※この作品はR-18です。

没落貴族の三男坊が冒険者になった訳   作:フリーデン

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デート回です。無駄に長くなってしまいました。



冒険のはじまり 8

「ミア、デートにいくぞ」

 

「・・・え?」

 

朝食を摂った俺達は部屋戻ってきていた。

 

ちなみに朝食はうまかった

 

「二人で街へ出て買い物にいくんだ、これはデートだろう?」

 

「あぅ・・・」

 

ミアは赤くなって俯いてしまった。ああ、可愛いよミア

 

「お、おめかししなくちゃ・・・」

 

ミアはうろうろしている。いや、旅用の服と寝間着以外持ってきてないだろう・・・

 

 

「でかい街だけあって、結構人がいるもんだなぁ」

 

ミアとはぐれないように手を繋いで街を散策する。

 

先程、「先に下に降りていて」と言われたのでしっぽ亭の外で待っていたのだが、降りてきたミアはとても可愛かった。

 

出会った時のミアは肩くらいまでの髪の長さだったが、今では背中の途中くらいまで伸びている。その髪を左右で三つ編みにして体の前に持ってきていたのだ。

 

ミアが髪を縛っているのなんて初めて見たな・・・

 

新鮮さも相まって非常にかわいい。今度から出かけるときはお願いしてみようか・・・

 

「アル・・・どう?」

 

「無茶苦茶かわいいじゃないか!ミア!あぁ、できることならこの姿を永遠に切り取っておきたいくらいだ!」

 

「そう、よかった」

 

素っ気無く答えるミアだが顔は満面の笑みだ。

 

 

「まずは防具でも買おうか」

 

「ん、それがいい」

 

意見が一致したので防具屋を探す。

 

「アル・・・あれ」

 

ミアが指で示した方向を見ると鎧のマークの看板が見える。

 

「おお、あれっぽいな、さっそく行ってみようぜ」

 

「ん」

 

ミアの手を引き看板の方へ向かって行く。うん、確かに防具屋っぽいな

 

「おう、いらっしゃい!って子供か・・・冷やかしなら帰ってくれよ」

 

俺達は登録証を見せる

 

「冒険者だよ、防具を持ってないもんで見に来たんだ。色々教えてくれると助かる」

 

「ありゃ、冒険者か。いや、悪かった!・・・金はあるのか?」

 

「それなりに」

 

「じゃあお客様だな!・・・希望はあるか?金属鎧と革鎧があるが・・・坊主たちは子供だから革製のほうをオススメするぜ」

 

「そうだな、俺とこいつはどちらも軽戦士って感じだ。あまり動きを阻害しないものがいいな」

 

「だろうな、じゃあこれなんてどうだ」

 

出してきたのは黒い革鎧のセットだ。

 

「こいつはCランクモンスター[変異リザードマン]の革を使ったものだ。普通のリザードマンは青色だったり緑色なんだが、変異種は黒色でな。かっこいいだろう?他のリザードマンと同じくCランクに指定されちゃいるが正直、強さはBランク級だ。軽いが生半可な刃物は通さないし特に打撃に強い。まぁその分値段も張るがね」

 

「お、黒は俺も好きだ。試着してみてもいいか?」

 

「構わんよ」

 

二人で革鎧を試着する。胴、籠手、足、と着こんでいく。

 

「籠手が少し重いな」

 

「中に鉄板を仕込んである、ガードにも多少使えるようにな」

 

なるほどな

 

ふむ、余り重さを感じないし籠手の重さもそこまで気にならない。

 

少しサイズが合わないが

 

「ミア、どうだ?」

 

「・・・悪くない。サイズもぴったり」

 

「嬢ちゃんのほうは女性用だからな、嬢ちゃんはまだ幼いように見えるが身長は他の女冒険者とそう変わらんだろう」

 

確かにな

 

「俺の方は少しでかいな。サイズを直せるか?」

 

「勿論だ、買ってくれるならサービスするぜ」

 

「いくらだ」

 

「1セット銀貨30枚だ」

 

結構するな・・・

 

「気に入ったが1セットしか買えそうもない、もう少し安い物を「アル」なんだ?」

 

「私、お金持ってる」

 

え、そんな持ってるの?

 

「銀貨100枚持ってる」

 

・・・俺の倍持ってるじゃねーか

 

「おじさん、これ」

 

ミアは革袋から銀貨を60枚出すと防具屋の親父に渡してしまう。

 

「あいよ!毎度あり!」

 

「おい、ミア!自分の分くらいは自分で出せるぞ!」

 

「いい。アルが冒険者になったお祝い。それにアルの黒髪黒目にはその防具がよく似合う。私が着てほしい」

 

ぐぬぬ!

 

「はっは!坊主の負けだ!いい嬢ちゃんじゃねーか!正直払えるとは思っていなかったがいい商売が出来た!サービスにその防具の補修やらはこれからタダでやってやるよ!」

 

じゃあなんでこれ出してきたんだよ!

 

「いい物を見せて客の懐の探りを入れていくのは商売の基本だろう?」

 

そんなもんか

 

「本当にいいのか?」

 

「いい」

 

「俺だって自分の分は出せるんだぞ?」

 

「私がアルにプレゼントしたい」

 

一度言い出したらミアはなかなか引き下がらない。誰に似たんだが・・・

 

「わかった。ミア、ありがとうな。正直この防具気に入ってたから、すっげぇ嬉しいよ!」

 

「ん」

 

「ミアもよく似合ってるぞ」

 

「ありがとう」

 

いきなり彼女に奢られてしまった、なんとも格好がつかない。

 

今日のデートは、これからは俺が全部お金を出そう。

 

 

俺とミアの防具を防具屋に預けて街の散策を開始する。

 

俺の防具の仕立て直しは夕方には終わるそうだ。そのタイミングでミアの防具も引き取ることにした。

 

「それじゃ次は・・・武器はあるし防具も買った。野営用の備品もあるしポーションもある・・・後なんだ?」

 

「服」

 

「あぁ、服がなかったか。それじゃ服を見に行こう」

 

「ん」

 

ミアの犬耳はぴこぴこ動いている。服・・・欲しかったんだな。

 

「ようこそキーナショップへ!あら、可愛いらしい子達・・・お買い物かな?」

 

どちらかというと女性向けでちょっと値段が高そうな服屋へやってきた。

 

「服を見にきた」

 

珍しくミアが答える

 

「奥方様とよく服は見に行っていた」

 

なるほどな

 

「あら手なんか繋いじゃってかわいい!恋人さんなのかな?」

 

「彼は私の男」

 

「まぁまぁまぁ!それじゃ彼氏さんの為にもかわいい服を着なきゃね!」

 

「ん」

 

「それじゃ見にいきましょうか!」

 

ミアが店員に連れていかれるように中へ入っていく。

 

「アル、少し待ってて。後で選んだ服を見てもらいたい」

 

「りょーかいだ」

 

俺も代えのパンツぐらいは買っておくか・・・っと店を見て周っていると一人の女性が近づいてくる。

 

「ようこそキーナショップへ。私は店の主人のキーナと申します」

 

「アルバートだ、よろしく」

 

話しかけてきたのは30前半くらいだろうか・・・人族の女性だ。黒髪に茶色の眼をした綺麗な女の人で・・・胸は、まぁそれなりだな。

 

「先程とてもかわいい獣人の女の子と入ってきたのが見えまして」

 

成程な

 

「失礼ですが彼女はアルバートさんのこれで?」

 

小指を立てて聞いてくる。なかなか茶目っ気のある人みたいだ。

 

「ああ、ミアっていうんだが俺の恋人だ」

 

まぁまぁと言いながら頬に手を当てている。

 

「あ、そうだキーナさん。少し相談が」

 

「はい?何か?」

 

俺は銀貨30枚を取り出してキーナさんに渡す。

 

「これは・・・?」

 

少し驚いてるようだ。まぁ子供がぽんっと出せるような金額でない

 

「ミアの服の支払いはそれで頼む。何着でもいいからミアに服を見繕ってやってほしいんだ。彼女には普段、迷惑をかけているからな・・・」

 

俺の話を聞いていたキーナさんがわかりましたと笑顔で答えてくれる

 

「ミアさんは幸せ者ですね。こんなに想ってくれる彼氏さんがいて。・・・よく見たらアルバートさん、もの凄く顔が整ってるわ・・・私があと10歳若かったら・・・」

 

途中から何かぶつぶつと言っていたが全部聞こえている。なんかお袋みたいだな・・・

 

余ったお金は後でお返ししますね~っと言いながらキーナさんはミアがいる方へ歩いていく。

 

俺は更に店内を見て周ると今度はアクセサリーの置いてあるコーナーに差し掛かる。

 

ふむ、俺からもミアに直接プレゼントがしたいな

 

考えながら見ているとピンク色の宝石がついたネックレスに目が止まる。

 

大粒のそれはハート型に加工されており、俺が見ても一目でいい宝石だとわかる。値段は金貨1枚=銀貨10枚だ。思ったより安い

 

これをプレゼントしよう

 

そう思って手に取り、カウンターの方へ歩いていく。

 

「あれ?アルバートさん、ミアさんはまだ服を決めかねているようですよ?」

 

キーナさんがカウンターに戻っていた。

 

「いや、それとは別にこれを買いたい。ミアへのプレゼントだ」

 

先程のネックレスをキーナさんに見せる

 

「これは・・・いや、本当にいい男ですね、アルバートさんは」

 

相手が私だったらイチコロですよ!っとキーナさんは自分のことのように嬉しそうだ。

 

 

「アル、待たせてごめん。これの中から選んで欲しい」

 

ミアに呼ばれた俺は彼女のファッションショーに付き合っていく。

 

白のワンピース、青色のドレスなど計6着くらいを順に着ていくがどれも良くミアに似合っている。

 

「全部似合っていて甲乙つけ難いな・・・あえて言うなら白のワンピースが俺は好きだな。ミアの銀髪と揃ってとても清楚で可愛く見える」

 

今の髪型と合わせると破壊力抜群だ。まるで深窓の令嬢のように見える。

 

「わかった。じゃあこのワンピースを「いや、全部買おう」・・・高い」

 

足りるよな?っとキーナさんの方へ向くと大きく手で丸を作ってくれる。

 

「俺がプレゼントする。ミアにはいつも世話になってるしな。こんな時くらい恰好をつけさせてくれ」

 

「・・・アルは何時だって格好いい」

 

ありがとうな

 

「代わりにお願いだ。今日はその白いワンピースを着てくれ」

 

「わかった」

 

早速白のワンピースに着替えたミアと店の外に出る。

 

ミアの服や下着・・・さっきのネックレスも含めて計銀貨27枚だった。

 

ちなみに俺の下着や鎧の下に着る服も値段の中に含まれている。

 

かなりの出費だが後悔はしていない。彼女のかわいい姿が見られるならこれくらい安いものだろう。

 

ミアは俯いてしまっていた。

 

「あぅ・・・やっぱり高かった。ごめんなさい」

 

何を謝ることがあるというのだろうか

 

「謝る必要なんてないぞ、俺がお前に着て欲しかった服だ」

 

「それでも・・・まだ冒険者でどれだけ稼げるかはわからない。冒険の役に立たない服を私なんかの為に・「ミア」・・」

 

「喜んでくれよ、それに役に立たないなんてことはない。お前が可愛い恰好をしてくれれば、お前が喜んでくれれば俺はそれだけで頑張れるんだ。1にミア 2にミアで 3に冒険くらいだ。後、なんかって言うな。俺はお前が一番大切なんだ」

 

ミアは俯いているが顔を赤くしているようだ。よし、後一押しだな

 

「そうだミア、これをつけてくれないか?」

 

可愛らしい装飾のついた箱をミアに渡す。

 

「これは・・・?」

 

「開けてみてくれ」

 

ミアが箱を開けると先程買ったネックレスが入っている。光に反射してピンク色をしたハート型の宝石がきらきらと輝いていた。

 

「お前に似合うと思って俺が選んだ、ミアが俺の恋人になってくれた記念だ。是非つけてほしい」

 

ミアは俯いたままだ・・・気にいらなかっただろうか

 

「うぅ・・・」

 

ミアの眼から涙が見えた。泣くほど気に入らなかったのか!

 

「アル、ありがとう!」

 

ミアが抱き着いてくる。これは・・・

 

「・・・気に入ってくれたか?」

 

「うん・・・うん!凄く綺麗だよぉ!アルが私の為に選んでくれたのが嬉しいよぉ!」

 

更にぎゅっと抱き着いてくる。あぁ、一時はどうなること思ったぞ。

 

「ならよかった。・・・ほら泣いてたら何時までたってもつけれないぞ」

 

「うぅぅ・・・アルつけてほしい」

 

俺からすっと離れて目を赤くしながら だめ?っと可愛らしく聞いてくる。

 

ダメなはずもなかろう

 

「いいぞ」

 

ミアの首にネックレスをつける。

 

ミアの胸元でハート型の宝石が先程よりもきらきらと輝いている気がした。

 

「よく似合ってるぞ」

 

「・・・えへへ。アル、ありがとう!」

 

俺の最愛の恋人は、その日一番の笑顔を俺に見せてくれた。

 

 

その後ミアはずっと俺の腕を離さなかった。

 

昼食を食べるのにそれなりにいい所を選んで入ったが、「隣に座りたい」とミアが言うので了承した。周りの視線が痛かった。

 

まぁ俺達は子供なので微笑ましい感じで見られていたのだが

 

ちなみに昼食は銀貨1枚だ。もの凄く旨かった

 

更にご機嫌になったミアを連れて街を巡る。何度も胸元の宝石を見ては「・・・えへへ」と喜んでいた。

 

プレゼントしてよかったなぁと思いながら歩いていると、かなりの視線が俺達へ向けられていたことに気づいた。俺達というか、ミアだ。

 

「何あの子かわいい!あんなかわいい子この街にいたんだぁ」

 

「いいお洋服着てるなぁ、お金持ちの子供なのかな?」

 

「すっごい良い顔で笑ってるよねぇ」

 

「俺もあんな恋人がほしい!」

 

「ちょっと、あんたには私がいるでしょうが!」

 

などなど、意識して聞いてみると色々噂されていた。

 

俺も鼻が高いな

 

その日、ミルスティンの街では至る所で美しい少女を連れた男の子の姿が目撃されたという。

 




アルバート・ディレス 12歳 身長 157cm
スキル:刀剣術:6 火魔法:3 雷魔法:3 治癒魔法:2
装備 :上質な鋼の刀 変異リザードマンの革鎧セット
所持金:銀貨49-27-1= 21枚 

ミア 12歳 身長 155cm Bカップ
スキル:刀剣術:4 風魔法:3 氷魔法:3 治癒魔法:3
装備 :上質な鉄の忍者刀×2 変異リザードマンの革鎧セット
所持金:銀貨100-60= 40枚

白いワンピース 青いドレス 

次の話からやっと冒険者として活動します
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