「わー、凄い湖ですね!!」
「すっげー! めっちゃでかいや!!」
暑い夏のある日。
ターちゃん、ヂェーン、ペドロ、こうがは家の近くにある湖を訪れていた。
ジャングルを抜けると現れた、大きな大きな湖。水は青く澄んでいて、涼しい風が気持ちいい。
その名を……。
「オーマン湖」
「「ズコッ!?」」
「恥ずかしい……」
他にも、世界にはキンタマーニ山とか、スケベニンゲンとか、エロマンガ島とか、女体入口とかの地名やバス停があります。
「そんなもん言わなくていいから」
「あ、カバだ! カバがいるよ父さん!」
「ここに住んでるカバ達だよ。私の友達で、色んな事を教わったのだ」
「へー、例えば?」
「水中ででかい顔してウ○コする術とか……」
「やめんかい!!!!」
とにかく、こんな素敵な湖に来たので、ゆっくりする事にする一同。
「じゃあこの湖畔に小屋を建てましょうよ。そこで避暑を兼ねて、ゆっくりするって事で」
「いいですね」
「そうしよう!」
「よし、立派な小屋を作るのだ」
まずは材料集めから。小屋の骨組みとなる木はターちゃん、壁・屋根になる草はペドロとこうがが担当。ヂェーンは位置取り等の指示を出す監督役。
ぶちりぶちりとむしって草を集めていくペドロにこうが。
木材担当のターちゃんはなんと蹴りで木をへし折り確保する。
「ちょっとターちゃん、そんな乱暴にしちゃ木がかわいそーよ。ナイフを使いなさい」
「あ、そーだね。ごめんごめん」
ヂェーンが毛皮と弦でできたカバンからナイフを取り出しターちゃんに手渡す。
注意され謝ったターちゃんはナイフを構え、それを見て草集めをしていたペドロとこうがは思わず手を止めた。
「先生が料理以外で刃物を持つのは初めて見るな」
「言われてみれば……確かに」
家では料理や掃除も担当する主夫ターちゃん。戦いでは自身の肉体で戦うので、武器で持つなんてことはまずない。
師匠、父の珍しい姿に、二人はその動きをじっくり見ることにした。ターちゃん程の格闘家のナイフさばき、きっと勉強になる。
「「………………」」
「むー……」
固唾を飲んでナイフを持つターちゃんを眺めるペドロ&こうが。
するといきなり、ナイフを構えていたターちゃんは木に飛びついて手足を回しがっちりと組みついた、そこからナイフを口にくわえ、
「動物パワー! キツツキ!!」
カカカカカカカカカカカカカッッッ!!
「「恐れいりましたぁ!!」」
「いるなよ!!!!」
ナイフをくわえ、キツツキの様に高速で突きまくり木を削っていく。
その姿に息子と弟子は思わずひれ伏し、妻ツッコミ。これがターちゃんファミリーの日常である。
今ターちゃんが使ったのはその名も『動物パワー』。ターちゃんの特殊能力で、様々な動物の動きを真似る事が出来る、動物と心を通わせているターちゃんだからこそ出来る超パワーなのである。
~一時間後~
「よし。これで完成なのだ」
何はともあれ、避暑用の小屋が完成した。木と草で出来た、立派な小屋だ。
「そーだ、折角だから名前つけましょうよ。このままでは寂しいですし」
「いーわね、ペドロちゃん。じゃあヂェーン壮とか」
「何にしようかなー」
以下、小屋の名前候補。
・ヂェーン『ヂェーン壮』
・ペドロ『堅木壮』
・こうが『タヂペこ壮』
「後はターちゃんよ」
「うーんそうだな……」
目の前の小屋を見て考えるターちゃん。
このオーマン湖のほとりに建つ、木の骨組みと草で作った小屋。
う~~~~ん、と考えて、
「よし! 決まったのだ!!」
命名。
『オーマン
「「だぁっ!?」」
「どあほ!!!!」
結局、ヂェーン壮になりました。
「キャーーーーーーッ!!」
「な、なんだ!?」
「先生あれを!」
建築完了して約二時間のヂェーン壮でくつろいでいた一同。
ゆったりとしていた空気を引き裂くかのような叫びに四人はヂェーン壮を飛び出る。ペドロが指さす先に、煙を立て爆走するジープ。左手の運転席には女性が乗っていて、オーマン湖に向かっているが、全く止まる気配はなく突っ込んでいく。
「助けてーーーー!! ブレーキがきかないわーーーーー!!」
そのままジープは猛スピードへオーマン湖へ落下、重さでブクブクと音を立て、沈んでいってしまう!
「不味い! 助けにいかないと!」
いちはやくターちゃんが飛び出した、湖に飛び込み鮫の様なスピードで泳いでいき、ジープが沈んだ辺りで潜り救助に向かう。
ジープは湖の底に沈み切っていて、幸いな事にひっくり返っていたりせず、陸にいる時と同じ向きだった。
「ゴボボボボ(いそがないと)」
救助が早ければ早い程助かる確率も上がる。前にヂェーンから聞いていた救助の話をターちゃんは思い出し、空いていた運転席側の窓ガラスから救助を試みる。
「ふん!!」
「ぐげぇ……!」
「ブゥー(ターちゃん、シートベルトシートベルト)」
けどあわてんぼうのターちゃん、早く助けようとしてシートベルトを外すのを忘れてしまい、女性の首が引っかかる。救助の方で死にかける不幸な女性であった……。
「どうターちゃん、その人大丈夫?」
「気を失ってるだけだよ。心臓は動いてるし、大丈夫なのだ」
カバにシートベルトを外してもらい、女性の救助は完了した。
黒髪で上はタンクトップ、下はホットパンツの若い女性だ。
「……にしても、このお姉さんグラマーなのだ」
「わー確かに」
「おいコラ」
水浸しのなので、体のラインははっきりくっきり状態。ターちゃんとこうがは思わずにへ~と鼻の下を伸ばしてしまい真面目なペドロも見とれてしまうほど。……後ろに妻(母)がいるのに。
「「うおぉ……」」
「全く、あたしが小屋に運ぶわ」
拳骨を貰うターちゃんにこうが。男性陣に呆れたヂェーンが女性を担ぎ、小屋で休ませようとした。
その時である。
女性の目がパチリと開いて、隠し持っていたピックをヂェーンの頭に突き付けた!!
「「「!?」」」
「動かないで。この女の頭に穴が空くわよ」
女性はそう言い放つと、近くの茂みがガサガサと揺れ、迷彩服を着こみ、ピストルやアサルトライフルを持った男性ハンター三人が飛び出してきた。
「馬鹿な奴だぜ、ターちゃん」
「お前らはハンター! ……そうか、これはお前らの罠だったのか」
「あぁそうさ。パメラの女房の芝居にまんまと引っかかったのさ」
「パメラ?」
「私の事。私は赤さそりのパメラ、砂漠の国からきたプロの殺し屋。私の刺青を見た人間は、皆地獄に落ちる!」
そう言い、女性改めパメラはタンクトップをずらし、左乳房の蠍の刺青を見せつけた。
それにより……。
もっこり(ナニが)
「動くなっていってんでしょう!!」
「いやー生理現象でつい……」
「確かに」
「……はい」
「「「うんうん」」」
「「(こ、この男どもは……)」」
スケベ男性陣(ハンター含む)に、思わず女性二人の心がシンクロした瞬間であった……。
だが、ターちゃん側は物凄くピンチだ。ハンター三人は銃を持っており、ヂェーンを人質にされているからターちゃん達は下手に動けない。手を出せば、パメラが躊躇いなくヂェーンをピックで殺すだろう。
「くそ……!」
「ターちゃん! 私の事はいいから! こいうらブッ飛ばしなさい!!」
「うるせえ! 食らえや!」
ズキューーーーン!!
「うあああっ!!」
「せ、先生!」
「父さーん!」
「ハハッ! やったぜ!!」
右肩を撃ち抜かれたターちゃんは、傷口から血の尾をひいて湖へ落ちていった。
ペドロとこうがは叫ぶ、しかし背中へターちゃんを撃ったハンターとhz別のハンターにアサルトライフルを突きつけられて助けにいけず、撃ったハンターはターちゃんを遂に倒したと喜んだ。
それを見て、パメラは呆れた口調で言った。
「何を言ってるの? 奴の死体を確認するまで油断はできないわ。水中に逃げたかもしれない、水面を見張るのよ」
「そ、そうだな。分かれて見張れ! 浮かんでくる奴は全部撃ち殺してやれ!」
「でもターちゃんは傷を負ってるし、その内に息が苦しくなって来る筈よ。そこを仕留めなさい。こちらには人質がいるんだからこいつらも抵抗出来ないわ」
「(こいつ……頭いいわね)」
「こんな時に動けないとは……情けない!」
「クッソ~!!」
銃を撃ちまくるだけのハンターとは違い、計算された作戦を練ったパメラにヂェーンは思わず舌を巻く。浮かれていたハンター三人が水辺へ移動し三方向へ散って、水面を睨み付ける。
ペドロ、こうがは歯を食い縛り不甲斐なさで地面を叩く。目の前でターちゃんがやられたのに、何も出来ないから。
ヂェーンも思わず、水面を不安そうな瞳で見る。
「(ターちゃん……まさか、やられてないわよね?)」
夫であるターちゃんの強さは、妻である自分もよく知っている。だからこんな簡単にやられた……そうは思えないし、思いたくない。
でも、それでも。
ヂェーンは胸の中の不安を消す事は出来ず、ターちゃんを信じ、水面を見続けるしかなかった。
「(くぅ……油断したのだ)」
こちらはオーマン湖の水中。ターちゃんは生きており、撃たれた右肩を押さえていた。
陸の状況は撃たれた時と、水中から見たから知っている。その為、どうすればいいか考えていた。息も無限には続かない。どうにかして空気を確保し、ヂェーン達を助けなければ……。
どうすればいい、と水面を見た時。さっきターちゃんが紹介したカバ達が近付いてきた。
「ブーッ、ブブー(ターちゃん、あれを使って)」
「(そうか。ジープのタイヤを)」
友達の一体、カバのゆうま君に捕まって水底に沈んでいるジープの元へ移動。タイヤの一つを外して、ヂェーンから借りて腰に携帯していたナイフで切り裂き中の空気を吸う。
これで空気は大丈夫。
後はヂェーン達を助けるべく、ターちゃんは水中から陸の方を注視し続ける。
「……三十分、経ちましたぜ」
「いいわ。ここまで経ったのなら、ターちゃんも死んでいるわね」
「あ、アンタねぇ~!」
ハンターの報告を聞いて、パメラはにやりとほくそ笑んだ。
いくらターちゃんでも、まだ息が続いているとは思えない。依頼完了、そう思った。
だから、ほんの少し油断し、ピックをヂェーンの頭から少しだけ放してしまった。
「よくもターちゃんをー!!」
「なあ!?」
遂にキレたヂェーンがパメラを投げ飛ばしたのだ、騒いだことでハンター達の注意がヂェーンに集まった。
その瞬間!!
「ヂェーン! 離れろーーーっ!!」
「わんぴぃ!?」
水面から飛び出したターちゃんが一番近くにいたハンターを蹴り飛ばす!
「ターちゃん!?」
「生きてやがったのかぁ!?」
「今だッ、ペドロパンチ!!」
「ウボォ!?」
「こうが必殺! 千年殺し!!」
「ホウゥァ!?」
ターちゃんをやったと思っていたので動揺する残り二人のハンター、そこでペドロが重い右ストレートを鳩尾に叩き込み、こうがは浣腸で動きを止めペドロが蹴りでダウンさせる。
ハンター三人は戦闘不能、パメラもヂェーンに投げ飛ばされた時に頭を打っていてふらついていて、ハンター共々紐で縛りこれにて一件落着。
「ふー、間に合って良かったぁ。ヂェーン、大丈夫だった?」
「……ターちゃん、それカバよ」
「……あれー?」
パメラを投げてから咄嗟に湖へ飛び込んだヂェーンをターちゃんがカバのとうま君と間違えてしまったものの……。
ハンターの罠をなんとか乗り越えたターちゃん達であった。
はい。第3話の前編でした。
ターちゃん
「前編後編で分けるなら先に言ってよ。あ、ターちゃんです初めまして」
今回はアニメと同じく、ターちゃんにやってもらいたいと思います!
ターちゃん
「任されたのだ。じゃあ次回!
パメラの罠を乗り越えた私達は、パメラ達を更正させようと教育を始める。
でも、それこそが罠。
パメラは、まだ私を狙っていたからなんだ……!
次回、ジャングルの王者ターちゃん~新ファミリー物語~
第3話その2 美しき殺し屋のパメラ 後編の巻
何をするつもりだパメラ! やめるのだー!!」