機動戦士ガンダムSEED オノゴロ島殺人事件ー常夏編ー 作:index2
ここは毛利探偵事務所である。
毛利小五郎という男が経営する探偵事務所だ。
「そして俺は・・・」
少年が壁に話しかけようとしたその瞬間である。
ビクッ!
少年は男をにらみつける。
毛利小五郎は大声を上げて絶叫し競馬の中継に噛り付いている!
「いけー!ネッキ―ヤイルー!俺に億万長者の夢を見せてくれ!」
少年はそれにあきれながらも壁の穴に向けて再びぶつぶつとつぶやいている。
「俺は高校生探偵、工藤新一。幼馴染で同級生の毛利蘭と遊園地へ遊びに行って
黒ずくめの男の怪しげな取引現場を目撃した。」
「取引を見るのに夢中になっていた俺は、背後から近づいてくるもう一人の仲間に気づかなかった。」
「俺はその男に毒薬を飲まされ、目が覚めたら・・・」
少年は壁の穴に向かって話を続ける。
「体が縮んでしまっていた!」
「工藤新一が生きているとやつらにばれたら、また命を狙われ、周りの人間にも危害が及ぶ。」
「阿笠博士の助言で正体を隠すことにした俺は、蘭に名前を聞かれて、とっさに江戸川コナンと名乗り、やつらの情報をつかむ為に、父親が探偵をやっている蘭の家に転がり込んだ。」
つまり居候である。
「たった一つの真実見抜く見た目は子供、頭脳は大人、その名は、名探偵コナン。」
少年が壁との話を終えたと同時に事務所の入り口が開いた。
「コナン君朗報よ!」
事務所の扉を勢いよく開き飛び込んできたのは毛利蘭である。
「聞いてよコナン君!お父さん!商店街のくじ引きで1等が当たったのよ!」
毛利小五郎はそれが聞こえていないかのように競馬中継に耳を傾ける。
「1着はディープブルー!ディープブルー!」
それを聞き終えると毛利小五郎は目から一筋の涙をこぼしたあと大声で泣き始めた。その恥ずかしい姿を娘と居候にみせつける。
「うおおおおおおおっネッキー!」
その理由は単純で、彼が賭けていたネッキ―ヤイル―は、2着となり彼の持つ単勝の馬券は紙くずとなったのである。それを見てあきれるコナンだったが、蘭を再び見直して質問した。
「蘭姉ちゃん1等は何だったの?」
「それがねコナン君、1等は太平洋の南の島オノゴロ島らしいのよ!」
その聞きなれない島の名称にコナンは疑問に感じており、自分の知識の中からオノゴロ島について脳内検索を始める。そもそもオノゴロ島とは日本神話に出てくる国産みの話に出てくる島であるが、その島と同じ読みの島が太平洋の南の島にあることはさすがのコナンですら知らなかった。
毛利蘭は話を続ける。
「二人とも南の島へ行くわよ!早速準備をしなきゃ!」
ヤレヤレ・・・
コナンは、そんな蘭の姿を見るとあきれたように首をすくめる。
毛利探偵事務所の人々はオノゴロ島旅行の準備を始める。コナンという存在が事件を呼ぶのか?もしくは事件がコナンに集まるのかは疑問であるがこれから起こる連続殺人事件の舞台がオノゴロ島であることを彼らはまだ知らずにいた。
阿笠邸
ここは阿笠邸コナンの身元引受人である科学者が住む家である。この邸宅には天才科学者と自称する阿笠博士と灰原という少女が住んでいる。
「なんじゃ新一急に押しかけてきて!」
阿笠はコナンに問いかける。
「ああ済まない阿笠博士!実は、蘭がオノゴロ島旅行券を福引で当ててしまった。」
コナンは神妙な顔で阿笠に対して経緯を話し始める。
「妙だと思わないか?」
「何がじゃ?」
「オノゴロ島という名称だよ。たしか日本神話に出てくる島の名称のはずだが、今までそんな島が実在するとは思わなかった。」
コナンは何かがおかしいと感じているのか不安そうな顔でテレビをつける。テレビでは相変わらずパトリック・ザラ突然死がワイドショーで面白おかしく騒がれている。
「なんだこれは!阿笠博士これは何だよ!プラントって・・・」
「なんじゃ知らんのか?プラントは宇宙コロニー郡の総称じゃよ!」
「ちがういつからこんな世界になったかって聞いているんだ!」
コナンは精神が錯乱しているのか?それとも夢を見ているのか?いまいち現実を受け入れられない状態となっていた。
「新一が、知らんのも無理もない。最近放送法が改正されて世界の出来事が自由に報道され始めたんじゃ!」
「つまりこの日本では、宇宙コロニー郡も連合とザフトが交戦していることも一切報道できなかった。黒の組織はこの国を統制する機関の下部組織にすぎなかったんじゃよ!」
「じゃあ俺はいったい何のために・・・」
そこへ灰原がやってくる。
「工藤君落ちついて。」
「これが落ち着いていられるか!黒の組織は政府の機関だった。俺が逃げ回っていたモノの正体は、この国だったなんて・・・ハハハ」
コナンはあきれたようにワンカップ大関を飲み始めた。
「もうどうでもいい!阿笠博士。俺は、バカンスに行くことにするよ。親父に頼んでオーブに移住することにした。」
「なんじゃって!」
阿笠と灰原は驚くが、新一の話が真剣であることを察知していた。
「探偵ごっこも終わりだ!俺はもう自由にさせてもらう。この国に居続けるのは危険だからな。」
新一はそう告げるとワンカップ大関を飲み干した。阿笠はコナンに向けて話し始める。
「新一が行くならわし等も同行する!」
阿笠博士は工藤新一を元に戻すための研究をしているが、その研究は灰原の助力で成り立っており、彼女の開発した薬によって限定的に戻ることができる。
こうして三人はオーブへ移住することにした。
当日
毛利親子と居候は空港へ到着していた。まずはハワイへと向かうらしいそこからフェリーでオーブ首長国へと入国するのだが現在このルートでしかこの中立国へ入国できない。
「飛行機に乗るなんて久しぶりね!」
毛利蘭はうれしそうにしているがそこへ二人組が現れる。阿笠と灰原である。
彼らは毛利親子に話しかける。
「毛利さん久しぶりじゃな!」
阿笠は二人に話しかける。
「ん?アガサ博士じゃないですか!」
蘭はそう言うとアガサ博士の方を向くが、愛想の悪い毛利小五郎はお茶を飲身ながら答えた。
「これはこれはアガサ博士なぜこのようなところに?」
毛利小五郎は彼らが来た理由は自分の見送りなのかと推理とは似ても似つかぬ妄想をしていた。
「我々はこれから南の島へ旅行へ行くのです。阿笠博士たちは、まさか私どものお見送りですか?すみませんなぁガハハハハ!」
小五郎は下品な笑い声をあげて喜ぶ。
「いえ違います我々はオーブという島国へ移住することにしました。」
「えっ?」
小五郎は、間抜けな声を上げると目を丸くした。
蘭は二人へ向けて話をする。
「え?それは寂しくなりますね。でも奇遇です私たちも丁度オーブという国へ行くんですよ。」
一同は同じ飛行機に乗り込む。
飛行機の座席に着席すると阿笠は灰原とひそひそ話をする。
「あい君!新一は彼らにまだ事情を話していないようだが?」
「ええそうみたいね」
灰原はそっけなく答える。
「どこで彼らに別れを告げるのか見物だわ」
二人はひそひそと話している。
5人を乗せた飛行機は滑走路へ向かい離陸する。学校では、コナンと灰原が急な都合で海外に引っ越しすることになったことが、担任から伝えられる。
オノゴロ等へ向かうのに3日ほどかかるらしい。その長い旅路の先にコナンを待つものはやはり事件である。オーブという移住先に不安感を持つ子なんだが日本語が通じるということなので生活には不自由がないようだった。