歯車の狂った世界【2次創作短編集】 作:堀 吉之助
青の派閥内でのクーデターは成功した。
フリップを首班とする革命派はエクス政権の有力者を粛清あるいは追放し権力を完全に握った。普通ならば聖王国の介入もあり得たが、今は未曽有の危機が迫り。フリップらとの抗争は王国にも好ましいものではなく、追認せざるをえなかった。
それはクーデターの敗者達には、わずかな希望もないことを示していた。
ベッドの上で褐色の少女は嬌声を上げた。その細い体は腹の突き出た醜い男に抱きすくめられ、その肩を舐められている。さらに男の片手は女の子の胸を掴み力強く揉みしだかれている。
「い、いたいよぉ、るルウはそんな……」
褐色の少女――ルウは荒い息を吐きながら男に憐れみを乞う。だが男は鼻を鳴らすと、無理やりルウを押し倒しそのいきり勃った「男」をルウの秘所に突き入れた。よく濡れた割れ目は男のそれをぬるりと受け入れた。だがルウは悲鳴を上げる。
「や、やあああ?もうやだ、もうやだあ」
おとこは動く。そのたびにひぐひぐとルウは涎を垂らしながら声を出す。また男が動くたびにルウの体は跳ねる。胸が上気し、食いしばった歯と焦点がずれる彼女の目がルウの異常な状態を物語っている。おそらく何かの媚薬をかがされているのだろう。
「ひい、ひい」
ルウのかろうじて出す声は哀れだった。男はそれでも容赦なくルウの唇に自らの唇を当てる。いや当てるなどと言うほど生易しいものではなく、吸う。ぐちゅぐちゅと音をたてていたいけな少女を犯す。その間にも男はルウを抱きすくめて、肉棒を突き入れ、引く。そのたびに声も出せないルウの目から涙があふれた。
「も、もうやめ、やめてフリップ様ぁ、ルウが壊れちゃう」
ベッドの上でもう一人の少女が男、フリップの肩に縋った。ルウを助けようとした彼女の名はトリス。彼女もまたルウと同じように一糸も纏っていない。いやもう一人広いベッドの上には少女が居た。長い茶色の髪でその泣き顔を隠す少女は肩を震わせて何も言わない。彼女の名はアメルと言った。
彼女たちは敗者だった。数日前にフリップのクーデターを止めることができずに捕獲されて三日三晩「教育」された少女たち。今では抵抗することも無礼なことも言えなくなった彼女たちはこうしてフリップの性処理に使われていた。
もちろん彼女たちが選ばれたのはわけがある。ルウはとある召喚士の家系。トリスは古代の名家クレスメント家の末裔。そして「聖女」という渾名をもつアメル。つまるところ、フリップが孕ませても実利のありそうな選択。ただトリスがここにいるのは少し意味が違った。
「あっあっああ」
ルウの体の動きが激しくなった。男が腰を強く動かしたのだ。
「やめって。るう、るうあああああああ」
褐色の少女が口を開けると、ぴくぴくと動いてから動きを止めた。その股から男の白い子種が漏れている。フリップは舌を舐めてから、ルウを離すとトリスを抱き寄せた。そしてさらに手を伸ばしてアメルも抱き寄せる。だが二人はフリップの求愛を受けているのではない。
「ぐっ」
トリスが呻くと、フリップの股の間に顔を近づけられた。そこには「事」を一度終えてぬるりとした体液をまとった肉棒があった。トリスはすぐに意味を理解する。彼女は震える声で「あ、ありがとうございます」といいそれを口に含んで舐め始めた。性処理が彼女の役目なのだ。
フリップはかつて自分に刃向った生意気な少女を嘲笑うような顔をしながら、アメルの体を舐めた。白い肌を短く太い舌が線を作る、トリスは目の前で仲間が虐げられていてもなにもできない。そう教育されたのだ。
「早く回復せぬか」
がらがら声でフリップは言うや、そばの瓶を取り、蓋を開ける。そして中の液体を意識が混濁しているルウの口に流し込んだ。
「ん。んんん」
苦しそうに声を上げるルウ。だが彼女も一生懸命にその液体を飲み続けた。フリップは従順になったそちらには純粋な笑みを浮かべる。股で掃除しているトリスの髪を掴んで、その顔を離すとルウとアメルを同時に抱き寄せた。フリップ二人の少女を自分の顔に押し付けて無理やりに唇を奪う。そして二人の腰に置いた手がそのお尻を掴む。
トリスは見るしかない。心の中で謝るしかなかった。自らの無力を呪い続ける。だがまだフリップは前戯してるだけ。彼の汚い唇が清純な少女の唇を吸う。
虚ろな目でアメルは「嘘だ、嘘だ」とつぶやきながら、唇を離される。その顔に嗜虐心を覚えたフリップはトリスに見せつけるようにアメルをベッドに押し付けた。
ベッドがなる。ぎしぎしと音をたてる。
「き、きもちいです……」
聖女の色のついた声が漏れる。フリップはアメルの体をしゃぶりつくし、その愛液を絞り出す。飽きたらルウの体を使った。それはトリスに見せつけるように。
時間がたち、トリスは別の部屋にいた。ここはフリップの部屋の様に綺麗ではない。だが人の数だけは多かった。そしてここではトリスは人気者だった。
「ぎゃん!」
トリスは犬の様に地面に這いつくばっていた。そして後ろから男の肉棒が挿入されていた。そのままピストン運動を繰り返されて、やはり犬のような悲鳴をトリスは叫んだ。
トリスは厳命されていた必ず犬の様に犯されることを、これはもちろん個人的なフリップの嫌悪に起因する。
ここにいるのはトリスだけではなかった。「専用雌」であるアメル、ルウはいないがトリスの仲間たちが部屋の中で男達に嬲られていた。
トリスは目を上げる口から涎をたらし、情けない顔で周りをみる。
すぐ目に入ったのは金髪の少女。ファナンで道場を開いていた彼女――モーリンの姿だった。
「んぐっ。んぐっ」
「ひひひ、よくなめろよ」
モーリンは後ろから、前から肉棒でかき混ぜられていた。鍛え上げた肢体は男達を悦ばせる。しまりがいい、などと下卑た声が聞こえた。
モーリンの鉄拳は後手に固く縛られていた。絶対に抵抗できないように硬く。金髪に白い液体がかかる。わざとそこに出したのだ。
「う、うぁぁあ」
モーリンは情けない声で泣いた。
そしてがつながれた少女がもう一人。青い髪に、猫の耳。明らかに亜人の少女だった。
「ゆ、ゆぇるもう、ここはいやだ」
ユエルと名乗った少女は男に抱き着いていた。いや抱き着いた形のまま両腕が拘束されて、動けなくされているのだ。
そのまま幼い体に食い込んだ男の肉棒がが下からユエルを突き上げた。
「ぃあああ」
唾をとばし、口をひらいて逃げようとユエルはもがく、がちゃがちゃと両腕の拘束が鳴る。だが無意味だった。必死に無意味な抵抗をしながらユエルは犯されていく。
「あっ、いやきゃうん」
「おいちゃんと腰をふれ」
「はっはい」
トリスは意識を惨めな自分に戻された。部屋の中の嬌声が頭に響いてくる。
その中に似た二つの声があった。多くの男に囲まれた彼女「達」は赤と白の服を着ている。別世界では「巫女」と言うそうだが、ここでは性処理道具のひとつでしかなかった。
「ケイナお、おねえ様」
「か、かいなぁ」
ケイナとカイナの姉妹は部屋の中央部にいた。ボロボロの巫女服は「服」としての要はなしていなかった。胸元ははだけ白い胸はむき出しになっている。そして袴は姉妹で膝元まで下げられている下半身は隠すものもなく男達の欲望が姉妹を突き刺す。
姉妹は抱合せられ、キスをさせられていた。胸も擦り付け合わせられて、そのまま犯されている。
トリスは謝る。仲間たちのために自分が少しでも犯されていることを望みながら。