※この作品はR-18です。

魔法科高校のロクでなし教師   作:もっち~!

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初めての授業

---千葉エリカ---

 

鬼と九尾の狐の兄妹…想像出来ない組み合わせである。

 

「幹比古、持って来てくれたか?」

 

達也君の言葉で、幹比古は古文書を数冊、机の上に置いた。

 

「『星の守護神』関連の物だ。俺も見たけど、敵にしちゃダメな部類だと思うぞ」

 

「どうして?」

 

ビビる幹比古に言葉で迫る達也君。

 

「相手は守護神と呼ばれた者だ。信奉者がたくさん居る。アレを敵にするって、それらも敵にするんだぞ。分かっているのか?なぁ、達也…」

 

空気の質が変わった。ドンヨリと重たい気がする。

 

「う~ん…忠告したよな、達也!死に急ぐなと♪」

 

気怠いような声のした方向へ振り返ると、先生が私の背後にいた。

 

「凄まじい破壊力の魔法持ちであっても、所詮は人間なんだよ、君はねぇ♪」

 

『マテリアル・バースト』

 

達也君は手にしたCADで、魔法を先生に撃ち込んだ。しかし、何も起きなかった。唖然とする達也君。

 

「満足か?僕に一矢報えてさぁ♪」

 

平然としている先生。

 

「くそっ!」

 

レオが手にした剣状のCADで斬り掛かった。

 

『フルカウンター』

 

吹き飛ばされ、壁に壊れるくらいの勢いで激突したレオ。先生の前には、達也君に似た男子生徒が立っていた。

 

「ネギ、付いて来たのか?」

 

「うん♪僕、師匠のガードだから♪」

 

彼も先生の弟子なのか…

 

「で、その陰陽師の卵はどうする?」

 

雪姫さんが先生の肩に寄り添っている。彼女も弟子なのか?

 

「うん?こいつは弟子では無いよ。禁酒くらいしか指導していないし」

 

読心術…九重ちゃんと同じか…

 

「九重と同じっていうより、読心術、念話術が使えない者は、連れ歩かないよ。って、いうか、気配が読めない時点で、お前達は詰んでいると思うけど」

 

私達を取り囲むように現れた先生の弟子らしき人達。

 

「どうするんだ?なぁ、達也君♪」

 

達也君が格闘術で襲い掛かった。

 

『百鬼夜行』

 

九重ちゃんが術を発動したようだ。達也君は見えない敵にボコられている。何者かに殴られ、顔にアザ…皮膚は裂け出血をし始めた。

 

「止めて下さい!」

 

美月が叫んだ。

 

「九重、止めてあげろよ」

 

「だって、お兄様に殴りかかろうとしたんだよ~」

 

先生が九重ちゃんの頭を優しく撫でると、達也君はリンチから解放され、床に倒れ込んだ。

 

「美月!願いを叶えた、供物は何だ?」

 

「えっ?供物?」

 

美月が驚いたような顔をした。

 

「おいおい、供物も無しに、願いを言ったのか?無信心な世代なのか?まぁ、いいや。達也から奪った物を供物としてもらうから♪」

 

何かを奪い取ったのか?まさか…

 

「達也君の命?」

 

「はぁ?エリカ、身体が幼児体型の上、オツムも幼児並なのか?」

 

とっても失礼な事を言う先生。

 

「出るところは出ているわよ~」

 

「はいはい。で、ソイツの命は僕があげた物だ。奪っても価値は無い」

 

命をあげた…はぁ?

 

「耳も幼児並なのか?ソイツは一度死んで、僕が蘇生したんだよ♪」

 

「…」

 

絶句すろ私、美月、幹比古。蘇生した?

 

「まぁ、そんな感じだ。僕を倒すことより、スキルアップを考えろよ♪うん、じゃな~」

 

先生と弟子達が消え去った。

 

-------

 

達也君、レオは緊急搬送され、入院となった。連絡をしたので、達也君の妹の深雪さんが病院にやってきた。

 

「お兄様はどうして…」

 

経緯を説明してあげた。

 

「あの方に?なんで、ケンカをふっかけるのかな…」

 

「それよりも、なんで、先生に憧れているんだ?」

 

疑問を訊いてみた。正体不明の冴えない男である。そんなのに憧れるって、興味がある。

 

「あの方は、私のヒーローなんです。私の願いを聞き入れてくれ、願いを叶えてくれましたから」

 

「願いって?」

 

「お兄様、お母様、穂波さんを助けて下さい。目の前の敵を消し去ってくださいって願ったんです。お兄様達は必死に戦い、命を落とされてしまいましたから…」

 

その時か、達也君が死んだのは…

 

「供物に私を差しだしたんですよ。でも、もっと良い女にならないと、供物にならないっていわれて…」

 

で、良い女になる為に頑張っているのか…供物になる為に…

 

「供物にならないって選択肢は無いのか?」

 

「無いですよ。私は、あの時に決めたのです。目の前の艦隊を一瞬で消し去り、私達を八王子の自宅まで送り届けてくれた、あの方の厚意に報いたいんです」

 

艦隊を消し去り?何時の話だ…まさか、沖縄侵攻時に大亜の艦隊が消失したアレか?達也君…相手が悪すぎると思う…

 

 

 

---シュウ---

 

リビングで教材を作っている。何人、受講するのだ?ゼロでは無いのが救いではある。と、言っても、九重とネギ、めっちん程度であるが…

 

「文字種からですか?」

 

九重が唸っている。文字系が苦手手有るから。九重は妖術系な為、イメージした物を撃ち出す感じなのだった。

 

「簡単な大系による魔法陣の違い程度はしないとな」

 

「う~ん…」

 

ネギが唸っている。ネギの場合は、『八重奏』にセットされているのを撃ち出すだけで良いので、魔法陣を特に覚えることはしなくても良い。あぁ、転移陣だけは覚えて貰わないとダメかな。

 

今日は日曜日。雪姫は、掛けた術を解除して大人化している。そして、めっちん、チェインと酒盛り中である。日曜だけは働肝日にしたいと懇願されたのだ。

 

「久しぶり~五臓六腑に浸み渡るなぁ~♪」

 

チェインが美味しそうに飲んでいる。とっても幸せそうな飲んべえトリオ。ラムレムがツマミを作り、飲まない組はおやつ代わりに食べているし。

 

「シュウ、枝豆よ!」

 

ラムがてんこ持ちの枝豆を茹でて持って来てくれた。

 

「サンキュー、ラム♪」

 

誉められて嬉しそうなラム。平和が一番だよな~。

 

 

 

---七草真由美---

 

日曜日の生徒会室。新学期の行事の計画を、生徒会として立案しているのだ。でも、十文字君が凹んでいる。師族会議中に、魔力をロストしたそうだ。先生にケンカなんか売るから。

 

「ソイツは何者なんですか?」

 

はんぞー君に訊かれた。

 

「一高の教師よ。頼むからケンカを売らないでね」

 

「教師?十文字先輩を凹ませるくらい強いんですか?」

 

彼の魔力ロストの件は、私しか知らない。その事実は混乱を招くから。そう、魔法師の学校の教師が魔力を奪えるなんて、洒落にならない。

 

「強いわよ。昨日も、ケンカを売った生徒を、二名病院送りにしているわ。警告したのに…今年の新入生は血の気が多いのかしらね?」

 

「専門分野は?」

 

「古式魔法よ」

 

女体調教なんて、言え無い…

 

「古式魔法師ですか。お手合わせしてもらおうかな?」

 

「はんぞー君!洒落にならないことを言わないでね。CAD無しだから、オーバースペックを撃ち込まれるわよ」

 

学生仕様のCADは、安全装置で危険なレベル、所謂オーバースペックには、ならないようにしてある。

 

「接近戦は?」

 

「瞬動術が使えるみたいよ」

 

瞬間に移動出来るスキルだそうだ。短距離なら、この方が瞬時に移動でき便利だと言う。

 

「会長、詳しいですね」

 

「新任の先生とは面談済みですからね」

 

躾、調教済みとは言いたく無い。結局、摩利も供物の一部となり、私、響子さんと共に躾と調教をされている。九島老師の意向は、ほぼ絶対なのだった。

 

「代理の校長が九島老師とは驚きですよね」

 

って、あーちゃん。

 

「確かにそうね。表舞台には出ない方だと思っていたのに」

 

総てはあの爺のせいで始まった。大量のジェネレーターを引き連れて、先生に戦いを挑んだ末に惨敗…星を人質に取られ、やりたい放題されているし。

 

「新入生の部活への勧誘戦争が最初のヤマ場ね」

 

強引な勧誘が毎年問題になっている。校内ではCADの使用を制限しているが、中には悪用する者達が出てくるのだ。男ばかりの部に女性を引き込む為、抵抗出来無いようにして…犯罪である。

 

「戦力が足りないわね…十文字君がこれでは…」

 

生徒会の見回り要員は、それなりの強者で無いと、相手を制圧できない。

 

「真由美、先生に頼んだら?」

 

って、摩利。

 

「死者が出ちゃうって…」

 

「そうだよね…先生の弟子達は?」

 

「先生以外の指示はスルーするから、先生よりタチが悪いわよ」

 

「七草先輩!俺にまかせてくださいよ」

 

教師推薦枠で生徒会入りした、新入生の森崎君が名乗りを上げた。『早撃ち』の二つ名を持つ、優秀な一科生である。差別思想さえなければ…

 

「はんぞー君、彼の暴走には気を付けてね」

 

「はい…」

 

 

 

---シュウ---

 

月曜日…午後から選択科目である。指定された教室に、教材と共に待つ…ネギと九重とめっちん、明日奈、アスナが現れた。これだけか…家でやっても支障が無い気がする。

 

「先生!私達も受けます♪」

 

エリカと美月が教室に入ってきた。

 

「間に合いましたか?」

 

深雪が雫とほのかを連れて来た。

 

「無茶しないように監視役です」

 

って、真由美とあーちゃんが入って来た。そこそこ集まったかな。

 

「じゃ、始めようか…九重、教材を配ってくれ」

 

「はい、お兄様♪」

 

萌え系の妹を使いぱしりに使う。

 

「今日は文字についてだ。どんな文字を知っている?」

 

弟子達には質問しないように言ってある。知っていて当然のことだから。

 

「英語とかフランス語ってことか?」

 

エリカが声を上げた。

 

「それは人間の言葉だから違う。っていうか古式魔法術の授業だぞ!英語は有り得るとしてフランス語はどうかな…って、人間の言葉は、魔法大系の進化形である」

 

「なんで?」

 

エリカしか質問しない。

 

「例えば、エルフを考えてみろよ。この国にはいない種族だ。でも、エルフの魔法大系はある。コイツらは詠唱系であるから、流暢な言葉で歌い上げるように唱えるんだよ」

 

「なるほど…」

 

美月が頷いて聞いている。

 

「現代魔法師の場合は数式主体だろ?CADに組み込む呪文と呼ばれる物は、プログラミングに近いからな」

 

「魔法大系が分かれる背景には、言葉の問題があるんだ。例えば、エリカ、エスペランド語を呼んでみろ」

 

教材に短文を掲載してある。エリカはローマ時読みで対応した。まぁ、そこそこではある。

 

「意味は?」

 

「わかりません」

 

「読めても意味が分からないと、呪文は作動しないんだよ」

 

「先生はどのくらいの言葉が分かるのですか?」

 

雫から質問をされた。

 

「聖魔光闇禁神系はほぼ総て分かる」

 

現代魔法師では光系統しか再現出来無いらしい。

 

「現代魔法師との違いは、そこですか?」

 

ほのかが質問をしてきた。

 

「そうだな。物理化学で現象メカニズムがわからないと、現代魔法師の魔法にはならない。だから、聖魔闇禁神に関しては、物理化学では証明もメカニズムも判明していないので、再現が出来無いことになる」

 

「禁ってなんですか?」

 

深雪が訊いてきた。

 

「禁断の魔術と言う禁術系のことだ。これに関しては文字は存在しない。口伝での伝授であるから」

 

「文字が無いのに、術式に書けるのですか?」

 

「あぁ、文字が無いから、口伝を受けた者が文字に置き換えるんだよ。古来、サンスクリット語の教典を貰って来た仏教の高僧達もそうやって、教典を作っている。頭にある南無という文字が共通なのは、そこだけ共通に聞き取れたに過ぎない。だから口伝系は、同じ術でも何通りも術式が存在するんだよ」

 

------

 

一日目から、結構働いたと思う。2時間なんか、あっという間である。

 

「先生♪先生のお部屋で、質問しても良いでしょか?」

 

恥ずかしそうに深雪が訊いてきた。

 

「先生、女生徒と二人っきりはダメですよ。私も付いて行きます」

 

って…真由美…

 

「信用が無いのか?」

 

「有ると思っているんですか?」

 

心外だ…深雪には手を出さないと思う…既に二人いるし。

 

そして、僕の部屋…『古式魔法研究室』に、弟子以外の生徒達が集まってきた。調教道具はしまってあるので、見付からないはずだ♪

 

「研究室って言う割りには殺風景だな」

 

って、エリカ。本棚には本が無い。机の上には書類も無い。天蓋付きのダブルベッドが目立つように置かれている。

 

「で、このベッドは何?女生徒を連れ込んで…まさか…」

 

「まさか…僕の昼寝用だよ。連れ込むって心外だな…そんなマネを妹が許すと思うか?」

 

「そうですよ、お兄様♪許しませんよ~。こんなにかわいい妹がいるのに、違う女性を連れ込むって、どうなんですか?!」

 

笑顔で怒りのオーラ…スルーしておこう…

 

「で、深雪、質問って何だ?」

 

「あの時、何をされたんですか?」

 

「深雪、何かをされたのか?」

 

雫が深雪に問うた。

 

「私がされたのでは無いです。私は助けてもらった。先生に…」

 

大亜の艦船相手にか…

 

「『ダイヤモンドダスト』を撃ち込んでからの『地獄の業火』だけど…」

 

「それはどう言った魔法ですか?」

 

魔法の説明か?う~ん…現代魔法では再現出来無いと思うけど…

 

「ダイヤモンドの微粒子を光速で撃ち出して、艦船を破壊して、地獄の炎地獄で使われている業火で焼き尽くしただけだよ」

 

これを再現するには、創造系が無ければ出来無い。いや、人工的に光速で撃ち出せないから、無理だな。

 

「先生って地獄を知っているんですか?」

 

美月に訊かれた。正体がモロバレになるんですが…

 

「行く?」

 

「はぁい?」

 

目が点になる生徒達。まぁ、普通そうだよなぁ。好き好んで地獄へ行き人間はいないはずだ。

 

「行けるんですか?」

 

「確か、出入り禁止にはなっていないから…」

 

この前、解除されたはずだ…

 

「地獄に出禁って、何?」

 

って、あーちゃん。生徒達と地獄へ転移した。

 

--------

 

生徒達は身震いして、しゃがみ込んでいる。殺意のオーラに飲み込まれたかな?生徒達を結界でガードして、オーラから護って上げる。

 

「ここが炎地獄の最前線だよ」

 

目の前で、全身を紫の炎で燃やされている罪人達。

 

「って、ここって…地獄…」

 

震えているエリカに訊かれた。

 

「そうだよ。今回は特別に社会科見学だな」

 

いろいろなアトラクションに連れて行き、説明をしていく。

 

「ここが有名な針山地獄だ。あっちに見える池みたいなのが血の池地獄だよ」

 

生徒達は無口で周囲を見ている。血の臭いが立ち込めている。

 

「体調でも悪いのか?じゃ、気分転換で、ここと対称的な場所も見ておくか?」

 

生徒達と転移した。今度は、湖のある草原である。

 

「まさか…ここって…」

 

真由美が固まっている。深雪と雫もだ。この風景を知っているのか?

 

「まさか、エデンの園?」

 

「真由美、正解だよ。ここでの昼寝は最高なんだよ~♪」

 

唖然としている生徒達。

 

「今日は、やたらに大勢連れ込みましたね」

 

大天使であるミカエルがやって来て、声を掛けてきた。

 

「今回は、違うって。生徒達と社会科見学だよ」

 

「いいですね。見つけ次第、出禁ですからね。まったく、コリてくださいよ」

 

ミカエルが苦笑いしている。一応、毎回、反省はしているんだけね。

 

 

 

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