真面目に生きたかったけど、ダークサイドに落ちしました。 作:ジャック・ザ・リッパー
遅くなってすまない、就活してたら書く暇がなかったんだ。今回は、主人公が地球に戻るぞ。
あれから一年、俺はサバイバル生活を続けていた。ん?何故そんなに時間が飛ぶかって?その理由は、サバイバル生活をしているとやることが少ないのだ。勉強して狩りして食べて寝て、勉強して狩りして食べて寝て、勉強して狩りして食べてたまにセックスしてから寝ての繰り返しなのだ。
そんな毎日を送る中、アルの唯一使える攻撃魔法について学んだ。自らの追った傷を相手にも味あわせるというドM魔法なのだが、攻撃以外の魔法に関しては多才だった。変身魔法や擬装魔法、防御魔法に回復魔法という汎用性の高さだけは目を見張るものがある。しかし、使用する度『いあいあ』と呪文を唱えるのはなんとかならないのだろうか?
そんなこんなで今日も一日が始まるのだが、起きたばかりなのに体が怠重い。まるで事後のような気怠さだ。俺は、近くで眠っているリニスに話しかける。
「リニス。......もしかして、またなのか?」
「......。」
リニスは答えないが、寝息が全く聞こえない。狸寝入りしているのだ。
ここ最近、俺の寝ている間にリニスが俺を襲っている。...性的な意味で。魔力を補給して余裕があるにも関わらず、過剰補給をするのだ。まぁ、リニスは山猫だし発情期があるかもしれないのでやめてくれとは言わないが、アルにリニスが危険日だという忠告をされたときは、かなり危なかった。この年でパパなんて御免である。
『そろそろ地球に戻りましょう。』
「「は?」」
唐突にアルがそんなことを言い出した。何を言ってるんだろうか、このデバイスは。
「ですが、一年も行方不明になった彼がいきなり現れたら、今までどうしていたのか聞かれませんか?」
リニスがそう質問すると、アルが無理なことを言い出した。
『地球には、神隠しという突然人が行方不明になる現象があるらしいです。それを利用します。』
「いやぁ、さすがに無理があるだろ。それに、戻ったとしてもまた襲われる可能性が。」
『魔法で別の星に1年間隠れていたという話よりは、まだまともだと思いますよ。それに、地球に戻るなら今が一番丁度いいです。相手は魔法のない世界で普通に生きていますが、主は実戦により成長しました。今なら必ず勝てる実力を持っていますよ。』
「......攻撃魔法は1個しかないんだけど。」
『主は心配しすぎです。本当なら、攻撃魔法すら必要ないんですから。』
俺は不安を、リニスは心配を抱えながら、アルの言う通り地球に転移した。今ごろ地球は、桜が散ってしまった頃だろうか?
俺達が地球に転移すると、日は沈み空は暗くなった夜だった。そんな空を見上げると、青い光と黄色い光が高速で空を飛んでいた。......すまない、魔法のない地球で一番始めに目撃したのが魔法戦なのだが、どういうリアクションをとればいいんだ?
「あれは、まさかフェイト!?」
唐突にリニスが魔力光を見ながら名前を口にした。知り合いなのだろうか?だが、俺もリニスに命令する。
「リニス、無視しろ。」
「でも!」
「リニス、これは命令だ!あれがお前の知り合いだったとしても、今の主は俺だ!」
戦闘を見ていると、青い光に弾かれて黄色い光が地面に叩きつけられていた。どうやら決着がついたようだ。遠くから状況を確認するために、魔法を発動する。
「アル、遠見の魔法だ。」
『いあいあ、ハスター』
すると目の前の空間が歪み、二つの影が見える。一人は大剣を持った青髪で宝石のような石を持っている。もう一人は金髪の少女だが、杖で体を支えながら必死に宝石のような石を求めるように手を伸ばしていた。やがて金髪の少女が倒れる。俺は、倒れた少女の口の動きを見て何を言っているのか理解してしまった。
〔ご・め・ん・な・さ・い・か・あ・さ・ん〕
その時、俺の体は勝手に動いていた。バリアジャケットを展開し、少女が倒れた場所に向かって飛んでいたのだ。恐らく、アルが風を操って俺を飛ばしているのだろう。少女のいる場所が見えると、大剣を持った青髪が少女を見下ろしていた。俺は、そのまま青髪の後頭部に向かってドロップキックを叩き込んだ。青髪は吹き飛び、頭から地面に激突した。
「い、いきなりなんだ?ジュエルシードの反応も魔力反応も無かったぞ?一体お前は―」
俺は、顔を押さえながら喋る青髪に向かって続けて殴る。青髪は、大剣を落として地面に倒れた。俺はそのまま青髪からマウントポジションをとって、殴り続ける。
「ちょっ待ってくれ!お前魔道師だろ!魔法使えよ!」
俺は気にせず殴り続ける。
「待って!本当に待って!話し合おう!ね!」
気にせず殴り続ける。
「痛い!本当に痛いから!やめて!」
殴り続ける。
「...お願いします。...お願いだからもうやめて。」
血がバリアジャケットの仮面に付くが、殴り続けた。
どれくらい殴っただろう?気が付いたら、自分の両手が狩りをした時のように血塗れだった。馬乗りになっている相手は、アザだらけになった両腕で顔を必死に庇い、鼻血で血塗れになって泣いていた。狩りの出来事がこんなことに役立つとは思わなかった。
「マスター、もうやめてください。それ以上は後戻りできなくなります。」
「......分かった。」
俺は立ち上がりリニスを見ると、リニスの腕には金髪の少女が抱き抱えられていた。俺は近くに転がっている宝石のような石を拾い上げ、リニスと急いでその場を離れた。
「ありがとうございます、フェイトを助けてくれて。」
リニスは俺にそう言うと、俺は首を横に振る。
「別に助けた訳じゃない。さっき拾ったこれについて調べたかったし、そいつは魔力を持っている。」
「まさか、フェイトと?」
「同意は取る。断られれば手は出さない。」
「......そうですか。」
暫く沈黙が続くと金髪の少女、フェイトが目を覚ました。フェイトが目を覚ますと目の前にあるリニスの顔を見て泣き出してしまった。暫くすると泣き止んで落ち着いたのか、フェイトはリニスにこう言った。
「リニス、私は何も出来ない駄目な子なんだ。」
「フェイト、それはどういう意味なんですか?」
「......母さんが、もうお前なんか要らないって。ジュエルシードの1つも集められない役立たずは必要ないって。」
「フェイト?」
「......私、母さんに捨てられちゃった。」
転生者達の行動が本来の歴史を狂わせ、一人の少女をより深い絶望へと叩き付けた。俺は、一人の少女が親に捨てられるという事実に苛立ちを覚えた。
感想待ってる。