歯車の狂った世界【2次創作短編集】 作:堀 吉之助
どーんと言う音とともに橘みずきは弾き飛ばされ、尻餅をついた。
「大丈夫かみずき」
みずきはお尻をさすりながら悪態をつく。横にいた黒髪の少女、六道聖は急いで駆け寄った。
「いったーい。誰にぶつかったとも思ってんのよ!」
みずきは最近ある男が「肩の爆弾」が爆発して野球部をやめてから苛々して声を荒げた。だが彼女は自分にぶつかった者の姿をみて驚いた。絶句したといってよい。
「ハーイ、ジャパニーズシュチューデント! ワタシはドイツから来たダイジョーブ博士でーす」
みずきの前に老人が立っていた。丸メガネをつけ丸顔、さらに白衣を着て頭頂には一本だけの髪の毛。怪しいとはこのことを言うのだろう。日本語の発音もおかしい。
「なっなによ、あ、んた……いや。あなた?」
みずきは一応年上であろうダイジョーブに敬語を使った。だが立ち上がると少しだけ体を引く。警戒しているのだろう。彼女は制服のチェック模様のスカートをはたき砂を落とした。胸元についたリボンがゆれ、横にまとめた髪が風に動く。
「……ついてきてクダサーイ」
ダイジョーブはみずきの質問に答えずに後ろを振り向くとそのまま老人とは思えないほど軽やかに走り出した。
「あっ、ちょま」
あわててみずきも追いかける。
「あっまっ」
似たようなことを言いながら聖はみずきを追いかけた。反射的にダイジョーブをみずきは追っているのだろうが明らかに怪しい。彼女はみずきと同じスカートをひるがえして走り始めた。
「ようこそダイジョーブ研究所ヘ、ココデハスポーツノどんなナヤミモカイケツデキマース」
いつの間にかみずきと聖は奇妙な部屋の中にいた。無我夢中で追いかけたためにどこをどう走ったのか覚えていない。
「コチラガ助手のげどー君デース」
「ギョギョ」
顔を覆面で覆った人間が、これまたとんちきな言葉とともに現れた。さすがのみずきも追いかけてきたことに不安を覚えたが、それを言うのも行動に表すのもなんとなく悔しい。彼女の強がりなところが口調を強める。
「ふーん。なんでもできるの?」
「みずき……どうかんがえてもおかしいだろう? 帰ろう」
なにか余計なことを言わんとしているみずきを聖の大きな目が見る。流れるような黒髪と白い肌が彼女を美しくさせている。だが意固地になったみずきにはその容姿からの視線に反発せざるを得ない。
「大丈夫よ、聖。別になんもできやしないわよ」
だいじょーぶだいじょーぶ、と軽い口調でみずきは言う。ダイジョーブも「ソウデース」などど言っている。聖ははあとため息をついてみずきの好きなようにやらせようと決めた。今までもたいていはそれでうまくいった。
みずきはダイジョーブに言う。
「じゃあ野球をうまくすることはできるのかしら?」
ふふんと言った感じでみずきは胸を張った。できるわけがない。それだけ聞いたら帰るつもりだった。
「ムズカシデース。デモ、確率は40パーセントテイドデース」
「へっ?」
難しいとは言ったがダイジョーブはできると言った。みずきは変な声の出た自分の口をあわてて抑えて、挑発する。
「へ、へえ。じゃあ私をうまくしてみなさいよっ。あっあとこの子も」
みずきには別に深い意図はない。単にさっきの悔しさを発散したいだけだった。聖は目を細めて、怪訝な顔で二人のやり取りを見ていた。聖は自分もまきこまれたことについてはどうでもいいが、そろそろ帰りたかった。
ゲドー君はたまに「ぎょ」や「ギョギョ」などと言うだけで一向に日本語をしゃべらない。奇妙な空間だった。
しかし、今みずきは自分からダイジョーブに向かって「依頼」した。
「ホントウニイイノデスカ?」
「できるもんならね」
「ッデハココニサインヲ、ゲドー君」
ゲドー君がダイジョーブからなにか紙をもらってみずきと聖に渡した。やはり「ぎょぎょ」といいながら。紙はドイツ語の契約書だった。さすがにみずきと聖でも読めない。
みずきはてきとうにゲドー君にもらったサインペンで「みずき」と名前を書いた。苗字はかかない。これは契約としては弱いサイン。勿論心の中で舌を出す。逆にひじりは「六道 聖」と書いた。彼女は本気にしていない。
「さっかいたわよ。早くやりなさいよ」
「デハ、手術ヲ始めまーす」
そうダイジョーブがいうといきなりみずきたちの上から丸いものが下りてきた。
「なにこれ」
とみずきが言った瞬間そこからガスが、噴き出た。
真っ暗だった。みずきは気が付いた時にはどこかベッドの上に寝かされていた。顔にはゴーグルのようなものが付けられていることが感触で分かる以外は暗闇しか見えない。だがもう一つだけわかることがあった。
「えっやだ、なにこれ」
服を着ていない。どうやらパンツははいているらしいが、それ以外は全てとられている。ここはどこかわからないが今自分は半裸をさらしていた。
「みずき……どこだ」
となりで聖の声がした。
「わ、わたしはここよ」
「そうか、よかった」
ほっと二人の「裸の」少女が居場所を確認し合うと、急にみずきは胸に圧迫感を感じた。その上機械音がして頭が熱くなる。
「うごくと失敗しまーす」
このゴーグルはみずきの脳に直接電流を送り、自我をまひさせるものだった。いわば麻酔変わりだ。そしてみずきと聖の二人の胸には搾乳機のようなものが取り付けられていた。だがこれは「搾る」ことが目的ではない。
「な、なにゅこれえ」
みずきは頭がマヒしていく中で胸の熱いものが流れ込んでくるのを感じた。搾乳機型の機械の中が白い液体で満たされて、彼女を刺激する。それは聖も同じだった。
「くう、はぁ…」
色っぽい声を出す聖。その声だけがみずきには聞こえる。そして本番はこれからだった。彼女たちはパンツ一つで寝かされているが、そこにはさみを持ったゲドー君が切れ目を入れた。
「ぎょ、ぎょ」
みずきの青い縞パンに線が入り中の肌が見えた。だがそれが目的ではないそこにゲドー君は管を刺す。
「にゃあ!」
変な声を出して暴れようとした瞬間みずきのゴーグルが彼女の頭をとろけさせる。
「あああああ」
という声を快楽とともにみずきは出した。気持ちいい。その電波が。その上搾乳機が締められ胸が圧迫される。そして搾乳機から小さな電流が流れはじめた。
「ひっう。あぅっ」
舌を出してよがるみずき。そんな彼女のパンツの中で管が「彼女の中」へ入ってきた。ぐちゅっと管の先からローションがでて奥まで入っていく。みずきはびくびくと体を動かして快楽を逃がそうとした。
「やめへぇ…」
聖の声がみずきにはする。彼女も同じことをされているのだろうか。
管はみずき奥まで届くとピストン運動を始めた。ぐっとはいってから抜かれまた入る。そのたびにみずきは熱いものが流れ込んでくることに気が付いた。だがどうしようもない。
「ひいっ、あっっああっ」
よがりながら声を上げるみずき。
「……ぃ…っ…」
声を抑える聖。
だんだんとピストン運動は強くなり、胸は締め付けられ電流を流され。頭はとろとろにされて行く。
部屋の中に二人の少女があえぐ声が満ちていく。愛液をほとばしりながら、股の間を濡らしていく。捉えられた胸はどうしようもないほどに気持ちが良い。
今彼女たちに流されているのは高純度のタンパク質だった。しかしまだ実験段階でこれから四時間は流さなければならない。
「きもちいよぉ」
「もうやめてえぇえ」
理性を失ったみずきと失いそうな聖が叫んだ。四時間後には博士は言う。
「カガクの発展にはギセイハツキモノデス」
コンテニュー?