「それじゃ行こうか」
「はい!」
「アル、手早く済まそう」
ミアは俺の近くに他の女の子がいることが気にくわないようだ
あぁ、なんてお前はかわいいんだ。
3人で森を探索しながら薬草を探す
「え!?それじゃアルさんとミアさんってA級冒険者様だったんですか!?」
言ってなかったっけ
「そう」
「ふわぁ~私はなんて恐ろしいことを・・・新人の私がA級冒険者様をパーティーに誘ってしまうだなんて・・・」
「別にいい、アルが決めたこと」
「そうそう、何も災害級のモンスターを倒そうって訳じゃないんだ。ランクなんて関係ないさ。それよりミミカ、あそこにまとまって生えているのが探している薬草だよ」
沈んでいたミミカがパッと表情を明るくして俺の指さした方向へ駆けていき、夢中になって薬草を摘まんでいる。
ふむ、あれだけあったら採取するにも時間がかかるだろう。
ミアは周りを警戒し、鋭い眼差しで辺りを見回す。かわいいから悪戯しよう
「やめて」
ミアの尻を撫でる
「ミミカに見られる」
大丈夫さ
「私たちも手伝うべき」
もう少ししたらそうしよう
「んん!?・・・ぷはぁ。」
唇を奪う
「・・・何を考えているの?」
怒っているようにみえるが、目はとろんっとしている
「お前のことが愛おしくてな」
「・・・ばか」
何事もなかったかのようにミミカのほうへ向かうと、彼女は顔を真っ赤にしていた。どうやら見られてしまったようだ。
隣からもの凄い殺気を感じるが仕方ない。俺は自分に心に従ったまでだ、悔いなどない
このあと、無茶苦茶殴られた。
形の変わった顔を手早く治癒魔法で治していく。うむ、これでいつも通りの男前だ。
俺達は薬草の採取を終え、今はミルスティンへの帰り道だ。
「わぁ!アルさん治癒魔法使えるんですね!あんなに腫れあがってたのにもうちっともわかりません!」
随分無茶して鍛えたからなぁ
「だから遠慮せず殴った」
俺が褒められたのになぜかミアが嬉しそうだ
「そういえば治癒魔法って使える奴少ないんだっけか」
「・・・治癒魔法に限らず、魔法自体使える人は極端に少ない。"刀剣術"や"大剣術"と違って、才能がなければ習得すらできない。習得できても戦闘で使えるレベルになる人なんて、私達以外でほとんど見たことがない」
魔法というのは、自分の"魔力"を適性のある属性に変換し、それを燃料に様々な現象を引き起こす技術のことを指す。
魔法には属性がある。属性は全部で火・水・風・土・氷・雷・治癒の7種類だ。
唯でさえ魔法を使える人は少ないというのに、氷・雷・治癒の3つは更に希少属性と言われている。
俺なら、火・雷・治癒 ミアなら、風、氷、治癒が適性のある属性だ。
そして魔法のレベルとは、"魔力を適性のある属性に変換する速度" "現象として引きおこす力の強さ"の2点で決まる。
ちなみにどうやって"刀剣術"や"~魔法"のような、発現しているスキルやスキルのレベルを確認しているのかというと、方法は2種類ある。
まず、自分の持っているスキルは何時でも確認できる。頭の中で"スキルリスト"と唱えることで、所持しているスキルの一覧が脳裏に浮かび上がるのだ。これはこの世界で生きている人間はみんなできる・・・はずだ。例外は何のスキルも持っていない人だけだろう。
もう1つは、古代遺跡から発掘された特殊な魔道具によって確認することができる。こちらは複製が進んでいて、各ギルドや町、村などにも国が最低1つは配布している。
この魔道具に調べたい人間の血を垂らすことで、何のスキルを持っているのかわかるのだ。
なので、ギルドは定期的に冒険者に対して血の提供を義務付けている。その結果と依頼の実績を元に、冒険者ランクを決めているわけだ。
自主的な報告だけではいくらでも嘘が言えてしまうからな。
はっきり言うが、俺とミアは10年に一人の天才だと言っていいレベルだ。
俺は雷魔法、ミアは氷魔法を生まれた時から持っていたし、後天的にいくつかの魔法属性を取得することもできた。
「魔法かぁ・・・いいなぁ。私の村では魔法なんて使える人がいなかったですし、スキルリストにはどの属性も適正はなかったんですよね・・・」
む、それはもったいない。スキルリストで魔法属性が確認できなかったからと言って、魔法が使える可能性が0だという訳ではない
リストに出てきていない魔法属性を、無理やりだが覚醒させる方法があるのだ。
「俺らが持っている魔法属性に限られるけど、調べてあげようか?勿論、サービスだ」
「また簡単に言う・・・」
ミアが呆れたようにため息をつく
「それで商売している魔法使いだっている」
俺らは魔法使いじゃないし
「少しの間でも一緒にいたんだ。仲間みたいなものだろう」
それくらいは手助けしてあげてもいい
「いいんですか!?不都合がなければ是非お願いしたいです!」
「それじゃ、いくよ」
「はい!」
手をミミカの頭に乗せ、俺は体の中で自分の魔力を"火属性"へと練り上げる。
練り上げた魔力をゆっくりミミカに流し込むように操作する。
「あ、なんだかぽかぽかします!」
火属性だからな
同じ要領で今度は雷属性の魔力を流し込む
「うひゃ!今度はちょっと痺れます・・・」
雷だし
最後に治癒の魔力を流し込む
「あれ、なんだか火属性に似てますね、ぽかぽかします・・・なんだか心が落ち着いてきますね・・・」
その様子を詰まらなそうに見ていたミアが、今度は自分がやると言ってミミカの頭から俺の手を振り払う。・・・あれだけで嫉妬したのか。かわいい奴め
「あぅぅぅぅぅみ、みぁさんんん さむぃですぅ!」
どうやら氷属性の魔力を流し込んだようだ・・・流し込みすぎだ、凍えているぞ!
「これは・・・風・・ですかね?なんとなくわかる気がします」
おや、これは当たりか?
「さて、これで終わりだ。スキルを確認してみるといい」
「わかりました!」
ミミカが目を瞑って意識を集中している
「刀剣術1・・・風魔法1・・・って風魔法!?」
どうやら風属性に適性があったようだ
「ありがとうございます!ほんとにありがとうございます!まさかほんとに習得できるとは思っていませんでした!」
正直、俺も習得できるとは思っていなかった。
魔法に適性がある人間はそれだけ少ないのだ。
「・・・適性があったからといって、今すぐ何かできる訳じゃない。まともに使える様になるのは時間がかかる」
ミア先生がありがたいお話をしてくれる
「さっき感じた魔力を今度は自分で練れるように練習。魔力がどんなものか、もうわかったはず」
「はい!わかりました!ミア師匠!」
どうやらミアに弟子ができたようだ
「恥ずかしいからやめて」
ぶっきらぼうに言うミア・・・顔が赤いから照れてるだけだな。可愛いやつめ