※この作品はR-18です。

Familiar Phobia~倒錯のすゝめ~   作:友井架月

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当作品は決して万人受けする物語ではございません。
今の流行に乗っているわけでも、逆にコアなファン層に向けて書いているわけでもありません。
ただ作者の書きたいように書いている自己満足な小説ですが、それでも読んでいただいている方には感謝しかありません。


第七話 狂気の戯れ

 この世界に完全なる平和などないように、同じく完璧な人間などどこにも居やしない。

 どれだけ一分の隙もない高潔な人間であろうと、目に見えない綻びは必ず存在する。

 例え盤石なレールの上を歩いていようと、いつ転ぶかわからないのが人生というものだ。

 皆は平穏な日常の中にいると錯覚している。そこに約束された安寧などありはしないのに。

 そう、この世の誰もがいつ割れると知れない薄氷の上を平然と渡っているのだ。

 誰がいつどこでどのような経緯で道を踏み外すかはわからない。

 悪魔の誘いは、何者に対しても差別なく区別なく予兆も前触れもなく突然に平等に訪れる。

「故に真の意味で凡庸な人など居やしないのです。誰にでも己の内に他人には見せられない暗部が存在します。それを自覚しているかどうか、それだけの問題なのです。ですので、貴女が抱える感情も、欲求も、願いも何もかもは、別に異常なことではないのですよ。世界中に散らばった様々な個性の、ほんのひとつに過ぎないのですから。よって必要以上に思いつめる必要はありません。貴女は貴女らしく、自分の理想通りに生きなさい。それが一番自分のためになるのですから」

 彼は聖人のように優しい声音で私を導いていく。

 身も心も弱りきった私には、彼の言葉は福音にも等しき効力を持つ。

 自分らしく生きろ。その助言が抗えぬ衝動となって私の中に眠る渇望に火をつけた。

 その行為がどのような結果をもたらすのか。そんなこと、想像するまでもないはずだったのに。

 

 ◇星見昴

 

 星見昴の精神分析について、約一年間彼と共に過ごしてきた古神優馬の視点から記すことにしよう。他でもない人間観察が趣味の悪魔が下した評価である。その結論は限りなく真実に迫るものであろう。

 結論から述べるならば、星見昴という名の少年は特筆すべき異質性を持ち合わせているわけでもない、率直に言ってどこにでもいる普遍的な人間である。

 どちらかと言えば内気な集団の中では目立たないタイプの少年であり、自分に自信がなく自己主張も苦手なので相手に意見を言えずに黙ってしまうことも多い。その内向的な性格が災いしてか、優馬が転校してきた当初はイジメの標的にされていた。彼のようなNOと言えない引っ込み思案な人間は、虐める側にとっては非常に扱いやすいのだろう。津雲小学校は富裕層の子息が多い関係で、昴は小間使いのような扱いを受けていた。流石に露骨な差別や暴力行為はなかったものの、同級生から明確に『格下』と侮られていたのだ。その時の彼の心境は、決して穏やかなものではなかっただろう。他人の目から見れば、当時の昴は不憫に映るかもしれない。しかし実際のところ、彼はそこまで他人の言いなりになることに対して抵抗を持っていなかったのだ。

 彼の特徴を一言で表すなら『依存』だろう。昴は自分に自信がないあまり、退廃的な隷属に自分の価値を見出していたのだ。例え下僕のような役割だろうと、他者の役に立てるのならそこは『自分がいてもいい場所』に他ならない。彼は人付き合いが得意な方ではないものの、かと言ってひとりが好きというわけでもない。誰かと一緒にいられるのなら、どのような待遇でも構わない。星見昴という人間は、端的に言えばそういう人間だった。

 彼がどういう経緯でそんな性格になったのか。両親の教育の影響か、それとも学校での集団生活によるものか。優馬の見立てによれば、昴のそれは先天性のものである。生まれついての被支配者の素質。彼は相手が誰であろうと支配する側の色に染まる才能を持っている。それはただ洗脳にかかりやすい、というわけでは決してない。彼は望んで相手の色に染まり、誰であろうと受け入れる器の深さを身に着けている。昴の純粋さは筋金入りだ。少年は依存する対象によって正義にも悪にもなり得るだろう。

 ならば、悪魔に依存するようになった今はどのような表情を見せるのか。

 それでは、悪魔の巣窟で行われる秘密の勉強会の様子を覗いてみよう。

 

「えっ、優馬くん本当にするの? そこはお尻の穴だよ……?」

「大丈夫だよ、ちゃんと洗浄してきたんでしょ? 僕に全部任せてくれれば平気だよ」

 その日も優馬は、友人の昴にイケない遊びを教えていた。

 悪魔の性教育によって性に芽生えた少年は、性的知識に対して思春期らしい好奇心を抑えられないでいた。さりとて、日常生活の中で情報を得られる環境に少年はいなかった。他のクラスメイトはもちろんのこと、両親に聞くのもはばかられる。かと言って、コンビニで売られているエロ本を買うほどの勇気は持ち合わせていない。従って、彼が性的欲求を満足させるには、一番の友人である優馬に頼る他方法がなかった。こうして、少年は悪魔の思惑通りに深みへとハマっていく。

「それじゃあ、お尻の穴を舐めるね。身体の力を抜いて、リラックスして受け入れてね。行くよ」

「うっ、うん……やあぁっ……!」

 ベッドの上で四つん這いになっている昴の背後に、不気味に笑う優馬が陣取っていた。彼は無防備に晒された友人のお尻に顔を近づけると、躊躇うことなく菊門を舐めはじめる。肛門を這う生暖かいヌメヌメした舌の感触に、昴は思わず嬌声を上げた。

「あっ、やっ、んんっ……優馬くん、お尻が変な感じだよぉ……やぁ、気持ち悪いぃ……!」

「んじゅっ、ちゅう、んちゅっ……大丈夫、すぐに慣れるよ。お尻の穴で感じられるようになれば、君の価値観は大きく変化すると思うよ」

 昴の尻穴を開発し、性的快感を得られるようにするのが今回の目的だ。自分に依存した友人は、倒錯的な世界にどこまで堕ちてくれるのか。ヒトの欲を探求する優馬にとっては、大変興味を唆られる題材である。汚れを知らぬ純真無垢な少年を前に、悪魔の欲求が沸々と湧いてくる。転校先で手に入れた唯一無二の親友を、これから玩具にして遊ぼうというのだ。血の通った人間とは思えない鬼畜の所業を、彼は一欠片の罪悪感も抱かずに平然とやってのける。ヒトとして大切な何かが欠落した少年は、ヒトの感情を求めて突き進む。

 優馬は肛門のシワを丁寧にひとつひとつ伸ばしていく。何人も触れたことのない不浄の領域を、悪魔の舌が這い回っている。少年は他人に見られるだけでも恥ずかしいアナルを、全幅の信頼を寄せる友人に委ねていた。それはどれだけ覚悟のいる行為だろうか。それとも、好奇心と快楽の赴くままに思考を放棄しているのか。尻穴を舐められる感覚など、まだ幼い彼にはまさに未知の体験だろう。言語では表現できない感情を刺激され、昴は声にならない悲鳴をあげる。

「あっ、あぁっ、んあぁっ……やぁっ、んんっ、あうぅ……むぐ、優馬くんだめぇっ……!」

「んじゅっ、ちゅう、んんっ……どうかな? まだ気持ちよくはならないかな。でもまぁ、お尻の穴は段々ほぐれてきたよ。これなら指一本くらいなら楽々入りそうだ。とは言え初めての経験だからね、少しずつ地道に行こうか。今度は中に舌を入れるから、力んじゃダメだよ……んんっ」

 入口部分を念入りに舐めほぐした後、優馬は友人のお尻に顔を埋めて腸内に舌を挿入する。本来は大便を排泄するための穴に異物が入る感覚は、拒絶感が強く生理的に受け入れがたいはずである。ナメクジに体内へと侵入されるような感触で、昴は不快そうに顔を歪めていた。肛門を無理やり押し広げられ腸内を荒らされる苦痛は当然あるだろう。

 しかしながら、それだけの痛みを感じながらやめようと言い出さないのは、彼の並々ならぬ忍耐力によるものだろうか。優馬に依存しきった昴にとって、この程度の試練は苦難の内に入らないのかもしれない。嫌がりつつも、怖がりつつも、少年は親友の愛撫を受け入れる。最初こそは身体を固くし優馬の舌技に翻弄されていた昴であったが、慣れてきたのか次第に彼の態度は軟化していく。

「んっ、あ、あぁっ、んんぅっ……んっ、優馬くん、変だよぉ……お尻がぞわぞわするぅ……! あくぅっ……んひゃあぁっ、だめえぇ……んあぁっ、こんなの初めてぇっ……!」

「んんっ、んじゅっ、じゅるっ……んはぁ、どうかな……段々と気持ちよくなってきたんじゃないかな? お尻の穴を刺激すると、おちんちんがピクピク反応しているね。そうだ、おちんちんも一緒にイジってあげるから、このままイカせてあげるよ」

 そう言って、優馬はアナルを愛撫しながら器用に手コキも始める。ウブな少年を奈落の底へと突き落とす怒涛の二点攻めに、昴の精神は大きく揺れ動く。以前の手コキだけでも彼にとっては衝撃の出来事だったのに、これはそれを遥かに上回る体験だった。性行為に興味を持ち始めていた少年だったが、これによりどっぷりと底なし沼へとハマっていく。それも学校で性教育を受ける前の、正しい知識を何も知らないまっさらな状態での悪魔による調教である。成長期の男児は友人の教えをスポンジのように吸収していくだろう。それがどのような結末に至るかは、常人離れした才覚を持つ神童であっても予測はできない。全ては神のみぞ知るところである。

「んんっ、ふあっ、ふああぁぁっ……優馬くん、おちんちん気持ちいいよぉっ……! お尻もなんか変な感じでぇ……んあぁっ、やぁっ、だめぇっ、だめだよぉっ……!?」

「んじゅっ、ちゅう、んくちゅっ……ふふ、お尻の穴でもだいぶ気持ちよくなれるようになってきたね。れろ、んちゅっ、じゅじゅう……おちんちんの先からカウパーが出てきたよ、もうすぐイキそうなんだね……これならアナルに指も入りそう。最後に試してみようか」

 優馬はアナルから舌を抜き、トドメとばかりに指を二本出し入れする。愛撫を十分に済ませた尻穴は、少年の指を軽々と飲み込んでいく。若いだけあって筋肉が柔らかいからか、じっくりと調教した成果だろうか。腸内の奥まで指を突っ込むと、勢いに任せて乱暴にかき混ぜる。唾液と腸液でベトベトになった菊門は、熱心な愛撫によってトロトロに蕩けていた。

 少年のペニスも限界が近づいているのか、擦る度に我慢汁が垂れシーツを汚している。昴はベッドに突っ伏し、津波のように押し寄せてくる快感に耐えていた。射精も秒読みとなり優馬の攻めも更に激しくなる中、友人は降伏宣言とばかりに声の限り叫ぶ。

「んあぁっ、あぁっ、だめぇっ、気持ちいいのがきちゃうよぉっ……!」

「いいよっ、イッてっ……おちんちんから白いおしっこいっぱいだしてぇっ……!」

 悪魔の導きにより、少年の小さな男根から白濁液が勢いよく飛び出した。射精の瞬間アナルがキュッと締まり指を締め付ける。よほど気持ちよかったのだろう。昴は身体をビクビクと痙攣させながら射精の余韻に浸っていた。

 今回の性教育も無事に終わったようだ。射精の快感で放心状態の友人を横目に、優馬は満足そうにアナルから指を引き抜いた。

「はぁ、んんっ、あふぅ……んあ、んはぁ……しゅごかったぁ……」

「うんうん、今回も無事にイケて良かった良かった。それに、お尻の快感にも目覚めたようだね。ようこそ、こちら側へ。これで君の視野はまたひとつ広がったんだ。大人の世界へ足を踏み入れた気分はどうだい? ……そう、まだ実感はないかな。でもまぁ大丈夫、僕がついているから安心しなよ。昴くんをちゃんと導いてあげるからさ」

 性教育の疲労で意識が朦朧としている昴の頭では、優馬の発言の半分も理解できなかった。しかし、友人の言葉には謎の説得力があった。彼にすべてを任せておけば、何でもうまくいくような気がするのだ。

 悪魔に心酔する少年は、躊躇うことなく彼の指示に従っていく。優馬の英才教育によって彼はどのように成長していくのか。その結果が示されるのはまだまだ先の話である。

 

 ◇不穏の種

 

 その事件が起こったのは、5時間目の音楽の授業が終わり、自分たちの教室へと戻ってきたときのことだった。

「……あれ、僕の体操着がない」

 自分の席へとついた昴は、机の脇に掛けてあったはずの体操着がないことに気づき声を上げる。

 友人の動揺を目聡く察知した優馬は、心配そうに声をかけた。

「体操着がない? ロッカーにはないの?」

「いや、さっきまでここに掛けてたから……ううん、やっぱりロッカーにもないや」

 友人に言われた通りロッカーを探すが、そこにも体操着はなかった。気づかぬ間に自分の持ち物がなくなっていたのだ。昴の顔は見る見るうちに青くなり、目には涙を浮かべている。つい昨年まで彼は虐められていた。その時のことがフラッシュバックしたのか、今にも死んでしまいそうな絶望的な表情である。

「昴くん、泣かないで。誰かが机にぶつかった拍子に床へ落ちて転がっただけかもしれないし、もうちょっと探してみようよ」

「う、うん。そうだね……」

 このような事態でも冷静な優馬のなんと頼もしいことか。親友から勇気をもらった昴は、心を落ち着かせて体操着の捜索を始める。

 優馬の行動は教室でもよく目立つ。二人の異変はすぐさま他のクラスメイトにも波及していく。

「優馬くん、どうしたの?」「星見くんの体操着がなくなったんだってさ」「星見くんかわいそう……」「私たちも探してあげましょうよ」「そうだな、皆で手分けして探そう」

 生徒たちは誰から指示されることもなく、自発的に二人の協力を申し出た。なんと美しいクラスの団結力だろうか。優馬が一年間で作り上げてきたクラスメイトの統率も、あながち無駄というわけではないのだ。こうして他人のために損得勘定抜きで手助けができる。それもまた人間の素晴らしいところである。優馬は何もヒトの醜い部分ばかりを好んでいるわけではない。目を背けたくなるような度し難い悪性と同等に、他者を心の底から重んじる善性も尊んでいるのだ。

 それから少しの間、クラスメイト全員で昴の体操着を捜索した。とは言え狭い教室内だ。探す場所などそれほど多くない。各々机の脇やロッカーを見て回るが体操着袋は見つからなかった。

 一向に体操着が見つからない状況に、当事者である昴はもちろん生徒たちにも不安が募っていく。例えようのない焦燥感がクラスに充満していく中、ひとりの生徒がボソリとこんなことを言った。

「女鶴さんのロッカーにはないの?」

 その発言で教室内の空気が一瞬で凍りつく。誰しもが表情を強張らせ言葉を失っていた。

 言われた張本人である美聖も同じく呆然としていた。一瞬、何を言われたのか理解できなかったのだろう。言葉の意味を飲み込むまで数秒のタイムラグがあった後、彼女は顔を真っ赤にして発言者に食ってかかる。

「それ、どういう意味よ」

「どっ、どういう意味って深い理由はないよ。ただなんとなく……」

「深い理由もなく私を疑うわけ? 信じられない!」

「だってしょうがないじゃないか。女鶴さんは、星見くんのことを……」

 美聖に問い詰められた生徒は、彼女の迫力に気圧されたのか言葉尻を濁す。

 しかしそれだけでも、少女にとっては十分なダメージだった。美聖の周囲からは人が消え、生徒たちは遠巻きに疑惑の視線を向けていた。普段は友好的な学友たちだが、この話題だけは彼らの古傷を抉るようなものだった。

 そう、女鶴美聖は昴を虐めていたグループの中心人物だったのだ。今でこそ優馬の活躍もあり両者は和解しているものの、皆は当時のことをよく覚えている。

 典型的な高飛車お嬢様である美聖は、控えめ隷属体質の昴を下僕のように顎で使っていた。その時の教室には彼女を頂点としたスクールカーストが存在し、生徒たちの間には目に見えない隔たりがあった。力ある者が君臨し、力なき者は支配されるという社会の縮図がクラスで再現されていたのだ。

 確かに表面上は秩序が保たれているように見える。しかしその実態は暴君による独裁に他ならない。それが果たして健全な学校生活と言えるのか。余人からは異様に思える光景も、当人たちにとっては当たり前の日常になっているため気づかない。閉塞的な状況を壊すためには、澱んだ空気に毒されていない外部からの助けが必要となる。その役割を担ったのが、突如として現れた転校生の優馬だった。彼の悪魔的な手腕でクラスは呪縛のような支配から解放され、イジメの対象になっていた昴も自由の身となったわけだが、今回の紛失はその時のことが起因しているのだろうか。

「っ……!」

 いつもは強情なお嬢様も、クラスメイト全員に不審な目を向けられては強気には出られないようだった。普段は温和な生徒たちから敵意にも似た視線を浴びせられ、少女の華奢な身体が縮こまる。今まで傍若無人に振る舞ってきた彼女にとって、自分の意見を発することすら許されないような状況は初めての経験だろう。彼らは皆、美聖のことを今回の件の犯人ではないかと疑っている。ついさっきまで仲良く話をしていた相手から疑われているのだ。今の彼女は信じていた友人に裏切られたような気分だろう。

 周囲を見渡しても誰一人として味方のいない四面楚歌の状態の中、それでも少女は自分を奮い立たせる。己の身の潔白を証明するため、声を振り絞って戦わなければならない場面なのだ。

「なんで私が彼の体操着を隠さなきゃならないのよ! そんなことしても何の意味もないじゃない!」

 少女は声を張り上げて叫ぶ。彼女の主張は概ね正しい。元々何の根拠もない言いがかりのようなものなのだ。いくら美聖が昴のことをイジメていたとは言っても、それだけで彼女のことを犯人扱いするのは間違っている。

 クラスの誰しもがそのことに気づいていても、一度抱いた疑心は中々消えない。集団心理とは怖いもので、皆がひとりの人物を疑っている状況では、例え無実だと思っている人間も多数側の意思に黙殺されて擁護できなくなってしまうのだ。下手に美聖を庇おうとすれば、自分も共犯にされてしまうかもしれない。なまじ全員が昨年までのスクールカーストを覚えているため、同じ目に遭いたくないのだ。結果、少女はどうすることも出来ずに集団から孤立してしまう。

 悲しいことに、現在この教室において彼女の味方をしてくれる人間はひとりもいなかった。

 そう、ヒトではない悪魔以外には。

「ちょっとまって。女鶴さんは犯人なんかじゃないよ。彼女には体操着を隠す時間は物理的になかったからね」

「えっ……」

 このままでは魔女裁判に発展しかねなかった教室の空気を、優馬の発言が一刀両断した。生徒たちが呆気にとられながら少年に視線を向ける中、思わぬ援護に美聖でさえも驚愕していた。まさか敵対している(と本人は勝手に思っている)彼から助け舟を出されるとは夢にも思ってなかったのだろう。

 緊迫した雰囲気はあっという間に悪魔の少年に支配され、誰もが彼の一挙手一投足に注目していた。

「優馬くん、それはどういうこと?」

 生徒たちの疑問を代表して、被害者の昴が問いを投げる。友人の言葉を受け、優馬は推理物の探偵よろしく語りはじめた。

「昴くん、五時間目が始まる前のことを思い出してごらん。給食が終わった後の休み時間を、僕らは自分の席で過ごしていた。その時はちゃんと体操着を入れた袋は机の脇にかかってたよね。そして予鈴が鳴って皆が音楽室に向かうんだけど、その輪の中には女鶴さんも居たんだ。いいかい、彼女は僕たちよりも先に教室を出たんだよ。僕たちが音楽室についた時、その場には女鶴さんが居たことは覚えているよね?」

「う、うん。居た気がする……」

「そう、つまり授業前に彼女が体操着を隠す時間はどこにもなかった。では、音楽の授業が終わった後はどうだろう。昴くん、音楽室を一番に出たのは確か僕たちだったよね。教室に戻った時、僕たち以外に生徒はいなかった。その時点で体操着袋はすでになかったから、女鶴さんは授業後に体操着を隠す時間もなかった。皆もわかったよね、彼女に犯行は不可能だよ」

 優馬の言葉に、生徒たちは一様に言葉を失っていた。彼の簡潔な説明で、美聖が無実であることは皆も理解したようだった。何の証拠もなくクラスメイトを疑ったことを悔やんでいるのか、皆気まずそうに彼女から視線を外していた。

「それじゃあ、僕の体操着はどこに……」

 美聖への疑いは晴れたとは言え、依然として体操着が行方不明であることには変わらない。彼の体操着は一体どこへ消えたのか。優馬がそのことについて触れる前に、教室に新たな人物が現れた。

「皆さん、何かありましたか?」

 五年二組の教室に入ってきたのは、担任の門間教諭だった。一日の授業の締めである帰りの会をするために来た彼女は、教室の不穏な空気をすぐに察したようだ。集団の中心にいる優馬たちに近づき、二人に事情を伝えるよう求めてくる。

「先生、それが……」

 優馬は昴の体操着紛失事件について端的に説明した。もちろん、美聖が冤罪をかけられそうになっていたことは伏せておいた。

 優馬の説明を聞き、門間教諭は顔色を変えずに冷静な態度で指示を出す。

「事情は分かりました。後のことは先生に任せて、皆さん席についてください」

 担任の言葉に従い、生徒たちは自分の席へ戻っていく。優馬と昴も着席し、重い空気のまま帰りの会が始まった。

 これから事件の犯人探しが始まるのだろうか。生徒たちの表情は誰しも沈んでいた。誰だってこのような状況に陥れば気分が重くなるだろう。周囲がどんよりしている中で、優馬はひとりだけニヤニヤと不気味に笑っていた。

「星見くんの体操着袋がなくなったようですが、誰か心当たりがある人はいますか?」

「…………」

 教卓に立つ先生の直球の質問に、生徒たちは我関せずと沈黙するしかない。無関係の者は無論答えられないが、例え知っていたとしてもこの状況で積極的に申し出る人はいないだろう。これが以前のイジメの延長戦ならば、下手に首を突っ込むと自分がイジメの対象にされるかもしれないからだ。面倒事には無関心を貫くことが自衛の手段となる。彼らは幼いながらも社会の仕組みをよく理解していた。正義感や道徳心だけでは生きていけないことを。善意は時として身を滅ぼす毒となることを。

 それが例え人道に反する行動だったとしても、誰も彼らのことを責めることはできない。人間とは弱い生き物だ。己を守るために他者を犠牲にすることもあるだろう。誰だって自分の身が一番可愛いに決っている。大事なのは、過去の経験から学び同じ失敗を繰り返さないことである。

 クラスの生徒全員がだんまりをきめこんでも、門間先生の表情に焦りの色はなかった。問題が発生しても、子供の前で取り乱さずに大人の対応ができるのは教師の鑑と言えよう。彼女は生徒たちに視線を巡らせると、はっきりとした声音でそれぞれに確認を促した。

「それでは、皆さん自分の机の中や周りに星見くんの体操着袋がないか、もう一度よく確認してください。床に落ちた袋を誰かが拾って引っ掛けたかもしれませんので」

 彼らは先生の指示に黙々と従うが、今更身の回りを探して見つかるとは思っていなかった。だが何もしないのは気まずいので、皆はやる気なさそうに自分の周辺を探している。その一方で、クリップボードを持った門間先生は、教室の中をぐるっと一周しながら捜索していた。

 こんなことをしていて、体操着は見つかるのだろうか。体操着が見つかるまで帰れないのだろうか。出口の見えない不安が教室に充満する中、下校の時間を告げる救いの声が響き渡った。

「星見くんの体操着、見つかりましたよ」

「えっ……!?」

 生徒全員の視線が教室の後方に集中する。振り返った視線の先には、右下のロッカーのところにしゃがむ門間先生の姿があった。彼女の手には、間違いなく体操着袋が握られていた。

「誰かが拾った体操着袋をここに入れたのでしょうね。誰も使っていないロッカーに入ってましたよ」

 その刹那、クラス中が早鐘のような歓喜で湧いた。誰も彼もが、体操着の発見を自分のことのように喜んでいた。五年二組の生徒たちの心がひとつになった瞬間である。

「門間先生、見つけてくれてありがとうございます……!」

 この世の終わりのような絶望的な表情をしていた昴の顔が、一瞬で晴れ渡る。今まで見たこともないような喜びようで教師のもとへ駆け寄ると、体操着袋を大切そうに受け取った。

「見つかって良かったですね、星見くん」

 体操着袋を昴に手渡すと、門間先生はそれ以上話を追求せずに帰りの会を再開した。通常なら帰りの会はとっくに終わっている時間である。良い子は家に帰らなければならない。

「何はともあれ、昴くん良かったね……あれ、どうしたの?」

 事件も解決し予定通り帰りの会が始まったところで、優馬が隣の昴に声を掛ける。無事に体操着が戻ってきて一安心しているだろうと横を見ると、友人の表情は悲哀に染まっていた。

「体操着袋につけていたキーホルダーがなくなっているんだ……」

 その表情は、体操着がないことに気づいたときよりも悲愴感に満ちていた。

 

 ◇変身

 

 結局のところ、昴のキーホルダーは見つからなかった。

 帰りの会の後、優馬と二人で探したのだが教室のどこにもなかったのだ。

 いつまでも学校にいることはできないので、空が夕焼けで染まったところで解散となったのだが、昴はとても残念そうな顔をしていた。そのキーホルダーは彼にとってよほど大事なものなのだろう。体操着は見つかったとはいえ、なんとも後味の悪い結末となった。

 紛失したキーホルダーはどこに消えたのだろう。

 このキーホルダーの行方が彼らの今後を大きく左右することになろうとは、現時点では誰も予期していなかった。

 

「おいおい、なんだこりゃ一体……」

 話は変わって数日後。

 ある日の午後、古神家に長男の間の抜けた声が響く。

 一真の眼前には、女子小学生の制服を着た少年が立っていた。

「あう……」

 弟の優馬ではない。その友人の昴であった。少年は女子制服姿を見られて恥ずかしそうにモジモジしていた。

 なぜ彼が女装をしているのか。その理由をしたり顔の優馬が語る。

「どう、似合ってるでしょ? 昴くんをひと目見たときから、女装したら可愛いだろうなぁって思ってたんだぁ。僕の見る目も中々でしょ、うんうん!」

 やけに上機嫌な弟だが、自分がここにいる必要性はあるのだろうかと一真は疑問に思う。昴とは一応顔見知りではあるが、ほとんど会話をしたこともないのだ。正直、大学生にもなって小学生の遊びに付き合わされるのは勘弁してほしい。第一、自分は別に女装好きというわけではないし、それは優馬で見飽きている。感想を求められても返答に困るではないか。

 渋い表情で困惑する兄を見て、優馬はつまらなさそうに顔をしかめる。

「せっかく昴くんが勇気を出して女装してるんだから、ノーコメントは酷いじゃないか。……それに、僕は分かってるよ。お兄ちゃんは無関心を装っているけど、本当は興奮しているんでしょ? だって、彼の女装を見てお兄ちゃんの股間が膨らんでいるんだもの」

 そう言うと、優馬は流れるような動きで兄に擦り寄り下腹部をいやらしい手付きで撫で回す。確かにソコは見るからに勃起しており、はち切れんばかりに立派なテントができていた。

「馬鹿っ、それはお前が触るからだろっ! 友達の前で何してるんだっ!?」

「大丈夫大丈夫。昴くんで欲情しちゃっても僕は怒らないからさ。それに、興奮しているのはお兄ちゃんだけじゃないかもしれないよ?」

 それはどういう意味だろう。一真が何気なく昴に視線を送ると、彼は女装の恥辱で縮こまってるのだが、何やら様子がおかしいのだ。熱でもあるかのように顔が赤く息も荒い。濡れた瞳に上目遣いで見つめてくる様は、女の子と言っても遜色のない完成度であった。おいおいこれではまるで、色気に目覚めた美少女みたいではないか。

「あう……優馬くん……」

「うんうん、分かってるよ。昴くんもエッチな気分になっちゃったんだよね。最近お尻の穴で気持ちよくなる練習をしていたから、すでに身体が疼いて仕方ないのかな?」

 自分の知らないところでそんなことをやっていたのか。友人を躊躇いもなく調教するとは、我が弟ながら末恐ろしいやつである。こいつは人の心というものが本当にないのか。悪魔にそんなものを求めるほうが間違っているのだろうか。

 一真と昴が変な雰囲気に戸惑う中、優馬はいつもの調子で盤上を支配していた。彼は兄の股間の封印を解いて性器を露出させると、逞しく屹立した逸物を友人に見せる。

「どう、僕らのおちんちんとは全然違うでしょ。これが大人の性器だよ」

「うん、すごく大きいね……」

 なぜだろう。勃起した男性器を見つめる昴の瞳が震えているように見えるのだ。それはまるで、アソコに挿入されるのを待ちわびる雌のような表情で……。

「これまでは精々指くらいしか挿れてこなかったから、そろそろ本物が欲しいよね。そうだ、お兄ちゃんのおちんちんを昴くんのお尻の穴に挿れてもらおうか」

 自分の友人を犯せと、こいつは本気でそんなことを言っているのか。頭のネジが数本外れているどころか、そもそも脳の構造が常人とは一線を画している優馬だが、そう分かっていても異常という他ない。

 そして奴の言葉を拒絶することなく受け入れている自分もまた、どうしようもない人間だった。

「お兄ちゃんもヤル気満々みたいだね。おちんちんがこんなに硬くなってるよ。どうやら前戯はいらないようだね。それじゃあ、早速ヤッちゃおうか」

 優馬は友人をベッドの上に寝かせると、下着を脱がせて股間を露出させる。そこには半勃ちになった小さなペニスが確認でき、彼が男であることをまざまざと思い知らされる。こんなに可愛い子におちんちんが付いている。普通なら引いてしまう案件だが、一真は一切ひるまない。弟と性交している自分にもはや怖いものなどない。愚息は萎えるどころか更に硬さを増し、今にも獲物に食いつきそうな勢いだった。

「初めてだから肛門にたっぷりローションを塗って……っと。さぁ、準備は整ったよ。お兄ちゃんのおちんちんで昴くんのアナル処女を奪ってよ」

 悪魔に促されるままに、一真は男根を少年の肛門へと宛てがう。そして亀頭にローションを塗りたくり、腰に力を入れてゆっくりと腸内へと埋没させた。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「んあっ、んあぁあぁっ……!?」

 汚れを知らぬ純真な少年のアナルに、邪な大人のペニスが挿入される。肛門は不審者の侵入を防ごうとぴっちりと閉じているが、肉を掻き分け強引に挿入ってくる大人の力には抵抗できないようだった。処女アナルの精一杯の反発も虚しく、ズブズブと肉棒が沈んでいく。

「ぐぅっ……締め付けきついっ……!」

「んあっ、あがっ、んはあぁあぁっ……お尻の中におちんちんがあぁっ……!?」

 生まれて初めてアナルに男根を突っ込まれ、昴は断末魔にも似た絶叫を上げる。それもそのはず、リアルで肛門性交をする機会など滅多にあるものではない。それも小学生の小さな尻穴に大人のペニスを挿入するのだ。犯罪の臭いしかしない危険な行為だが、昴は挿入の痛みになんとか耐えているようだった。さりとて事前に訓練を積んでいたとはいえ、指と陰茎では太さも長さも比較にならない。亀頭部分を挿れただけでも少年は切羽詰まった苦悶の表情を浮かべており、それがどれだけの苦痛かを如実に物語っていた。

「あぐっ、んんんっ……あがっ、んああぁっ……優馬くん、お尻が苦しいよぅ……!」

「昴くん、落ち着いて。練習のときみたいに身体の力を抜いて、ゆっくりと息を吐いて。お尻の穴でイケた昴くんなら大丈夫。苦しいのは最初だけ、すぐに気持ちよくなるから」

 昴は優馬のアドバイス通りに肩の力を抜き、自然体で一真の男根を受け入れる。体内の肉を引き裂き異物が強引に侵入してくる感覚で、少年の理性は崩壊してしまいそうになる。しかしパニックになろうかという瀬戸際でギリギリ自我を保っていられるのは、頼りになる親友の存在が大きいだろう。優馬が隣で甲斐甲斐しく応援してくれるからこそ、彼は狂気的なアナルセックスを享受することができるのだ。

 竿の半分ほどが腸内に入ったところで、一真は一旦挿入を停止させる。初めての肛門性交なだけあって、アナルの締め付けはかなりキツイ。気弱そうな容姿からは想像もつかない腸圧で、陰茎が食いちぎられてしまいそうだ。予想以上の甘美な刺激に、愚息は嬉しい悲鳴を上げていた。

「あっ、んんっ、あぁんっ……んぐうぅぅっ……はあぁ、んんぅっ……だめぇ、お尻が壊れちゃうよう……!」

「なんだかんだ言って半分入ったじゃないか。この調子なら、もう少し慣らせば全部入っちゃうかもしれないね。お兄ちゃんも気持ちよさそうだね。昴くんは大丈夫だと思うから、好きなように動いていいよ」

 そんな許可をもらわずとも、このまま動かず生殺しなんて気が狂ってしまう。本能が理性を押しのけ思うがままに肉を貪れと急かしてくるのだ。美味しそうな初物を前にして我慢なんて身体に毒である。一真は欲望の赴くままにピストン運動を開始する。

「ああっ、んんんっ、んふぅっ……んあぁっ、お尻がぁっ、おちんちん擦れて熱いよぉっ……! んぐっ、ふあぁっ、んはあぁっ……だめえぇっ、お尻の穴が焼けちゃううぅっ……!?」

「くぅっ……また締め付けがきつくなった……!」

 少年は幼い精神の中に獣を飼っていたのだ。ひ弱な草食動物のような物腰とは裏腹に、彼のアナルは凶暴な肉食動物そのものだ。獲物を狩るため巣穴に飛び込んだ狩人を逆に仕留めてしまおうと、わざと弱者のフリをして待ち構えていたのだ。秘めたる野生を解き放った尻穴は、飢えた野犬が如く肉棒にしゃぶりついて離そうとしなかった。腰を引く度に菊門が吸い付いてくるので、魂までも吸引されてしまいそうな錯覚に陥ってしまう。なんとも中毒性の高い麻薬的なアナルだった。

「んあぁっ、ううっ、んぐうぅっ、あぁんっ……! んんっ、優馬くぅんっ……お尻が擦れてジンジンするよぉっ……あぁっ、んぁっ……なんだかだんだん気持ちよくなってきたあぁんっ……!」

「うんうん、昴くんもアナルセックスの良さが分かってきたようだね。おちんちんもこんなに勃起して、先っぽからエッチなお汁が垂れてるよ。僕も暇だから、おちんちんを手で扱いてあげようか」

 そう言って、優馬は友人のペニスを上下に擦り始める。歴戦の娼婦のように男根を扱き、彼を至極の楽園へと導いていく。尻を掘られながらペニスを扱かれるのは、一体どれほどの快感なのだろうか。昴は顔を赤らめながら陶酔したように喘いでいる。その表情は快楽に堕ちた雌そのものであり、彼は完全にアナルセックスの虜となったようだった。

 一真は一心不乱に腰を振り、昴は激しいピストンを蕩けた顔で味わっている。二人は時間を忘れて狂気の交わりに没頭していた。こんなことをしていることが世間にバレたら人生が終了してしまいかねないと頭の片隅では理解していても、制御できないのが欲求というものだ。抗えぬ衝動をショタアナルにガンガンぶつけていると快感が徐々に蓄積され、次第に射精欲求が高まっていった。

 それは昴も同じようで、初体験のアナルセックスでも問題なく感じているのか、優馬の手コキで尿道口から我慢汁を吹きながら夢見心地の表情で喘いでいた。

「くぅっ……もうイキそうだっ……!」

「んあぁっ、だめっ、らめぇっ……んぐうぅっ、お尻で感じちゃううぅっ、あううぅっ……!」

「ふふっ、ふたりともイキそうなんだね。よーし、このまま中出し射精でフィニッシュといこうか」

 なぜ優馬は偉そうに場を仕切っているのか。こいつの指示は腹しか立たないが、さりとて射精を我慢する余裕なんてない。一真は渾身のピストンでラストスパートをかけ、容赦のないアナルの締め付けを堪能する。絶え間なく続く快感の波に揺られながら、二人は快楽の頂きへと上り詰める。

 そして二人の限界がついに訪れた。一真はたまらず腰を突き上げ、汚れた精の迸りを少年の尻穴に放出する。

「くっ、射精るっ……!」

「あぁっ、出ちゃうぅっ……!」

 少年の未成熟な体内に熱々の精液が駆け巡る。脳を揺さぶられる中出し射精の衝撃で、昴もつられて射精する。小ぶりのペニスから勢いよくザーメンが噴出し、手コキをしていた優馬の手を白く染め上げていた。

「あぁっ、んんっ、んぐっ、あうぅっ……お尻の中にせーえきがいっぱい出てるよぉ……」

「昴くんすごいすごい。こんなにいっぱい射精するなんて、よっぽどアナルセックスが良かったんだね。……うわぁ、お兄ちゃんも容赦ないなぁ。ザーメンがお尻から溢れているよ。僕以外の小学生にも興奮するなんて、お兄ちゃんは本当に変態さんなんだから」

 射精を終えて脱力する二人を見やり、優馬はニヤニヤと楽しそうに嗤っていた。

 友人が自分の意のままに快楽に堕ちたことを喜んでいるのだろうか。

 それとも、小学生相手に本気で欲情している兄を嘲笑しているのだろうか。

 彼の思考は凡人には理解できない。いや、真っ当な人間では悪魔の気持ちは推し量れない。

 もし優馬の心を理解できる者が居るならば、それは彼の同族に他ならない。

 

『……もしもし、あぁ、貴女でしたか。……はい、はいはい……そうですかそうですか。……いえいえ、貴女は何も間違ったことはしていません。貴女は自分が信じる正義の為に行動したのです。その真摯な想いを誰が否定できましょうか。人は己の信念に基づいて生きるからこそ価値が生まれるのです。その行為が結果として社会的に善であろうと悪であろうと、人の欲望に罪はありません。私は人間が持つ魂の輝きを見たいのです。……ですからええ、貴女は何も間違えてはいませんよ』

 

 古神優馬がその男と邂逅を果たすまで、後八ヶ月。

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