ。いくらなんでも情けなさすぎるだろっ。
「と、智花……今俺に背中を向けるのは怖いかもしれないけど、後ろ向いてくれないか?」
苦渋の決断となるが、大切な少女の胸を俺の不純な視線から守るには、もうこの手しかない。
「ふぇ? は、はい。別に昴さんを怖がる必要はないと思いますけど……? こうですか?」
不思議そうに小首を傾げながらも、俺におっぱいを突き出してくれた時と同様に、椅子に座りながら今度は背中を向ける様にくるりと振り返ってくれる。
……この子は、ずっと自分のおっぱいをガン見てしてた相手に後ろ見せたら、襲われるかも。とか考えないのだろうか?
彼女を散々辱め続けてしまったというのに、まだ彼女の方は俺を信頼しきってくれている。
……こんなに良い子を裏切るなんてできないよな。
何にしても、これで彼女の小さな背中と腕を洗っていた状況に戻った。
再び鏡に映し出されているおっぱいを極力意識の外へ追い出す。
「それじゃ、お腹の周りから洗っていくよ……智花、お願いだから本当に嫌だと思ったら抵抗してもいいから、絶対に我慢しちゃダメだよ」
「は、はいっ。わかりましたっ」
多分、どうして俺がこんな事言ってるのかわかってはいないんだろうけど、俺が真面目な声色で言ったから従おうと思ってくれてるんだろうな。
確かに智花に拒絶されるのは一番つらい事ではあるが、それでも彼女に不快な思いをさせるよりも万倍もマシだ。
「大丈夫ですよ。昴さん。昴さんが私の事を本当に大切に想って下さってる事、ちゃんとわかってますから。せっかくの昴さんのお気持ちを裏切らないためにも、我慢しないで正直に言わせて頂きますから、安心してくださいねっ」
まったく、自分の事には無関心のくせに俺の気持ちだけはすぐに察してくれるんだから。
「ありがとう。智花。じゃ、ちょっと失礼をっと」
石鹸を泡立てたタオルを手に、彼女のお腹へ。
例えタオル越しでも彼女のきめ細かくハリの良い肌の感触は十分に伝わってくる。
優しく撫でるように擦りながら、下腹部や足の付け根へと手を進めて行くが、間違っても変な場所へは絶対に手を伸ばす事はしない。
「んっ……え、えへへ、やっぱり、ちょっとくすぐったいです……ひゃんっ」
「やっぱり自分で洗う?」
くすぐったそうに身をよじらせながら耐えている様子に見かねて、手を止め声を掛ける。
彼女の喘ぎ声をエッチな声として認識しなければ、純粋にくすぐったいのに我慢しているだけにしか聞こえない。うん、絶対にエッチな声なんかじゃない。
「はぅ……そ、そのくすぐったいですけど、わがままを言わせて頂ければ……昴さんにもっと洗って頂きたい……です。本当に我慢できない時はちゃんと言いますので」
「了解。じゃ、智花が本当に我慢できなくなるまでは、洗わせてもらうよ」
やっぱりエッチとは関係なく無意識に人との触れ合いを求めてしまっているんだよな。
引っ込み思案で人付き合いも苦手だったのに孤立してしまい、寂しくても泣く事もできず……
そんな彼女を慈しむように、優しく撫で回していく。
彼女の親友曰く、おへそはおっぱいの次にエッチポイントらしいから、その可愛らしい小さな窪みには指を入れずに、細い脇腹へ。
少しずつ俺の手が上の方へ上がっていく。
細く小柄なため、浮き出てしまっている彼女の小さなろっ骨のラインに愛しさを感じながら撫でつつ、脇の下へ。
「んっ……はぅ…………ふぁうぅ……」
ふと我に返り、少女をよく見ると顔を真っ赤にさせながら、必死に声を押して体を小刻みに震えわせていた。
うーん。そこまで我慢しなくてもいいと思うんだけどな。
再びほっそりとしたろっ骨を撫でつつ、もう少し上の方へ……………………………………ぷに。
「あ……」
「はぅぅ!?」
彼女の体を洗っていた手がついに彼女の胸にまで達してしまった。
「ご、ごめん!!」
「い、いえっ! ……こ、ここもちゃんと綺麗に洗わないとダメですもんねっ。……だ、大事な場所ですし…………はぅぅ……」
ここが、限界かな。
「智花……その……む、胸は自分で洗ってくれるかな? 触りたいのは山々なんだけど、実はとっくに我慢の限界越えちゃってるんだろ?」
「うぅ……で、でも、私最初に昴さんに約束しましたし……今までに何度だって触ってもらってますから、こ、これくらい……」
「別に今回洗わせるって約束したわけじゃないし……よし、それなら今度エッチする時に、今回の分も含めてその分いっぱい触らせてもらうよ」
「そ、それはそれでもっと恥ずかしい気が……うぅ。すみません、お布団の時なら、まだ大丈夫のはずなんですが、お風呂だと、何故かいつも以上に恥ずかしくなってしまって……」
俺からタオルを受け取ると、自分で胸の周りを洗い始めてくれて一安心。
確かにお風呂でなら、普段のお互いの汗で肌に張り付きやすくなってるおっぱいとは異なる感触味わえた事だろう。
さらさらの水を浴びて水分を多く含んでいつも以上に滑らかな感触だったり、せっけんでヌルヌルになった感触も味わえたかもしれない。
そう考えると、少し――というか、かなり惜しい気もするが、大切な少女との信頼関係を維持できた事に比べたら些細な事だ。どうせ後で思う存分味あわせてもらうし。
なにより、彼女が自分で自分の体を丁寧に洗っている様子をマジマジで見れるのは、なかなかいいかもしれないな。
「はぁ……もう少し私に勇気があれば、昴さんに洗って頂けて、胸も大きくできるかも知れなかったのになぁ……」
自分の胸を洗いながら、無意識に出た彼女の一言に思わずドキリとする。
えっと、俺がここにいる事、わかってるよね?
本人を前にそんな事言われてしまうと、俺もどうしていいかわからなくなっちゃうよ?
それに、ちゃんと下乳のぷにぷにした感触でここからがおっぱいだってわかるんだから、そんなに日頃から小さい小さいと悲観しなくてもいいと思うのにな。
君のおっぱいも間違いなくちゃんと成長しているよ。たまに確認させてもらってる俺が言うんだから間違いない。
思わず彼女にそんな声を掛けようとしてしまったが、慌てて口を噤む。
いよいよここから先は本当に危険な領域へと踏み込んでしまうのだ。
少しでも平常心を失ってしまえば、今までの俺の我慢の積み重ねが一気に崩れ去ってしまう。
大切な少女が俺を信頼してくれて、始めた事なんだ。
きっちりと彼女の信頼を裏切ることなく、この挑戦を達成してみせるぞ。
……まぁ、達成したら、後でベッドでたっぷりとご褒美を要求してしまいそうだが、それはそれという事で。