冒険のはじまり
今日も刀剣術の修行を終え、かいている汗をタオルで拭く。ミアは隣でへたり込んでいる。なでなでしてあげよう。
「なぁ親父」
俺に似た黒髪黒目の親父に問いかける いや、俺が親父に似たのか
「なんだ?」
「俺、冒険者になりたい」
「・・・理由を聞こうか」
「世界を見て周りたいからだ」
「はぁ?」
「いろんなところに行ってみたいんだ」
親父は頭を抱えている。
「急にどうしたというのだ・・・貴様が刀剣術の訓練を初めたのが5歳の頃・・・今はもう12歳だ。騎士学校への入学まで時間もない。昔から騎士になりたいというから訓練を積ませてきたというのに・・・」
すまんな
「世界を見て周りたい、などという理由で認める訳にはいかんな。貴様のその才能は騎士団でこそ輝く。・・・リリアーヌから魔法も教わっていたな。魔法剣士というのは夢物語だと思っていたが・・・どうしてか貴様はどちらも天賦の才がある。栄光を約束されているようなものだ。そんな貴様を、冒険者などという明日もわからんものになることを認めることなどできん」
親父も傭兵だったくせに
「それに貴様には俺の夢を継いでほしいと思っている。貴様の兄達と同じく、騎士団で活躍する姿が見たいのだ」
「そうか・・・」
そうだよな・・・だが、本音を言う訳にはいかない。ミアと離れたくないからだ、などと言えば腑抜けていると一喝されてしまうだけだろう。
「・・・俺が王都の騎士学校に入る時、ミアはどうするんだ?」
「ミアは家の娘だ。俺が家で愛でるに決まっているだろう」
「・・・連れていってはダメか?」
「ダメだな。前に教えた通り、王都は人族至上主義者が多い。獣人のこの子には辛いだろう」
・・・そうだよなぁ
騎士学校へは3年間通わなければならない。
ディレスの領地から王都へはあまりにも距離が遠い。向こうの寮にでも入るのだろうが・・・3年もミアと離れるのか。
親父は一度言ったらテコでも動かないのは知っている。それに親父を納得させる言い訳も思いつかない。こりゃ、逃げ出すしかないかもなぁ・・・
次の日
「アルバート、魔法の訓練を始めますよ」
起きたばかりの俺が顔を洗っているとお袋が声をかけてくる
「今日も寒いから温かい恰好をして外に出てくるのですよ」
ころころと笑うお袋を見つめる。
"リリアーヌ・ディレス"
20年前の戦争において父を亡くし、15歳の頃に親父と結婚した生粋の貴族だ。
魔法の才能があり、火 風 治癒の3つの属性に適性がある。俺の火魔法とミアの風魔法、そして治癒魔法は彼女の指導で覚醒したのだ。とても子供を3人生んだ35の女には見えないくらい若々しく、年齢を聞かなければ20代前半くらいだと思ってしまうだろう。金髪碧眼の美女だ。胸はHカップ、今日も素晴らしいです。
「あらぁ?アルバート、どうしたのですか母の胸をそんなに見つめて・・・母のおっぱいが恋しくなりましたか?」
熱を込めた視線で俺を誘惑するように見つめるお袋
俺は3兄弟の末弟だ。上の兄二人はお袋譲りの金髪碧眼、俺は親父似の黒髪黒目だ。俺は親父に似ているから、若干倒錯的な思いを抱いてるのだとか・・・まさか近親相姦を望んでいる訳ではあるまいな・・・
俺が風呂に入っている時、お袋はたまに突撃してきて「お互いの体を流しましょう」と誘ってくるのだ。「母と子なら普通ですよ」とお袋は言うが・・・何もこの年になってまでやるものでもないと思う・・・
「とんでもございません母様、今日もお美しいですね」
「うふふ、世辞もうまくりましたね。別にいつも通り"お袋"で結構よ」
さいですか
「ミアを連れてらっしゃい」
そういえばミアは何処に?
「自室でしょう?あの子朝弱いから」
なるほどな
お袋から視線をきってミアの部屋へ歩いていく。
「うふふ、今日も私のアルはかわいいわ・・・母が筆おろしをしてあげるのはダメなのかしら・・・?」
ダメにきまってるだろ
ミアの自室へ向かい、扉をノックする
「ミア、起きてるか?」
返事はない
まだ寝ているのだろうか
「ミア、入るぞ」
扉を開けてミアの部屋を見てみる。かわいいぬいぐるみや物で一杯の部屋だ。決してミアがねだっている訳ではない、親父やお袋が勝手に買ってくるのだ。・・・俺よりミアのほうが愛されてないか?
「ミア、起きろよ」
ミアはベッドの上で布団に包まっている 布団を剥がすと彼女は下着姿だった
「んみゅ・・・」
かわいい。体をゆするとミアが俺の手を掴む
「ありゅばーとぉ、だめだよぉ えっちはまだはやいよぉ。でもきしゅなら・・・いいよぉ」
どうやら寝ぼけているらしい
ミアに優しくキスをする
「ん・・・ぷはぁ。ゆめなのにきもちぃ。ありゅ・・・しゅきぃ」
「俺も大好きだぞ」
「へ!?・・・アル!?」
ミアが跳び起きた
「よう、おはよう」
「あ、あ、あ」
「壊れた人形の真似か?」
「あぅ・・・」
いいからさっさと服を着ろ。襲ってしまうぞ
服を着て顔を真っ赤にしたミアを連れて外に向かう
「違う・・・私は・・・寝ぼけて・・・死なせて」
隣にいる少女が呪詛を唱えるようにぶつぶつと何かを言っている。
外に出た俺たちはお袋の指導の下、魔力を練る練習を始める
「二人とも、随分と上達しましたね。いいですか?今まで何度も言ってきましたが、魔法使いは魔力を属性魔力に変換する速度がキモです。魔力を練るには多大な集中力を必要としますので、基本的には足を止めることになるでしょう。中には動きながら魔力を練れる者も過去にはいたそうですが・・・私は見たことがありませんね」
何度も聞いたさ
「ですので、魔法を使う場合には魔力を練る時間の分だけ隙だらけになってしまうのです。そこで如何にこの時間を短くできるかが魔法使いの力量として直結してきます」
そうだろうな。足をとめるということは、隙をさらすことと同義だ。意識もかなりの割合を割かなければ魔力を練れない。魔力を練るのに時間がかかれば、それだけ無防備な時間が長いということになる。
「そしてもう1つ。魔法使いに必要なのはイメージ力です。練った魔力で何をしたいのか、どのような現象を起こすのか、それをしっかりイメージできないと魔法はうまく発動しません。あやふやなまま使えば練った魔力が暴走を引き起こし、最悪の場合は体の内側から破裂してしまうことでしょう」
練った魔力"燃料"をもとにどのような現象を引きおこすのか、しっかりとイメージをする必要がある。例えば火魔法なんかはわかりやすい。まず自分の魔力を火属性の魔力に変換する。・・・今の俺だと、どんな小さい現象を起こそうとしても1分はかかるが。
そこからが魔法の発動となる。
手から火炎を出したりする場合には"燃料"を垂れ流しにするイメージ。火の玉を相手に向かってとばす場合には、手元に"燃料"を集め、形成してから自分の魔力で撃ち出すイメージ。この2つが基本的な魔法の使い方だ。
応用として、指定した地点まで"燃料"を流し、地面から火を噴きあげたり、空中で爆発を起こしたりなんてこともできる。
これは非常に強力だ。相手にとってみたら、いきなり地面から火柱が吹き上げたり、いきなり爆発に巻き込まれるわけだ。奇襲でこれをされたら、成すすべもなく死んでしまうだろうな。
その分魔力消費も凄いし、発動にも時間がかかる。使える魔法使いはほとんどいないという。
ちなみに魔法は詠唱をしなくとも使える。
この現象を引き起こすときはこれ!っと名前をつけ、口に出すことでイメージがより固まり、効率は上がるが・・・
俺なら火の玉を打ち出す場合には「ファイヤーボール」手から炎を出すときは「ブレイズ」などと名前を付けている。
「魔力の変換はうまくいきましたね。それでは、あのかかしに向かって魔法を打ち出してみなさいな」
「ファイヤーボール!」「・・・ウィンドカッター」
俺が撃ち出した火の玉がかかしを焼き、ミアの風の刃がカカシを真っ二つにする。・・・風のほうが使い勝手よさそうだなぁ。
「よくできました!」
俺はお袋の声に気を抜くと、どっと疲れが押し寄せて膝をついてしまう。
ミアは立っているが、冷や汗を流している。
魔力はもちろん有限だ。一晩寝れば回復するが、戦闘中に回復することはまずないだろう。魔力保有量は魔力を使っただけ僅かずつだが伸びるため、こうして訓練もかねて毎日使っているというわけだ。
「う~ん、あと一回使えるかどうかってとこですね・・・まぁ気絶しなくなっただけでも上々です。子供の頃から鍛えている熟練の魔法使いでも、一度使えば打ち止めなのですから。その域を既に超えている2人は、やっぱり天才ですね!」
お袋が嬉しそうに笑う。ちなみに魔法に関してはミアのほうが俺より更に才能があるそうだ。ミアより小さい頃から訓練している俺より、まだ余裕がある所を見れば確かにそうだ。
「今日はここまでにしましょうか」
アルバート・ディレス 12歳 身長 157cm
スキル:刀剣術:6 火魔法:3 雷魔法:3 治癒魔法:2
装備 :上質な鋼の刀
ミア 12歳 身長 155cm Bカップ
スキル:刀剣術:4 風魔法:3 氷魔法:3 治癒魔法:3
装備 :上質な鉄の忍者刀×2
冒険開始ならず・・・