※この作品はR-18です。

ママはサキュバス   作:鳳凰009

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第二話:ママの元婚約者が現れた

 その夜・・・

 

 私は、お仕事から帰って来たパパに、食事をしながら昼間の事を愚痴ってみたの・・・

 

「ハハハハ、それは災難だったねぇ、千聖?」

 

「でしょう!?」

 

 パパが同意してくれた事で、私は我が意を得たりって感じで、何度も頷きました。ママは、恥ずかしそうにしながら頬を膨らませ、

 

「もう、千聖ったらぁ・・・ダーリンに告げ口する何て、狡いわぁ」

 

「まあ、この時期のハ二ーは、精気を養わないと、これからに響くからねぇ・・・」

 

「そうなのよ、本当は・・・ダーリンや千聖に申し訳ないなぁって思っているのよ?思っているんだけど・・・サキュバスの本能には逆らえないって言うか」

 

 ママはそうポツリと漏らしたんですけど、ちょっと寂しそうでした。心の奥底では、パパや私に申し訳ない気持ちがあるんだなぁと、この時私は分かった気がします。そう思えてくると、パパとママって、本当に心から愛し合っているのが、私にも伝わってきました。パパとママって、本当に仲が良くて凄いと思うけど、折角の機会だし、私は思い切って、二人の馴初めを聞いてみる事にしたの・・・

 

「ねぇ、パパ、ママ、二人はどうやって知り合ったの?」

 

 私に聞かれたパパとママは、思わず顔を見合わせると、クスクス思い出し笑いを始めました。私は二人の顔を交互に見比べ、

 

「アァァ!?二人で思い出し笑い何かしてぇ・・・私にも教えてよ?」

 

「知りたい!?ダーリンと出会ったのは、17年前のハロウィンの日だったのよ」

 

「エッ!?ハロウィン?」

 

「そう、ハロウィン・・・」

 

 最初にママが、馴初めを語りだしたの、ママの話によると、17年前、ママは、ママのママ、つまり私のお婆ちゃんに、無理やり決められた婚約者の事が嫌で、人間界に家出したそうなの・・・

 

「私のお母様は、サキュバスの女王をして居てね、それは怖い人だったわぁ・・・だから、最初はお母様の言う通り、インキュバスの王子と結婚する気では居たんだけど・・・彼、極度の早漏だったの・・・別に彼とエッチした訳じゃないのよ?彼ったら、私やお母様の容姿見ただけで、何度も射精する有り様で、こんなのと結婚するのはイヤァァって言って、そのまま魔界を飛び出したの」

 

「エッ!?魔界?」

 

「そうよ、ママは元々、魔界って所からこっちの世界に来たの。千聖も、漫画とかアニメで、魔界って言葉は聞いた事あるでしょう?」

 

「ウン」

 

 ママが言う通り、確かに魔界って言葉は、私も聞いた事ありました。おっかない姿をした怪物が、一杯居るって話でしたよねぇ・・・

 

「まあ、確かに怖い容姿をした魔物も一杯居たけど、大抵の魔物は、私達サキュバスのチャームで魅了すれば、言い成りだったわよ?・・・そうそう、ダーリンとの出会いの話だったわねぇ?」

 

 ママは、話が脱線した事に気づき、慌ててパパとの出会いを語ってくれたの・・・

 

 ママは魔界を飛び出して、人間界に来たら、ちょうどその時がハロウィンで、コスプレした集団を見たママは、仲間が居たんだと思ったそうです。嬉しそうに近づいたママだったんですけど、

 

「でも、私のサキュバスの格好って、露出が高いでしょう?それで女の人達からは、目立ちたがり屋だって疎まれてねぇ・・・それでこの人達、本当は人間だったんだって分かったのよ。人間界で騒ぎ起こして、もしも私のお母様の耳に入ったら、どんなお仕置きされるか分かったもんじゃないから、ちょっと離れた所から見物してようと、大きな木の上に移動したの」

 

「たまたま、パパはその木の下に居てねぇ・・・」

 

 今度はパパが語りだしたんだけど、パパは妙に顔を赤くしてたの・・・

 

「パパ、顔が赤くなってるけど!?」

 

「ハハハ、ちょっと恥ずかしくてねぇ・・・実はパパは、その木の下でオナ二ーして居てねぇ」

 

「ハッ!?」

 

 私は、思わず我が耳を疑いました。ママなら兎も角、真面目そうなパパが、外でオナ二ーしてただ何て・・・

 

「ハハハ、普段ならパパだってしないよ。まあ、その時はハロウィンで、お酒も入って居たし、若い頃でもあったから、開放感があったんだろうねぇ?」

 

「でも、オナ二ーだ何て・・・」

 

「千聖には見えないかも知れないけど、ハロウィンには、本物の魔物が混じっていたりするんだよ」

 

「エェェェ!?」

 

 パパの話を聞き、私は少し頭が混乱しました。あのハロウィンパレードに、本物が混じって居る何て言うんですもの、ママもパパに同意し、

 

「そうよ、この時期なら魔物の姿でも、堂々と人間界を歩けるって言うんで、魔界からコッソリ遊びに来て居るのが多いの」

 

「パパは、何か小さい頃から物の怪に縁があってねぇ・・・解放感で薄着になった魔女を見て、ちょっと欲情しちゃってねぇ、それで木の下でオナ二ーを始めてしまったんだ」

 

「それで、木の上に居た私は、精気の力を感じて興奮しちゃったの・・・それで私も下だけ服を脱いで、興奮しながら下を覗こうとしたら・・・」

 

「覗こうとしたら?」

 

「ウフフフ、私、バランス崩して下に落ちちゃったのよ」

 

「それで!?」

 

 私は話の続きが気になって、ママに催促すると、ママはパパと顔を見合わせると、息を合わせるかのように、

 

「「それで・・・合体しちゃった」」

 

「ハッ!?合体?」

 

 私は、合体の意味が分からず首を傾げたの、ママは再びクスクス笑いながら頷き、

 

「ウフフフ、そう、合体・・・落ちた拍子に、ダーリンのオチンチンと私のアソコが・・・合体したって事よ」

 

「ハァァァァ!?嘘だぁぁぁぁ?」

 

 私は思わずママを指さしました。だって、信じられますか?落ちた拍子に、パパのオチンチンとママのアソコが・・・私には信じられません。でも、パパも笑いながら頷き、

 

「嘘みたいだろう!?でも、本当何だ」

 

「エェェェェ!?そんな事ってあるのぉ?」

 

「「あったのぉ」」

 

 パパとママが再びハモリ、どうやら本当の事のようだと私にも分かりました。ママは、その時を思い出したのか、パパを見てウットリとした表情を浮かべ、

 

「あの時の事を、私は一生忘れられないわ!私のアソコが、ダーリン専用に開発されていくあの感触・・・子宮が疼いて来て、ああ、この人のオチンチンこそ、私が生涯受け入れるオチンチン何だって実感したの」

 

「コホン!ママ、年頃の娘が目の前に居るんですけどぉ?」

 

「エェェ!?いいじゃない?ダーリンとのなり染めを聞いて来たのは、千聖の方何だからぁ・・・それに、その時の愛の結晶が・・・千聖、あなたなのよ!」

 

「わ、私は、その時の子供だって言うの?」

 

「そうよ、ダーリンのオチンチンから、あなたは・・・」

 

「ストォォォップ!そんな下ネタ話だ何て、思ってもみなかったの・・・ご馳走様!」

 

 私は、残っていたおかずを慌てて口の中に放り込み、逃げるように自分の部屋へと戻りました。だって、あのまま話の続きを聞いちゃったら、私悶々としちゃって、夜眠れなくなりそう何だもん・・・

 

 

 翌日・・・

 

 学校に向かった私は、下駄箱の中にラブレターが入って居るのに気づきました。

 

 エッ!?今時ラブレター何か、出す奴居るのかですって?

 

 メルアドを知っていたり、LINEをやっている人達なら、そっちの方が早いかも知れませんけど、私、LINEはやってないし、男子にメルアドは教えて無いから、やっぱり今でもラブレターで貰いますよ・・・

 

 女子トイレに行った私は、ラブレターの内容を見ると、それは・・・元カレの智君からでした。もっとも、智君は私と付き合って居た記憶は、ママに消されて無いんですけどね。私は昼休み、指定された校舎裏に向かうと、そこにモジモジした智君が立って居たの・・・

 

「真野さん、手紙読んでくれた?」

 

「ウン・・・でも、ゴメンなさい!」

 

 私は、智君に深々とお辞儀して謝り、貰った手紙を智君に返しました。一度は付き合うのをOKしたのに、記憶を操作した事への償いもありました。智君は、困惑しながらも

 

「エッ!?そ、そう・・・そうだよね・・・気にしないで!」

 

 智君は、この場に居るのが気まずそうに、慌てて走って去って行きました。私は、もう一度心の中で智君に詫び、教室に戻ろうとしていると、首を傾げた薄井君が、柱の陰に立って居ました。

 

「薄井君、今の見ていたの?もう・・・恥ずかしいじゃない」

 

「アレェ!?真野さんと吉田君って・・・付き合って居たんじゃないの?」

 

 薄井君の、予期せぬ直球の質問に、私は思わず度肝を抜かれて、取り乱しちゃいました。

 

「エッ!?な、な、何言っているのかなぁ?う、薄井君、きっと勘違いしてるよ」

 

「そうかなぁ!?でも、僕としては・・・」

 

「エッ!?何か言った?」

 

 私は、薄井君の声が小さくて、聞き取れなかったんですけど、薄井君は嬉しそうな表情でした。

 

「ウ、ウウン、きっと僕の勘違いだね?」

 

「そ、そうだよ・・・アハハハ」

 

 私は、勘違いだと聞いて来た薄井君に、何度も頷き何とか誤魔化しました。まさか薄井君が、私と智君が付き合って居たのを、知って居たとは思いませんでしたが、何とか誤魔化せたようで、私はホッと安堵しました。

 

 

 この日は、明日から始まる中間試験に備えて、学校は短縮授業で、午前中で授業は終わりました。私もさすがに勉強しなくてはと真っ直ぐ家に帰ると、私の住むマンションの前を、2メートル以上はありそうな、プロレスラーのような大きなツルツル頭の男の人と、黒いタキシードを着た、150cmぐらいの小柄なひ弱そうな男性が、辺りをキョロキョロしながらウロウロしていました。何か二人が不審者っぽく見えたので、私は無視して通り過ぎようとしていると、小柄な男性が私に慌てて近付いて来ました。

 

「アァ、そこの君、サキュバスが化けて居る人間が、この辺りに住んで居る筈何だが、君、知らないかね?さっきから道行く者に尋ねても、私の事を胡散臭そうに見て、素通りしていく失礼な輩が多くて困って居るんだが?」

 

 それは、そうでしょう・・・

 

 いきなり大人の男性が、サキュバス探している何て尋ねても、ちょっと頭のおかしい人だと思われると思います。私以外・・・

 

 私は、そんなの家のママ以外要る筈無いじゃないと、思わず心の中で突っ込み、私は、この人はママの知り合いなのかと、ジィと二人を改めて見てみました。二人のやり取りを見る限り、小柄な人の方が、大きな人のご主人様なようで、大きな身体を窮屈そうに屈めて、ペコペコして居ました。私は、探る様に小柄な男性に話し掛け、

 

「あのぅ、そのサキュバスって人と、どういう関係何ですか?」

 

「ン!?私か?私は、そのサキュバスのフィアンセだ!」

 

 小柄な人が、ママのフィアンセだって言ったから、私は昨日のママの言葉を思い出して、つい失礼な事を口走っちゃいました・・・

 

「エェェェ!?あの早漏の?」

 

「早漏言うなぁぁぁぁぁ!」

 

「ブヒィィィィィヒィィィィヒ」

 

「笑うなぁ!」

 

 私が早漏と言うと、小柄な男性は顔を真っ赤にして否定し、大柄な男性は、口を押さえて笑っていました。小柄な男性は、大きな男性の右足を蹴って文句を言って居ましたが、何かを思い出したように私を振り返り、

 

「ン!?貴様、何故私の事を?」

 

「エェェと・・・多分、あなたがお探しの人から・・・」

 

「何ぃぃ!?マヤはやっぱり此処に居るんだなぁ?直ぐ案内してくれ!」

 

(やっぱり家のママだよねぇ)

 

 私は、連れて行くべきか悩みましたが、マンション前で何かしでかされても不味いと考え、渋々ながら家に案内する事にしました。

 

「オーク、お前はこの辺で待って居ろ!」

 

「ウガッ!」

 

(エッ!?オーク?どこかで聞いた事あるような?)

 

 私が首を傾げて居ると、小柄な人に命令された大きな人は、花壇に腰掛け居眠りを始めました。私は、ママに申し訳ないなと思いながら、小柄な人を家の前に案内し、チャイムを鳴らしました。玄関のドアが開き、ママが顔を出すと、小柄な男性は見る見る表情を輝かせ、

 

「マヤァァァァ!僕だよ、君の愛しきフィアンセ、ニックだよ!!」

 

 ニックさんは、懐かしそうに両手を広げて、ママとの再会を喜んでいましたが、当のママは、明らかに嫌そうな表情をしていました。

 

「ちょっとニック、家の前で変な事言うの止めてよねぇ?大体、あなたとの婚約なら、とっくに破棄したでしょう?」

 

「ハハハハ、マヤは相変わらず冗談が好きだねぇ?アッ、君、君はもう帰っていいよ?」

 

「ハァ!?ここ、私の家何ですけどぉ?」

 

 私は少しムッとしながら、ニックさんに話すと、ニックさんは何を勘違いしたのか、

 

「エッ!?アァ、そうか、マヤの召使いか?」

 

「「違うわよ!」」

 

 おじさんの勘違いに、思わず私とママが同時に否定しました。おじさんは、私の顔を見ながら首を傾げ、

 

「ハァ!?マヤの召使いの子じゃないのかい?」

 

「この子は・・・私の娘なの!私、人間の男性と結婚して子供も居るの!!」

 

 ママも少し怒ったように、人間のパパと結婚して、私がその娘である事を告げたものの、ニックさんって物分かりが悪いのかなぁ、ママの言った事を、まだ冗談だと思っているらしくて、

 

「ハハハハ、娘!?マヤ、それは笑えない冗談だよ?」

 

「冗談じゃないし・・・それより、わざわざ人間界に何しに来たのよ?」

 

「君を迎えに来たんじゃないか!」

 

「だから、私は結婚して居るの!分かったら帰ってくれる?」

 

 ママは、説明するのも疲れた表情を浮かべました。私も、ママがこの人から逃げ出した理由が、少し分かった気がします。私がママと同じ立場だったとしても、同じ事をしたかも知れません。でもニックさん、そんなママの説明も無視してマイぺースでした・・・

 

「ではこうしよう・・・僕と勝負して、僕が勝ったら、君は魔界で僕のお嫁さんになるんだ!」

 

「じゃあ、私が勝ったらどうするのよ?」

 

「僕が負けたら・・・君は人間界で僕のお嫁さんになるんだ!!」

 

 ニックさんの無茶な勝負の要求を聞いたママは、呆れたように深い溜息を付き、

 

「ハァァァァ・・・・・バカなの!?こんな勝負受けても、私に何のメリットも無いじゃないのよ?」

 

「フフフ、君はこの勝負を受け入れるしかないんだよ?これを見た前!」

 

 ニックさんは、内ポケットから一枚の黒い紙を取り出し、ママにヒラヒラ見せました。ママはそれを見ると、見る見る顔が青ざめていったの・・・

 

「そ、それは・・・お母様のサイン!?」

 

「そう、君の母上、サキュバスの女王様の許可もちゃんと得てあるんだよ?これに逆らえばどうなるか、サキュバスである君には分るよねぇ?」

 

「ウッ・・・ひ、卑怯よ!お母様を利用する何てぇ」

 

 ママがこんなに動揺するのを、私は初めて見た気がします。私のお婆ちゃんって、そんなに怖い人なのかなぁ?私、人を嫌いになるって事はほとんど無いけど、何かこのおじさんの事は、全く好きになれそうもありませんでした。とりあえず、家の前でこれ以上騒ぎを大きくしたくないママは、ニックさんを家のリビングに通しました。私は、ママに援護射撃するように、

 

「ちょっと早漏おじさん、あんまり虫の良い事ばかり言わないで!」

 

「そ、早漏は止めろぉぉ!僕は、長い修行の末、早漏から卒業したのさ!!」

 

 早漏おじさんは、自信満々に踏ん反り返りましたが、右手をタキシードのポケットに入れて居るのが、妙に私には引っ掛かりました。ママはその事には気づいておらず、早漏を克服したと豪語する早漏おじさんに困惑したようで、

 

「嘘!?」

 

「本当だとも!」

 

「じゃあ、試して上げるわ!」

 

 ママはそう言うと、サキュバス姿に変化しました。早漏おじさんは、思わず生唾をゴクリと飲み込むも、タキシードのポケットをギュッと掴むと、

 

「ほ、ほら見た前、もう君を見ても何とも・・・」

 

 早漏おじさんはそんな事を言いましたが、私はさっきから、早漏おじさんのタキシードが、妙に膨らんで居るのが気になりました。早漏おじさんは、タキシードのポケットに手を入れて居るのには、何か理由がある筈だと考えた私は、勢いよくソファから立ち上がると、

 

「ねぇ、そのポケットの中に入っているの、何?」

 

「ワァァ!?や、止めろぉ!これは高かったんだぞぉぉ!!」

 

 私は、早漏おじさんのタキシードのポケットを弄ると、抵抗する早漏おじさんの手から、ポトリと何かが落ちました。それは水晶玉のようで、ママは水晶玉を拾い上げると、ジト目で早漏おじさんを睨み付けました。

 

「これ、進化の宝玉じゃないの?」

 

「エッ!?さ、さて、何の事やら僕にはさっぱり?」

 

「ママ、進化の宝玉って何?」

 

「進化の宝玉って言うのはね・・・」

 

 ママの説明によれば、進化の宝玉とは、手にした者を覚醒させるアイテムだって教えてくれました。それを巡って争いが絶えず、各種族の王が規制し、それ故、魔界においても危険物として、現状数個しか残って無いだろうと言われる程の品だそうです。

 

「マ、マヤ、返してくれぇぇ・・・ウッ・・・ウゥゥゥ」

 

 早漏おじさんは、立ち上がってママが手にした進化の宝玉を取り返そうすると、ママは、無防備になった早漏おじさんの股間を、右足で擦り始めました。見る見る早漏おじさんが気色悪い声と顔をして悶えると、ママは、少しサドスティクな表情をしながら、

 

「アララ!?その股間の染みは何かしらねぇ?」

 

「こ、これは!?」

 

「進化の宝玉を使って、私を欺こうとしてただ何て・・・最低よ!」

 

 ママは、右足を一層早く擦り出すと、早漏おじさんは、キモイ表情しながら悦に浸り、

 

「ウッ、マヤ、止め・・・イクゥゥゥゥ」

 

 早漏おじさんは、その場でビクビク痙攣すると、早漏おじさんの履いていたズボンの股間周辺に、お漏らししたような大きな染みが出来ました。ママは目を吊り上げると、

 

「この早漏男!さっさと帰って!!」

 

「う、うるさい!こっちには、お前の母上であるサキュバスの女王の許可証があるんだぞ?逆らえば、お前の家族もどうなるか分からないんだぞ?」

 

「そ、それは・・・家族は関係無いでしょう?」

 

「だったら、お前は、僕のお嫁さんになるしか・・・」

 

 ママが形勢不利になったその時でした・・・

 

「この、バカ息子がぁぁぁぁ!!」

 

 その時、室内に何者かの一喝が轟いたの・・・

 

 私とママは思わず驚いて室内を見渡し、早漏おじさんは声を聞いた瞬間、顔を真っ青にしながらブルブル震えだしました。

 

「そ、その声・・・パ、パピー!?」

 

「貴様如きに、パピーと呼ばれる筋合いは無いぞぉぉ!」

 

 再び室内に誰かの一喝が轟き、早漏おじさんは無様に怯えて、

 

「ヒィィィ!?パピー、ゴメンなさぁぁい!」

 

 早漏おじさんは、その場で頭を抱えるようにブルブル震え続けて居ると、室内の空間が歪み、ちょっとダンディなおじ様が姿を現したの・・・

 

 白髪交じりの髪をし、筋骨隆々とした肉体美、ママと同じように背中から蝙蝠の様な巨大な翼を生やして、威風堂々と立つその姿に、思わず私も見惚れちゃいました。ダンディなおじ様は、深々とママと私に頭を下げ、

 

「マヤ姫、我がバカ息子が迷惑掛けた・・・すまぬ!」

 

「おじ様!ご無沙汰していますわ・・・その節は、逃げ出してゴメンなさい」

 

 今度はママが、ダンディなおじ様に頭を下げて詫びたんだけど、おじ様は右手を振って、

 

「いやいや、こんなバカ息子では、マヤ姫が逃げ出すのも無理は無い・・・そのバカ息子が持つそなたの母、サキュバスの女王リリスの許可証も・・・実は偽造したものじゃ、心配せんでもよいぞ」

 

「エッ!?そ、そうですか、良かった・・・おじ様、この子は私と人間の男性との間に生まれた娘で、千聖って言います。千聖、この方はインキュバスの王様よ」

 

「王様!?は、初めまして・・・娘の千聖です」

 

「ほう、若い頃のマヤ姫にそっくりだのぅ・・・」

 

 インキュバスの王様は、私を見て目を細めて笑みを浮かべてくれました。王様って言うから、もっと怖い人かと思っちゃった。

 

「でも、お母様が許可してないと知って安心したわぁ・・・」

 

 ママは、おじ様の言葉を聞いて、心から安堵したような表情を浮かべました。王様は、ちょっと意地悪そうな表情でママを見ると、

 

「だが、リリスが未だにそなたの事を怒って居るのは、事実じゃがなぁ?」

 

「ウッ!?やっぱり・・・」

 

 ママは、お婆ちゃんがまだ怒っていると聞くと、ちょっと緊張した表情で固まりました。

 

「一度娘を連れて、リリスに顔を見せたらどうだ?何なら、バカ息子が迷惑を掛けた詫びに、わしが仲介に入ってやるぞ?」

 

「ありがとう、おじ様・・・何れ時が来れば、私の方からお母様を訪ねてみますわ」

 

「そうか・・・さてニック・・・貴様はこの先百年、他のインキュバス達と共に、みっちり修業し直させるから、そのつもりで居るが良い!」

 

 王様に睨み付けられ、早漏おじさんはしょげ返りながら小さく頷き、

 

「ハ、ハイ・・・」

 

「フフフ、修行頑張ってねぇ!これ、返すわ」

 

 ママが笑いながら、早漏おじさんに進化の宝玉を返すと、早漏おじさんは涙目になりながら、

 

「こ、こんな物ぉぉぉ!」

 

 癇癪を起した早漏おじさんは、開いていた窓から、外目掛けて進化の宝玉を投げ捨てました。それを見た王様に頭を殴られ、早漏おじさんはワンワン泣き出しました。私は、ベランダに出て、双眼鏡で下に人が居ないか確認すると、早漏おじさんが連れて来た大きな人が、進化の宝玉を不思議そうに手に持って眺めると、何と大きく口を開けて飲み込んじゃったんです。

 

(ウワァ・・・)

 

 私は思わず引いてしまい、慌てて室内に戻りました。ちょうど室内では、インキュバスの王様が、早漏おじさんを小脇に抱えて、魔界へと帰る所でした。

 

「マヤ姫よ、そなた魔界から逃げる時、使い魔を連れて行かなかったようだのぅ?」

 

「エエ、慌てて逃げ出したものだから・・・」

 

「ママ、使い魔って何!?」

 

「ああ、使い魔って言うのは、ようは召使いの様な者ね」

 

 私はママの説明を聞き、ママは確かにサキュバスの女王の娘何だと実感しました。召使いを持つ何て、ママ凄いって思っちゃいました。

 

「では、これをマヤ姫に譲ろう・・・使い魔のキャリィじゃ、この世界に置くなら、猫の姿で良いだろう」

 

「キャリィです・・・マヤ様、どうかよろしく」

 

「ウワァァァ!可愛い!!」

 

「ありがとニャ」

 

 王様がママにくれた使い魔は、見る見る茶色い猫の姿に変化すると、人間の言葉を喋ってママに挨拶したの、猫好きな私は、思わず興奮しちゃいました。ママはそんな私に目を細め、王様に頭を下げると、

 

「まぁ・・・おじ様、色々ありがとうございます」

 

「何、ではさらばだ!」

 

 インキュバスの王様は、息子の早漏おじさんを連れて、魔界へと帰って行きました。私はハッと我に返り、

 

「アッ!?あの早漏おじさん、一緒に連れて来た人置いて行っちゃった」

 

「エッ!?他にも誰か居たの?」

 

「ウン!確か・・・オークって言ってた」

 

 私がオークの名を出すと、見る見るママの表情が強張って行きました。私は不思議そうに首を傾げ、

 

「ママ、どうしたの!?」

 

「ウン・・・オークは、主従契約を結んだ主の傍ではおとなしいんだけど、ニックが魔界に帰ったとなると・・・私、ちょっとその辺調べて来るから、千聖は明日から試験でしょう?勉強してて頂戴・・・キャリィ、早速だけど、オーク探しを手伝って」

 

「ハイですニャァ!」

 

 ママとキャリィは、慌ててオークを探しに外に出ましたが、オークの姿は見当たらなかったそうです。

 

 ですが数日後、あの早漏おじさんの忘れて行ったオークのせいで、私の身に、今後の人生を大きく変える出来事が起こるとは、この時の私は全く想像していませんでした・・・

 

              第二話:ママの元婚約者が現れた

                     完

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