※この作品はR-18です。

イナズマイレブンGO ベータの心はβ版   作:扇 漱真

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「いつからなのか、私は彼を目で追う。ずっと見ていても飽きない。不思議な事だ。そして、彼は今日も私にその眩しい笑顔を見せてくれる」


ベータの心はβ版 前編

ある日、ベータは朝練をしている「松風天馬」を見て小さく息を吐いた。

「・・・」

 

あんなに一生懸命ボールを追いかける姿に不思議と目が惹かれる。とても不思議な事だ。何故なのだろう。別段天馬に興味がある訳でもないのに。

 

「はぁ...」

 

ベータため息を吐くと、手に持っていた『たまたま』余分に買ったスポドリを持って天馬の元へ向かった。

 

・・・・・・・

 

「はい。相変わらず、特訓しかしませんね。キャプテン」

「ベータ」

 

天馬が休憩で座っている所にベータが現れた。スポドリとタオルを一緒に手渡した。

 

「ありがとう。ベータも朝練?」

「いえ、私はただ、早く起きただけです」

 

どこか素っ気ないベータに天馬は首を傾げた。

 

「ベータ、どうかした?なんだか元気なさそうだけど」

「え?あー....いえ、なんでもないですよ〜。私はいつも通りです」

 

何気ない笑顔を作って見せた。天馬もそっか、と納得してくれた。

 

「じゃあ私教室戻りますね。今日は日直なので」

「うん。わかった。あ、ベータ!」

「はい?」

 

呼ばれたので振り返ると。

 

「飲み物ありがとね!」

 

眩しいくらいの笑顔で手を振ってきた。ベータもその笑顔を見て、ふっと口元を緩めた。

 

「はい。どういたしまして」

 

さっきの何気ない笑顔とは違う、純粋な笑顔でベータも答えた。

 

・・・・・・・

 

放課後...

 

「なんだか、機嫌がいいな」

「え?」

 

ベータはただ普通にケータイを弄っていると、部活の練習メニューを確認していた神童が言ってきた。

 

「そ、そうですか?」

「あぁ、今日はなんか笑顔が多いな。何かいいことがあったのか?」

「あー、う〜ん。どうなんでしょう...。まぁあったと言えばありましたね」

 

その顔もまた嬉しそうな顔だった。ベータは天馬に会ってから、何故か機嫌が良かった。後から聞いたら鼻歌も多かったらしい。不思議なものだ。最近は天馬が部活に来ていない時は乗り気がしないし、天馬と話してる時は楽しい。

一体自分はどうしてしまったのだろう。

 

「すみません!遅れました!」

 

考え込んでいると、天馬がやってきた。

 

「珍しいな。お前が遅れるなんて」

「すみません。先生に捕まってしまって...」

「なんでです?」

「前のテストで点数が悪くて怒鳴られてました」

「お前...」

「ふふっ、天馬さんらしいですね」

 

呑気そうに笑う天馬と、頬に汗を垂らした神童を見て、ベータもつい笑ってしまった。

 

「すぐ着替えてきますから!」

 

天馬はそのまま、急いで更衣室に向かった。

 

「さ、俺達は先にグラウンドに行ってアップでもしてるか」

「はい」

 

・・・・・・・

 

「ベータ!パス!」

 

今日は紅白戦。

神童率いるチームと天馬率いるチームで分かれている。

そして、天馬チームのベータにボールが渡った。黄名子との連携も取れている。既にゴールは目の前だ。

ベータは笑うと、ギラリと目の色を変えた。

 

「くる...!」

 

キーパーの三国は構えた。

 

「来い!『虚空の女神 アテナ!』アームド!」

 

ベータが唱えると二丁拳銃の化身。『虚空の女神 アテナ』を召喚。さらに、それを纏いシュート体制に入った。

 

「シュートコマンド07!」

『ダブルショット』

 

足を高くあげ、ボールを分裂。そこから、バク転して空中へ飛び、二つのボールを蹴り、超パワーでシュートを放った。

三国は拳を強く握り、高く飛んだ。

 

「止めてみせる!」

 

無理。

言ったな?

確定演出。

 

「バーニングキャッt......うわぁぁぁ!!!」

 

やったぜ。

 

三国のキーパー技は虚しく貫通して、天馬のチームの得点となった。やっぱり三国はクソザコブロッコリーだった。

 

「っは、相変わらず歯ごたえのねぇ奴だな」

「やったな、ベータ!いいシュートだったよ!」

「はぁい。ありがとうございまぁす」

 

天馬の方へ振り返ると、あの荒々しいベータとは違う優しいベータが顔を出していた。これが、彼女の性格なのだ。ベータは天馬に向けてピースをすると自分のポジションに戻った。

 

(ふふっ♪褒められちゃった♪)

 

ちょっと、スキップ寄りの歩き方のベータを見て天馬も今日は調子がいいと頷いた。

 

「よし!このまま、勝つぞ!」

『おお〜!!』

 

・・・・・・・

 

試合終了のホイッスルと共に、今日の紅白戦が終了した。結果は二対一で天馬チームの勝利。そして、この試合でこれからのそれぞれのメンバーの練習メニューが変わるという。

 

「はぁ〜、疲れたぁ〜」

「お疲れ様、信助。今日は大活躍だったね!」

「うん。天馬も、すっごく楽しそうだったよ!」

 

いつもの二人の会話を聞きながら、ベータも疲れた体を休めていた。すると、黄名子がテコテコとやってきた。

 

「あら、黄名子さん。お疲れ様です」

「お疲れやんね、ベータ。はい、飲み物!」

「ありがとうございます。いただきます」

 

飲み物とタオルを一緒に手渡してくれた。その後、黄名子がベータと隣に座る。やたらと、ニヤニヤしながら。

 

「ベータ、今日はキャプテンの事見てるの多かったやんね」

 

ベータはその言葉を聞くと、ピタリと動きが止まった。

 

「き、黄名子さん?なんで、そんなことを?」

 

頬に汗を垂らしながら、頭を壊れたロボットのようにゆっくりと黄名子の方を向いた。

 

「ベータ。すっごいニコニコしながらキャプテンのことみてたやんね。わかりやすかったよ。あ〜んな、純粋な顔、こっちが恥ずかしくなるやんね〜」

 

黄名子はキャーと、顔を覆い横に何回か振ってベータの方へ向き直した。さらに耳元で渾身のシュートチェイン。

 

「もしかして、キャプテンの事好きだったりするやんね?」

「はぇ!?」

 

その言葉に、ベータは急に名前を呼ばれたかのように立ち上がった。その顔は真っ赤で、ひっくり返った亀のように手が動いている。

 

「そ、そんなこと、だ、だって私はっ.....」

「ふふふ、隠さなくてもええやんね!乙女のカンは当たるやんね」

 

二人でワチャワチャしてると、天馬がやってきた。

 

「お疲れ様!二人とも。ん?どうかしたの?」

「あ、キャプテン聞いてやんね!ベータが...もがもがっつ!」

「な、なんでもないですよ〜。二人で練習メニュー決めてただけですよ〜」

 

ベータは勢いよく黄名子を自分の後ろに立たせると、物陰へ連れていった。そこで、顔を真っ赤にして胸ぐらを掴んで迫真の顔をした。

 

「てめぇ、これ以上調子にのると潰すぞ」

 

顔が真っ赤なので、全然怖くない強気なベータちゃん。

 

 

「大丈夫やんね。これは二人の秘密にしておいてあげるから、さっさと告ってくっつくやんね☆」

「なっ.....っ....っっ...」

 

そう言って、黄名子は去っていった。顔から爆発が起きたように赤面して、ベータは今まで言われたことのない言葉に戸惑いを隠せなかった。直接人に好きだなんて。ましてや、天馬になど、言えるはずもなかった。

 

「コクハク。か....」

 

また、ため息を付き壁に背を預ける。

 

「私は...」

 

続く。




果たして、ベータはどのようにして天馬へこの想いを伝えるのか。
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