サキュバス・トリップ-魅了スキルで異世界トリップ- 作:悠木仁
どんな街にも必ず一つは存在するおんぼろアパート。学生なんかが実家を出て行き着く先は大体そこで、高校時代に夢見た花の大学生活なんてものは存在しない。
――少なくとも俺にはなかった。
何も考えず、田舎を飛び出した。
都会へ行けば友達ができると思っていた。彼女ができると思っていた。髪を染められると思っていた。夜まで遊び放題だと思っていた。エトセトラエトセトラ……。
でもそんなのはただの錯覚で、バイトと勉強に追われる日々。
つまらない、何度もそう思った。
――だから、大学を辞めた。
それからは自堕落な毎日を送っている。
起きて、バイトして、ゲームして、寝る。その繰り返し。気晴らしといえば、バイトの帰り道で新作のゲームを購入するくらいだ。
いつまでもそんな生活が続くと思っていた。
なのに――
「あなた、いつもこのシーンで抜いてるわよね。この子のこと好きなの? それともシチュエーション派?」
面白そうにパソコンの画面と露出された俺の肉棒を交互に見つめるこの女性。一見俺と同い年のように見えるが、同級生だった女の子たちと比べて全体的に発育が良い。特に胸のあたりが。
当たり前のように話しかけてくるこの女性だが、実際は赤の他人である。というより、部屋にあげた記憶もない。
「……いや、いやいやいやいや。お前誰だよ!? てか、その格好……」
「ああ、ごめんなさい。自己紹介がまだだったわね。私はサキュバスのソフィーナ。気軽にソフィって呼んでちょうだい」
「さ、サキュバス?」
確かに言われてみればそう見える。初めは悪魔の類かと思ったが。
頭からは二本の角、背中からは羽が生えている。服らしきものは一応着ているようだが、乳首と女性器だけが申し訳程度に隠れているだけ。足には黒のストッキングを履いていた。
「そ、サキュバス。一ヶ月くらいずっとあなたを監視してたんだから。おかげであなたの女の好みから性癖まで、全部知り尽くしちゃったわ」
「一ヶ月!? なんで俺なんかを――」
「あら、聞きたい?聞きたいわよね?じゃあ教えてあげる」
俺のセリフに被せてきた。どうやら余程語りたかったらしい。
「ズバリ、私はあなたの男性器に一目惚れしちゃったのよ」
「…………は?」
「だーかーら、あなたの肉棒に一目惚れを――」
「いや、聞こえなかったわけじゃないから。てか、なんでそこを言い直した」
話が突拍子すぎて理解できなかった俺は、詳しく解説を求めた。
彼女曰く、いつものように餌――精液を搾り取るための男を探していると、
「今に至った、と」
「そうそう、そういうこと!」
「そういうこと、じゃねーよ!! 何も四六時中見張ってなくてもいいだろ」
彼女の話が本当なら、俺は一ヶ月も他人の前で堂々とオナニーしていたことになる。羞恥プレイとはまさにこのことだ。
「だめよ、他のサキュバスに横取りされるかもしれないし。それにあなた、童貞でしょ?せっかくなら初めてを味わいたいじゃない」
「つまり人間の女とセックスしようものならその場で襲おうと考えてたわけだな……まぁ、ないだろうけど」
バイト先のコンビニにも中年のおじさんが何人かいるだけで、女は一人もいなかった。セックスどころか会話する機会さえ無いのだ。
「それは最初の一週間くらいでわかってたわ。あなた、AVやエロゲーでシコるくらいで女とは会話すらしないんだもの」
「よ、よく見てるな……」
「まったく、勿体無いわね。こんないいモノ持ってるのに。たとえ無理やりでも一突きすれば女なんて即堕ちよ?」
「さ、流石にそれは――」
「あら、サキュバスの目が信じられない?」
ソフィがこちらへ顔を近づけた。下手に動けば唇に触れてしまいそうだ。まともに女性と会話したことすらない俺は体が凍りついてしまい、動くことができない。
そんな俺を見たソフィは、クスクスと笑いながら俺の肉棒を右手で包み込んだ。慣れない女性の手の感触に、思わず体がビクンッと震えた。
「いい反応するじゃない。じゃあ、こういうのはどうかしら?」
ソフィが手をそのまま上下に動かし始めた。やり慣れているはずなのに、他人にされるというだけでいつもの数倍の快楽に襲われる。
あまりの気持ちよさに、俺は女性のように声を漏らしてしまった。
「き、気持ちいい……で、出るっ!」
「あら、もう? いいわよ、でもちょっとだけ待ちなさい」
手は動かしたまま、ソフィは顔を肉棒に近づけ、数秒匂いを堪能した後に口を開けて舌を出した。
「
そのあまりにエロすぎる光景がトリガーとなり、俺は勢いよく射精してしまう。発射された精液は一滴残らずソフィの口の中へ入った。
「くちゅくちゅ、ごくっ。うん、やっぱり童貞の精液は格別ね。あら、まだ残ってるじゃない」
口に入った精液を飲み込んだソフィが突然俺の肉棒を咥えた。
「お、おい――」
「ちゅぱちゅぱ、ちゅっ、ちゅー!」
「ううっ!」
ソフィが尿道に残った精液を吸い取り始める。初めての感覚に思わず二度目の絶頂を迎えた。ソフィの口内に大量の精液が流し込まれる。
「んんっ! ちゅー、ちゅぱちゅぱ、ちゅー、ごくん、ぷはぁ♡」
予期せぬ二度目の射精に驚きながらも、ソフィは全て飲み干した。さすがはサキュバスといったところか。
ソフィは恍惚の表情を浮かべながらも、未だに目線は肉棒に向かっている。一ヶ月もロクに食事を摂らず、目の前でオナニーを見せられ続けていたのだ。相当溜まっているのかもしれない。
「ねぇ、まだイケるわよね?」
無理だ。そう言おうとしたが、肉棒に再び血が溜まり始めた。そういえばサキュバスの体液には媚薬効果があると聞いたことがある。その影響だろうか。
「クスクス、体は正直ね。――そういえばあなたはこんなのが好きだったわね」
ソフィは足をこちらへ向け、その足で肉棒を挟み込んだ。ストッキングと足指の感触につい体が反応してしまう。
「気持ちいいでしょう? こうやって足を動かすだけで……ほら、カウパーが溢れてきたわよ」
ストッキングのザラザラの質感と、足でされているという背徳感が快楽を増幅させていた。亀頭から出てきたカウパーはソフィの足を濡らし、ヌルヌルになった足でさらに肉棒を責められる。
あまりの気持ちよさに体を震わせる俺を愉快そうに見つめるソフィ。
「あはっ、いいわぁ。やっぱり最高よ、あなた。手コキも足コキも経験がある童貞なんてあなたくらいじゃない? ほーら、しこしこ……しこしこ♡」
「ううっ! で、出る……!」
「ふふっ、だめよ。こんなカウパーだらけの肉棒から出る
「な、なんでもいいから早くしてくれ!」
絶頂寸前で足を止められてしまった俺は、射精をすることしか考えられなかった。すっかり
「焦らないで、今すぐ最高の快楽を味わせてあげるから」
そう言いながら立ち上がったソフィは俺を見下ろして極部を隠していた服をずらし、
「どう? 見えるかしら?」
目の前にあったのは女性器だった。ソフィがピースをするように二本の指で広げると、そこにはピンク色の具と勃起したクリトリスが見えた。
「お・ま・ん・こ。生で見るのは初めてでしょう? 今からここにあなたのおちんぽが入るのよ」
からかうように笑うソフィ。男として悔しかったが、俺にはもう反論する余裕もない。
やがて、俺の様子を満足するまで見たソフィは俺の股上で腰を落とし、亀頭が触れたところで動きを止めた。
「童貞にはサキュバスのセックスは刺激が強いかもしれないけど――死なないでね?」
最後に不安になるようなことを言い放ったソフィは、勢いよく腰を下ろした。直後、頭に電撃が走るような感覚に襲われる。
「す……ごいっ! こんな感覚初めてだ……!」
膣壁が肉棒にうねうねと動くように包み込み、絡みつくような刺激を与えてくる。オナニーをする時とは異なる温かさが、快楽を助長する。
あまりの刺激に腰が砕けそうになるが、必死に耐えた。正に童貞らしい反応を見せてしまい、ソフィも満足だろうと思いながら目線を上に向けると、
「なによ、これぇ! こんなの……んっ……初めて……ああんっ♡」
なにやらソフィの様子がおかしい。先程までの余裕はまったく感じられない。それどころか、サキュバスらしからぬ声を出している。
「はんそく、反則よこんなのっ! 奥まで届いて……ああっ♡」
先程までとは立場が逆転し、ソフィの喘ぎ声が部屋中に響き渡っていた。気持ちよさそうに腰を振り続けるソフィを見た俺は、つい悪戯心が芽生えてしまう。
「ソフィ、俺も手伝うぞ」
「は、はぁ? なに言って――」
ソフィの言葉を待たずに俺は彼女の腰を掴み、ソフィに合わせるように腰を振り始めた。
「ちょ、ちょっと――ひぎぃ!!」
直後、ソフィが苦しそうに叫んだ。
肉棒はさらに奥へと入り込み、コツコツと中を叩き始めた。
「しゅ、しゅごいっ♡ 子宮がノックされてるっ! 童貞ちんぽに奥まで犯されちゃってるのぉ♡」
ソフィの腰を振る速さが早くなると同時に、膣の締めつけが強くなる。俺もそれに合わせると、ソフィの体が跳ねるように動いた。
「んっ……あんっ♡」
「サキュバスのくせに、男に弄ばれて感じてるのか?」
「だって……このおちんぽ凄いのぉ♡ いつもの私が……崩されちゃうぅ!」
ソフィが腰を落とすたびに、挿入部分からはぐちゅぐちゅという音が聞こえた。生では初めて聞くその下品なメロディーが、さらなる興奮を呼び寄せた。
「あっ……はあんっ♡ また中で……大きくなってる……」
喘ぎながら悦ぶソフィを見つめ、俺は腰を振り続ける。
「ソフィ、そろそろ出るぞ! 中でいいのか?」
「いいわ……中で出してっ! あなたのおちんぽミルク、私の中に注いでほしいのぉ♡」
ソフィの答えを聞いた俺は、彼女の要望通り膣内で射精した。同時にソフィも絶頂を迎えたようだ。涎を垂らしながら体を痙攣させている。
「すご……中に、いっぱい……」
力尽きたソフィの体がこちらへ倒れこみ、そのまま目を瞑った。どうやら眠ってしまったようだ。
「俺も少し、疲れたな……」
ソフィを胸に抱いたまま、俺は意識を失った。
***
あの日から一週間が過ぎた。
目を覚ましたのは二日後の早朝で、その時には既にソフィの姿はなかった。俺は夢を見たのだと自分に言い聞かせ、普段の生活に戻った。
――そのはずだった。
「で、なんでまたいるんだ?」
「前に言ったでしょ、恋しちゃったって。あなたを手に入れるまで帰れないわ」
質問に答えたのはソフィだった。
いつものように自家発電に勤しんでいたところ、一週間前のように突然現れたのだ。
「この前勝手にいなくなったのは誰だ?」
「し、仕方ないじゃない。男にイかされるなんて初めてだったんだから。どうしていいかわからなかったのよ。せっかく一ヶ月も考えて殺さない方法を思いついたのに……」
後半は声が小さくて聞き取れなかったが、どうやらあの出来事は彼女にとっても予想外だったらしい。
「まあ、いいわ。今日はあなたに提案があってきたの」
「提案?」
サキュバスの提案なんて怪しすぎることこの上ないが、前回のような経験ができるかもしれないと思うと、話を聞かざるを得ない。
「――あなた、私の専用ディルドにならない?」
「……は?」
耳を疑った。
ディルドになれ、ということはつまり性具になれということだ。簡単に言えば性奴隷として自分に仕えろと言われているようなもの。一見うまい話のように感じるが、サキュバスの相手なんてしていたらこちらの身がもたない――という話はアニメやゲームでお馴染みの設定だ。
「童貞舐めすぎだろ、断る」
「あら、意外と頭が回るのね。ま、そう言うと思って私も交換条件を用意してきたわ」
「交換条件?」
「そ。交換条件は異世界への招待。あなたを私が生まれた世界へ連れて行ってあげるわ。あなたはその世界で金や女に不自由ない暮らしをするの。あなたがその暮らしに満足したら、その時は私の専用ディルドとしてその世界で暮らしてもらう」
未だ半信半疑だが、サキュバスの存在を知った時点で、異世界の存在もなんとなく感じていた。だからそこに疑問は抱かない。
問題なのは――
「異世界とはいえ、こっちと同じような普通の世界だろ? 特技があるわけでもなければイケメンでもない俺に、そんな夢のような暮らしができるのか?」
「あなただけの力じゃ到底無理でしょうね。だから私たちサキュバスの力を分けてあげるわ」
「サキュバスの力?」
「そう。サキュバスにしか備わっていない特別な力――異性を自分の虜にするスキルよ!」
俺の二度目の人生は、ここから始まった。