※この作品はR-18です。

没落貴族の三男坊が冒険者になった訳   作:フリーデン

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久しぶりの更新です




関係の変化

「あれが鉱山都市カルツか」

 

眼下に広がる谷の先、埃っぽい視界の奥に大きな街が広がっていた。ミルスティンを出て最初に訪れる予定だった鉱山都市カルツの手前まで、ようやくたどり着くことが出来たのだ。

 

カッシーナでの山賊退治から2か月、色々な依頼を受けて金策をしながらの旅だった為かなり時間がかかってしまった。

 

「ん・・・」

 

乾いた風が俺と隣にいる彼女に吹き付ける。すると彼女が被っていた風よけのフードが外れ、見慣れた犬耳がぴょこんっと顔を出した。

 

「ミア、もう少しだからな」

 

彼女を軽く抱きしめる。

 

「アル、突然なに?」

 

俺の恋人兼相棒である獣人のミアが、俺の言葉と行動の意図がわからなかったのか素直に聞き直してくる。

 

「お前には随分と我慢をさせてしまったからな」

 

最寄りの街からカルツまでは随分と距離があった。その間はずっと野営をしていたから彼女にはかなり不満があったはずだ。

 

「・・・! 」

 

ミアは俺の言葉の意図がわかったのか納得したという表情をしながら言葉を返してくる。

 

「・・・気にしないで、私はアルの傍に居られればそれだけで幸せだから」

 

なんていい子なんだ!

 

「そうか、ありがとうな」

 

ミアを離して頭を撫でる。

 

「ん・・・」

 

彼女は気持ちよさそうにしながら口を開く。

 

「それに、そんなに不満なんてない。毎晩・・・していた」

 

ん?最後の辺りが良く聞こえなかったが"毎晩"?

 

「俺が寝た後にでも食べていたのか?」

 

そんなに日持ちする甘味なんてあっただろうか。

 

ミアは甘いものが大好きだ。俺が知っている限り既製品で長持ちする甘味なんてないはずだ。だから街にでも居なければ食べることもできないと思ったんだが・・・

 

「食べる・・・?」

 

ミアは首をかしげていたが、突然顔を赤くして俺の胸をぽかぽかと叩いてきた。

 

「アルのえっち・・・起きてたの?」

 

・・・何故えっちなどと言われなければいけないのかわからんが、俺が寝た後に甘味を食べていたらしい。

 

「欲張りさんだな」

 

俺が寝た後にこっそり食べるなんて可愛い奴だ。俺に気を使ったのか俺が欲しがった場合に自分の分が少なくなるのが嫌だったのか・・・どちらにせよミアから取り上げてまで欲しいと思う程、俺は甘いものは好きではないのだが。

 

「・・・だって・・・寂しくて・・・」

 

口が寂しかったのか

 

「もう少しで街だからな」

 

遅くとも夕方には着くだろう

 

「・・・うん・・・カルツに着いたら・・・いっぱい・・・」

 

ああ、そうだな

 

 

「甘い物を食べような」「えっち・・・しよ」

 

・・・

 

ん?

 

何故突然えっちの話になったんだ?

 

「???」

 

ミアは何故甘い物の話になったんだ?という顔をしている。

 

「・・・俺は長旅のせいでミアの大好きな甘い物が食べられないことを申し訳ないと思っていたんだが・・・」

 

彼女は俺の言葉を聞くと顔を真っ赤にして蹲ってしまった。

 

「!!!~~~っ」

 

声にならない悲鳴まであげている。

 

「何と勘違いしていたんだ?」

 

まぁ、なんとなくわかったが

 

「・・・忘れて」

 

ミアは震えながら言葉を返してくる。・・・面白いのでちょっとからかってみよう。

 

「なぁ、毎晩"ナニ"を食べていたんだ?」

 

「・・・やめて」

 

俺は全く気付いていなかったが彼女は恐らく・・・

 

なにせ旅をしながら出現するモンスターとの戦いや、毎日欠かさず行っている刀剣術の訓練、魔法の訓練もある。ミアを抱いて見張りの交代以外の時間はすっかり意識を飛ばしてしまっていたのだ。

 

「・・・ミア、俺が言うのもなんだが性欲が強すぎないか?俺の記憶が正しければ見張りをする前に3度くらいはえっちしていたはずだ。毎日な」

 

俺が果てる回数よりミアがイク回数は倍近く多いはずだ。だが彼女にはそれでも足りなかったのだろう

 

「・・・違うの・・・」

 

ミアはどんどん小さくなっていく。調子が出てきたので少し演技してみよう。

 

俺は少し怒ったように問い詰める。

 

「俺が寝てるとき、口奉仕をしていたのか?」

 

「・・・」

 

ミアは怒られていると感じたのか俯いたまま小さく頷く。可愛い奴め

 

「口奉仕だけか?」

 

ミアは少し戸惑いながらも首を横に振った。・・・どうやらそれ以上のこともしていたらしい。

 

「寝ている俺に跨ったりも?」

 

ミアは本当に小さく頷いた。淫乱にも程があるな・・・

 

「毎日か?」

 

「・・・ごめんなさい・・・」

 

ふむ・・・

 

「ミア」

 

名前を呼ぶと彼女はビクっと反応した。

 

「さっさとカルツに行くぞ」

 

できるだけ抑揚のない声でそう告げ、歩き出す。俺もなかなか演技がうまくなったもんだ。

 

「・・・あっ・・・アル・・・待って・・・」

 

いそいそとミアが立ち上がって俺の横に来る。あぁ、すぐにでも抱きしめたいがもうちょっと我慢しよう。

 

「・・・怒ってる・・・?」

 

ミアは俺の顔色を伺う様に小さな声で聞いてくる。俺がミアに怒ったことなんて数えるくらいしかないからな。俺はミアを怒らせてばかりだが・・・

 

「いや、お前を満足させてやれてなかったと思うと自分が情けなくてな。すまない」

 

彼女は・・・俺との行為自体には満足しているはずだ。だがミルスティンや旅の途中で立ち寄った街に居る時は一晩中彼女を抱いていることだってあった。それと比べると確かに回数は減っている。

 

なにせ見た目17歳くらいに見えても実年齢は14歳の俺達だ。好きな異性が傍に居れば際限なく求めてしまうものだろう。彼女の行動は愛故のものだと思えば俺的にはとても嬉しいことだ。

 

「!!ッ 違うの!アル・・・満足してない訳ない・・・」

 

だがいつもクールな彼女が慌てる所を見るのも俺の楽しみだったりする。

 

「・・・」

 

「アル・・・私はアルとの行為に不満何てない・・・ただ街に居た時と比べて甘えられる時間が少なくて・・・だから・・・」

 

俺の腕を掴んで必死に訴えかけてくるミアが可愛くて仕方ない。

 

「そうか・・・」

 

彼女がここまで必死に言葉を紡ぐことは珍しい、その様が可愛くて仕方がない。もうちょっとだけつれない態度をとってみようか・・・

 

「アル・・・」

 

ミアは立ち止まると、目尻にじわっと涙を溜めて縋る様な眼でこちらを見つめてきた。いかん、泣かせてしまった!

 

俺は慌ててミアに駆け寄り、抱きしめて謝る

 

「ああ!泣かないでくれ!冗談だ!俺が悪かった!そんなことくらいで俺が怒るわけ無いだろう?」

 

「ひぅっ・・・でっでも・・・アル・・・怒ってて・・・」

 

ぐすぐすと泣きながらもひしっと抱き着いてくるミアが愛おしくて仕方がないが、罪悪感で潰れてしまいそうだ!

 

「ミア、すまない・・・慌てるお前が可愛くてな、つい調子に乗ってしまった。街に着いたらお前の望む通り、気絶するまで可愛がってやるから許してくれ!」

 

ミアが泣いて赤くなった目を擦りながら上目遣いで俺を見据える。そんな可愛い仕草をされたら俺はもうお手上げだ・・・

 

「ほんとう?」

 

「ああ、ほんとうだ」

 

「一晩中可愛がってくれる?」

 

「ああ、一晩中お前を離さないぞ」

 

「・・・甘い物も食べていい?」

 

「ああ、好きなだけ食べろ。俺の奢りだ」

 

「アル、本当に怒ってない?」

 

「怒ってないぞ。お前は怒られるようなことなんかしてないじゃないか」

 

俺の恋人はちょっと性欲が強いだけだ。

 

「・・・そう、なら早くカルツに行く」

 

ミアはすっと俺から離れるとすたすたと歩き始めてしまった。

 

「・・・ミア?」

 

おかしい、何時もならこのまま甘えてくるはずなんだが・・・

 

「アル、人をからかうのはアルの専売特許じゃない」

 

なに?

 

見るとさっきまで泣いていたはずのミアは珍しく意地の悪そうな顔をしていた。まさか・・・

 

「アルの奢りで食べる甘いものは美味しい」

 

やられた・・・まさかのウソ泣きだと?

 

「アルは私の涙と上目遣いに弱い」

 

その通りだが・・・

 

「それにそんなことくらいでアルが怒るはずがない。それくらいわかってる」

 

どうやら俺の演技は全てバレていたらしい。

 

「たまには私がアルをからかってもいい」

 

確かにそうだ・・・だがこのままやられっぱなしなのは性に合わん。

 

「毎晩寝ている俺に跨っていたのは本当なんだろ?」

 

ミアはちょっとバツが悪そうな顔をしながら頷く。

 

「そんなに俺としたかったのか?」

 

「・・・否定はしない」

 

「エロ狼」

 

「・・・うるさい。」

 

「見張りの役目を放って恋人を使った自慰とはなかなかに豪胆だ」

 

まぁ実を言うと俺も見張りで暇なとき、寝ているミアの体に悪戯したりしてるんだが

 

「・・・アルだって寝ている私の胸に顔を埋めたり・・・入れたりしてた」

 

何!?バレていたのか!

 

「・・・起きてたのか」

 

「・・・あんなおっきいおちんちんを入れられて起きないはずがない」

 

くそっ!でかいだけで役に立たん愚息め!だがここで引き下がる訳にはいくまい!

 

「・・・何か文句でもあるのか?」

 

ここは強気の姿勢で立ち向かおう。

 

「・・・アルだってしてたくせに私を責めるのはおかしい」

 

正論だ、正論だが屈したくない。

 

「毎晩盛ってた癖に偉そうだな」

 

「頻度は問題じゃない」

 

「エロ狼め」

 

「・・・早漏の癖に偉そう」

 

密かに俺が気にしていることを!

 

2人で睨み合う

 

「なんだと?」「なに?」

 

示し合わせたかのようにお互い刀を抜いて距離を取る。

 

「ミア、なんでもありだ」「アル、何でもありで決着をつける」

 

・・・今回はおふざけみたいなものだが、俺とミアは彼女が力を取り戻して以降、お互いの意見が食い違うと昔の様に俺かミアのどちらかが折れるのではなく力比べをしたりなんらかの勝負を行い、勝った側の意見を取り入れる様になった。

 

一見すると仲が悪くなったように見えるかもしれないがそうじゃない。相手の意志を尊重することも大切だが、時には自分の主張を貫き通すことも大切だと気付いたからだ。それでこそ本当の相棒と言える・・・のではないかと俺とミアは考えている。

 

そして俺とミアは、接近戦ではほぼ間違いなく俺が勝つが、魔法の撃ち合いや距離をとった戦い、遮蔽物を利用しての奇襲などは魔力や身体能力に分がある彼女の方が圧倒的に有利だ。

 

ちなみにここまでの旅で行ってきた決闘で、通算成績は五分五分だ。

 

「俺が勝ったらミアのことはしばらく"エロ狼"と呼ばせてもらう」

 

「絶対嫌・・・私が勝ったらアルは今日のことを謝ってもらう。ついでにしばらく"早漏"って呼ぶ」

 

言ってくれたな・・・

 

「吐いた唾は飲み込めんぞ!」

 

「お互い様!」

 

お互いのプライドをかけた戦いの火蓋が切って落とされた。

 

 




アルバート・ディレス 14歳(17歳相当) 身長 177cm→178cm
スキル:刀剣術:8 火魔法:4→5 雷魔法:5 治癒魔法:4
装備 :上質な鋼の刀 変異リザードマンの革鎧セット
所持金:およそ金貨120枚

ミア 14歳(17歳相当) 身長 168cm Fカップ   
スキル:刀剣術:5 風魔法:6 氷魔法:5 治癒魔法:5 弓術:3→4
装備 :鋼の忍者刀×2 カーボンの合成弓 変異リザードマンの革鎧セット
所持金:およそ金貨270枚

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