残虐なシーンがあります
---雫の父親---
アンタッチャブルな領域に手を出したようだ。何かを掴んだ記者達が、次々と神隠しに遭っている。しかも、公安に目を付けられたようだ。報道番組で流す映像、音声に検閲が入る。
「どういうことですか?」
検閲官に訊いた。
「報道の自由を振りかざせば、何でも出来ると勘違いしているのでは無いか?」
「国家からの圧力ですか?」
「いや、国家から圧力なんか掛けていない。お前達のお遊びで、この星が滅んだら、お前はどう責任を取るんだ?」
何を言っているんだ?報道規制と、星の滅亡がどう関係していると言うのだ?
「面白半分で、世の中をかき混ぜるなよ。我々はそれ相応の対処をしているのに、お前らのせいで無に帰ったら、どう責任をとるんだ?」
それ相応の対処?まさか、供物の事か…
「あなた方の交渉相手は何者ですか?」
「言える訳ないだろ?」
検閲官が帰った。何本かの映像や音声データが没収された。バックアップデータから、持って行かれたデータの精査を、報道特集班に命じた。そこに何かあるはずだ。
家に帰宅し、書斎で仕事をしようと向かうと…書斎に何かの気配を感じた。何かいる…ボディガード達を呼び出した。しかし、誰も来ない。
『あぁ、来ないよ。もう始末した』
脳へ直接、声が聞こえる。
「お前は、何者だ!」
『この星を消しに来た者といえば良いかな?』
この星を消す?検閲官の言っていたのは、こいつか?
『鬱陶しいんだよ。そろそろ終わりにしてくれないか?』
終わりに?何の終わりだ?そうだ、アレを訊こう。
「供物って何だ?」
『分からない者が、口にして良い言葉では無い。まったく、この星の奴らは…ふふふ♪』
突然、気配が消えた。どういう意味だ?
---シュウ---
授業の無い日は暇である。休み時間になると、多少は気が紛れるが…小バエでも退治するかな?
ブランシュの日本支部に転移した。いきなりの訪問で、構成員達が慌てている。真空刃を放ち、首を切断しまくる。転生できたら、まっとうな人間になれよ♪
さて、帰るか。放課後だし。幽閉されている部屋に戻った。
ガラッ!
真由美達がやって来た。ここは生徒会室では無いのに、真由美、摩利、はんぞーに加え、エリカ、深雪、達也が入って来た。
「生徒会は生徒会室でやれよ!」
「先生がいた方がアドバイス貰えるし、凹んだら甘えられるし♪」
真由美に懐かれてしまったようだ。この世界の真由美は、かわいいから許すか。
「九校戦が近いんですよ。先生、選手選びに協力してくださいね」
「僕はかわいい女性にしか興味ないよ」
「エコひいきはダメです!」
いやいや、好みの問題だと思うが。
「協力って言われてもなぁ…CADなんか使わないし」
たしか、CADを使う競技大会だよな。本来は…
「そうか、先生は古式魔法師ですもんね」
残念そうな真由美。
「先生、警備の方を頼めるかな?」
って、はんぞー。
「相手を殺して良いなら」
「先生!ダメですよ、殺しちゃ」
摩利が心配そうに言う。いや、殺さないよ。女性はね♪
「他校の生徒を喰っていい?」
「先生…」
深雪が哀しそうな表情で、僕を見つめている。浮気をするなってことか?
「じゃ、エリカとお留守番だな♪」
「ちょっと待て!二人っきりは拒否だ!」
即答か?おや、真っ赤な顔で俯いている。
「3Pならいいのか?」
「先生♪教師なんだから、学校でそういう発言は…」
達也が苦笑いしている。そうだ。僕は教師だった。
「教師、辞めようかな?」
「「ダメです!」」
一致団結したようなタイミングでの合唱だよ。ダメなのか…う~ん…
「先生の授業は為になります。だから、辞めないでください」
って、真由美。まぁ、回を追うごとに受講者数は増えている。使える教室も大きくなっている。高評価なのか?どうなんだろう?
---雫の父親---
特捜班のメンバー全員が失踪した。警察へは事件に巻き込まれたと訴え出たのだが、相手にされない。何かしらの力が作用しているようだ。どこの勢力が相手なんだろうか?
この国の神事に関わってきた吉田家を訪ねてみることにした。
「供物ですか?大抵へ神への捧げ物ですな」
吉田家の当主が応じてくれた。
「供物の道と言うはいかがですか?」
「例えば、神の怒りを鎮める為に、身を捧げさせる者達が、供物として相応しい者になるために生きることだと思います。が、現代のこの国には、そのような風習は皆無ですぞ」
「無いと言い切れるのですか?」
「無いとは言わないが…皆無である」
あるんだな。
「どこの地方にあるのですか?」
「そんな非人道的なことを、この国は許さないです。ですから、秘密裏に行われているはずです」
「娘の友達が、供物の道を歩んでいるそうなんです」
「うん?娘さんの友人ですか…まさか、一高の生徒ですか…」
「そうですが…」
「その生徒は消した方が良い。災いの元になる」
消す?殺すのか?
「災いとは?」
「その生徒の名前は何ですか?直ぐにも消さないとダメだ!手遅れになる前に」
「殺すことは非人道的では無いのですか?」
「殺す訳では無い。この世から消すだけじゃ。隠し立てするのか!仕方ない」
目の前の男が、何かの呪文を唱えた。
---シュウ---
深雪が攫われたらしい。達也が駆け込んできた。もう22時近くになると言うのに、深雪が帰ってこないのだ。達也達と帰って来たらしいのだけど、途中で神隠しにあったように消えたのだが、どこかに買い物に行ったと思って、気にも止めなかったという。
この時間まで連絡も無いのはおかしい。深雪のオーラを探査していく。うん?オーラを感じ取れない。それって…
「達也、最悪の場合を想定しろ!」
表情が険しくなっていく達也。何かが、どこかの勢力が何かをしでかしたようだ。
「真由美!弘一に連絡をしてくれ。気になる集団は無いか訊け!」
「はい!」
「響子!烈に妖しい動きをしていた勢力が無いか、確認だ!」
「はい!」
「摩利!エリカを頼む!」
「わかりました」
---司波深雪---
うぅ…知らない男性に身体を弄られている。身体に何かを塗り込まれているようだ。身体中が疼いていく。
「供物の道を歩みし少女か…美味しそうだな」
目の前の男性は、何かが取り憑いているようだ。
「あぁ…」
シュウさんにしか触らせない場所を、舐めている。
「あぁぁ~」
喘ぎ声しか出ない。身を捩ることすら出来無い。
「おぉ、これは良い身体じゃなぁ」
数名の男性達に囲まれて、観賞され、弄られている。口に誰かのアレが押し込まれてきた。
「おぉ、感じているようだな。我らのダッチワイフにするか」
「では、わしは、ここをもらうか」
膝裏を肩にかけて、誰かのアレが、体内に入ってきた。
「じゃ、後をもらうか」
誰かが背中の下に入り込み、手の平で胸を捏ねて、後の穴に入って来た。
「供物を汚すのは楽しいのぅ~♪」
身体に何かの液体が、振りかけられていく。意識が薄れていく感じである。
「ここには誰も助けに来られない。お前は、我々のダッチワイフだ。良いなぁ♪」
シュウさん…助けて…
---シュウ---
深雪の手がかりを見つけられないまま、翌朝を迎えてしまった。烈からの報告では、目立った勢力は無いそうだ。弘一からの報告でもだ。オーラが取れないってことは、どこかの封印された空間にいる気がする。
「響子!烈に封印されている空間が無いか確認してくれ」
「わかりました」
「真由美、弘一に、失踪者がいないか、確認をしてくれ」
「わかりました」
手がかりが無い。明るくなってきたので、達也と深雪が消えた周辺へ向かった。
「この辺りです」
商店街の中である。どこかへふらっと買い物に行くシチュエーションではある。転移陣が無いかを調べて行く。空間の切れ目の痕跡も調べる。後、深雪の残留オーラもだ。
深雪の残留オーラは見事に消されていた。学校から出た辺りまで。手が混みすぎている。何の為に深雪を誘拐したんだ?誘拐理由を考える。
---司波深雪---
ここはどこだろうか…首には首輪が付けられている。自力では動けない。誰かに抱かれて、胸を揉みくしゃにされ、私の中に入ってきて、私を堪能している。
「いい身体だな。胸の形も良いし、なによりも体内の刺激が最高だ。供物にするにはもったい無い。お前はここで、未来永劫、俺達のダッチワイフだな」
口に誰かのアレが押し込まれた。後の穴にも押し込まれている。2本の棒で空中に浮かぶ私。乳首に誰かが吸い付いている。四つの手の平が乳房を揉み、何かの飲んでいるようだ。
「乳人にした。お前の乳はうまいなぁ。毎日飲んで栄養を付けて、お前を突きまくってやるからな♪」
耳を舐めている者がいる。耳タフを口に含み、感触を愉しんでいる者がいる。下唇を…
目玉は取り出され、口に入れて舐められている。目玉の無くなった穴に、アレが押し込まれているようだ。ここはどこ?私は誰だ?なんで、こんなことに…
腕の感覚が無い。交わるのにジャマだったらしく、切り取られたようだ。膝から下の感覚もない。切り取られたのかな?
---シュウ---
漸く、手がかりを見つけた。雫の父親と、幹比古の父親が行方不明になっているらしい。この二人の接点を捜す。
三日前に雫の父親が幹比古の父親と面会していたようだ。その後、二人で出て行き、行方不明になったそうだ。幹比古の家へと向かう。
うん?紫色の球体がいくつか見える。あれって…空気と同化して、近づき、記憶を読み取る。
幹比古の父親に何かが取り憑いていたようだ。そして、雫の父親にも…幹比古の父親の放った式神により、深雪が襲われ連れ去ったようだ。深雪の残留オーラは式神達が消していた。そうなると、敵は…紫色の球体を消し去っていく。
僕への供物を横取りとは、粋な計らいだな。この世界は消そうかな。
---司波深雪---
何かに埋められていく。
「おい、もったいないだろ?廃棄処分ってどういうことだ?」
誰かの声が聞こえる。
「見付かったんだ。証拠を消すのが一番だ。あの憑依した人間共も消す」
「アイツを消そうぜ!目障りだ!」
「そうだ!」
「消す?消したところで、アイツの配下が全軍来たら、お終いだぞ!ここは、有耶無耶にして、その人間共に罪を着せれば問題は無い」
「あぁ、いつだって人間が問題を起こしているしな♪」
グシャッ!
何かが潰れた音…何も感じ無くなり、身体が軽くなっていく。
「アイツを転生の門へ連れて行け。それで、証拠は消える」
目玉が無いのに、今までの人生が走馬燈に映し出されていく…
---シュウ---
こんな時に、授業だと言う。教壇に立つ僕。ついに、教室は講堂になるほど、盛況になっていた。
「今日は何を話そうかな…そうだな、ある神様の話にするか。この世界が、人間だけでなく様々な種族が共存していた頃の話だ。地上には名の無き神がいたそうだ。その神は偏屈で、自分が神だと言う事を否定して、地上の者達と接していたそうなんだ。だけど、他の神々は、地上で暮らしている神のことを、良くは思っていないかった。で、あるとき、その神の家族を人質に、自害をしろとせまったんだよ。地上の者と接していた神は、天界で暮らす神々の手では殺せなかったから」
生徒達は耳を澄ませて聞いていた。こんなたわいの無い、童話のような話なのに。
「家族を助けたい神は潔く、神々の前で首元を斬り自害をした。しかし、薄れゆく意識の前で、神々は口約束を反故にし、彼の家族を皆殺しにしてしまったんだ」
ざわめく生徒達。
「いいか、神々が尊い者だと思うな。お前達が信じられる者だけを信じろ。それが悪魔でも鬼でも構わない。命が惜しいからとか、不利になるからとかの理由で、信じる者を捨てるなよ」
「先生!行っちゃうんですか?!」
目からポロポロと涙を流している真由美が、立ち上がって訊いて来た。
「僕は何時だって、お前達の心の片隅にいる。命がけの願いは、必ず信じる神へと届くはずだ。もし、届かないのであれば、それは神では無く神族であると思え」
「先生!俺達出来る事はありますか?」
はんぞーの目には涙が溜まっているようだ。
「人間であると言うことを忘れるな。それだけで良い。大人達の勝手な言い分に、振り回されるな!お前達の信じる道を行け」
「先生!敵はなんですか?!」
真っ直ぐな視線で、達也に訊かれた。
「たぶん、人間を辞めた人間だ。大漢の流れを汲む勢力だと思う」
裏世界に溶け込み、烈や弘一のネットワークにも引っ掛からない、厄介な連中だ。大亜を壊滅したので安心していたのだが、この国の闇に潜伏していたようだ。
「ソイツらの目的は、この星の支配だと思う。人間を人間を思わない、非人道的な行為を厭わない。だから、お前達は関わるな。この星の未来はお前達に委ねたいから」
「委ねるって…先生は戻ってこないんですか?」
真由美が僕の前に進み出てきた。
「僕はこの世界にとって、いてはいけない存在である。だから、そういう事だ」
真由美が抱きついて来た。
「行かないで…」
僕の耳元で消えそうな声で伝えてきた。