※この作品はR-18です。

没落貴族の三男坊が冒険者になった訳   作:フリーデン

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アルの冒険とミアの風邪

俺が雷に打たれてから3日が経った

 

あれから治癒魔法をかけ続けて俺は本調子になり、その間に刀を鍛冶屋で注文して昨日受け取ることができた

 

以前、ミアの忍者刀を買った鍛冶屋だ。その時鍛冶屋に頼まれて刀を見せていてよかった

 

なんでもかなり良い造りの刀だったらしく興味があったそうだ。それを参考に刀を打ってもらったので、以前持っていた刀と同等な物を手に入れることができた

 

ただ金貨で10枚したが・・・まぁこれは仕方がないだろう

 

防具もその日のうちに買い戻した。これは依然と同じく金貨3枚=銀貨30枚だ

 

何故防具がなくなったのか聞かれたので正直に話したら大笑いされた

 

まぁ、俺も当事者でなければバカな奴だと笑っていただろう。死にかけたので少しも笑えないが

 

痛い出費だったが装備も戻ったし体も治った。そろそろ冒険者として活動しようと昨日までミアと話をしていたのだが・・・

 

しかしここで問題が起きた

 

朝起きたらミアが風邪を引いていたのだ

 

「あぅ・・・頭痛い・・・」

 

「ミア・・・」

 

熱にうなされ、頭痛がすると訴える彼女が心配で手を握る

 

「アル・・・移っちゃう」

 

お前の風邪なら本望だ

 

「・・・ばか」

 

きっと数日前、雨に長時間打たれたのが悪かったのだ。魔力も回復したらしただけ俺に治癒魔法で使ってしまっていた、過労もあるはずだ

 

「・・・俺のせいじゃないか!!」

 

「いいの・・・アルが元気になったから・・・」

 

ああ、ミア。何て健気なんだお前は・・・

 

「ミア、すまない!」

 

・・・そういえば何故同じ条件なはずの俺は風邪を引いていないのだろうか

 

「アルは・・・ばかだから」

 

納得した

 

 

「本当にいいのか?俺はお前が治るまで待っていても」

 

「いい。ここに居たらいくらアルでも風邪を引いてしまう」

 

なにかひどい言われようだ

 

「鍛錬でも依頼でもいいから時間を潰してきて。でも、絶対に無理はしないで。後これを」

 

ミアが忍者刀を一振り渡してくる

 

「お守り。私だと思って」

 

「だが・・・」

 

「いいから、早く出ていく」

 

わかったよ・・・

 

俺はミアの傍を離れたくなかったのだが、彼女がどうしてもと言うので部屋を出ることになった

 

「仕方ない、依頼でも受けるか」

 

俺はミアの忍者刀を背中に括り付け、とぼとぼと冒険者ギルドに歩いて行った

 

 

憂鬱な気持ちでギルドの扉を開けると何やら3人組の男女とエミリアが話し込んでいた。

 

カウンターの前を通り過ぎて依頼掲示板を見ながら考える

 

そういえば一人で依頼を受けるのは初めてだな

 

いつもミアが傍に居た。どれだけ苦しい状況でも彼女と共に乗り越えてきたのだ

 

「・・・寂しいな」

 

彼女の存在は何よりも大きかった

 

 

更に憂鬱な気持ちになった俺はいい依頼が見つからなかったのでエミリアに聞いてみることにした

 

彼女は先程の3人とまだ話し込んでいた

 

「う~ん。そう言われましてもフリーの冒険者なんてそうそう居ませんよ・・・」

 

エミリアが困ったように答える

 

「そこをなんとか頼む!後一人どうしても欲しいんだ!」

 

「そうよ、この依頼を受けるには最低4人は必要なんでしょ!」

 

「エミリアさん、お願いします」

 

どうやら何か揉めているようだ

 

「わかりましたよ・・・探してはみますが、後がつかえていますので一先ず退いてください」

 

「わかった!頼むぜ!」

 

3人の男女は素直に後ろに下がっていった

 

「はいはい。次の方~ってアルさんじゃないですか。今日はミアちゃんいないんですか?」

 

ミアがいない現実を突きつけられて少し暗くなってしまう

 

「風邪を引いてしまってな・・・今日は俺一人なんだ」

 

「あらまぁ・・・それだとお一人で受けられるご依頼をお探しですか?」

 

「ああ、何か俺でもできそうなものを教えてくれ」

 

「アルさんなら大抵の依頼は大丈夫だと思いますが・・・あ!」

 

なんだ?

 

「アルさん、臨時でいいので他の方とパーティを組んでみるのはどうですか?」

 

なに?

 

「先程の三人組、アルさんと同じくD級の冒険者なんですが、ある依頼を受けるのに後一人足りなくて困っているんです」

 

ほう・・・

 

「ある依頼っていうのは?」

 

「ミルスティンの北東にある洞窟の調査です。本来ならばCランクの依頼なんですが、どうしてもあの3人はこの依頼を受けたいと聞かなくてですね・・・」

 

成程、それで揉めていたのか

 

「ええ、Cランクの依頼ですからD級の冒険者が受けるにはいくつか条件があります。それが4人以上でパーティを組むことなんですが・・・」

 

「つまり、俺にあのパーティに入って一緒に洞窟を調査してこいと言う訳だな?」

 

「ええ、勿論強制ではありません。アルさんが引き受けてくれるなら私は大助かりですが」

 

「他にあてはないのか?」

 

「正直・・・無いですね。うちのギルドに登録している冒険者のほとんどは既にパーティを組んで出払っていますし・・・組んでいない方はほとんど活動していないような人ばかりです」

 

なるほどなぁ

 

「だが、俺もミアとパーティを組んでいるぞ」

 

「それは臨時ということで処理致しますので・・・お願いします!あの3人しつこくて困ってるんですぅ!」

 

エミリアに泣き付かれる。大きな胸がカウンターの上に乗って大変なことになっていた。

 

「ミア、俺は決して胸は見てないぞ」

 

「ミアちゃんはお休みでは・・・?」

 

そうだった・・・

 

・・・まぁいいか。他にやることもないし

 

「わかったよ。向こうがよければそれでいいぞ」

 

子供の俺を入れてくれるならな

 

「本当ですか!ありがとうございます!」

 

エミリアが早速先程の3人を呼ぶ

 

「皆さん!この方が一緒にパーティを組んでくれるそうです!」

 

「おお、もう見つかったのか!・・・って何処にいるんだ?」

 

リーダーらしき男がきょろきょろとする

 

「ここにいますよ!皆さんと同じD級冒険者のアルバートさんです!」

 

エミリアが俺に視線を向ける

 

「・・・子供?」

 

男は俺に視線を向けると困ったように呟く

 

「おいおい、確かにD級以上なら誰でもいいと言ったが・・・大丈夫なのかよ」

 

まぁ、普通はそう思うだろう

 

「いいんじゃない?どうせ最初は私達3人で受けるつもりだったし」

 

「はい。この方にお願いしましょう」

 

女二人は賛成のようだ

 

「う~んそうだな、仮にもD級なんだし自分の身くらいは自分で守れるだろう」

 

それは問題ないな

 

「わかった、お前に頼むとしよう。俺はカイムだ、アルバートだったか?よろしくな!」

 

「私はアミカ、よろしくねアルバート!」

 

「私はマリアといいます。アルバートさん、よろしくお願いしますね」

 

「ああ、よろしく」

 

こうして俺は、初めてミア以外の人間と依頼をこなすことになった。

 

 

依頼を受けた俺達は街を出ると洞窟のある北東に向かって歩いていく

 

道すがら自己紹介も兼ねて色々と話をしていた

 

「成程、アルバートは相棒が体調を崩したから一人で依頼を探していたのか」

 

「ああ。それとアルでいいよ」

 

「わかった。改めてよろしくな、アル」

 

カイムと握手する

 

「しっかし君みたいなかわいい子がD級ねぇ、ミルスティンの冒険者ギルドは人手不足なのかしら?」

 

アミカがボヤいている

 

「その年でD級なのは凄いことです。・・・といいますか、冒険者をやっている事自体が信じられません」

 

マリアは俺の境遇を勝手に妄想して憐れんでいた

 

ちなみに3人とも16歳で、14歳の頃に同じ村を出て冒険者になったそうだ。D級に昇格したのは最近のことなのだとか

 

「それより、正式にパーティを組まなくてよかったのか?」

 

俺はカイムに聞いてみる

 

「いいよ、とりあえず臨時だしな。12歳じゃスキルもたかが知れてる、刀剣術が得意なんだよな?」

 

3人よりは高いんだが・・・以前のエミリアの件がある。ここで話しても恐らく信じてもらえないだろう

 

「あぁ、それだけは自信がある」

 

「ほ~言うねぇ。俺が12歳の頃は木剣振り回して遊んでたぜ!」

 

カイムは剣術が得意な剣士だ。茶髪に茶色の眼をした人族の男でオーソドックスなロングソードと盾を持っている。顔は・・・まぁ普通だな。ちなみに刀剣術は2だ。・・・2って俺が6歳くらいの頃既に・・・いや、何も言うまい。身長は175cmくらいか

 

「あんたはよく村長に怒られてベソかいてたわよね」

 

アミカも剣を使う剣士だ。赤髪に綺麗な赤い眼をした人族で顔は文句なしの美人。ミアには勝てんだろうが・・・いや、ミアに勝る女なんていないだろう。顔で対抗できるのはお袋以外見たことがない。ロングソードを腰に吊るしており、刀剣術はカイムと同じく2だ。胸は・・・Dってところか。身長は160cmくらいだ

 

「いつも怪我ばかりしていたので心配でした」

 

マリアは珍しい治癒魔法が使える後衛だ。青髪に碧眼のおっとりとした人族の美人で、刀剣術は得意でなくスキルレベルは1。一応短剣で武装してはいるが基本的には治癒魔法で2人をサポートしているのだそうだ。身長は155cmくらいなのだが・・・マリアは巨乳だ。Fくらいあるのではないだろうか・・・。治癒魔法は2だ

 

3人はミルスティンとは別の街のギルドで活動していたが、アミカとマリアを狙った他の冒険者の絡みが煩わしくなり、最近ミルスティンに来たそうだ。2人共美人だから気持ちはわかるが・・・

 

通りで俺のことを知らないはずだ。これでも一応、ミルスティンのギルドでは俺もミアも有名人だ。あまりいい意味ではないだろうが・・・

 

「う、うるさいな!あの時は若かったんだよ!」

 

カイムは恥ずかしそうに誤魔化しているがそれを見た二人はくすくすと笑っている。同じ村の出身者だけあって仲が良さそうだ

 

俺はミアが居ない分、周りに気をつけながら話を聞いていた

 

 

4人で話しながら歩いていると横の森から何かの気配を感じる

 

「止まってくれ」

 

一番後ろを歩いていた俺が気配のした方を見ながら告げると、3人がこちらを振り向いて止まる

 

「なんだ?」

 

「何か気配がする、恐らくモンスターだろう」

 

「まじか!・・・だが何も聞こえないし見えないぞ?」

 

カイムが周りを見渡す

 

「アル、気のせいじゃない?」

 

アミカも信じていないようだ

 

俺は刀を引き抜く

 

「来るぞ」

 

そう告げると3人は首を捻りつつも武器を抜く

 

その瞬間、見覚えのあるモンスターが森から飛び出してきた

 

「オーク!」

 

アミカが叫ぶ

 

「まずいな、オークかよ・・・しかも6頭いやがる!」

 

カイムはオークの数を数えると顔を青くしてしまう

 

「に、逃げなきゃまずいです・・・」

 

マリアは既に及び腰だ

 

「逃げるたって何処へ・・・奴らの足は人間とそう変わらん!やるしかない!」

 

「・・・ええ、そうね。向かい討ちましょうか・・・」

 

「あぁ・・・どうしてこんなことに」

 

3人からは悲壮感が見える

 

「マリア、すまんが此処でアルを守ってくれ。頼むぜ」

 

「お願いね!マリア!」

 

剣士二人は勢いよくオークに向かって走り出した。

 

・・・いや、大丈夫なのだろうか?

 

「お、お二人に任せるしかありません!大丈夫です!アルさんは私の後ろに・・・」

 

6頭か、ミアが居なくとも俺一人でどうとでもなるが・・・

 

「なぁマリア、俺も加勢したほうがいいんじゃないか?」

 

「ダメです!アルさんはまだ子供じゃないですか、私達を信じてください!」

 

いや、俺は全く問題ない

 

「だが二人は押されているぞ?」

 

見れば二人は既にオーク達の連携によって引き離され、3対1の形に持ち込まれている。盾を持ったカイムはともかく、アミカはぎりぎりでオークの攻撃を凌ぐのに精一杯のようだ。見ていて非常に危ない、あれではすぐに捕まってしまうだろう

 

「ああ、まずいです!なんとかしなければ・・・」

 

マリアが震える手で短剣を握り締める

 

「アルさん、申し訳ありませんが此処で待っていて下さい。お二人を助けなければ・・・危なくなったら逃げて頂いて構いません!」

 

彼女は覚悟を決めた眼でこちらを見据える

 

あぁ・・・なんだろうかこの温度差は・・・

 

「待て。マリアが此処で待っていろ。俺が行く」

 

俺は返事を聞かずに刀を収めて走り出す

 

「アルさん!待って!危ないです!」

 

意識を戦闘に集中させていく。カイムは囲まれているがまだなんとか耐えてくれそうだ。先に助けるのはアミカだな

 

「くっ!このままじゃ・・・!?いやぁ!!」

 

アミカの剣がオークの斧によって弾き飛ばされ、彼女は体を泳がせてしまう。そこにオークが迫っており、アミカは絶対絶命だった

 

くそ!間に合わない!

 

俺は背中の忍者刀を引き抜き、彼女を捉えようとするオークの腕に投げつける

 

うまくいってくれよ!

 

ミアのご加護のお陰か、上手く力の乗った投擲がオークの腕を捉えて突き刺さる

 

その隙にアミカとオークの間に割って入った

 

「アミカ!下がれ!」

 

「アル!?何言ってるの!さっきのは助かったけど子供のあんたじゃオークなんて!」

 

俺はアミカを無視して目の前のオークの足を斬り飛ばす。片足が無くなったことで膝をついたオークの首を返す刀で撥ねた

 

「嘘・・・見えなかった・・・」

 

そんな俺を呆然と見つめているアミカに安心させるように語り掛ける

 

「大丈夫だ、俺が守ってやる。後ろで見ていてくれ」

 

アミカは俺を熱っぽい、しかし心配そうな眼で俺を見つめるが、再度下がるよう促すと素直に従ってくれた

 

残りのオーク2頭は俺を強敵と認めたのか同時に襲い掛かってくる。振りの大きい攻撃を、2頭の合間を縫う様に避けると振り向き様に片方の腹を斬りつけた。

 

内臓をこぼし、地面に倒れこむオークを無視してもう片方のオークを見据える

 

武器を持って振り下ろされる腕に刀を合わせて斬り飛ばすと、呆気にとられたオークの顔が見えた

 

「どうした?そんなもんか?」

 

俺の余裕の表情を見て怒ったのか、なりふり構わず突進してくる

 

「それじゃあ、ダメだ」

 

俺は横に避けながらオークの足を斬り落として地面に転がす

 

「じゃあな」

 

怯えたような表情をしたオークに止めを刺さした

 

最後に腹を押さえてのたうち回っているオークの首を撥ねるとアミカの方を向く

 

「怪我はないか?」

 

彼女は顔赤くし、先程より更に熱っぽい眼で俺を見つめていた

 

「アル・・・あんた・・・すっごく強くて・・・格好いいじゃない・・・」

 

当然だ、これくらいできなければミアに愛想を尽かされてしまう

 

「俺はカイムを助けてくる。アミカは待っていてくれ」

 

俺はミアの忍者刀を回収するとアミカに告げる

 

「待って、私も行くよ!」

 

アミカは弾き飛ばれた剣を既に回収していたのか、右手に持って俺と並ぶ

 

「アルと一緒に戦わせてよ!いいでしょう?」

 

彼女はやる気満々のようだ

 

「無理はするなよ」

 

「危なくなったら助けてね?」

 

何故か彼女は嬉しそうだ

 

「任せろ」

 

それだけ話すと2人で残りのオークに向かって駆け出す。1対1になればカイムとアミカは遅れをとらないだろう

 

合流した俺達は最初の苦戦が嘘のように残りのオーク共を殲滅した。

 

 

「いやぁ、正直死ぬかと思った!」

 

オークの討伐証明として耳を切り落としながらカイムが話す

 

「まさか6頭も出てくるとはなぁ・・・」

 

「奇襲されてたら本当に危なかったよね」

 

そう言いながらアミカが俺を見ている

 

「それよりアルさんの強さに吃驚しましたよ!」

 

マリアが俺を褒める

 

「うんうん!もう腰を抜かしちゃうくらいアルは強かったんだから!」

 

アミカは自分が褒められたように嬉しそうだ

 

「刀剣術に自信があるって言ってたが、正直子供の強がりだと思ってたぜ」

 

すまん、と言いながらカイムが謝ってくる

 

「よしてくれ、もっと早く助けに行けばよかったよ。そうすればカイムが怪我を、アミカが危険な目に合うこともなかった。俺こそすまなかった」

 

俺も頭を下げる。状況に流されていたが、皆の戦力を知っていたのは俺なのだ。

 

カイムは盾を持っていた腕を骨折してしまっていた。

 

「いや、あれはパーティリーダの俺の判断だった。アルはよく俺達を助けてくれたよ!」

 

「そうだよ!アルは・・・私を助けてくれたもん・・・」

 

「アルさん・・・格好良かったですよ・・・」

 

女性2人が俺を熱っぽい眼で見てくる。ここにミアが居たら俺は3回くらい殺されているだろう。

 

「それより、カイム。腕を見せてくれ」

 

「うん?一応マリアが治癒魔法を使ってくれたが・・・」

 

どうしたんだ?という風に腕を見せてくる。確かに少しは治っているが・・・

 

「まだ治り切ってないな」

 

マリアでは魔力が足りなかったのかもしれない。なんとか骨は繋がっているようだが腫れはひどい、これでは痛みで満足に動かせないだろう

 

「うう、すみません。私の治癒魔法じゃここまでしか・・・」

 

責めている訳じゃないと、俺はマリアに謝ると治癒の魔力を練る

 

「これは!・・・治癒の魔力・・・?」

 

マリアが驚いている

 

集中して練った魔力を魔法に変換してカイムの腕を治していく

 

「うわ・・・すげぇ・・・どんどん痛みが引いていきやがる・・・」

 

「アル・・・あなた・・・」

 

カイムとアミカは更に驚いているようだ

 

・・・よし、これくらいでいいだろう

 

「カイムどうだ、痛みはあるか?」

 

「お、おぅ・・・おお!痛くねぇ!完全に元通りだ!」

 

魔力は1/4くらい使ってしまったが、まぁいいだろう

 

「ありがとうな、アル!こいつめ、小さい癖してなんて多才な奴なんだ!」

 

カイムが俺に絡んでくる

 

「気にするな、俺達は一時的とはいえパーティを組んだ。仲間だろう?」

 

仲間なら助け合うのが当然だろう

 

「アル・・・」

 

「アル・・・素敵・・・」

 

「アルさん・・・格好良すぎですよぉ」

 

カイムは感動の眼差しを、アミカとマリアからは隠しきれない想いが・・・いや既に言葉に出てしまっている。

 

 

この世界の女性は年下趣味の人が多いと、俺は思う。

 

ミア、違うんだ。俺は浮気なんて・・・彼女はいないんだったな。

 

 

 

「あぅ・・・寒い・・・頭痛い・・」

 

布団に包まって私は風邪と戦っていた

 

「ほんとなら・・・今頃アルと依頼を受けていたのに・・・」

 

彼は風邪が移らない様にと私が追い出してしまった

 

「本当は・・・一緒に居たかった・・・」

 

寒い・・・体だけじゃない。アルが傍にいない事実、それが私の心を凍てつかせる

 

「早く、帰ってきて」

 

自分で追い出しておいて何を言っているんだと思いつつも寂しくて堪らない

 

・・・熱が上がってきたのか思考が定まらなくなってきた

 

「依頼を受けたなら・・・無理はしないでね」

 

うわ言のように呟く

 

「他の女の子に・・・色目使っちゃダメ・・・」

 

彼がもし私が隣に居ない時に女の子を助けたりすれば

 

「絶対・・・惚れちゃう」

 

オーク討伐の時もそうだ。あの人族の女の子たちは絶対アルに惚れていた

 

漆黒の濡れた様な髪に綺麗な黒い瞳。端正な顔立ちに他者を寄せ付けない剣技。どんな状況でも折れない不屈の心。まだ子供だが、ちょっとおばかな所を除けば最高の男だ

 

「私も・・・一目惚れしてしまった」

 

だけど・・・

 

「格好いいアルは私だけが見ていい」

 

私が、アルの1番なのだから

 




アルバート・ディレス 12歳 身長 158cm
スキル:刀剣術:6 火魔法:3 雷魔法:4 治癒魔法:3
装備 :上質な鋼の刀 鋼の忍者刀(ミアのお守り) 変異リザードマンの革鎧セット
所持金:金貨5枚 銀貨78枚   

ミア 12歳 身長 157cm Cカップ 風邪でダウン中
スキル:刀剣術:4 風魔法:4 氷魔法:4 治癒魔法:4
装備 :鋼の忍者刀 変異リザードマンの革鎧セット
所持金:金貨18枚 銀貨103枚
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