私の腕の中に血塗れのアルバートが居る・・・もう、ピクリとも動かない
「・・・なんで・・・どうして・・・」
彼のことが大好きだった。ずっと傍に居たかっただけなのに・・・
「私は・・・なんなの・・・?・・・どうして私は・・・アルバートを・・・殺したの・・・?」
なぜ・・・
「アルバートは私を・・・一番に想ってくれていたのに・・・」
元々自分が言い出したことだ・・・それに耐えきれなかった私が全部悪いのに・・・
「あはは・・・やっぱりわたしは・・・ばかだ・・・」
アルバートの傍に居る資格なんてなかったんだ
「でも・・・あなたをこのまま死なせはしない・・・」
私は奥方様から教えてもらったことを思い出す
『ミア、この世には人を無条件で蘇生させる魔法はありません。ですが、多大なリスクを負うことでわずかな可能性ですがそれを可能にする"禁呪"と呼ばれる魔法があります。勿論難しい魔法ですし、失敗すれば術者は必ず死にます』
『リスクについて先に教えてあげましょう。1つ、成功しても術者と対象の寿命は確実に縮みます。良くて数年、悪くて数十年分の寿命が削られます』
私はいい。でもアルバートの寿命まで削ってしまう・・・
『2つ、これはかなりひどいものですね。死んだ者の命は完全に元には戻りません。術者と命を"共有"することになります。例えばミアがアルに魔法を使うと仮定しましょうか。そうするとミアとアルで1つの命を共有することになります。それがどういうことかというと・・・ミアが死ぬとアルも死に、アルが死ねばミアも死ぬことになります』
これは・・・結局アルバートを私に縛り付けてしまうことになる。こんな・・・愚かで醜い私に・・・
「ごめんなさい・・・アルバート」
私は命を燃料にするように魔力を練り上げる
「それでも・・・あなたには生きていてほしい・・・私を許さなくていい・・・」
だから・・・もう一度だけでいい・・・私を愛してほしい・・・
「ごめんなさい!」
練った魔力で奥方様の教えられた通りに魔力を使う
「"ライフ・リンゲージ"」
アルバートの冷たくなりはじめた唇に口づけをする
莫大な量の魔力と命そのものを削られる感覚が私を襲うが一向に構わない
なんとしてでも成功させる。アルバートを取り戻す、馬鹿な私が殺してしまったアルバートを、なんとしてでも生き返らせて見せる!
「・・・ちゅ。」
魔法の発動を終えて唇を離す
体中が痛い・・・締め付けられるように痛みが走り、ばきばきと体から音が鳴る
「なに・・・これ・・・」
私の身長が・・・胸が・・・体が大きくなっている・・・
これが・・・寿命を削られるということなの?
鏡で自分の姿を見てみると身長が5cm程伸び、胸がかなり大きくなっていた。顔は少し大人っぽくなった・・・
「寿命を削ると・・・成長するの?」
成長した年齢分だけ寿命が削られたということだろうか・・・恐らく、私は16歳くらいに成長していた
「そんなことより、アルバート!」
そこで私は驚く
「うそ・・・」
アルバートの傷は治っていた。だが・・・体は大きくなり、顔は少年のような可愛さから精悍な青年のような顔つきになっていた・・・
「あぅ・・・格好良すぎる」
不謹慎ながら頬が熱くなる・・・身長もかなり伸びていた。彼も3年分ほど成長してしまったらしい
「アルバート・・・」
私はアルバートを抱きしめる
「温かい・・・生きてる・・・アルバートが・・・生きてるよぉ・・・」
嬉しくて涙が出てしまう
「ごめんなさい・・・アルバート・・・私を恨んでもいい・・・だから・・・」
もう一度だけでいいから・・・私を愛して・・・
「何故、お前を恨む必要がある?」
彼の目が開かれる
「・・・なんだか体が動かしづらいな・・・」
死にかけたせいか?と呟きながらアルバートが私を抱き締めて横の鏡を見る
「なんだ・・・このイケメンと美女は・・・」
「・・・ごめんなさい。わっ、私が!」
「ふむ・・・なんだかよくわからない。説明をしてくれ・・・っとその前に」
アルバートが私にキスをする
「最期のキスが血の味なんて嫌だったからな。ミア、愛しているよ」
私はアルバートに縋り付き、泣きながら魔法のことを説明した
「とんでもない魔法があったもんだ。そりゃ確かに禁呪だな・・・」
どうやら生き返ったらしい俺はミアの説明を受けた
「まぁ生き返らせてもらっておいてなんなんだが・・・」
ミアを一度話して正面から見つめる
「この、馬鹿が!」
思いきりミアの頭に拳骨を落とす
「痛い・・・ぐすっ・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい!私は・・・アルバートの寿命を削ってしまった・・・私と命を共有することになってしまった!・・・本当に・・・ごめんなさい!」
いや、それはいいんだが
「違う!俺のことはどうでもいい!お前のことだ!体は大丈夫なのか!?ああ・・・こんなに美しくなってしまって・・・ミアの成長も俺の楽しみだったのに・・・」
まぁ死んでいたらそれを見届けることはできないのだが
「すぐに死んだりするわけじゃないよな?」
「ぐすっ・・・多分。アルバートと私は3年分ほど体が成長してる・・・寿命もそれだけ削られたと思う」
よかった、3年だけならまぁ・・・いいんだろうか?ミアが実際より3年早く死んでしまうと思うと辛いが・・・
「後は俺とミアで命の共有か・・・これはいいんじゃないか?」
「え・・・?」
「あのまま死んでしまっていたのなら・・・それは仕方がなかったと思う。だが、お前は俺に命をくれた。なら、この命はお前の為に使おう。元々お前を守るつもりだったんだ」
「そんなっ・・・私はアルバートを殺してしまった!私は死なない様に何処かで静かに暮らす!だからアルバートは好きに・・・生きて・・・」
え・・・俺、捨てられるの?
「待ってくれ!俺はお前の傍に居たいんだ!アミカやマリアのことはすまないと思う!だが俺はお前が一番好きなんだ!」
「私みたいな人間に・・・アルバートはもう関わるべきじゃない・・・」
おいおい・・・
「ふざけんな!生き返らせておいて俺を捨てるなんてひどいじゃないか!」
「違う!アルバートが私を捨てるの!」
「ダメだ!絶対に捨てないぞ!こんなに美しく可愛いお前を捨てるんて出来る訳ないだろう!」
「やめて!私は・・・とんでもないことをしてしまった・・・もう傍には居られない!」
「なら俺がお前に付いていく!ミアを一人になんてさせるものか!」
ミアは俯いてしまう
「どうして・・・恨んでいないの?私はアルバートを・・・殺してしまったのに・・・」
当たり前だ
「本望だと言ったろう。恨むなんて見当違いもいい所だ。死んでも俺はお前のことが好きだ。傍に・・・いさせてくれよ」
殺されてもお前への想いは揺るがなかった。むしろ強くなってしまった。死んでもお前を愛するなんてロマンチックじゃないか!・・・いや、ちょっと怖いか・・・
「・・・本当にいいの?」
「ああ!」
「私は・・・とっても我儘だよ・・・アルバートを生き返らせたのだって・・・もう一度だけでも愛してほしかったから・・・そんな救いようのないバカ女だよ?」
愛が重いとはこのことだな
「いいぞ、だがもう殺すのは勘弁してくれな。今度はお前も死んでしまう」
それだけは耐えれない
「ぐすっ・・・浮気しなかったら・・・」
怖いことを言うな・・・
「・・・そういえばアミカとマリアのことはどうするんだ?」
彼女が嫌だと言うならなんとか断らなければならない・・・だが俺は彼女達のことが好きだ・・・これは難しいぞ・・・
「あの二人はいい。そうだ、早くアミカの所に・・・」
「今のお前を置いて行ける訳ないだろう」
俺をうっかり殺してしまうくらいに今のミアは不安定だ
「私にもいろいろと考える時間が欲しい。大丈夫、逃げたりしない。ここでアルバートを待ってる」
「ダメだ、せめて日を改めてもらうべきだ」
「約束を破ったら女の子は怖い・・・わかる?」
それは身をもって理解したが
「本当か?俺はこれからアミカを抱くんだぞ?」
「構わない。アルバートが生きていてくれるだけでもう十分・・・。成長したアルに・・・最初に抱いてもらえないのは凄く辛いけど・・・それも自分への罰にする」
そうか・・・
「なら、俺はもう行くぞ」
血だらけの服を着替えるがサイズが少し合わない・・・我慢だな
避妊薬をポケットに入れて扉の前に立つ
「ミア、帰ってきたら成長したお前を抱かせてくれ。物凄く楽しみなんだ」
これから他の女を抱くというのにひどい言い様だ。これは殺されても文句は言えないな
「・・・うん。いっぱい愛して」
「ありがとう、それと」
「なに?」
「アルバートなんて他人行儀で呼ぶな、いつも通りアルと呼んでくれ」
「・・・わかった。いってらっしゃい、アル。私より先にアミカやマリアを孕ませたら死んでやるから」
「馬鹿、そうしたら俺も死ぬじゃないか」
冗談を言えるくらいには立ち直ったか・・・
「行ってくる、ミア。愛している」
「うん、アル・・・愛してる」
とんだことになってしまったがなんとかミアと仲直り?することができた
後は帰ってきてから彼女を精一杯甘やかそう
アルバート・ディレス 13歳(16歳相当) 身長 165cm→175cm
スキル:刀剣術:7 火魔法:4 雷魔法:5 治癒魔法:4
装備 :上質な鋼の刀 変異リザードマンの革鎧セット
所持金:およそ金貨170枚
ミア 13歳(16歳相当) 身長 163cm→168cm D→Fカップ
スキル:刀剣術:5 風魔法:6 氷魔法:5 治癒魔法:5
装備 :鋼の忍者刀×2 変異リザードマンの革鎧セット
所持金:およそ金貨170枚
謎の成長を遂げました