駒王学園でも割かし有名な、兵藤一誠という変態に彼女ができたらしい。
それを耳にした
「(あんな変態にも彼女ができるのに、俺は何をやっているんだ)」
格下に見ていたモノが良い目に合うと、心中はささくれ立つのが人のサガである。
しかし、この噺の主人公に当たる彼は、控えめに言っても普通の少年であった。
駒王学園は元女子校だ。
男女共学になったのは現二年生からの年代で、好児もまた美少女が多いという噂に釣られて入学試験を突破した『好き者』の一角に当たる。
当然、健全な男子として美少女と付き合いたいが、良くも悪くも特徴を持っていない中肉中背の彼のような凡俗の高校生に、好き好んで懸想する物好きも居ない。
踏み出すことを勧んでいなかった、過去の己を好児は悔やむ。
そこに名前から無駄にマイナス方面へと連想された綽名の過去の実績は関係ない。結局は、傷つくことを恐れて自分を売り出すことを良しとしなかった積み重ねの結果でしかないのだから。
踏み出す一歩こそが最大の魔法、とは良くも言ったものだ。
さて、無駄に字数を稼いで少年が己を回顧する時間は此処で終わる。
彼は街中で手にした『願いを叶える』と噂の契約チラシに、全力で願ったのだ。
「童貞を捨てさせてくれる美少女をください!!!」
控えめに言って禄でもない願いであった。
☆
リアス・グレモリーは困惑していた。
悪魔として仕事をする、というモノは主に人間の欲望を対価を以て叶え得る、という行動に収束する。
『そう』なった大まかな歴史的背景には、そもそも人間を守護する立場の天使や神が人の願いを叶えることが希少になってきた現状と、彼らへと傾けられる信仰を削ぐことにも目的が添えられている。
だが人の欲とは蓋を開けてみればその内実がドロドロと濁っていることなど珍しくもなく、マテリアルな側面での物欲を除けば生物としての本能に基づく欲求が掲げられることもまた事実。
願いを叶える、という文言に分かりやすく釣られるのは、たいてい決まってリビドーに直結した肉欲ばかりが粗目立つのが現状である。
しかしながら、リアスは『そういう方面』への支援を極力避けて活動していた。
数千年から数万年を生きるとされる悪魔に、肉体的な老化はほとんど訪れない。
彼女の母親のヴェネラナなんかは娘よりも若く見られる容姿で生活しており、その実年齢がまったく不明なことからも悪魔の外見年齢はほとんど当てにされていないものだ。
しかしリアスは現在17歳。
見た目は逆に成人過ぎにも取られ兼ねないほどに熟れてメリハリの効いたモデル体型だが、その精神と育った年数は魔王の保証が入るほどに短く、だからこその【活動の抑制】が罷り通っていた。
無論、悪魔として行動するならば年齢制限などという倫理は投げ捨てて、若々しい肢体を思う様に曝け出すことこそが相応しい。
しかしそれは彼女の家柄の、貴族という立場と人類圏に近い倫理で育った環境、そして何より
無駄に真面目な話がつらつらと挙げられていたが、要するにリアスは未成年であることを理由に肉体方面に直結した願いを聞き届ける資質を意図的に排除されていた、という話だ。
そのことには彼女自身把握していたし、微かな興味こそあるモノの『自らを安売りする真似』とも取れそうな行為に身を預けるほど彼女自身軽薄なつもりもなかった。
だからこそ――、
「オナシャス!」
「え、えーと……?」
――シャットアウトされるはずの願いを契約チラシが受理し、自らが召喚者本人の前に呼び出されたことにこそ困惑せざるを得なかったのである。
☆
ダプッ、と両手でこぼれるほどの重量と柔らかさを掴まえる。
服越しだというのに、指先が埋もれる感触からして
それを堪能するかのごとく、彼の指先は
契約を交わしたリアス・グレモリーはそれ以上の抵抗をすることもなく、彼の手つきのされるがままに身を預けていた。
何気に未経験ながらも若干の耳年増でもあるリアスの倫理観は、言うほど低いわけでは当然無い。
しかし契約は為されてしまったのだ。
少年が【童貞】を対価として捧げる代わりに、【肉体関係を許す
契約を違えることは、悪魔として決してあってはならないことなのだ。
「んぁっ……!」
彼の弁を信じるならば初体験のはずなのだが、その手つきは的確にリアスの乳房に快感を与えてくる。
服越しに揉みしだかれるメートル級手前の柔肉果実が熱く熟し、時折コリコリと摘ままれる先端の乳首が自然と勃起している。
この部屋にいる自分がとてもイヤらしい生き物に変わってしまったかのようだと、リアスは茹だる頭で身悶えていた。
「おほっ、すっげぇ胸……っ、リアスちゃん、何センチあるの?」
「きゅ、きゅうじゅうきゅう、よ……。恥ずかしいこと言わせないで……っ」
「恥ずかしがることないじゃん、いいよー、すげぇキモチイイ」
さらに興奮した少年が後ろから抱き着くように密着し、でっけぇー、とはしゃいでやや乱暴に乳房を揺さぶる。
たぷたぷとした擬音が、むしろ重量的にはだっぷんだっぷんとゴムまりのように、両の乳房は弄ばれる。
そして、リアスの臀部には密着した少年の陰茎が、固く当たっていることもまた伺えた。
「ね、ねえ、制服にしわがついちゃうから、もういいでしょう……?」
「お、そうだね。じゃあ脱いじゃおっか」
ブチィ! と、
「……えっ?」
少年の言葉が終わるよりも早く、リアスのシャツはボタンが千切れるほどに破り開かれていた。
案の定、下着をつけていなかった若い乳房が、学園では男子たちに時に女子たちに服越しに妄想されていた真白い素肌が、白日の下に晒される。
その行為自体は、リアスにもなんら恥じるモノでもない。
学園ではシャワー室なんかも完備されているので、自らの身体に何のコンプレックスも抱いていない彼女が他の生徒と遭遇し、偶然にも視られることもざらにあったくらいだ。
問題は結果ではなく、過程であった。
「ちょ、ちょっと! 乱暴な真似は止してちょうだい!?」
「ごかいちょーう」
衣服が使い物にならなくなてしまうことは、普通に手痛い。
だがそんなことは彼は全く気にもかけず、むしろそういうシチュにさらに興奮が重なったのか、なおもはしゃいでリアスの胸に顔を埋めた。
その一瞬を、彼女はいまいち把握しきれていない。
胸が肌蹴たと思った次の瞬間には、背から回されていた腕の主は正面に回り込んでおり、初めから全裸であった少年の身体が自らに抱き着いてきたのだ。
超スピードとか瞬間移動とか、チャチなモノでは決してねえ、もっと恐ろしいモノである。恐らくは。
しかし、その事態になっても彼の行為は変わっていない。
胸の谷間に顔を埋めて、ぐりぐりと動かして乳房の感触と温度を頬で感じて、肌を嘗めて先っちょを甘噛みし、埋もれたまま呼吸する。
そんな少年の様子に、リアスは呆れるやら困惑するやら、といった様子で結局反論することも辞めてしまい、されるがままを続けていた。
「あぁ~、おれもうがまんできねぇっ、いいよなリアスっ、もう挿入れちゃってもいいよなぁっ!?」
こつん、などという可愛らしい表現ではなく、少年の先端が既に埋まっていた。
ずぶっ、と肉襞を割き進む感触は痛みよりも異物感をリアスに覚えさせ、彼女が返事をしないままに少年の自身はリアスの秘所を押し広げて踏み入って征く。
然程も大きくない逸物であるが、未経験な彼女の閉じた割れ目には充分に過度な領域戦犯であった。
「――ンギィッ!?」
「~~~んぉぉ……っ、きっもちぃぃ~~……っ」
抵抗する暇もなく、
膜を破られた破瓜の痛みは、彼女に優雅とは言い難い蛙みたいな鳴き声を上げさせた。
しかし少年の腰は留まることも無く、彼女の最奥まで深く深く沈んでゆく。
襞を擦り、窮屈な肉壺を分け入って征く快感で背筋を震わせながら、コツンと膣内で雌雄の口がキスをする。
逸物の先端は、どうにか子宮口にまで届かせることに成功したようだった。
「ぎゅうっぎゅうに狭い……っ、ああ~、すぐ出そぉ~……っ」
「~~っ、~~っ、~~……っ」
ふーっ、ふー……っ、とリアスが辛そうに呼吸を整えている。
両腕は大の字に広げて、逃げるような姿勢でベッドシーツを掴まえている。
その脚も、閉じられていたのは最初だけで、今では放るように広がったまま、だらしなく投げ出されている。
少年はリアスのその様子など気にも留めず、彼女の身体に抱き着いて豊満な乳房に顔を埋めたまま、勝手なことを口にしてぐいぐいと腰を揺さぶっていた。
リアスの秘所から流れ、シーツにまで滲んでいる赤い粘液など目もくれていない。
「おっ!おっ!いくっ、すぐいくっ!リアスの中にめちゃくちゃだすっ!」
「っ、っ、っ、……っ」
酷く勝手なそれは、とてもセックスとは呼べない身動き。
自慰と呼ぶことも烏滸がましい、もはや
それでもリアスはそれをさせなくてはならない。
契約は絶対で、その中身には【少年が満足するまで抵抗してはならない】という条件も含まれている。
もし抵抗すれば、悪魔の膂力では人間なんてすぐに殺してしまえるからだ。
悪魔としての矜持に賭けて、契約は必ず達成させなければならないのだ。
初めて自慰を覚えた猿のように、少年は腰を打ち付ける。
心中では酷い嫌悪を覚えつつも、リアスはそれを受け入れ続ける。
――そして数分もしないうちに、少年の欲望はリアスの膣に無造作に吐き捨てられていた。
☆
――あっあっあっ……。いいっ、そこっ、きもちいい……っ。
虚ろな目で、リアス・グレモリーは言葉を紡ぐ。
両脚は胸に顔を埋める少年の腰を離さないように絡まっており、腕は彼の背中を抱きしめている。
しかしその視線は少年には向けられておらず、ただ無情に天井の染みを数えていた。
『一回目』が終わった後、これで契約を果たしたと帰ろうとするリアスに、少年は言ったのだ。
「初物いただけたのは良かったけどさー、もうちょっと良い感じに童貞捨てたかったなぁー」と。
つまり、満足していない、まだ関係を終わらせるわけにはいかない、と迫ってきたのである。
悪魔の矜持に賭けて、契約を果たさねばならないことは必至。
少年が本当に満足するまで、リアスは帰ることを許されていなかった。
しかし、少年は普通の人間だ。
何も精力も絶倫というわけでもない。
そこでリアスは自分の魔力で少年を強化し、【彼が満足するまでセックスが続けられる】ようにした。
結果、召喚から既に半日経ち、時計の針は深夜1時を過ぎていた。
いつになれば解放されるのかわからない、人間の果てしない欲望に、リアスはほとほと辟易するのであった。
――兵藤一誠、死亡確認ッ!