歯車の狂った世界【2次創作短編集】 作:堀 吉之助
ここはテレビ局の一室である。デスクチェアーに腰掛けた男が一人、きいきい音を立てている。テンガロハットを被り、少し色の黒い肌。黄色の派手なシャツ。顕示欲を思わせる彼の容貌。
砂山ノボル。WWWの一員にしてテレビディレクターを務める彼は今、己の最高傑作が放送されることに恍惚とした気持ちでいた。
彼は本質である。ただただ人に見て欲しいその渇望にある。
砂山はすでにテレビ局を占拠している。彼の持ちナビである「デザートマン」の力を遣えば、脆弱なセキュリティーしか持たない局の制圧は簡単であった。ここには誰も来ることができない。電子ロックの扉も開くことはない。だが電波は常に全開である。
今夜の主役の名前は「緑川ケロ」。彼女もニホンも忘れられない数十分が始まるだろう――
街角の巨大な画面にノイズが奔った。がりがりと波打つノイズが収まるとそこに映されたのはスタジオだろう。人々は立ち止まり、モニターを凝視している。いきなり何が始まったのか気になるのが人情だろう。
全国で同じ現象が起こっているはずである。映っているのはいるのは一人の女の子と数人の覆面をした男性であった。女の子は変な被り物をして、マイクを片手にしている。茶色の髪は短く、ほっぺたがほんの少しふっくらしている。
彼女はどうやらベッドの上で覆面の男性に囲まれているらしい。
『ご、ごつうこうのみ、みなさーん。おなじみ緑川ケロでーす』
無理に作った笑顔なケロ。それが画面に映されている。マイクを震えながら持ち、眼には涙をためている。彼女の手元には一片のカンペを持っている。男達に体中をまさぐられながら、ケロはひきつった笑顔のまま実況を続ける。
『きょ、今日はわたし緑川ケロのす、すべてを……おみせします……ちゃ、チャンネルはそのままでーす』
光の無い目から涙を流し、男達に胸を揉まれているケロ。そのズボンの中にも手を入れられて股間を触られている。もちろん楚辺手を中継されている。ケロはそれにたまに反応しながらもどうすることもできない。ニホンが見えている前で緑川ケロの公開での辱めが行われているのだ。
ケロはさらに続ける。
『ば、馬鹿なわたしはさっき逃げようとしてつかまりました~。持ちナビのトードマンは……ひぐ……で、でりーと、されてまーす』
できるだけ明るくするように「指導」されているのだろう。ケロは絶望的な状況でもマイクを手放せない。彼女を救える人間は近くにはいない。
男達に抑え込まれて上着を脱がされるケロ。ただし顔はカメラ目線にさせられる。それでいてケロはシャツの胸元から手を入れられている。そして宣言する。
『それじゃあ、ほんばんでーす』
声は通る。職業として鍛えてきたのだろう。まさか自分が凌辱されることを実況させられることになるとは過去の彼女には想像もできなかっただろう。
画面が動く。どうやらカメラがケロに近づいているらしい。ケロはベッドに寝かされて、乱暴にシャツの胸元を開けられる。小さな谷間とメロン色のブラジャーが見えた。彼女の上半身をアップで映されている。いつの間にかマイクは男の一人が持ち。彼女の口元に持って行った。
代わりにケロの両手がベッドに万歳の恰好で押し付けられている。それでいてケロの眼が動いている。カンペがあるのかもしれない。
『ひ……」
怯えた顔をするケロ。しかし男達に脅されているのだろうが、直ぐに営業スマイルを作った。
『ま、まずは緑川ケロの……お、……おっぱいをこ、こうかい、しまーす』
笑顔のままシャツを脱がされていくケロ。お仕事用に買ったのだろうフリル付の可愛いシャツ。
それがゴミのように投げられる。白く細い肩。慎ましやかな胸。綺麗な肌をしている。ブラジャーはハサミで切られてしまう。ぱちんと音がして取れる。
張りのある両胸が画面に移されている。桃色の乳首がアップで映されている。ケロの口元から胸だけ見えているのだ。頬を涙が伝っている。
『これがな、生意気な顔したわたしのおっぱい、でーす』
涙声で言うケロ。今ニホン中が彼女の胸に集中している。右も左もじっくりと揉まれながらオンエアされている。そして画面に注射器が映る。口元から胸だけが見えてるケロの叫び声が聞こえる。
『な、なにそれぇ! き、ぎいでない! なにずるぎ』
身体をくねらせながら逃げようとするケロの両胸がそれぞれ男の手に捕えられる。乳首を摘ままれ、アルコールを含ませた脱脂綿で拭かれる。乳首を念入りに消毒している。
その後乳首へそれぞれ液体を注射されるケロ。涙を流して『やめでぇ』といつもの彼女らしくない弱音が中継される。ケロがわめくたびに、辱められるたびに視聴率は上がっていく。
カチャカチャと音がする。それはベルトを外している音。ケロは身動きが取れない。赤ちゃんがおむつを脱がされるようにズボンを剥ぎ取られる。太腿も張りがある、いつもどこかで元気に動き回っているからだろう。下にはやはり明るい緑のパンツ。リボンのついた物である。
画面から「実況しろぉ」とドスの利いた声。ケロの謝る声。
『さ、さぁ。私はこれから、きっきっとぱんつを脱がされてしまうのでしょう! ……いや、やだやだやだやだ』
つ我慢できなくなったケロが暴れだす。カメラを少し引かれてベッドに半裸で押し付けられている彼女が移されている。顔の半分。口元からその緑の太腿の付け根くらいまでである。はあはあとケロが息をするたびに彼女の可愛い胸が上下する。
ケロの抵抗も空しく。緑のパンツがずり下ろされてしまう。できるだけ腰をくねらせていたが、艶めかしいだけであった。カメラがアップされる。むりやり開かされた股の間にカメラが入り、その秘所を全国へ中継する。ひくひくと動く秘所と少しだけもれた愛液。
『うああぁあ。ぁああ」
赤ん坊のようなケロの鳴き声。しかし、男達はケロの秘所を指でこじ開けてぐちょぐちょと指を出し入れする。
『やべでぇ』
泣きわめくケロもわかっている。自分の大切な場所がニホン中に知れ渡っていることも。しかし、彼女は覆面の男性に引き寄せられた。男性の腕の中で正面を向いたまま。太腿を開かされる。股間を指が出入りし、胸を揉まれる。
『ん、ぁ』
息を漏らす。ケロは胸に触られるとびくっと動いてしまう。だがカメラが動き。彼女の両胸がしっかりと両側から揉まれる場面も彼女の喘ぎ声も放送してしまう。時にカメラのレンズにその乳房が押し付けられたリする。
ケロは光の無い目で首を少し傾げている。目からは涙。口からは涎。紅く染まった頬と相まっていやらしい。
画面に彼女の顔がアップのまま、少し乱暴にベッドへ押し付けられるケロ。その顔が驚愕に染まる。しかし、画面には彼女の情けない顔だけが映る。
『ご、ごべんなさい。そ、それだけはゆるして、あ、あぁ。ふ、ふといのが……』
何をされているのか唇を噛みしてめて涙を流すケロ。
「あっ。うごかさない、あ、あっ」
少しカメラが引かれる。胸を揺らしながらケロは体を上下させられる。どうやら下から「動かされている」らしい。激しく、強く。ケロはがくがくと疲れている。
『あ、あっ! あ』
いつもの顔が情けなくオンエアされる。変な帽子を被った淫乱な小娘いる。
カメラがかなり後ろに引かれる。
画面に映るのは両手でピースをさせられた緑川ケロ。その膣には男の大きな男性器がハメられている。そんな姿が永久にインターネットに残るだろう。素晴らしい視聴率と共に。