森を抜けて暗いながらもなんとか野営の準備を終え、女性の体を治癒魔法で治していく
心の傷まで治ればいいのにな・・・
そんなことを考えながら治療を終える。どうやら俺も魔力がかなり上がっているようだ、一度魔法を使ったくらいではふらつくこともない。
後は意識が戻るのを待つだけだ
焚火の近くに座っていたミアに声をかける
「余っている服を彼女に着せてやってくれ」
「・・・わかった」
ミアは自分の服を鞄から取り出すと女性に着せていく
「どうして・・・」
ミアが呟く
「どうして・・・いつも力の無い人たちは奪われるの・・・?」
彼女の声には嗚咽が混じっていた
「私にはアルが居た。でもこの人には・・・」
俺は天を見上げる
「何故・・・なんだろうな」
ミアには俺が居た。俺がいなければミアもこの女性と同じ運命を辿っていたのかもしれない
「俺達はいい、戦いの才能があった。才能を伸ばす環境もあった。だが、そうでない人達は・・・どうすればいいんだろうな」
この世界に生きている人々が全員戦える訳ではないのだ。
「戦えない人は、奪われても仕方がないの?」
それは違う。だから親父は領民の為にモンスター退治を率先して行っていたんだ。そしてそれは、俺達冒険者も・・・
「そうか、親父の言っていたことはそういうことか」
"何のために剣を取り、何のために剣を振るうのか"
「親父は俺達家族を、領民を、"戦えない人々"を守る為に剣を振るっていたんだな」
それが、親父の言う"騎士"か
「なんて偉大な男なんだ」
今更気付くなんてな。
・・・俺は今まで勘違いをしていた
俺は、自分とミアさえ守れればそれでいいと思っていた・・・だが
「それじゃあ、偉大な男の息子としては情けないよな」
偉大な父、ギルバート・ディレスの息子としては落第点だ
才能を見抜き、幼少期から自分の剣の全てを教え込んだ父は俺に"戦えない誰かを守る"人間になってほしかったのだろう。
父が俺に教えた刀剣術は、自分と自分の大切な人だけを守る剣じゃない。
俺は騎士ではない、戦えない人々を守る"騎士"にはなれなかった。ミアがどうしても大切だったからだ。
だが・・・それでも。
それでも、手が届く範囲に居る人達は守れるようになりたい。
「ミア、強くなろう」
「・・・」
ミアは涙を流しながらもこちらを見据える
「強くなって、世界を回ろう」
「・・・」
金色の瞳には強い意志が感じられる
「世界中の困っている人達を助けて回ろう」
「・・・うん」
ミアの瞳は爛々と輝いている
「それが、俺達の冒険だ」
「うん!」
この日、俺達の本当の冒険が始まった・・・
「あの~」
二人でビクリと震えて声のしたほうを見る
「ここは何処でしょうか?あの・・・オークさん達は?」
声の主は凌辱された女性だった
「あいたたたたっ、オークさんも手加減してくれたんだけどなぁ」
「だ、大丈夫か?」
俺とミアは慌てて女性に近寄る
「はい・・・大丈夫です。痛いのはお股だけで・・・あら?体の傷が治ってる?」
「俺が治癒魔法で治したんだ」
「あら、それはご親切にどうも!えっと・・・それでオークさん達は?」
オーク・・・さん?
「俺達は冒険者でな、オークの討伐依頼を受けて依頼をこなしに来た訳だが・・・そこであなたを見つけたんだ」
「あ、なるほど。それだとオークさん達はもう?」
「あぁ、もう討伐した」
「そうですよねぇ・・・だから危ないって言ったのに・・・」
ぶつぶつと女性が呟いている・・・何か変だぞ
「あなたはオークに捉えられて凌辱されていたんですよね?」
「あー。一応そうなるんですかね?」
ん・・・?
「いえ、実はですね。私は小さい頃に親に森で捨てられまして。そこをオークさん達に拾われたんです。最初は怖かったんですが・・・何故か私にはオークさん達の言葉がわかりまして・・・優しくしてもらったので一緒に生活していたんです」
は?
「それで私が年頃になるとオークさんがどうしても抱かせて欲しいっていうものですから・・・まぁ、一緒に生活をしてきて愛着もわいていましたし。オークさん達の中で娼婦のようなことをしていたんです」
ええ・・・
「意外と皆さん紳士的でして・・・一物も大きいですし凄く気持ちよかったんです!それでいくつかのオークさんの集団の中を渡り歩くようになりまして。その間では私"姫"って呼ばれてたんですよ?」
女性は嬉しそうだ
「怪我は・・・?」
ミアは既に瞳の輝きを失っている
「私、被虐趣味がありまして・・・オークさんに犯してもらっている時にお願いしたんです!」
でへへっと頭をかく
「ただオークさん達の一物は大きくて・・・毎回穴から血が出ちゃうのは問題なんですよねぇ」
「・・・檻に入れられていたのは?」
「・・・そういうプレイもありかと」
・・・なんだろう。この気持ち
ミアはもう蹲ってしまっている
「つまり、あなたは特に今まで問題がなかったと?」
「はい。そうなりますね」
「・・・捕まっていた他の女の子達は?」
「あ、彼女たちは森で迷子になっていた所を私が見つけまして。街にでも置いてこようかなと思ったところオークさん達が「じゃあ途中まで護衛してやる」と言うものですから・・・」
見つかったら危ないって言ったんだけどなぁと彼女はぼやく
「・・・猿轡をされていたのは?」
「私が大丈夫ですよ~って言ってもずっと泣き叫ぶものですから・・・私がえっちに集中できないのでかませちゃいました!」
・・・言葉もでないとはこのことか
「まぁ、でも潮時だったと思います。なんだかんだでモンスターですから。私を巡っていくつかの集団で争いが起きてましたし」
モテると辛いですね!っと女性は元気そうだ
「・・・特に俺達に恨みはないと?」
「ないですねぇ。彼らも生きるために人間を襲って殺したりしていましたし、まぁ因果応報かなっと」
そうか・・・それはなによりだ
ミア、何処へいくんだ。俺を一人にしないでくれ
こんなにたくさん話したのは久しぶりでした~っというと女性はすぐ横になって寝てしまった。
焚火をつつきながら隣のミアに話しかける
「なぁ、ミア」
「なに、アル」
「やっぱり、俺はお前と一緒に居られればそれでいいや」
「私も、そう思う」
世界は俺達が思った以上に複雑怪奇だった。
アルバート・ディレス 12歳 身長 158cm
スキル:刀剣術:6 火魔法:3 雷魔法:3 治癒魔法:3
装備 :上質な鋼の刀 変異リザードマンの革鎧セット
所持金:金貨3枚 銀貨85枚
ミア 12歳 身長 156→157cm Cカップ
スキル:刀剣術:4 風魔法:4 氷魔法:3→4 治癒魔法:3
装備 :鋼の忍者刀×2 変異リザードマンの革鎧セット
所持金:金貨3枚 銀貨103枚