歯車の狂った世界【2次創作短編集】 作:堀 吉之助
主人公はサロマさんと、みゆきさん。
ロボット社会が完成した。
過去のインターネット社会はその残骸を晒し、かつてそこでうごめいていた似非科学者たちは全てが追放された。
この世の中を作ったのはドクターワイリー。インターネット社会という狂った価値観の中で抗い続けた男だ。彼はWWWを組織し、この世の中の全てを正しい方向に戻した大英雄だ。その功績をたたえ、今では科学省をはじめ各地に金の彫像が立っている。
彼が居なければ、この世はどうなっていただろう――。
ワイリー像の金色の肌が太陽の光を反射させる。それを見ながらうんざりした顔でサロマはため息をついて、すぐにあたりを見回した。もしも今のため息が街をうろつく「ロボット」に見られればただではすむまい。
サロマはバンダナを掴んで下におろす、そしてこっそりとだが顔をゆがませた。彼女が穿いたズボンはところどころ破れている。昔は弁当を相棒のナ―、「悪しき存在」と一緒に売っていたのだが今は衛生管理を徹底されて廃業せざるを得なかった。
贅沢をしない彼女は特に不自由はない。ロボット社会では全てが管理され食料も何もかもが配給されている。趣向品は酒にしろ、煙草にしろ人体に悪いので禁止されている。
それに遠くに行くときは届け出が必要で、働くときはロボットがやらないような仕事しかない。つまり少ない。
サロマは死んだような目で街を歩く、なんでもいいからやりたい。全てがロボットに動かされる人生に狂いそうだと。
ガラスが割れる音が響いた。
サロマは驚いて後ろを見るとそこに黒い服を着た女性とそれを追う警備ロボットが彼女に向かってきていた。サロマは向かってくる黒い服の女性を見てはっとした。その手には「PET」と言われる昔の道具があった。
心臓が鳴る。サロマはごくりと息をのむ。
「あれ」があった時はみんなにおべんとうをつくって、あさはやくおきて――。
不意に涙がサロマの頬を流れた。きっと逃げてくる女性もそんな時代が懐かしかったに違いない。その女性は黒い帽子に髑髏のマークという格好だった。普段ならサロマの死にそうな心は女性を助けようなんて思わなかっただろう。だが「PET」が心を生き返らせた。
「こっち!」
そう逃げてくる女性にサロマは声を出す。声を聞いて救われたような顔を逃げてくる女性がするのがサロマには見えた。
二人は気が付かなかった。それは彼女たちが「社会貢献」することになる入り口だったとは。
「黒井ミユキ サンデスネ」
丸い体を持った警備ロボがミユキを押さえつけながら言った。みゆきは地面に押し付けられその三つ編みがわずかにほどけていた。すでに「PET」は回収されている。その上個人情報は完璧に管理されているのでミユキの素性がばれるのも早かった。
もちろんその親族も捕まるだろう。
「……」
みゆきは悔しげに涙を流しつつ何も言わなかった。ただその目線は隣でみゆきと同じように別のロボットに押さえつけられている馬鹿で純粋な女の子に向けられていた。みゆきの目は謝っているようだった。
「――サロマさん、デスネ」
サロマも名前を確認された。彼女はさっきから涙が流れて止まらなかった。なんでこんなことをしたのだろうか自分が馬鹿みたいだった。みゆきとは違う涙。
「デハ、黒井ミユキさんとアナタはコレカラ社会貢献してモラいます」
ロボットの機械音性がサロマの頭の中に入ってこない。彼女たちは無理やり膝立ちにされた二人は無機質な機械音性を聞く。
「では、二人はコウセイシセツの『ハンショクシセツ』でハタライテもらいます。その前に検査させてイタダキマス」
ぐっとサロマの服が引かれた。
「えっ?、やだ、やだっ」
検査とは女性としてしっかり「務め」が果たせるかを調べる。勿論時間の無駄な移動はしない、この街に中で、その真ん中で行われる。まずは衣服が邪魔だった。
「やめてください。ごめんなざい。いやでず、たすけで!!」
涙を流しながらロボットに懇願するサロマ。みゆきも同じように複数のロボットに「剝かれている」が抵抗は薄い。すぐに上着を奪われ、帽子を取られ細い肩がむき出しにされた、その体は驚くほど白かった。
「やめてあげて! わたし…わたしがわるかったの!」
みゆきはサロマをなんとか救おうと声を振り絞る。それでもサロマも服をはだけさせられた。サロマはみゆきほど体にふくらみはないが少女的な健康さがあった。
後手に二人は拘束された。二人は胸を突き出したような格好をさせられ、そのまま。下着を上げられる。二人の胸部が何も付けずに丸出しにされた。
サロマはその瞬間、涙が止まった。街のまん中でその未発達な胸をさらけ出したのだから。頭の回転が止まった。わけがわからない。がやがやとした音が冷えたサロマの耳を打つ。周りをみると何人もの男達が彼女たちを見ていた。
「……あ、ああああああ。みないでえええええええええ。みないでくださいいい」
サロマの声は嘲笑にかき消された、男達は口々に「犯罪者め」「いいきみだ」などと嘲った。勿論それは単に少女の体を鑑賞する言い訳だった。
「あっ」
「なに」
サロマとみゆきは同時に声を出した。その胸をロボットのハンドに掴まれたからだった。
「や、やめなさい」
震えた声でみゆきは強がる。サロマは口をパクパクさせて胸を揉まれる。
二人は衆人環視の中で体を揉まれた。サロマの薄い胸を執拗にハンドがこねくり回し。みゆきの白い膨らみを柔らかく揉みほぐされた。数分、数十分と続くとサロマもみゆきも顔が頬に赤みが差した。
「も、もうやめ。こんなのい、いみが」
みゆきはロボットに懇願する。男たちの目はどちらかと言うと彼女の痴態に注がれていた。揉まれるたびにみゆきの唇が開く。冷たい表情が恥ずかしさに溶ける。「んっ」と目を閉じたとき何人かの男が息をのんだ。
ロボットが聴診器のようなものを出した。それは先っぽがキャップになっていて、中でうねうねとしたもの粘液をつけて動いていた、それがミユキの両方の乳首を包み込んだ。
「ん? あっ、あっああ……」
無数の触手が彼女の乳首を刺激する。みゆきは体を振るが、ロボットに動きをセーブされている。その間にぴくぴくと彼女の胸が震える。みゆきの頬を涙が伝った。
これで検査の準備は整った。
「それではミナサン、今よりこの方たちをセイコウシテクレルヒトを募集します」
ロボットが言うと、少しのざわめきの後。無様にロボットに犯されている少女と美女に男達が襲い掛かった。
「な、なにをする」
の。と言う前にみゆきの唇を誰かがうばった。
「ん、んぐ」
スカートの中に手が伸びる。多すぎてわからないが誰かが胸に吸いついた。
サロマも同じだった。脱がしやすい服を着ていた彼女はすぐにパンツに手をかけられた。
「いやだでう。ゆるしてくだざ」
サロマの懇願は無駄だった。無情にもむき出しになった彼女の肢体を誰かが大きく開かせてそのまま仰向けに寝かされる。そして下半身に痛みを感じたあと、目の前に男が激しく動き始めた。
そこには哀れな女性たちの姿があった。少女は何人と「し」たのか。女性は一体何人の性器を口に「咥えさせられた」か。彼女たちは最後に無理やりお互いにキスをさせられながら穴と言う穴を肉棒で犯された。
「問題ないようですね」
ロボットはボロボロになった彼女たちを裸のまま連行して「更生」と「貢献」をさせる。
数か月後、サロマは道を歩いていた。彼女はワイリー像が目に入ると、その目を子供のように輝かせた。