野営の準備をしながらミアのお叱りを受ける。
「やっぱり嘘だった」
すまん
「許可を貰ったって言ってた」
仕方がなかったんだよ
「今からでも帰って・・・んむ!?」
唇を奪う
「・・・あぅ、キスで誤魔化そうとしてもだめ」
くそ、知恵をつけたか!
「すごくむかつく」
冗談だよ
「今更帰るなんて無しだぜ、それに馬がいないからどっちにしても今日は無理だ」
あの後、俺的には格好よく屋敷を出てきたはずだったのだが馬で駆けること2時間、元々乗馬の経験も大してないのに乗っていたのだ。
慣れない乗馬に疲れ、森の中で休憩していた所でモンスターの襲撃にあったのだ。
ヒュンっと音と共に矢が近くの木に刺さる。
慌ててミアを掴んで木の後ろのに隠れ、矢が飛んできた方向を確認する。ゴブリン4体がこちらを見て笑っていた。
錆びついた剣を持ったゴブリンが2体、ボウガンを持ったゴブリンが2体。
どうしたものかと考えていると、ボウガンを持ったゴブリンが留めていた馬に向かって引き金を引いたのだ。
どうすることもできず、馬は悲しそうに嘶きながら倒れこむ。
くそ、家の馬が馬肉にされちまった!
「ミア、ボウガンが厄介だ。まずはあちらを片付ける。なあに、たかがEランクのモンスターだ。俺は右のやつを、ミアは左を。いけるか?」
「当然」
「よし、じゃあ俺の合図で飛び出すぞ!」
近くにあった石を明後日の方向に投げる。
音に誘われたゴブリンが一斉にそちらを見る。
「いくぞ!」
はじかれるように飛び出した俺達は、それぞれゴブリンに向かって接近する。
「ふんっ!」「ッシ!」
俺は刀で右のゴブリンの首を撥ねる。ミアも忍者刀2本をそれぞれ逆手に持ち、左のゴブリンの首を挟み込むように斬りつけ撥ねる。
俺は当然としても、ミアの太刀筋も見事なものだ。
そのまま流れるように錆びた剣を持ったゴブリン2体に接近する
「グギャ!グギャギャギャ!」
何を言ってるのかわからんよ
「そらっ!」「ふっ!」
俺はゴブリンが振り下ろしてくる剣ごとゴブリンの体を両断する。ミアは振り下ろされた剣を左手の忍者刀で受け流し、残った右腕の忍者刀でゴブリンの首を斬りつける。
ミアもうまいもんだな
ゴブリンの血で汚れた刃を布で拭きつつ、荷物を回収に向かう
馬の前で手を合わせる
すまなかったな。
ミアも隣で手を合わせている。目元には涙が見えた。優しい子だな。
日も傾きかけた頃、野営の準備を終えると、先程死んでしまった馬の馬肉を使ったスープをミアが作ってくれる。彼女は涙を流しながら馬肉を調理していた。
「少しの間でも一緒に居た、形は残らないけど・・・連れていってあげたい」
そうだな・・・
そういえばミアは屋敷の料理長に習っていたため料理が結構うまい。
「・・・アルに食べてほしくて勉強した。アルと離れ離れになっても・・・メイドとして雇ってもらおうと思って・・・」
愛しすぎて涙が出そうだ。ミアを抱きしめてしまおう
「あぅ・・・」
飯を食って寝るまでの時間は鍛錬に使う。
「ふっ!」
今日も俺は刀を振るう。場所など関係ない、刀剣術を極めるまで、俺はこの日課を欠かさないつもりだ。
隣で魔力を練る練習をしていたはずのミアが訊ねてくる。
「・・・アルは、どうして私を連れ出したの?」
ん?
「アルは強い。一人でも冒険者になることは出来たはず」
それはまぁ確かに
「何故・・・私なの?」
「お前と離れたくなかったからだ」
ミアはぼんっと顔を赤くする
「・・・それは聞いた。私はアルと一緒に居られて嬉しい。私はアルが好き。アルは私のことを好きだと言ってくれる」
そうだな
「好きなもの同士だから、一緒にいるの?」
そうだろう?
「・・・私たちの関係って、何?」
む・・・
「友達? 家族? 兄妹? それとも・・・恋人?」
・・・確かに、はっきりと伝えたことがなかったかもしれない
俺は珍しく緊張しながらミアに答える
「俺は・・・ミア、お前が好きだ。家族ってだけじゃない、一人の女の子として・・・ミアのことが好きだ。よければ、恋人になってほしい」
ミアは全身を真っ赤にしている・・・俺もきっと真っ赤になっているんだろう
「・・・嬉しい。私も、アルのことが・・・アルバートのことが一人の男の子として好き。私を・・・アルの恋人にして下さい」
想いが通じ合っていると思い込んで、大切なことを忘れていた。
「ん・・・」
ミアと口づけをする
この日俺達は、恋人となった。
アルバート・ディレス 12歳 身長 157cm
スキル:刀剣術:6 火魔法:3 雷魔法:3 治癒魔法:2
装備 :上質な鋼の刀
所持品:銀貨50枚
ミア 12歳 身長 155cm Bカップ
スキル:刀剣術:4 風魔法:3 氷魔法:3 治癒魔法:3
装備 :上質な鉄の忍者刀×2
所持品:銀貨100枚
今まで恋人じゃなかったなんて信じられない