「なんか体がごわごわするぞ」
アミカが待つ宿に向かいながら体の調子を確認する
一度死んだ上に体が大きくなれば当然ともいえるが
「それより・・・ミア。美人になったなぁ」
驚くくらい美人になっていた。まだ可愛いと言う感じが強いが恐ろし程の美少女に成長していた。
「胸が・・・でかくなってたな。尻もいい感じに張っていた」
物凄く成長していた。胸はFカップくらいはあるんじゃないだろうか・・・
ミアはとうとう最強の容姿と最高の肉体を手に入れてしまった
「こりゃ死んだ甲斐もあったな」
御礼に後で気絶するまで可愛がってあげよう
街を歩いていると俺に視線が集まっているのに気づいた
「あの人・・・凄くかっこいい・・・あんな人いたの?」
「冒険者っぽいけど・・・素敵・・・」
「あんなの反則よ・・・」
女の子からの評判はすこぶる良い様だ。これならミアと歩いていても引けをとらずに済みそうだな
・・・いかん、ミアのことで頭が一杯だ。俺はこれからアミカを抱くんだぞ、彼女に失礼じゃないか
そこでふと立ち止まって考える
・・・そういえば、アミカに何て説明したらいいんだ・・・?
いきなり成長した俺を見て、アミカは俺だと信じてくれるだろうか・・・
「俺なら信じないぞ」
明らかに怪しすぎる
「一度・・・先にミアとしっかり話をするべきだよな」
勢いで出てきてしまったがさっきから考えるのはミアのことばかりだ
「やはり、俺はミア以外の女はいらん」
アミカにはひどいことをしてしまった。それこそ殺されても文句を言えないかも知れない
「何が一番大切なのか、一度死んでやっと気付けたな」
俺は、ミアが傍に居てさえくれればそれでいい
「ミア、大好きだ」
アミカには後で土下座して謝らなければいけないな
だが殺されてやる訳にはいかない
俺の命は、最早自分だけでのものではないのだから
俺は来た道を引き返し、ミアの待つしっぽ亭へと戻っていった
「よかった・・・アルは平気みたい・・・」
部屋を出て外を歩いていくアルを部屋の窓から見届ける
私の魔法でアルはちゃんと生き返ったみたいだ
「ぐすっ・・・よかった・・・よかったよぉ・・・」
嬉しくて涙が止まらない
馬鹿な私の所為で本当に大切なアルのことを失ってしまう所だった
「本当に、よかった・・・」
体が大きくなったおかげでスキルが変わってないかとそれとなくアルに確認したが、特に問題ない様だ
やはり、これは術者にしか無いリスクだ
「奥方様の言った通りだった・・・」
『3つ、これも厄介です。術者は全てのスキルを失います。それが一番の"禁呪"と呼ばれる所以なのかも知れませんね。この現象が一時的なものかどうなのかはわかりません。ですが死んだ人間を生き返らせることができる程の魔法なのです。最悪二度と戻らないと考えていいでしょう』
これは、アルには伝えなかったことだ。
私はスキルリストと自分の中で呟く
そこには、なんのスキルも浮かんでこなかった。
試しに忍者刀を引き抜いて軽く振ってみる。今までとは考えられないくらい稚拙で遅い斬撃だった
残っている少ない魔力で得意な風魔法を使おうとするが、一向に魔力を練ることができない
「あはは、これでもうお仕舞。私は・・・ただの足手纏い。もうアルの傍には居られない」
だって・・・
「私が・・・アミカとマリアに言ったんだ」
"アルを支えられるくらい強くなって" "あなた達はまだアルに相応しくない"
これ程皮肉なこともないだろう・・・
「今の私は、アルに相応しくない・・・」
涙があふれる
「ぐすっ・・・あの二人が強くなってくれて本当によかった」
私の代わりに・・・アルを支えてくれる
私が居なくても・・・アルは生きていくことができる
「うう・・・うわぁぁぁぁぁぁぁん!」
これは罰だ、アルを殺してしまった自分への罰だ。
「あぅぅぅぅ・・・アル・・・大好き・・・最後にもう一度・・・愛してもらえばよかった」
なんで意地を張ってしまったんだろう・・・彼にお願いすればきっと彼は私を優先してくれた・・・私だけを見てくれた・・・
「でも、それはできない」
役に立たない私より、これからアルの傍に居る二人を優先して欲しかった
「アルは性欲が強いから・・・きっと時間がかかるよね」
私も人のことは言えないけど・・・
今頃はもうアミカの宿についている頃だろうか
私は泣きながらアルへ宛てた手紙を書く
こうすればアルは私を諦めてくれるかな・・・
私を追ってきてしまいそうで不安だけど・・・できるだけ見つからない場所に行こう。幸い、お金はアルと一緒に一杯稼いだからなんとかなると思う
「幸せだった・・・本当に」
身支度を整えて部屋を振り返る
「アルに・・・ここでいっぱい愛してもらえて・・・幸せだった・・・」
思い出すのはアルと出会った日からのことだった。
私を助けてくれた時のこと・・・
屋敷で一緒に生活していた時のこと・・・
アルと・・・恋人になった時のこと・・・
初めて・・・アルに抱かれた時のこと・・・
「ううっ・・・」
思い出したらまた泣けてきてしまった
「ぐすっ・・・嘘をついて・・・ごめんね」
彼に嘘をついたのなんて初めてかも知れない
ドアを潜り、もう二度と戻らないであろう部屋に別れを告げる
「さようなら・・・アルバート。・・・愛してる」
アルバート・ディレス 13歳(16歳相当) 身長 165cm→175cm
スキル:刀剣術:7 火魔法:4 雷魔法:5 治癒魔法:4
装備 :上質な鋼の刀 変異リザードマンの革鎧セット
所持金:およそ金貨170枚
ミア 13歳(16歳相当) 身長 163cm→168cm D→Fカップ
スキル:
装備 :鋼の忍者刀×2 変異リザードマンの革鎧セット
所持金:およそ金貨170枚