「それじゃ、ミア。悪いけど出かけてくるよ」
「うん。気を付けて」
そう言うとアルは部屋を出ていった。
今日は休日と定めた日だ。
アルはガイエンとカイムとミルスティン近くの川に釣りをしに行った。前から約束をしていたんだそうだ。最初はアルも誘ってくれたが断ってしまった・・・男三人の所に私がいたらアルが楽しめないと思ったからだ。
たまにはアルにも羽を伸ばしてもらいたい
だけど・・・寂しい・・・。
今いなくなったばかりなのにもうアルが恋しくて堪らない
「あぅ・・・」
このまま此処にいたらずっとアルのことを考えて動けなくなってしまいそう。
私はアルに買って貰った服に着替えると外に出ることにした
「今日も・・・寒い」
年を越してから一月程たったがまだ外は寒い。
何時もはアルが傍に居るからか気にならないのに・・・
「ぐすっ・・・アルぅ」
いけない、またアルのことを思い出してしまった。
「・・・甘い物でも食べに行こう」
私は行きつけの喫茶店に行くことにした
喫茶店に入って店員さんが来るのを待つ。少しすると女の店員さんが来た
「いらっしゃいませ~ あ、ミアちゃん!」
「おはようルナ」
「はい、おはようございます!何時もの席でいいですか?」
「うん」
私はこのお店の常連だ。いつの間にか私が来ると同じ店の奥の窓際席に通される様になった
「今日はアルさん一緒じゃないんですか?」
「・・・アルは友達と釣りに行った」
アルのことを思い出して涙が出そうになるがなんとか堪える。それを見たルナが気を使ったのか慌てて話を変えた
「ああ!そうだミアちゃん、実は新作のパフェがありまして・・・私も味見したんですけど美味しかったですよ!どうですか?」
新しいパフェ・・・
「じゃあそれを・・・」
「はい!ありがとうございます!」
「ふたつ」
「はい!おふたつですね!・・・うぇ?結構大きいですよ?」
「構わない」
「わ、わかりました。それでは少々お待ちくださいね」
大丈夫かな~っと首を捻りつつルナが厨房の方へ歩いて行った
窓から外を見てると白い何かがゆっくりと降ってくるのが見える
「雪・・・」
今日は寒いと思ったが雪まで降ってきてしまった
「アル・・・大丈夫かな・・・」
凍えていないだろうか・・・今すぐ彼の所まで行って抱きしめて温めてあげたい。
「それは・・・私がして欲しいこと」
自分の願望だった
しばらく雪を眺めていると店の入り口の方から聞覚えのある声がする
「うぅ~寒い!まさか雪まで降ってくるなんて!」
「ほんとですね。甘い物でも食べましょう」
あれは・・・
「
彼女達もこちらに気づいたようだ
「あら?ミアじゃない、今日アルは居ないの?」
「ミアちゃん、おはようございます」
またこの質問だ
「おはよう・・・アルは友達と・・・あなた達の所のカイムと釣りに行った」
「え!?聞いてないんだけど・・・カイムの奴!」
「教えてくれれば一緒に行きましたのに・・・」
その言葉にむっとする
「・・・男だけの方が気が楽な場合もある」
私だって我慢してる
「そりゃあなたは何時もアルの傍に居るからいいけど」
「そ、そうです!私達はたまにしか・・・」
「早くどこかに座って。他の人に見られていて不愉快」
周りを見ていると他のお客さんがちらちらとこちらを見ている
「・・・あなたは最初から見られてたわよ」
何故?
「だって・・・あなた可愛いんだもん」
「泥棒猫に褒められても嬉しくない」
「・・・その泥棒猫ってのやめてよ」
そう言うとアミカは私の対面に座る、マリアもそれに倣ってアミカの横に座った
「何故此処に座るの?」
「いいじゃない。一緒に依頼を受ける仲でしょ」
「よろしければ相席させてください」
「嫌」
彼女達は私の意見を無視して居座る。なんなんだろうこの2人・・・
「アルのこと聞かせてよ」
「あ、それいいですね!ミアさん、是非お願いします!」
「話す理由がない」
意味がわからない
「・・・あなたはずっとアルと一緒に居たんでしょ?」
「だから?」
「私達だって彼のことを好きなのは知ってるでしょ。好きな人のことを一番よく知ってる人に聞いて何が悪いの?」
アルを・・・一番よく知ってる・・・。その言葉に嬉しくなってしまう・・・けど
「・・・あなた達はまだアルに相応しくない」
剣も魔法もアルどころか私にも遠く及ばない
「・・・そりゃあなたに比べたらそうだけど」
アミカは涙目になる
「それでも・・・アルさんのことをもっと知りたいです・・・」
マリアは泣き出してしまった。これじゃ私が泣かせてるみたいだ
「あなたが泣かせたのよ!」
「ぐすっ・・・うぅ・・・」
「・・・何が聞きたいの」
何故年下の私が気を使わなくてはいけないのか・・・まして私からアルを奪おうとしている人達に・・・
アミカとマリアの顔がぱぁっと明るくなる
「あなたがアルと会ったは何時?」
「7歳の頃」
「そんな小さい頃に・・・どういう経緯で?」
私のことはいいが、アルの事となると彼が貴族ということも明かさなくてはいけなくなる
だがよく考えてみるとアルは特に隠している様子もない。勿論誰彼構わず言いふらしてる訳でもないけど・・・
この二人にならアルは話しても問題ないと判断するのではないだろうか。彼はカイムとこの二人のことを"仲間"だと言っていた
私はアルと出会った時のことを話した
「あなたも・・・アルに助けられたのね」
「うぅ・・・そんなの絶対惚れちゃうにきまってます!」
「格好良かった」
あの時のことは今でも鮮明に思い出せる。颯爽と現れて山賊を打ち倒し、私を助けてくれたアル・・・
「なんで頬を染めてるの・・・それにしても、アルは貴族だったのね」
「確かに気品がありますよね、アルさん」
はて、そんなものはあっただろうか?
「なんで貴族が冒険者なんてやってるのかな?」
「珍しいですよね」
彼が・・・冒険者になった理由・・・
「元々、アルには才能があった。ご領主様・・・アルのお父様は王国騎士団に彼を入れる為、鍛錬を積ませていた」
「確かに・・・アルなら問題なく入れそうだね」
「はい。あれ程の剣技と魔法は見たことがありません」
アルのことを褒められて嬉しくなってしまうが続ける
「だけど、1年と少し前にアルは私を連れて家を出た。世界を見て回りたいと言って」
後、私と離れたくないとも言ってくれた・・・
「惚気話じゃないの!それじゃアルが冒険者になったのはアル自身の目的もあるけどミアの為でもあるのね」
「ミアちゃん羨ましいです・・・私もアルさんにそんなこと言われてみたいですよぉ」
「アルは私のもの」
彼女達には負けない、負けるつもりはない。アルを支えてくれる人が増えてくれるのは嬉しい、けれど私だけで彼を守り切れるのであればそれが一番いい。彼女たちは保険だ
私は、アルと言う餌で彼女達を強くして利用できればと考えていた
「ふん!いつかあなた達の間に割り込んでアルを垂らしこんでやるんだから!」
「何もしないうちに諦めるなんてできません!」
「やってみればいい。アルは私しか見てない」
アルは私だけを見てくれてる
「どうせ無表情でお子様のミアちゃんだから、アルを満足させられてないんじゃないの?」
「どういう意味?」
「しててもキスくらいでしょ?」
私は何を言ってるんだと首を捻る
「キスはしたのよね?」
当たり前だと頷く。毎日唇がふやけるくらいまでお互いキスをしてる
「え・・・そんなに?アルは淡白そうに見えて意外と・・・」
「アルさんとキス・・・羨ましいです・・・」
アルが淡白・・・?
「も、もしかしてもうお互い裸を見せたり?」
「はわわわわわわ」
何を言っているんだろ・・・
「毎晩裸で抱き締めあって寝てる」
「うそ・・・」
「あぁ・・・もう顔が熱くて・・・」
この二人はとても純情・・・?なのだろうか
「そ、それじゃあ・・・えっちも?」
「アミカさん!それは・・・」
「・・・してる」
少し恥ずかしかったが肯定する。二人を牽制する意図もあった
「え・・・えっち・・・してるの?」
「・・・」
「してる。私は毎晩アルに抱かれてる」
思い出して体が疼いてしまう。アルに抱かれて、アルもので貫かれて・・・アルに愛される甘美な感覚が・・・だめ、気持ちが溢れちゃう・・・
「ミア・・・あなた・・・」
「す、すごい女の顔をしてます・・・」
「アルは・・・凄いの。毎日・・・何度でも・・・何回でも・・・ミアを愛してくれるの・・・」
体を抱きしめて悶え、アルとの行為に思いを馳せる。
「私のことを大好きだって・・・愛してるって言ってくれて・・・アルの大きいのでミアを・・・」
「うぅ・・・羨ましい!!嫉妬で狂い死にそうよ!」
「あはは・・・アルさんがミアちゃんを・・・こん棒でいじめてる・・・?」
「マリア、しっかりしなさい!」
私は悶え、アミカは嫉妬し、マリアは壊れている
そこにルナがやってきた
「あ、あのぉ・・・パフェをお持ちしました・・・」
どうやら聞かれていたようだ。そこで私は現実に戻る
「ご注文の新作パフェです・・・」
彼女はパフェを置くと顔を赤くして去り、この場にはなんとも言えない空気が立ち込める・・・
「1つ・・・あげる」
「・・・ありがとう」
そういえば彼女達は何も頼んでいなかった。
「悔しい・・・あなた達はそこまで進んでいたのね・・・」
「だから言った。アルは私のものだと」
彼も私も、お互いの虜だ
・・・マリアは俯いて動かなくなってしまった
「アルの好みのタイプとか知らない?」
「私」
「ふざけないで」
アルの好み・・・
「アルは・・・大きい胸が好き」
ピクっとマリアが反応する
「私も大きくなってきたけど・・・あなたには負ける」
マリアが縋る様な目でこちらを見る
「大きければ大きい程いい」
「それよ!マリア、女の胸は行為をしながら揉まれると大きくなると聞いたことがあるわ!」
「ふぇ!?それじゃ・・・アルさんに!」
「だめ」
それは許さない
「どうすればいいんですかぁ・・・」
「その辺の男にでも抱かれてきなさい!まずはアルを体でもなんでもいいから誘惑しないと・・・この女から引き剥がさないと勝負にもならないわ!」
「絶対嫌です!なんで私が知らない男の人に抱かれなきゃいけないんですか!アミカさんが抱かれてきて下さい!」
「嫌よ!私の初めてはアルに捧げるの!」
「私だってそう思ってます!」
やっぱりこの二人は・・・
「二人とも、経験がないの?」
「うっ・・・」
「はぅ・・・」
「私のことをお子様と言ったのに・・・」
「ぐぬぬっ・・・何も言い返せない!」
「私は・・・どうせ・・・ただのおぼこ娘です・・・」
でも少し不思議だ
「あなた達は男が放っておかないはず」
悔しいが二人とも美人だ。
アミカは健康的で活発な美人という印象で、アルが絡まなければ好感が持てる
マリアからは優しい、まるで奥方様のような雰囲気を感じる・・・胸のせい?
「村を出てからそんなこと考える暇がなかったのよ・・・」
「毎日ぎりぎりでした・・・」
アルや私みたいに特別な才能が無い人達は確かにそうなのかも知れない・・・
「だからこそ・・・なのかな。アルみたいな・・・才能があって優しくて格好良い人に惹かれたのは。まるで私を助けてくれた時、夢物語の騎士様みたいだったの・・・この人の・・・アルの力になりたいって・・・そう思ったの」
「私も・・・アルさんにどうしても惹かれてしまうんです。最初は憧れなのかなって思っていました。でも今は・・・あの人の近くに居たいんです。自分に力がないことはわかっています・・・それでも・・・あの人を包んであげたい・・・」
二人の話を聞いて驚く
私と・・・同じだ。
アミカの想いもマリアの想いも・・・全て私がアルに抱いている想いと同じだ
なら・・・
「なら、アルの役に立てるくらい強くなって。それなら私は・・・嫌だけど我慢する。ただ、アルがあなた達を受け入れるかどうかはわからない。そこはアルの気持ち次第」
彼は・・・どうするだろうか。
「わかってる。私も足手纏いになりたいわけじゃないから」
「私も・・・私には治癒魔法しかないですが・・・お役に立てるように頑張ります!」
アルは罪深い男だ
私だけじゃない、同性の私から見てもこんなに魅力的な女性二人を虜にしてしまうんだ
「もしそうなっても、アルの1番は私・・・違う。アルに、私以外はいらないと言わせてみせる」
彼に女として愛されるのは、私だけでいい
3人で睨み合いながらテーブルをちらりと確認する
「でも今は・・・」
「ええ・・・今は」
「ですね・・・今だけは」
スプーンを口に運ぶ
「「「美味しいよぉ!」」」
続きはこのパフェを食べてから!
アルバート・ディレス 13歳 身長 161cm
スキル:刀剣術:7 火魔法:4 雷魔法:4 治癒魔法:4
装備 :上質な鋼の刀 変異リザードマンの革鎧セット
所持金:およそ金貨100枚
ミア 13歳 身長 162cm Dカップ
スキル:刀剣術:5 風魔法:5 氷魔法:5 治癒魔法:5
装備 :鋼の忍者刀×2 変異リザードマンの革鎧セット
所持金:およそ金貨100枚