「本当・・・?」
「ああ、ミアはもう大丈夫だ」
「もうスキル消えない?アルの足手纏いにならない?」
「元々足手纏いなんかじゃなかったよ。お前が傍に居てくれたから俺は頑張れたんだ」
ミアの目尻に涙が溜まる
「ふぇ・・・ふぇぇぇぇぇぇぇぇん」
彼女が俺の胸に飛び込んできた
「よかった・・・よかったよぉ・・・これで本当に・・・私はアルのパートナーに戻れた・・・」
「ああ、お前は最高の相棒だよ」
冒険者としても恋人としてもな
「ぐすっ・・・本当に変な魔法だった」
「そうだなぁ・・・」
ガルバート兄との決闘の後、俺はシルバート兄と一緒に王立図書館へ行ってライフ・リンゲージについて調べた。ミアとガルバート兄さんには部屋の扉を破壊してしまった宿屋に弁償しに行ってもらった
二人は職務中だったが「可愛い妹の為だ」と言って騎士団の仕事を抜けてきてしまった
別に後でもよかったんだが・・・妹愛が異常だ
今は別の部屋でミアと二人きりだ
「リスク・・・というか"呪い"か、大筋はお袋の話で合ってたよ」
「うん」
「だけど3つ目の呪い、スキルが消える呪いについてはちょっと情報が足りなかったみたいだな」
ここが割と重要で複雑な所だと思うんだが
「・・・"術者が魔法を使った時に望んだこと"を対象が叶えることで一時的にスキルが戻る」
「ああ、つまりミアは・・・"俺に愛されること"を望んだ」
「私にとって愛されるとは・・・"アルの精を中で受けること"だった・・・私は・・・とんだ淫乱・・・」
ミアは頭を抱えている・・・いいじゃないか、可愛くて
「だがそれには限界があった。だからミアは段々とスキルを失っていったんだ」
望みを叶えて力が戻るという現象には限界があった。それを超えたからスキルが消えていってしまったのだ
つまり、ミアに中出しし過ぎたと言う訳だな
「そしてそれを完全に取り戻すには・・・以前よりお互いの"信頼関係"を強くすること・・・」
そうだ
「・・・意味がわからない。そんなの普通は無理に決まってる」
俺もそう思うぞ
「矛盾してる。無理矢理お互いを縛り付ける様な呪いばかりなのに以前より強い信頼関係なんて・・・芽生えるはずがない。信頼関係というのも何を判断基準にしてるのかわからない」
全くだ・・・だが
「俺はミアが弱っていく中、ミアだけを見てきた。泣いているお前をそのままにはしておけなかった。お前の笑顔を・・・もう一度見たかったんだ」
本当に死に物狂いで駆け抜けた半年だった
「私は・・・アルが私の為にずっと頑張っている姿を見てきた。もう、"アルが私を捨てること"も、"他の女の子に目を向けること"も無いと確信できた」
だから・・・
「私の力は返ってきた」
以前よりも俺とミアの愛と信頼は深まったということなのだろう
ミアはまた眼に涙を溜める
「アル・・・私を捨てないでくれてありがとう。迷惑ばかりかけてごめんなさい。それでも私だけを見てくれるあなたが・・・大好きです」
「当たり前のことだ。俺がお前をだけを見るのも愛するのも・・・俺がそうしたいからしたことだ。呪いなんて関係ない。これが、俺の想いだ」
ミアが唯々愛おしい。他のことなんて一切目に入らなかった
「ありがとう・・・アル・・・大好き」
ミアは綺麗な笑みを見せてくれる
ああ、この笑顔だ・・・
この笑顔を・・・もう一度、俺に向けて欲しかったんだ。
堪らなくなってキスをする
「あっ・・・・ん・・・・ちゅ。アル・・・」
「すまない、愛おしくて我慢できなかった」
「いいの・・・アル・・・今日は・・・優しく愛して・・・」
「ああ、今日は俺もそんな気分だよ」
夜が明けるまでお互いをゆっくりと求め合った
「魔法を開発した人の情報はなかった?」
行為を終えてお互いを抱きしめているとミアが聞いてくる
「ああ、流石にそこまではなかったな」
「そう・・・他の呪いについては?」
「他の呪いについては・・・解呪する術は今の所見つからなかったよ。すまないな」
「ううん。私はいいの・・・」
ミアが俺の胸に顔を埋める
「アル、私の所為でかなり時間を使わせちゃったけど・・・これからはいっぱい冒険しようね」
「気にするなと言ったろうが。だが・・・そうだな。今度はゆっくりと世界を見て回ろうか」
「うん」
ミアの力も戻ったし今の所はこれでいいだろう
彼女の寿命が縮んでしまったのは俺の所為だ。失われてしまった寿命の分以上にミアを幸せにできるよう頑張っていくしかないな
「二人で・・・ね」
そうだな、二人で幸せになろう
「もう行くのか・・・」
「今の王都の現状を考えると仕方ないよね・・・」
「ああ、何時までもミアに不自由な思いはさせたくないからな」
「お兄様方、お世話になりました」
翌日、王都を出る前に兄二人に挨拶に来た
「くっ!ミアよ、アルのことが嫌になったらお兄ちゃんが守ってやるからな!その時は騎士団でもなんでも辞めて屋敷に帰ろう!」
ガルバート兄・・・
「僕は二人を応援するよ。アル、しっかりミアを守るんだよ!」
シルバート兄・・・ありがとうな
「俺だって応援はしている・・・しかし・・・アルバート!絶対にミアを傷つけるんじゃないぞ!絶対だぞ!」
わかってるよ
「ガルバートお兄様、アルバートは大丈夫です。私の・・・恋人ですから・・・」
ミアが頬を染めながら言ってくれる・・・なんて可愛いんだ・・・
「くぅぅ!羨ましいぞ!」
あんた恋人いるんだろが!
「妹に勝る恋人なんぞいるわけがないだろう」
ええ・・・
「まぁいい。二人とも気を付けてな」
「ああ、ありがとう。兄さん」
「お世話になりました」
二人で王都の城下町を出た
「アル・・・アルと私のお兄ちゃん達は・・・やっぱりとてもいい人」
「そうだな、何時か家族全員で集まれたらいいな」
「うん!」
今日も俺はミアの手を引いて旅をする。だが、これからは急ぐこともない気ままな旅だ。
彼女には今まで本当に辛い思いばかりさせてしまってきた
「ミア、幸せにしてやるぞ」
自分の中で目的を再確認する為にももう一度ミアに告げる
「アル、私があなたを幸せにする」
ミアが笑顔で応えてくれる
愛しい少女が隣で笑ってくれている、これ以上の幸せはなかなか見つからなそうだけどな。
アルバート・ディレス 14歳(17歳相当) 身長 177cm
スキル:刀剣術:8 火魔法:4 雷魔法:5 治癒魔法:4
装備 :上質な鋼の刀 変異リザードマンの革鎧セット
所持金:およそ金貨130枚
ミア 14歳(17歳相当) 身長 168cm Fカップ
スキル:刀剣術:5 風魔法:6 氷魔法:5 治癒魔法:5 弓術:2
装備 :鋼の忍者刀×2 カーボンの合成弓 変異リザードマンの革鎧セット
所持金:およそ金貨150枚
ライフ・リンゲージの呪いについて
寿命が減る・命を共有する・スキルを失う・・・これはこの魔法を作った人が魔法の成功率を上げるため仕方なく意図的に盛り込んだ制約です。スキルを失う点についてだけ救済方法があったのはお互いの想いを確認する為です。蘇らせた人がこのような制約をかけられても今まで以上に自分を愛してくれるのか・・・自分は相手のことを愛することができるのか・・自分の望んだ形で愛してくれるのか・・・それを何時でも確認する為のものでした