ちなみに強化合宿中にエロシーンがあります(ネタバレ)
人生2回目のエロシーンで戦々恐々なう
魔王と勇者の強化合宿①
「らぁ──ッッ!!」
「シィ──ッッ!!」
轟音と共に俺とティアマトが交錯する。俺の持つ東和刀とティアマトが持つ異形の剣──
「《
俺は《
だというのに──、
「遅いわよ、ミナト」
俺が繰り出した10の斬撃。それは同時に10回の攻撃を繰り出したと思われてもおかしくないほどの速度だというのに、彼女はそのすべてを漏らさずに弾き飛ばす。
神竜腕剣は武器のカテゴラズ的には大剣に入り、威力を重視しすぎるがあまり、通常であるなら両腕でしか振るえないほどの重量を誇っている武器であるはずだ。だというのに彼女はそれを片腕で振るい、そのすべてを弾き飛ばす。5倍の早さで動いている俺を相手に、だ。
「その程度の早さじゃ止まって見えるわ」
「
──《
ティアマトの輪郭に隣接するぐらいのぎりぎりの空間の時間を停止させる。そして更に《時間加速》を積む。これでニュクスが言っていた最低限のライン──10倍にまで己の固有時間を引き伸ばした。
そんなことをすれば俺もただでは済まず、現に俺の頭は内部から直接殴り付けられているような痛みを感じるが、闇属性の魔力を体内に流し込んで神経の働きを鈍化させた上で《激痛耐性》によって無理やり戦闘が行えるポテンシャルに持っていく。
──《黒神宝玉》
俺は闇属性の
これの正体は超重力のエネルギー機雷。《闇球》の4分の1ほどの大きさ──大体の大きさは野球ボール位のものだが、そこに込められた質量は最大のもので10トンにも及ぶ。空間を抉り取ったりする魔法は私がしっかりと教えるとニュクスが言って聞かなかったので、今のところ俺の全力戦闘スタイルは時間の加速と遅延、停止を利用することによって戦闘における速度の主導権を握り、重力という純粋な質量の塊で押し潰すというスピードとパワーを両立したスタイルだ。
俺は凍結した時間と等速で動く時間の境界線に《黒神宝玉》を添えると、《時間停止》を解除。前に進もうとする《黒死宝玉》を阻むものがなくなったことによって、それはティアマトに向かって突き進む。
それが一気に爆砕。
純粋な質量の爆弾が次々と弾け飛び、それは衝撃波となって、ティアマトが立つ大地を余波で粉砕していく。着弾までのタイムラグはほとんど存在せず、ティアマトから見れば気づけば魔法が展開され襲いかかってきたように見えるだろう。
いくら《不死》だとはいえ、この爆撃を受けて無事でいられる道理はない。死んではいないものの、彼女は血の池に沈んでいることだろう。いくら魔王とはいえ時間に干渉する力を持っていなければ、時間に干渉する魔法を持ったものに好き放題やられるのだ。
だからこそ──、
「な………………っ!」
爆撃の中心地にて悠然と佇むティアマトに驚愕せざるを得なかった。
まさか、あの距離で回避したのか。否、それはあり得ない。もしそうなら俺の背後に回り込むなりして、俺の首を全力で獲りに来ているはずだ。
ならば、どうして──!
「なんで私が立てているのかわからないって顔ね。いいわ、これはあくまでも模擬戦だから教えてあげる。あんたが作り出した《黒神宝玉》にはムラがあった。あんたは球に込められるだけの質量を込めたはずだったけど、実際に込められていたのは精々5個くらいで、ほとんどが最大容量の半分くらいだった。なら──わざわざ全部避けてやる必要なんかない。避けなくてもちょっと痛いくらいで大したダメージにはならないから、本命さえ潰せばいいってことね。
それでも時間停止+360度全方位からの飽和攻撃っていう発想自体は悪くないわ。ニュクスに鍛えてもらってムラをなくせば、
「サンキュ」
そう言うティアマトからは血の煙が立ち上っている。だが、それはすぐになくなり彼女のいう通り大したダメージにもなっていないことは明白だ。本命を潰したのであろう、両腕は未だに血煙が立ち上っていたが、彼女は再び神竜腕剣を握る。
「今度はこっちからいくわよ」
ティアマトは大地を蹴り砕き、矢のごとく疾駆する。
それはもはや前進というよりは突進という有り様だ。だが、素直に距離を詰めさせる気は俺にも毛頭ない。
「《黒神宝玉》──!」
今度はムラを作るなんて間抜けた真似はしない。懇切丁寧に、しかし速度を追求して作り出した《黒神宝玉》の数は3個。それ連続で射出する。
「小賢しい──ッッ!」
だがそれをティアマトは剣を振るい、腕で弾き飛ばしたりしてそれをひとつ残らず打ち落としていく。だがそれは俺も折り込み済みだった。たとえニュクスと同じ
だからこれは時間稼ぎだ。本命は──、
「《
東和刀に超重力を纏わせる。
それはまさしく蛇のようにうねり、ティアマトを滅多打ちにする。それは刀ではあるものの、どちらかと言えば鞭のような軌道で襲いかかるために、軌道が読みにくく鬱陶しいことこの上ない。そのうえ《闇纏武装》も同時に発動しているので、攻撃力も増加している。
普通の敵なら《黒神宝玉》も合わせて5回死んでもお釣りが来るほどだが──俺が戦っている敵は初代魔王。生憎、普通の敵などではない。
「いい攻撃じゃないの、ミナト──!」
彼女は遅々として、しかし確実に前進する。神竜腕剣で1回1回の攻撃を確実に弾き、その衝撃で徐々に俺の腕にダメージを蓄積させながら。
全身に痺れが走る。彼女の戦闘経験と武の最果てにある特殊技術、それによって俺の受けきれない衝撃が蓄積して──、
「フッ──!!」
俺の身体が地面から引っこ抜ける。《黒刀・大蛇》が跳ね上げられ、身体ががら空きになってしまう。
それは僅か数ミリ程度であったが、されど数ミリ。数ミリの保有などコンマ1秒もあれば着地でき、そこから体勢を立て直すことも容易だろう。《時間加速》で10倍の早さで動いているのだから、実際はそれよりも遥かに早く。だがそれは俺達の戦闘においては致命的な隙だ。
それだけあればティアマトも俺も、10メートルほどの距離など容易に詰めることができる。
大地が蹴り砕かれる。
爆発音にも似た爆音が彼女の足元から響き、俺との距離を瞬時に詰めてくる。
俺は《闇纏武装》を俺の体を包むようにして発動しているため、並みの
「ラァ──!!」
彼女の切り上げが俺の身体を深く切り裂いた。視界の先にあったのは自分の血液と、天空に昇る白い雷だ。それが打ち上げられた大気が摩擦によって白く発火したものだということはすぐに気がついた。
──どれだけ馬鹿げた膂力だよ……。
俺は為す術もない究極の暴力に屈し、意識を手放したのだった。
──目覚めたときにまず感じたのは、後頭部に存在する温かく柔らかな感触だった。しかしそれは全身にあるわけではなく、首から下はやや冷たささえ感じさせるもの。
瞼を開ける。
そこにあったのは空を満たす無数の星ではなかった。
柔らかそうなふたつのエベレストにして、男のロマンスの塊。そう、おっぱいである。
「目が覚めましたか? ミナト」
やはりというべきか、俺の視界をおっぱいでまるごと閉ざしていたのはニュクスであった。ティアマトはどちらかと言えば美乳に属するおっぱいのため、ニュクスほどの大きさはない。だからこそ俺とニュクス、ティアマトしかいないこの状況においてはニュクスしかあり得ないのだが……、
「なんで俺、膝枕されてんの?」
「私がしたかったからです。……嫌でしたか?」
「いや、嫌ではないんだけど」
この人肌の温かさと、むっちりとした太ももは今まで味わってきた枕の中でも最高のものだというのは自明の理だ。下は柔らかな太もも、上は大きなマシュマロのようなおっぱい。男の極楽浄土はここにあったのだ。
しかもこれが今は俺しか味わえないものなんだと思うと、それだけで優越感が混み上がってくる。
「はいはい、いちゃつきはそれぐらいにしなさい。ニュクスに頼めばいくらだって膝枕なんてしてくれるんだから」
「…………ティマアトか。俺、どんぐらい寝てた?」
「ざっと10分弱ね」
意識が喪失する前の記憶が徐々に蘇ってくる。彼女の太刀によって、ほぼ身体が一刀両断されかかったんだった。その際に所々が燃えていたような気がするんだが──。
ニュクスの膝枕から起き上がり、黒の戦闘衣を捲り上げてみる。やはりそこにはティアマトから受けた傷など存在せず、目にかかるほどの黒髪だって燃えた形跡など微塵も感じさせない。やはり《不死》と《
「というか服まで再生してるんだが……?」
「それはニュクスが対象の時間を巻き戻す魔法を使ったからね」
「…………本当に強いよな、時間操作って」
反則だろとは漫画やライトノベルなんかで時間操作を扱うキャラが出てくる度に思ってきたが、実際に体験し、使ってみてからその反則具合を更に実感している気がする。あれだけ苦戦するだろうと思っていた陸堂相手にもあれだけ一方的に叩き潰せるんだから。……まぁ、それを使っても倒せないであろう人が俺の目の前に2人程いるんだが。
「まぁ、雑談はここまでにして反省会といきましょうか。ニュクス、あれ出して」
「えぇ。わかってます」
ニュクスの《収納》から取り出されたのは、キナ臭い占い師なんかが使ってそうな水晶玉だ。だが別にキナ臭いものなどではなく、それなりの値が張った高級品──その名も記憶水晶である。
記憶水晶なんて仰々しい名前が付いてはいるが、これは地球でいうところのカメラのようなものだ。電気の代わりに魔力で動くこれをニュクスには俺達からは離れたところで使ってもらい、先程の戦闘の様子を記録してもらっていた。部活で試合の様子をビデオカメラなんかに収めることがあったと思うが、それと同じようなことだ。
あれは自分の様子を客観的に見ることによって、そのとき自分がどうするべきだったのかが非常に分かりやすいため、良い試みだと思う。
映像が空中に映し出される。
そこには当たり前だが、俺とティアマトの様子が映し出された。幾度もぶつかる剣と刀。衝撃波の音がひどくやかましいため、ニュクスが音声を下げる。
そこから俺が一気に加速する。《時間加速》を使ったからだろう。そしてその動きにティアマトも易々とついていき、俺を圧倒している。
「うわぁ…………こうして見ると全然駄目だな。身体が後ろに流れてるじゃねぇか」
「まぁ、《武神》があるとはいえ戦闘で一番ものを言うのって経験だしね。あえて《
「それでもマシなのかよ…………」
「私は何百年も戦い続けてきたの。そんな私がまだ戦い始めて一週間の赤ん坊に負けるわけがないでしょ。年季が違うのよ、年季が」
本当に最初、ティマアトと戦って勝てたのはまぐれだったんだなと再認識。
画面の中の俺は静止したティアマトの周囲に《黒神宝玉》を400個程展開。それを360度全方位から爆撃するが──ティアマトはそれを意に介さない。いくつもの《黒神宝玉》を受けながらも、平気な顔をしてちゃんと魔力を込めることができていたものだけを剣と拳で打ち落としていく。
「……あの《勇者》の時にも使っていましたが、ゼロ距離からの全方位飽和攻撃はかなり有効ですよ。そこに《時間停止》も合わさっていますから、相手は為す術もありません」
「本当、ここは上手だった。使ったのも攻撃に特化した《闇属性》だから並みの魔族──それどころか
「ティアマトは初代魔王の中でも継戦能力は随一でしたからね。あれだけの爆撃を無視して戦えるのは彼女くらいのものですよ。普通の魔王であっても対処できずに倒せるか、致命傷を負わせることができるのが普通です」
わぁお……すげぇべた褒め。
しかし、そこにあるのはニュクスの特殊技術のお陰だ。もし彼女と契約したことによってもたらされる魔力容量の超大幅増加がなければこんな魔法なんて発動すらできない。しかも現状では発動できたとしてもまともに使いこなせないという有り様だ。事実、まともにあの《黒神宝玉》による包囲爆撃を発動できていればティアマトに冷や汗のひとつぐらい掻かせることが出来たかもしれないのに。
──特殊技術もステータスと同様により高位の特殊技術を持っているからといって強いというわけではない。
特殊技術はステータスのように振り回されるというわけではないが、使いこなせるわけではないのだ。これも運転手を例にさせてもらうが、同じゴールド免許を持っていたとしてもゴールド免許取り立ての人間と、ゴールド免許を何十年も維持し続けてきた人間ではどちらが運転が上手いかといえば──まぁ、維持し続けてきた方が上手だろう。取り立ての人間が運転の才能でも持っていれば別だが。
それと特殊技術も同じだ。
同じ《武神》を持っている俺がティアマトに好きなようにやられているように、同じ《神魔術法・闇》を有しているニュクスが容易く発動させられる魔法が俺にはまともに発動させられないように、同じ特殊技術を保持していた時に格差が生じてしまうのは、それをどれだけ使いこなしてきたかという経験の差によるものなのだ。
「それから──これ、何て言ったっけ? ニュクスの魔法じゃないわよね?」
「えぇ。構造的には《黒死の触手》に似ていますが、あれはあそこまで遠距離攻撃を行うことを前提としていませんし……それにあれは重力を集約させた鞭のようなものです。多分、即興で作り出したんだとは思いますが……ミナト、あれは?」
画面に映っているのは俺が遠距離からティアマトに遠距離から攻撃しているところだ。《黒神宝玉》を3連射したあと、東和刀に超重力を纏わせ鞭のように振るっている。
「ニュクスの言う通りあれは即興で作ったオリジナルの魔法──といってもいいのかわかんねぇけど。《黒死の触手》にちょっとアレンジを加えて、ティアマトの《海龍尾刃》のリーチとそれにはねぇ耐久性を追加したんだ。その分、攻撃力は落ちてるんだが」
《黒死の触手》は簡単にいえば、重力を集約させて作った鞭のようなもので《海龍尾刃》は刀に水を纏わせて一気に振り抜くだけの魔法だ。ただそこに纏わせた重力や水が膨大であることと、莫大なエネルギーが働いていることによって大地すら容易に切断するほどの威力を持っているわけだ。
それを放てば威力的には問題ないのだが、ティアマトは幾度とニュクスと戦った経験があるらしく、俺の放った既知の魔法では余裕で対処される。
ならば彼女が知らない魔法で攻撃する、もしくは知っていようが対処ができない魔法で攻撃するしかないのだが、後者は今の俺では非常に難易度が高い。故に自然と前者になったのだが──。
「俺のいた世界には蛇腹剣っていう現実ではほぼ実現不可能な──言ってしまえばロマンを追求した武器があったんだが、それも基盤になってる」
あれの問題は様々だったが、そのほとんどが魔法で解決することができる。
剣状態から鞭状態への移行、その逆は刃を構成しているのが自身の魔力であるために制御は簡単。強度の問題は重力の刃で構成されているために触れようとすれば触れた部分がひしゃげる。そうでなくても《闇纏武装》を発動させているので耐久性はティアマトの攻撃にも耐えられるほどにはある。
これが俺が即興で作った《黒死の触手》のアレンジ魔法──《黒刀・大蛇》だ。即興で作ったにしては中々良い出来なんじゃないだろうか。
「で、この魔法の評価はいかほどか?」
「そうですね……敏捷が低く、近距離での攻撃しかできない相手ならば攻撃させることなく倒すことが可能。魔法戦を得意とする相手にも優位に出られる。……それに、あの刃は増やすことも可能ですよね?」
「勿論だ。俺の魔力で構成されているという特性上、俺の意思通りに動く。分割して手数を増やす、魔力を更に注ぎ込むことによってリーチも伸ばすことができる。あとは物理的にあり得ない軌道で攻撃できるな」
「受けてみたからわかるけどあれって基本は打撃攻撃よね? 身体が柔らかい──例えば
俺の思った通り、ニュクスとティアマトからは中々の高評価。しかしまだまだ改善の余地ありと。最初から完璧なものが作れるとは思っていなかったし、自分ではわからないこともあったからこうして改善点を言って貰えるのは非常に助かる。やはり持つべきものは優秀な仲間だな。
「…………やっぱりミナトって筋が良いのよね。発想も悪くない──というか結構良いし。ただそれを実現するための技術と経験が足りてないだけで」
「ですね。でもそれは私達が鍛えればどうにかなることですし、大した問題ではありません。ミナト、この2日間スパルタでいきますよ」
「…………優しくしてね?」
魔王2人によるスパルタ教育。
凄まじく強くなれそうだが、凄まじく疲れそうな気がする。というか軽く死にかける気がする。事実、ティアマト戦で俺一回死んだし。《不死》がなければ死んでいたところだった。
とりあえず、俺がこの2日間ですることは以下の通りだ。
まずティアマトとするべきこと。それは単純明快。
ひたすらに殺し合う。互いに《不死》そして《超高速再生》を持っているため、死ぬことがなく、致命傷を負ったとしてもすぐに治ってしまうからこそとれる手段である。そこで勝負勘を養い、《武神》を使いこなすことを目標としている。
そして武術系特殊技術に魔法を複合して戦うという戦闘スタイルの類似から、アドバイスの大部分をティアマトが担ってくれることになっている。
そしてニュクスと行うことは非常に多い。
まずは空間に干渉するための技術を獲得すること。空間の切断といったロマンが溢れ、《闇属性》の攻撃のなかでも最強の攻撃力を誇る空間干渉は制御が非常に難しい。そのため《闇魔法》のプロフェッショナルであるニュクスが付きっきりで教えてくれることになっている。
その他にも魔法に再生阻害などの効果を付与する
そしてメインの目標であるのが俺オリジナルの魔法の開発だ。
オリジナルの魔法というのは強敵相手にも有用な武器になる。それは相手に知られていないという絶対的なアドバンテージを獲得しているためだ。
俺が使っている《
それだけ安定感はあるのだが、敵に知られているため簡単に対処が可能となってしまう。俺はしなかったが《術式干渉》という発動途中の魔法の術式に干渉し、無効化するという技術もあるらしいので、世間に知れ渡っているいうことはメリットもデメリットもあるのだ。
そこで必要なのがオリジナルの魔法だ。ニュクスは《侵食の霧》や《
そのため俺がこんなことがしたいという発想を伝えて、ニュクスからのアドバイスをもらって魔王にも通用するような魔法を作り上げてしまおうという訳である。
ティアマトとの殺し合いは体力の消費が激しいため一日に三度程度しか行わず、大部分がニュクスの魔法講座と俺のオリジナル魔法に費やされることになる。
「ふぅ…………」
俺はこれから訪れるであろうハードなスケジュールに思わずため息を吐きながら、空を見上げる。そこには地球の都心とは比べ物にならない満点の星空が──存在しない。
星も月も浮かんでいない、ただただ黒に埋め尽くされている。新月だからというわけではなく、これはニュクスが作り出した結界の中であるためだ。
結界といっても空間が隔てられているわけではない。範囲内──半径10キロメートルほどの大規模な空間だ──に《時間加速》を5倍の倍率で発動し、周囲の人間から発見されないように《
それによって夜の間──通常時間でおおよそ12時間だ──はこの疑似精神と時の間で大幅な技術向上を目指し、日中は疑似精神と時の間にいる間の食料調達兼オリジナル魔法の試射、休憩に勤しむ。
夜間は12×5で60時間──2日と半日、それを2回に渡って行うので大体5日この結界の中で過ごす計算になる。それだけの間、2人の魔王にみっちりとトレーニングしてもらうのだ。アンドリューと訓練していたときの10倍は軽く強くなれるだろう。
「よっし、頑張るか」
「その意気です」
こうして約5日間に及ぶ魔王と勇者の強化合宿が始まったのであった。
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これはハーメルンで活動してきた中でも最高記録です。皆さま、本当にありがとうございます。
これからも良ければ作者の書きたいように好き勝手やる小説をよろしくお願いします。
そんなコンセプトのため、今更ながら言っておきますが基本アンチは無視だ。さてはアンチだなオメー程度のテンションでスルーします。
この小説が好きな方は好きなだけ読んで! できたら感想もしていって! テンション上がって更新速度が上がる……かもしれない。リアルの事情があるので断言はしない。
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