名の知らぬ肌の白い銀髪の少年は、此方の2,3程上と思える年齢の背丈だが、両手にはその背丈と殆ど同じ大きさの某RPGゲームのキャラが持つ様なクソデカいバスターソードを手にして構えている。
その剣も白く銀色で、雲に隠れつつある月光に刃が照らされて、その反射光が輝かしい。
少し眩いその輝きに目を細めつつ、相手を見据え続ける。
「……」
「……」
あのクソデカい大剣に、此方の防護壁が何時までも耐えられるかというと……。正直自信がない。
それに木刀ぽっちで相手を戦闘不能状態に持っていくのも、現状大分厳しい気もす――――
――――ッ!?
「――ぐぅっ……!」
素早い回転の勢いを利用した縦斬りが此方に迫ってきて、咄嗟に木刀で受け止める。
相手の力量とその大剣の重みと鋭い刃が、木刀に貼ってある防護壁をミシミシとひびが入っていくのが地味に痛感する。
「うおらぁっ!!」
風と共に敏捷性を上げて、相手の攻撃を左に逸らして俺は右に回避する。
「……時間が無いんだ。とっとと、やられてくれ」
「――っと! 断るッ!」
発言しながら攻撃を休み無くしかけてくるコイツから、しのいだり回避行動をしたりと中々隙がない。
近接武器で攻撃を行う上で、中々隙を出してくれないコイツではあるが、此方は一応だが風を使えるのだ。
「ハァッ!」
「――ぬっ!?」
攻撃と次の攻撃の瞬間の隙間を利用して俺は風を発生させ、突然の暴風ともいえる風力のある風を真に受けたヤツは、大剣を利用して防御しつつも微妙に後方へ下がっていく。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
自分の口から疲労ゆえの吐息が漏れる。だが、ここでへばっていたら自分が負けるだけだ。どうやら、相手にも何らかの事情はありそうだが、そんなことは俺には関係ないのだ。
俺の二度目の死が、こんな、早くには、したくはないッ!
◇◆『月下の戦い』◆◇
「ふぅ……」
一寸動きを間違えば死に至るからか、激しい攻防のせいか、どちらにせよ己の鼓動の激しさを自認し、一つ息を放つ。
御相手の白肌銀髪クンはまだまだ肉体的には余裕そうだが、表情には焦りが見える。
先程「時間」がどうこう言っていたから、何か制限時間でもあるのか。
もし愉悦を顔に貼り付けて、そう宣い攻撃してきたりでもしていたなら、無駄な思考せずに消し飛ばして殺るだろう……。
だが今みたいに、相手側に何かしらの事情があって、それが何か分からないと、いつも問い質したい気になる。己に無関係であっても。
「ハッ!」
「――うわっ!」
構えなおした直後にヤツからの攻撃である刺突を横に避けたが、そのまま連続できた二撃目が来襲し、咄嗟に木刀で受け止める。
だが、その凄烈な攻撃によって響いてくる衝撃も半端なものではなく、止まる事は出来ずに吹っ飛ばされる。
俺は手に持っている木刀を落とさないように握りしめながら、公園の少しザラザラとした地面に背中からぶつかり、転がっていく。
「――っとぉ!」
止めを刺すつもりで降りかかるようにやってきた、ヤツの大剣を地面に寝転がりながらも回避し、木刀を杖代わりにして体勢を立て直す。
立て直した時に顔に多少くっついた砂利を、左腕で払い落として邪魔な異物感を無くしておく。
「……クソっ」
「…………」
このまま防戦一方でも良いのかもしれないが、防護壁のほうが耐えきれない可能性がある。重ね掛けするという方法はあるが、現在の力量的に出来たとしても薄い壁になってしまう。よって、あまり意味がない。
そう次の手をどうするべきか思考している内に、奴が横薙で振るう大剣が迫る。
木刀を構えていない左手側から来るそれに、素早く回避し連続で襲ってくる大剣を次は木刀でしのいでいく。
若干大振りになっている様に感じつつある相手の攻撃に、焦燥感も募ってきたかと胸に思いながら、ある意味己の勝利を感じ始める。
――パキンッ
その一瞬で油断した時に、何かが割れた音をしっかりと耳に感じた。
…………は?
この割れた音と同時に脳内がクエスチョンマークで一気に満たされた。
だが、それは木刀を視覚に入れた瞬間理解する。
予測していたものが、今起こったのだ。
カウントタイムの無い出来事なんて何回も経験しているはずなのに、いつも驚かされている。
って、んなこと言ってる暇じゃ――
――銀髪野郎の大剣が目前とも言える距離にまで迫っている。
「――ヤバっ!」
防護壁の纏わない木刀でそれを受けとめるつもりで、大剣の刃の方向に対し木刀を向ける。
だが、大振りで力強さが更に増しているせいか、簡単に切断されその脅威は容易く己の肉体に向いてくる。
一瞬ビビったが、即座に空いていた手で防護壁を創造し、相手の願望通りにはいかずに済んだ。しかし、その強い衝撃を消している訳では無いため、俺の身体はこのベクトル通りに吹っ飛んでいく。
「――がはっ!!」
吹っ飛んだ先に背中を強打し、声が自然と漏れる。
そのまま自由落下で地面へとぶつかる自分の肉体を転がらせて、仰向けになる。
「っだーー、くそっ……」
足音がこちらに近づいてくるのを実感しながら、態とそう声を漏らす。
背中は確かに痛いし、まだしっかり出来ている身体つきでは無いこともあって、少し捻挫ぐらいは起こってるかもしれない。骨折かどうかは不明だが、現に左肩とか腕が猛烈な痛みを発している。
折れた、いや斬られた木刀を目にして奴さんの方をみる。
「……もう、良いだろう」
「お前、さん……こそ……そんなに、か?」
「そうだ、もう残り数時間しかない」
「何のため、に……?」
奴は俺の質問を、少し言いよどんでから答えた。
「……我が妹を蘇生させるため、この満月の時にしなければならない」
「……」
「そのためには、貴様の『リンカーコア』ごと必要なのだ」
「リンカー……コア?」
名称からして、身体に宿るコアのようなものであると推測できるが、俺のこの肉体の中にあるかは不明だ。実際そんなに探ったことはないが、以前に今のところ扱っている魔力の他に質の違う魔力を感じたことがある。もし、それが「リンカーコア」というものから発するものだとするなら、そうなのだろう。
そして、「妹」とは、山道の途中に見えたあの白いのであろうか……。
「だから、此処で……」
「……その、リンカーコア、とやらは、殺さないと抽出、できないもの……なのか?」
「……!?」
この質問に今気付いたというか知らなかったという反応をする奴。焦りすぎて思考する余裕も無かったのか、まぁ時間に焦ってしまうのは仕方なきことでもあろうが、少しぐらい立ち止まっても良かったであろうに。
って、最初に言わなかった俺も俺なんだけど……。
記憶を探っている奴を見ながら、動かすのは厳しい状態になっている左腕を意識しつつ立ち上がる。
「……で、どうなんだ」
「あるには、ある……」
「……そう、やるか?」
「あ、あぁ。……だが、此処ではなく場所を、我が妹の身体がある場所に変えよう。その方が早い」
その言葉に首肯して、俺とコイツしか全く気配を感じられない、まるでプルガトリオにいるみたいな感覚を味わいながら、あの山道へと向かった。
――――
山道途中、先導する銀髪クンとの会話で分かったことが幾つもある。自分の心に刺さるようなものもだ。正直、その関連の話を聞いたときは「消してやろうか」とか一瞬思ったが、過去は過去であるし、まぁ俺ってこういう運命になりがちだよなっと自己完結した。消す対象を木にしただけだけど。
ちなみに、現在彼が心底すまなそうに会話しながら俺と共に歩けるのは、さっき俺があの話を振ったのが一番の要因だと思う。先述通り、何か気になるというものあったし、あのタイミングが一番良かったからって感じだったのもある。あんなサラっと命乞いみたいな感じで情けなく口にしたのは正直、今思うと恥ずい。
さて、話を少し戻して分かった事だが、今も木に八つ当たりしながら非常なイラツキを減少させる原因となったこと。
それは、俺のモノホンの父親たる「桜糀 誠司」存在のことだ。彼は事故死として「表向き」ではそう終えているが、本来はこの銀髪がこの手で殺ったと言う。
リンカーコアを殺すことでしか取得できないと妄信していた彼は、その勢いのままに行動し事故死のように見せかけて葬ったと、だが数週間前に取得したと思ったそれは意味を持たないものだったという。
それは何故か。彼にもその時は不思議でならなかったようだが、知人を介した情報からして「桜糀家」はリンカーコアの中身を子孫に伝授する術を持っているらしい。そして、彼からリンカーコアとは魔道師にとっては生死に関わる重大なもので、そう簡単に分け与えるのは厳しいということらしいが、彼は我が父親が疲弊しているような様子は一切無かったという。
だが彼の儀式みたいなものに必要な魔力は我が父親のような者が持つのがベストだったようだが、無いと分かった上にこの「地球」において魔力を有するもの等限られている存在であり、しかも残りの日数も少ないため、見つけ次第に殺って奪ったという。けれど、その手で殺して得たものは微々たるものでしかなく罪悪感とか良心を捨てる覚悟をした彼は止まることはなかった。
そして、俺を見つけた時、その膨大な魔力量に俺にしか狙いを定めなくなったとか。しかも、俺の顔から己の父親たる誠司と似てると思い、探ったら彼の一人息子と知ったコヤツは先ほど、魔力量に対する納得もしたそうで、「桜糀家の末裔」とか述べたのだろう。
二つ目は、俺と彼以外気配を全く感じられないこと。これは、彼が結界を張っているらしく、関係者と隔離したからだそう。だから、あんなバシバシ音立てたり、結構声を出した会話でも誰もこちらに顔をだしたりはしなかったのか。
三つ目は、彼の言う「制限時間」のこと。彼の持つ武器は大剣と釵型にもなれるものだというが、その武器こそが要因との事。なら、使わなければ良いじゃないかとか伝えたが、ソレは蘇生術に必須なものであるからという。
やはり、蘇生術というのは何処でも代償は大きいものであるらしい。でも彼はそれを覚悟の上とのことだ。
「その儀式までの時間が今日で、余命的な時間は明日……と」
「あぁ、そうだ」
「妹さん、蘇生したとして。お前一日しか、いられないじゃん」
「……これは、完全に蘇生するものではないんだ」
「……は?」
え?どういうこった。やはり死者を生き返るのは無理に等しいとか……?
「この術は、多大な魔力とある物質、そしてある条件下で出来る、一日だけの蘇生だ」
「……あ、あんな、死人も出しておいて、か?」
「…………それは、誠に申し訳ない。口で言ってもどうにもなるわけじゃないが」
「そ、そうだぞ……!口で謝罪したって、今何かしたって!死者が戻ってくる訳じゃないっ!しかも、その上お前は明日には死んで楽になるっ!罪の償いさえ無いんだっ――――」
「――――そうだ!それでも!俺は!自分の大切なっ!たった一人の家族と少しでも、話がしたいんだっ!」
「……くっそッ」
彼の放つ理由の叫び声に、少し共感染みた感情を抱いてしまい、複雑な感情になって俺は、地面にあった石粒を蹴飛ばした。
もうどうにもできない存在は、本当にどうにもできない。
死者を蘇生させる行為。それは、とても巨大で、とても残酷な代償を求めるモノが数多い。いや、全てともいえるだろう。
現に、今の者だって死者を十名に辿りつくかつかないか位の人数を出してしまっている。そして、発動者も死亡するものだ。
今は遥か遠くに感じられるほどで無いに等しいが……「ある力」を所持していた俺は、それによって「消した」人数は少数だがいる。そうだ。「殺した」んじゃない。文字通り「消した」んだ。前世のあの世界は、死者と化す前の大怪我の前提でもどうにかなる術が世間に広がっていて、まだどうにかなるものはどうにかなったのだ。しかも、死者と化しても厳しいが呼び戻すことは出来なくはなかった。
だが……「消えた存在」は本当に、本当に、どうにもできない。天国にも、地獄にも、「存在」はしない。
今世における、この普通で単純な「死」は、あの「抹消」に等しいほど、どうにもすることが出来ないと、俺は思っている。
前世と異なり、魔法やら異能やらが利用及び周知されていない、いや無いに等しいこの世界では、そんな「奇跡」は簡単に起こるはずが無い。術がないのだから、できないに決まっているのだ。
「……リンカー、コアだろ」
「……あぁ、すまない」
「もう、いい。……いや、他の遺族の人にとっては良くないかも知れないけど」
「……」
俺はリンカーコアとやらの出し方とかは全くもって分からないため、先に説明されていた彼の言う「蒐集」とやらで行うことにする。
「……じゃあ、いくぞ」
「……いつでも」
彼の左手がこちらに向き、己の胸から手におさまるサイズの翡翠に輝く球体が飛んでいった。
―◆◇◆―
高町士郎は、酷く疲弊し所々服に傷がついているうえに左腕が大分怪我をしている己の息子が、自宅の玄関前で壁によりかかって座り意識を失っている姿を見て、絶句した。
「自販機で何か買う」と言って近場ではなく、あえて公園の方に向かった息子こと明良に不審を抱いた士郎は、明良を密かに追っていたのだ。
だが、その姿と気配が唐突に感じられなくなり、非常に怪しいのと、つい先日あのヤバそうな存在が現れたこともあって、猛烈に心配の念に苛まれた士郎は走った。
それでも、公園の何処を探しても彼の姿を見つけることは出来なかったため、家に戻ったんじゃないかという希望を胸に戻った先に、先述の状態の彼がいたのだ。
「……明良」
親友の関係にあった桜糀誠司のたった一人息子の、頬に手を這わせ首の頚動脈に手を当てると、脈動を直に感じる。
多少安堵した士郎は、ほっと息をついて彼の身体を抱き起こして、背負った。
「俺は、貴方の息子を必ず護ってみせる」
――それが、貴方と、誠司と、最後に交わした約束事だからだ。
死に逝く姿の光景を思い出してしまった士郎は、目を瞑ることでそれを晴らし、自宅の玄関を通った。
―◆◇◆―
「ちょ、ちょっと……。そ、それ、大丈夫、なの?」
「え? あぁ、これ? まぁ、平気平気。利き手じゃないし」
「そういうことじゃないと思うけど……」
湧屋とアリサが、俺の現状の姿に心配気な表情をして、こちら伺ってくれている。
今の俺の姿は、左腕と左肩を包帯なりで繋げているからだ。あれだ、よくTVとかで見る、あれ。
「まぁ、一生使えなくなる訳じゃないし。あんまりこっち側の腕を使用しなければ、数週間ぐらいで治るってさ」
「絶対、体育は見学ね」
「そらそうだろうねー」
アリサにそう言われて、他人事のように軽く微笑みながらそう返答する。
「ア、アンタね……」
「まぁまぁ、でも安静にはするんだよ?」
「わ、分かってるってば……。なのはに泣くほど言われたんだから、そこは分かるって」
「あー、なるほど」
湧屋が苦笑しながら納得し、さも当然という顔でアリサは頷く。
「あっ! テ、テストの方はどうするのよ……?」
「え、普通にやるでしょ。別に両手動かせないわけじゃないし」
「……そ、そうね」
「まぁ、ちょっとやりづらいけどね。押さえる手は無いから」
「そ、そうよね! テストについては、その、変更なしだけど、元に戻るまでは、私が支えてあげるっ!」
いきなりこの娘は何いうてはりますのん。
「えっ、アリサ右隣の席だから、どうやんのさね……」
「やるったら、やるのよ!」
「お、おぅ……」
俺が普通に疑問を述べると彼女は、少し赤面しつつもそう強く返答した。湧屋に視線を向けると、顔が「がんばれ」って言っておりなんかムカついた。
あの銀髪クンとの戦いから翌々日。彼らは昨日会話なりをしてはいるだろうが、今日で亡くなってしまうという悲しい運命の身でもある。やったことは到底許されないけどな。
んで、俺の方はリンカーコアの魔力を蒐集された影響か、大分疲弊していたらしい。今はどうってことないけど、腕以外。
ちなみに、この腕。やっぱりやらかしてました。骨折ですって、おくさん。骨折。まぁ、切断されたり腐ったり吹っ飛んだりとかじゃないので、とってもよろしいです。そんなこと起きたら治しようが無いので。
先のアリサと湧屋の会話でもした通り、家帰って目を覚ましたときになのはに猛烈に泣きつかれた。「何があった」とか「どうして」とか、彼女がこうなってしまうのも納得はするし、家族のほかの皆も同じ思いだったし。まぁ、いきなり帰ってきたらこの惨状なら誰でも思いますよねっ! 俺だって思う!
ということもあり、昨日病院に行って包帯とか巻いたり医師の人にお告げをくらったり、して始終なのはに殆どくっつかれて過ごした。彼女が学校を俺を介護するという理由で休むほどでもある。
今日も、朝は彼女と一緒に登校している。すずかとはまだ会ってはいないが、会ったらアリサの方か、なのは……程では無いにしろ、それなりの言葉は頂きそうだ。
「ねぇ、アリサちゃん。そこ、いい?」
「あ、なのは。今日、っていうか明良の治るまでアタシ、ここに座るわよ」
「えっ?」
「どうしたのなのはちゃん――って、明良君その腕どうしたの!?」
「あ、あぁ。ちょっとやらかして……」
「ア、アリサちゃん、ど、どどうして?」
「そ、そんなに……? 別に友達を支えてあげたいって気持ちは私にもあるわよ……」
「そ、そうなんだ……」
アリサとなのはの心情は分からないが、なのはの方は俯いてブツブツ何か音に出してはいないものの口を動かしており、少し怖い。アリサの方は少し誇らしげにしていて、褒めて褒めてと強請る犬みたいだった。
「や、やらかしったって……」
「あ、あぁ。ちょっと派手に、ね?」
「ほ、本当に大丈夫、なんだよね」
「大丈夫っていうか、骨折だけど……」
「骨折っ……」
「そんなに、酷くはないから、ね? すずか、平気だから」
「……う、うん。あんま無理しちゃだめだよ……?」
「そうするよ」
すずかの方もアリサや湧屋の時みたいに心配の声をかけてくれて、有難い限りである。
「あ、アキくん!」
「うぉっ!? な、なんだ?」
いきなり声を掛けられて少しびびった。俺は彼女の方を向くと、いつのまにか席に座り、しかも俺の弁当を手に持ち、その中身であるおかずを箸で挟んで、それをこちらに向けている。
……いつものか。
「あ、あーん」
「……」
無言で口を開けて彼女から差し出してくる自分の中に入っていたおかずを口に含み、咀嚼する。
「……」
無言の視線が左隣から流れ込んできて、俺はそっちを見るとアリサがこちらを向いているのに気付く。
「……ど、どうした」
「わ、アタシも、い、言ったからには、やる、やるわよ」
「えっと……」
「あ、あーん」
「……あ、その」
「は、早くしなさいよ」
俺はアリサから箸で運ばれる彼女の弁当の中身を口に含み、美味いと普通に思いながら頂く。その最中外野の二人が五月蝿かったのは言うまでもない。
「あ、アリサちゃん! そ、それはなのはの、なのはのだよ!」
「い、良いじゃない……! あ、あたしだって……」
「……な、なら私も良いよね……?」
「すずか!?」「すずかちゃんも!?」
「……Oh」
この日を際に、何故か「あーん」をする人が増えた。後々、交代制に変わったけど。
2章目これにて終了でする。次はアリサ編を予定しますが、コレと言った戦闘はないです(書きたくないのが本音)。けど、その次章が……戦闘……ヒィッ、更に次々章も……ヒェッ
あとB√をそろそろ書いていくので近いうちにまとめて、ポンとしたい所存です。