歯車の狂った世界【2次創作短編集】 作:堀 吉之助
薙切薊による独裁が成立した。数多くの生徒が己の才能を磨き、切磋琢磨するかつての遠月学園は姿を変え、「中枢美食機関(セントラル)」による全生徒のいわば「均一化」が始まったのだ。この動きに反発した者たちが反逆者として立ち向かっていくことになるが、そこに参加できなくなる哀れな少女が居た。
その彼女。新戸緋沙子はまだ自分の運命に気が付くことができなかった。
とある夜。彼女は自らの「元」主人である薙切えりなの屋敷に忍び込んだ。
(えりな様……)
薄暗い廊下の曲がり角。そこから顔だけを出して先を伺う。深い桃色の髪は方に届くかという程度。ただきりっとした目元をしている。彼女は先に人がいないことをきょろきょろと確認して、廊下を進む。遠月学園指定のシャツと赤いストライブのネクタイが揺れる。チェックのスカートも指定の物である。
新戸はえりなの傍に入れらなくなっていた。それも薙切薊の指示である。途方に暮れていた彼女だが、思い余って侵入をしてしまった。目指すは良く知っているえりなの部屋である。
廊下の角で監視カメラが光る。小さく機械音を出して彼女を追跡するように映している。新戸ははっとそれに気が付いた。
(しまった)
迂闊だった。えりなのことで頭がいっぱいになっていたのだろう。しかし、ここまで来て後戻りすることはできない。後がどうなろうとも一度、えりなに合わなければいけないと悲壮なまでの使命感の様な物があった。もし彼女があと一時間外で途方に暮れていたら、えりなの「いとこ」と出会えたのだろうがもう遅い。
新戸は走り出した。
息を切らして。
目指す場所は分かっている。最期の角を曲がり、勢いよく曲がるとひときわ大きな扉が眼に入る。そこに駆け寄り、彼女はそこを開けようと手を伸ばした――
「がっ!?」
瞬間的に体がしびれた。ばたりと敷き詰められた絨毯の上に倒れる。体が指の先までしびれる、辛うじて後ろを見れば銃の様な物を構えた黒服の男達。新戸は知らないだろうがそれは相手をスタンするための電気ショック銃だろう。テーザー銃という。
新戸を囲む黒服たちは彼女にもう一度それを打ち込む。不審者はこれで鎮圧することができた。
(え……り、なさ、ま)
薄れゆく意識の中で新戸は「連れていいけ」という声を聴いた。それは聞いたことのある声、えりなの父の声ではないかと思ったが、思考が切れた。
ここは、どこだ。
新戸が目を覚ました時思った。椅子に座らされているようだった。ひじ掛けがあるデスクチェアーだろう。右手を動かそうとすると金属音と共に右手が一定以上動かない。
「な? て、手錠だと」
左右の手が椅子に手錠でつなげられている。両足は自由の様だが、動けるわけではない。椅子に縛られた状態で立ち上があったとしてもどうしようもないだろう。あたりを見回せば仄暗い。屋敷のどこかの部屋ではあるのだろう。
椅子の横には料理用のラックが何故か置かれている。その上には蜂蜜の瓶やいろんな調味料などが置かれている。何故か注射器もある。のっそりと動く影。闇の中から現れたのは恰幅の良いエプロンを着た男だった。
「やっと起きましたか。へへ、それじゃあ始めましょうか」
「き、貴様は誰だ。これはどいうことだ!」
「上からの指示でして、私もセントラルの一員なんですがね。へへ、あんたを料理していいって言われてるんですよ」
舌なめずりしながら近づく男。彼は新戸のシャツに手を掛けて思いっきり両側に引っ張る。ばちんと音がしてボタンが跳ね。新戸の水玉のブラジャーとそこから覗く乳房の上半分が見える。
「!?」
男はラックから調理用のハサミを取り出す。それを新戸に突き付けながらブラジャーの胸と胸の間を支えている場所に差し込む。
「や、やめろ!」
ぱちん。と切られる。彼女のブラが左右に分かれて小さく胸が震えながら露になる。やわらかそうな乳房と綺麗な乳首をの形をしている。新戸の顔が真っ赤に染め上がり、一瞬不安げな顔をするが、直ぐにきっと男を睨む。少し眼が潤んでいる。
「げ……下種が!」
「不法侵入なんてしやがって生意気な胸しやがって」
男は舌で新戸の乳首をわざとらしく嘗め、それから咥えて歯でぐにぐにする。新戸は歯を食いしばって不快感に耐える。男が口を話して言う。
「それでも薙切様は寛大だ……お前みたいな犯罪者を、ちゅぱ。セントラルに忠誠を誓えば許してやるってよ」
「……私が、忠誠を誓うのは……えりな様だけだ」
男の手が新戸のシャツを脱がそうとする。両手を拘束しているので完全には脱がせないが、白い背中があらわになった。すべすべの肌をゴツイ手が愉しむ。皮むきのような物である。ブラジャーは床に落ちた。男は注射器を取り出して新戸の右胸を掴む。ぴくんと上を向いた若い乳首の先に注射針を刺す。
「いっ」
「ほら、胸をまずは調理してやるからな……へへ」
しばらくして両胸の「処理」が終わった。乳首に流し込まれた何が新戸にはわからない。ただ、だんだん息が荒くなっていく。
「きさま、わ、わたしになにを」
男は椅子の後ろから手を回して新戸の両胸を揉む。
「あ」
「お薬のスパイスが聞いているだろう。気持ちよくなれるぜ」
「だ、誰が、そんな、ん、んん」
執拗に揉む。新戸は身をよじるが無駄なあがきである。形の良い乳房が男の荒々しい手つきによく馴染まされていく。びくびくと太ももを動かして新戸は声を抑える。
「たっぷりと蜜をださせてやるからなぁ」
「みつ、な、なんのあ、あぁ」
胸を揉まれるだけで色っぽい声を出してしまい悔し気に唇をかむ新戸。そんな彼女のスカートに男の手が伸び、中に入っていく。びくりと新戸の両腿が動く。その股間の間を指がうねる。一枚のパンツの中で新戸は嬲られている。それは彼女「蜜」の具合を確かめるためである。
男の手がそこから出るとねっとりと愛蜜が慕っていた。
「もうこんなにだしやがって。ぐしょぐしゃじゃねえか」
下卑た笑いをしながら男は新戸の前にくる。玉の汗を浮かべた若い肌と胸、それに赤い顔で荒い息を吐く彼女。そんな彼女のスカートをハサミで切り裂き、むりやり剥ぐ男。愉しそうにしている。中に見えるパンツはしっとりと割れ目のあたりが濡れている。
男はパンツの上から「線」をなぞる。新戸は太腿を内に寄せて抗う。本当ならば蹴り上げたいところだが、油断なく男は足を抑えている。彼は醜く顔を歪めながらパンツの両端を持ち、ゆっくりと下ろそうとする。
「やめろ! や、やめ」
するすると下ろされていく抗う新戸の両手で手錠が鳴る。めくれたパンツが彼女の股を離れて太ももにかかると、そこにしっかりと濡れた秘所が露になる。そこで新戸の両目から大粒の涙がこぼれていく。声を出さない様に唇を噛んだ表情。するりと脱がされたパンツを男はポケットにしまう。それから彼は己の下着ごとズボンを下ろす。
出した醜く黒い「それ」。びくびくと動く者に新戸は身を引いた。
「…………ゆ、ゆきひらぁ」
犯されることが分かってしまう。震える身体をどうしようもない。男は蜂蜜の瓶を彼女の胸にかける。艶めかしく流れる黄金の粘液。男は新戸の腰に抱き付き、胸を嘗める。
「それじゃあ仕上げと行こうか。忠誠を誓ったら手加減も考えてやるよ」
はあはあと男は新戸を抱く。はむと唇を奪い。腰を合わせようとする。
椅子の上で泣きながら犯されるしかない彼女の心がいつまでもつのかは分からない。しかし、屈辱の夜は長いだろう。